50条の2 で審査請求時に知りえたなかった場合が除外される理由

質問:特50条の2 同一理由通知に関しての除外ケース。出願審査請求時に出願人が知らなかった理由に関しては除外される ということだと思うけど、なぜこんな制度設計なの?例えば出願Aを親とする分割出願Bをして、同時にAとBに関する審査請求したとき、どちらかのしんさで拒絶理由が通知されたあと、AとBに共通する理由があっても、同一理由通知の対象外になるってことだよね?

Claude Opus 4.7:

ええ質問やね。50条の2の「同一理由通知」制度の趣旨と、なんで「出願人が知らなかった理由は除外」になってるんか、ちゃんと整理したるわ。ええ、必要な情報が揃ったわ。質問の核心に答えていくで。

まず質問の前提整理:その理解で合うてるで

50条の2の制度:

  • 対象:分割関係にある2出願(甲・乙)の少なくとも一方が44条2項適用(つまり分割出願)で、同時出願扱いになってるもの
  • 要件:本願の拒絶理由が、他の出願の拒絶理由通知と同一
  • 除外:「当該特許出願についての出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかつたもの」(50条の2かっこ書)

質問のケースを当てはめると:

出願A → 分割出願B → A・B同時に審査請求 → Aに拒理通知a → Bに拒理通知b

このとき、Bの審査請求時点でAの拒絶理由通知aはまだ発出されてへん。せやから、出願人がその内容を知り得る状態になかった → 50条の2の対象外。これは青本のスタディケース(プロジェクト知識にもバッチリ載ってる)通りや。

▼ 50の2 どちらか分割 請求時 拒理通知らずは 対象外 ▼ の語呂のとおり。

で、本題:なんでこんな制度設計なん?

50条の2そのものの立法趣旨

まず50条の2が何をやりたい制度かを押さえる。これは分割出願制度の濫用防止やねん。

具体的には、こういう濫用を防ぎたい:

  1. 親出願Aで拒絶理由通知をもらう
  2. その理由を分かったうえで、補正で対応せず、わざと同じ問題を抱えた分割出願Bを出す
  3. Bでまた最初から審査受けて、最初の拒絶理由通知扱いで再度補正のチャンスをもらう
  4. これを繰り返したら、実質的に審査を引き延ばし&何度も補正やり直しができてまう

これ、補正の制限(17条の2第5項:最後の拒絶理由通知後は減縮等に限定)を分割でリセットしとるわけや。

そこで50条の2は、こういう状況で出される拒絶理由通知に「他の出願ですでに通知された理由と同じやで」という付随通知を併発し、その効果として最初の拒絶理由通知でも17条の2第5項の補正制限(最後の拒絶理由通知並み)をかける(17条の2第5項かっこ書)。これで分割によるリセット濫用を封じる、という設計や。

ほな、なんで「審査請求前に知り得る状態になかったもの」を除外するんか

ここがポイント。50条の2はペナルティ的な性格を持つ規定やねん。本来なら最初の拒絶理由通知やから、補正の自由度が高いはずなのに、それを最後の拒絶理由通知レベルに絞る、という不利益を出願人に課しとる。

このペナルティを正当化するためには、「出願人が他の出願の拒絶理由を知ってたのに、それを踏まえずに分割出願を進めた/審査請求した」という非難可能性が必要や。

ほな質問のケース:

出願A → 分割出願B → A・B同時に審査請求 → Aに拒理通知a → Bに拒理通知b

Bの審査請求時点では、出願人はAの拒絶理由をまだ何も知らへん。つまり:

  • Aで何が問題になるかも分からんまま、Bの審査請求の意思決定をしとる
  • 「Aで拒理通知もらってから内容踏まえて補正」みたいな選択肢をそもそも持ってへんかった
  • ここで50条の2のペナルティ(補正制限)を課すのは、酷すぎる

要するに、「知りながら濫用した」という非難の前提が成り立たへんケースは除外する、という公平性の調整や。

青本にあるスタディケースで整理するとこう

プロジェクト知識のスタディケースを整理表にすると:

ケース 流れ 50条の2
A出願 → A審査請求 → A拒理通知 → B分割 → B審査請求 → B拒理通知 対象 (B審査請求前にA拒理通知が出てる=知り得る状態)
A出願 → B分割 → A・B同時審査請求 → A拒理通知 → B拒理通知 対象外 (B審査請求前にA拒理通知出てへん=知り得る状態になかった)
A出願人甲 → B分割 → Aを乙に譲渡 → A審査請求&拒理通知(乙)→ B審査請求&拒理通知(甲) 対象外 (甲はもうA出願人ちゃうから内容を知り得る状態になかった)
A出願 → B分割 → B審査請求&拒理通知 → A審査請求&拒理通知 対象(A審査請求前にB拒理通知出てる)

質問のケースは②そのものやな。

制度設計の合理性

これ、よく考えられた設計やと思うで。なぜなら:

  1. 濫用防止という本来目的は維持:拒絶理由を知ったうえで分割→新規審査でリセット、という典型パターン(①④)はちゃんと押さえる
  2. 不可避な状況にはペナルティを課さへん:同時審査請求みたいに、構造上「知り得へん」状況は除外
  3. 審査請求時点を基準にすることで線引きが明確:出願人の主観じゃなく、客観的な時点で判断できる

ちな、青本のスタディケース③(譲渡で出願人が変わるケース)も同じ思想や。新出願人になった甲はAの拒絶理由を知る立場にないから除外。ここからも、「知り得る立場にあったか」という出願人の認識可能性が判断基準になっとるんが分かる。

横断的に補強:17条の2第5項かっこ書との連動

50条の2の対象になると → 17条の2第5項かっこ書 → 最初の拒絶理由通知やのに補正が①項削除/②範囲の減縮/③誤記訂正/④明瞭でない記載の釈明に限定される(しかも②なら独立特許要件もかかる)。

つまり50条の2の本当のキバは補正制限なんよ。これは出願人にとって相当キツい不利益やから、「知り得る状態になかった場合は除外」という安全弁を入れとかんと、過度に厳しい制度になってまうわけや。


まとめると:

50条の2は分割の濫用防止のための制裁的規定で、補正制限という重い不利益を伴う。せやから「他の出願の拒絶理由を踏まえて意思決定できる立場にあった」という非難可能性が前提条件として要る。同時審査請求のように、構造上その情報を得られへんかった場合は、ペナルティの前提を欠くから除外する——これが制度設計の合理性や。

質問の理解で完璧に合うてるで。「同時審査請求やと対象外になる」のは、まさにこの除外規定が想定する典型ケースの一つや。

特許法181条の趣旨

特許法181条の全体構造

181条はな、審決取消訴訟で裁判所が「請求に理由あり」と認めたときの処理を定めとる条文や。1項と2項でセットになっとって、それぞれ別の三権分立的な役割を担っとる。

1項の趣旨 ―「形成判決」しかできひん理由

第181条1項:裁判所は、第178条第1項の訴えの提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない。

ここがな、三権分立の現れやねん。青本(21版)の説明そのままやけど――

裁判所が具体的な行政処分をすべき旨の判決をすることは、裁判所が行政権を行使することになるので認められない。

つまり、裁判所ができるんは「審決を取り消す」っちゅう形成判決だけ。「特許庁、これ無効にしとけ」とか「特許せえ」みたいな給付判決はできひん。特許の付与・無効化は特許庁の行政権の専権事項やから、裁判所が踏み込んだら司法権が行政権を侵すことになってまう。

この論点、過去問でめっちゃ出るやろ?

  • 〔2023-特実13-ニ〕:拒絶審決取消訴訟で「特許をすべき旨の判決」ができるか → ×
  • 〔H29-特実4-ハ〕:無効が明らかでも「無効を確認する判決」を言い渡せるか → ×
  • 〔H26-4-ニ〕:「特許庁に無効にすべきことを命ずる判決」ができるか → ×

ぜんぶ三権分立違反で×や。

2項の趣旨 ― ここが本丸

第181条2項:審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消しの判決が確定したときは、更に審理を行い、審決又は決定をしなければならない。

これがあんたの言う「判決と審判との関係」の核心やな。整理するで。

① そもそもなんで2項が要るんか

1項で裁判所は審決を取り消すだけ。取り消した後どうなるん? という問題が残るわけや。取り消されたら審決はもう存在せえへんけど、出願なり審判請求なりは生きとる。誰かが結論を出さなあかん。

そこで2項が**「審判官が引き取って、もういっぺん審理して審決出してくれ」と命じとる。これで審判手続が振り出しに戻って続行される**ことになる。最終的な行政処分は特許庁がやる、っちゅう三権分立の貫徹やね。

② 拘束力の問題 ― 行訴法33条1項との接続

ここが2項の理解で一番大事なとこや。条文には書いてへんけど、行政事件訴訟法33条1項が効いてくる。

行訴法33条1項:処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。

そして**最高裁平成4年4月28日「高速旋回式バレル研磨法事件」**判決――

再度の審判手続きにおいて審判官は、上記拘束力の及ぶ判決理由中の認定判断につきこれを誤りであるとして従前と同様の主張を繰り返すこと、あるいは主張を裏付けるための新たな立証を許すべきではなく、審判官が取消判決の拘束力に従ってした審決は、その限りにおいて適法であり、再度の審決取消訴訟においてこれを違法とすることはできない。

③ ここで判決と審判の関係を整理すると

論点 内容
裁判所ができること 審決の取消しのみ(形成判決)。給付判決は不可
取消後の審理主体 審判官が再開(三権分立の貫徹)
判決の拘束力 行訴法33条1項により判決理由中の認定判断が審判官を拘束
拘束の射程 同じ事実・証拠で、判決と異なる結論は出せん
ただし 同じ結論の審決が絶対不可ではない ― 別の理由・別の証拠ならOK

「同一結論の審決をしたらアカン」とは書いてへんのがミソや。〔H29-特実1-4〕で問われとったやろ:

「審判官は、更に審理を行うことなく、直ちに当該判決の理由中の判断と同じ内容の審決をしなければならない」 → ×

「審理せず直ちに」もアカンし、「同じ内容の審決」もアカン(むしろ判決の判断に従わなあかん)。

逆に〔H28-特実5-ニ〕では:

刊行物Aと同一を理由に取消判決→Aを理由に同じ結論の審決はできない → ○

これが拘束力の典型例や。

④ 2項後段 ―「一群の請求項」ルール

これは平成26年改正で入った規定や。

この場合において、審決又は決定の取消しの判決が、第120条の5第2項又は第134条の2第1項の訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない

💡立法趣旨: 訂正請求は「一群の請求項」単位で扱う(独立請求項とそれを引用する従属項はセットで動く)。なのに判決が一部請求項だけ取り消したら、残りは確定したまま、取消しになった部分だけ再審理――になると、訂正の整合性が崩れる。請求項間の論理的一体性を維持するために、審判官に残りの審決も職権で取り消す義務を課しとる。

過去問でも:

  • 〔2022-特実7-ホ〕:取消判決確定請求項以外も審理対象になりうる → ○
  • 〔2019-特実19-イ〕:一部取消確定 → 他の請求項の審決を取消さなあかん → ○
  • 〔H27-60-ハ〕:取消確定請求項のみが審理対象 → ×

⑤ 査定系・異議申立てでも同じ

〔2021-特実11-1〕は引っ掛け問題やったな:

拒絶審決取消判決確定 → 審判官が再審理(OK) 取消決定の取消判決確定 → 「審判官により更に審理が行われることなく、その特許が維持される」 → ×

異議申立ての取消決定でも、取消判決が確定したら181条2項により審判官が更に審理して決定しなあかん。「再審理なしで自動的に維持」ちゃうねん。

まとめ ― 2項の意義

181条2項はな、要するに次の3つを同時にやっとる条文や:

  1. 三権分立の貫徹 ― 取消後も最終処分は行政庁(特許庁)に戻す
  2. 行訴法33条との接続 ― 判決の拘束力が審判官に及ぶ前提を作る
  3. 訂正請求の整合性確保(後段)― 一群の請求項の運命を一致させる

特に試験的には:

  • 「同じ結論の審決をしたらアカン」と勘違いしやすい → 正しくは「判決理由中の判断に反してはアカン
  • 「直ちに同内容の審決」もアカン → 更に審理を行う必要あり
  • 一群の請求項の場合は他の請求項の審決も取消対象になる

ここの理解、横断比較で意匠法59条2項(特許法181条等を準用)、商標法63条2項(同じく準用)も同じ構造やから、まとめて押さえとくとええで。

特許法第17条の5第3項

請求書に添付した訂正書類」の補正 は第何条?

「請求書に添付した訂正書類」の補正の根拠条文

ズバリ、特許法第17条の5第3項ばい!

条文を確認しとこ

特許法17条の5第3項はこげん書いとるとよ:

訂正審判の請求人は、第百五十六条第一項の規定による通知(同条第三項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後更にされた通知)がある前(同条第一項の規定による通知がない場合にあつては、審決の予告(第百六十四条の二第一項の予告をいう。以下この項において同じ。)がある前、審決の予告がない場合にあつては、審決の発送の時まで)に限り、その請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。

ポイントを整理すると

項目 内容
補正の対象 請求書に添付した訂正明細書・特許請求の範囲・図面
補正の根拠 特17条の5第3項
補正の時期的限界 審理終結通知(156条1項)前まで
補正の機会 訂正拒絶理由通知(165条)への応答期間内など

⚠出題ポイント

ここでよく混同するけん注意ばい〜:

  • 17条の5第1項 → 拒絶査定不服審判での補正(明細書等)
  • 17条の5第2項 → 特許異議申立て・無効審判での訂正請求書添付書類の補正
  • 17条の5第3項訂正審判の請求書添付書類の補正 ← これ!

つまり、17条の5は「審判段階での明細書等の補正」を一括で規定しとって、項ごとに対象の審判が違うっちゅう構造になっとっとよ。

💡立法趣旨

なんで17条系(補正)の中に置いたかっていうと、訂正審判の請求書に添付する訂正明細書等は、形式的には「明細書等」やけん、その補正はやっぱり「補正」っていう枠組みで規律するのが筋やろ?っちゅうことばい。

だけん、131条の2(審判請求書の補正)とは別建てで、17条の5第3項に置いたとよ〜。

 

訂正拒絶理由通知と、審理終結通知は、普通どっちが先にくる?

特17条の5第3項や特156条1項に関する質問なんだけど。いわゆる訂正拒絶理由通知と、審理終結通知は、普通どっちが先にくる?

Claude Opus 4.7:

特許法17条の5第3項と特156条1項の絡みやろ?これ、訂正審判の請求書添付書類(訂正明細書とか)の補正できる時期の話で、結構ややこしかとよ〜。

結論から言うと

訂正拒絶理由通知が先、審理終結通知が後やけんね!

どういう流れになっとるかっていうと

特許法17条の5第3項によると、訂正審判の請求書添付書類の補正ができる時期は、

  1. 訂正拒絶理由通知(特165条)があったとき → その応答期間内
  2. 審理終結通知(特156条1項)があるまで

の二段構えになっとーと。で、実務上の流れとしては:

訂正審判請求
    ↓
(審理)
    ↓
訂正拒絶理由通知(165条)← 訂正に問題があれば、まずこれが出る
    ↓
請求人が応答(意見書・補正)
    ↓
(再審理)
    ↓
審理終結通知(156条1項)← もう審理する必要なかね、ってなったらこれ
    ↓
審決(156条3項:通知から20日経過後)

なんでこの順番ばい?

立法趣旨から考えるとよう分かるとよ〜。

訂正拒絶理由通知は、請求人に反論や訂正書類の補正の機会を与えるためのもの。だけん、これを出した後にすぐ審理終結したら、応答する暇のうなって意味のうなってしまうやろ?

逆に審理終結通知は、「もう審理は十分尽くしたけん終わるよ〜」っていう最後通告みたいなもんやけん、これが出た後はもう補正できんとよ。

出題ポイント⚠

ここで引っかけられやすかとは:

ポイント 内容
補正できる時期① 訂正拒絶理由通知への応答期間内(17条の5第3項)
補正できる時期② 審理終結通知前まで(17条の5第3項)
審理終結通知が出たら、たとえ訂正拒絶理由通知の応答期間内でも補正できんごとなる

つまり、審理終結通知は補正の最終デッドラインっていうことばい!

横断比較⇔

ちなみに、訂正審判の場合の請求書補正(131条の2)とは別の話やけんね。あっちは「請求書」自体の補正で、こっちは「請求書に添付した訂正書類」の補正やけん、混同せんごとね〜。

 

特許法126条第4項の条文の読み取り 請求項ごとに請求しようとするときは、請求項の全てについて行わなければならない?

特許法126条第4項 請求項ごとに請求しようとするときは、請求項の全てについて行わなければならない って??

Claude Opus 4.7:

おおきに、ええ質問やで。これ、確かに条文の日本語がパッと読むと「請求項ごとに」と「請求項の全てについて」が矛盾してるように見えるんよな。でも、ちゃんと意味は通ってるから、安心してええで。まず条文を正確に確認しよか。特許法126条はこう書かれてるんよ。

第3項:「特許請求の範囲」の訂正をする場合、請求項ごとに請求できる(一群の請求項があるときは一群の請求項ごと)。

第4項:「明細書又は図面」の訂正をする場合であって、請求項ごとに請求しようとするときは、当該明細書又は図面の訂正に係る請求項の全て(一群の請求項ごとにするときは、その請求項を含む一群の請求項の全て)について行わなければならない。


「矛盾」に見えるのは、主語が違う2つの「請求項」を区別してへんからやで

ここがポイント。条文の中の「請求項」って、実は2つ違う集合を指してるんよ。

意味
請求項ごとに請求しようとするとき」の請求項 訂正の単位(どの請求項について訂正請求するか)
請求項の全てについて行わなければならない」の請求項 その明細書/図面訂正の影響を受ける請求項全部

つまりこういうことや:

明細書の段落〔0010〕を訂正したいとして、その段落が請求項1・2・3で参照されてる場合、 「請求項1だけについて訂正請求」みたいなつまみ食いはアカン。 影響受ける請求項1・2・3全部をまとめて訂正請求の対象にせなアカン。

なんでこんなルールがあるか(立法趣旨)

明細書の訂正は、訂正された請求項にも訂正されてない請求項にも実質的な影響を及ぼすからや。例えば:

  • 請求項1〜3が全部「明細書記載の○○方法」を引用してる
  • その「○○方法」の記載を明細書で訂正
  • でも訂正請求は請求項1だけ

→ こうなると、請求項2・3が見てる明細書の内容と、請求項1が見てる明細書の内容がズレる。一覧性(特許請求の範囲全体の整合性)が壊れてまうわけや。

これを防ぐために、「明細書/図面を訂正するなら、その訂正に関係する請求項は全部まとめて訂正請求の対象にせなアカン」と要求してるんよ。


言い換えると

「訂正単位としては請求項ごとに分けてええで(126条3項)。でも、明細書/図面の訂正が絡む場合は、その訂正に関係する請求項は1個も漏らさず、全部その訂正単位に入れときや(126条4項)」


矛盾やのうて、「請求項ごと請求」を許す代わりに、明細書訂正の一覧性破綻を防ぐ歯止めをかけてるっちゅう、セットの規定なんよ。3項と4項を一緒に読まんとアカンタイプの条文やな。納得できたかな?

特許法第14条と特許法第9条との関係

特許法9条で代理権の範囲が規定されており、委任による代理人が、特別の授権を得なければできないことが列挙されています。この内容に似たものが、特許法第14条にもありますが、「復代理」、「城に出し」、「放棄」(フリーズドライの語呂合わせ暗記法)の3つは入っていません。

最初自分は9条の語呂合わせも機械的暗記、そこから除かれる3つも機械的暗記にしていましたが、除かれる3つを機械的に暗記する必要は全くありませんでした。内容を考えれば、当然のことと言えます。

以下、Claudeの解説:

復代理、城に出し、特権放棄 を除いたもの=特14条ただし書き対象

ただし、外す理由がそれぞれ違うことに注意:

  • 復代理:そもそも代理人の問題やから、共同出願人の話とは別レイヤー
  • 城に出し(実案に基づく特許出願):これは新たな出願やから、共同出願人全員ですべき行為やけど、特14条の「手続」とは別物として整理される(実13条の2や特46条の2で別途規律)
  • 特権放棄特許権の放棄は出願後の権利処分。特14条は「手続」の話=出願段階の話やから、登録後の権利放棄は対象外

立法趣旨

特14条ただし書きが不利益行為を全員一致にしてる理由は、共有者の一人の独断で他の共有者の権利・利益を失わせるのを防ぐため。共有者保護やね。

「条約」足切回避作戦

プロンプト:弁理士試験短答の条約で足切に合わないために知っておくべき「ミニマム」を纏めて。もうあと2週間しか時間がないので。

Claude Opus 4.7:

弁理士短答 条約 足切回避ミニマム戦略(残り2週間)

まず現実認識:出題の構造を見て戦略決めるで

過去7年(2017〜2023)の出題傾向(プロジェクト資料より):

範囲 出題数/年
PCT条約・規則 4〜5問
特184条の3、実48条の3 1問(特か実のどっちか)
パリ条約 2問
TRIPs協定 2問
ハーグ協定 0〜1問
PLT 0問(H29に1肢のみ)
国願法 0〜1問

条約は10問中4点が足切ライン。傾向見たら戦略は明確やで。


【最優先】捨てる勇気を持つ

  • PLT(特許法条約)→ 完全に捨てる。フレーズドライも「捨てましょう」言うてる。出ても1肢あるかないか。
  • 国願法 → 捨てる。0〜1問。
  • PCTの規則の細かい数字(期間・手数料)→ 深追いしない

【死守】4点取りに行く優先順位

① パリ条約(2問は固い、ここで2点取る)★最優先

毎年2問安定出題。条文数も少ない。ここを完璧にすれば2点

押さえるべきポイント:

  • 内国民待遇(2条):MFNはパリにはない(TRIPsの4条との区別)
  • 優先権(4条):A〜I項。優先期間(特・実12月、意・商6月)、複合優先・部分優先(4条F)、優先権の独立(4条の2)
  • 特許の独立(4条の2):拒絶・取消の独立、存続期間
  • 発明者掲載権(4条の3):頻出
  • 実施義務・強制実施権(5条A)
  • 商標:6条の周知商標、6条の2、6条の3(紋章)、6条の5(テルケル条項=そのままの保護)、6条の6(サービスマーク)、6条の7(代理人による無断出願)
  • 商号(8条):登録なしで保護
  • 不正競争(10条の2):3類型

② TRIPs協定(2問は固い、ここで2点取る)★最優先

これも毎年2問。条文も特定範囲に集中。ここで2点取れば足切回避達成

押さえるべき条文:

  • 3条(内国民待遇)vs 4条(最恵国待遇=MFN):パリにはMFNがない、これが超頻出
  • 27条(特許対象):差別禁止、ただし除外あり(公序良俗、人間動物の診断治療方法、植物動物)
  • 28条(特許権の効力):物・方法
  • 30条(例外)、31条(強制実施権):ボリビア宣言・31条の2(医薬品)も
  • 33条(保護期間20年)
  • 39条(営業秘密):3要件
  • 41条以下(権利行使):暫定措置、損害賠償、刑事罰

③ PCT(4〜5問のうち1〜2点取る)★現実的目標

全部やるのは無理。頻出論点に絞る

国際出願日の認定(11条):4要件(受理官庁/出願人特定/明細書らしきもの/言語)→ PLT類似論点として超頻出

国際公開(21条):原則18ヶ月、出願人請求で早期公開、英・仏・独・西・露・中・日・葡・韓・アラビア・ヒンディの公用語

指定の取り下げ(規則90の2):効果

優先権主張の回復(規則26の2.3):受理官庁が判断、優先期間満了から2月以内、「相当の注意」または「故意でない」基準

国際予備審査(第二章):対象、選択、IPER

184条の3 / 48条の3(毎年1問)

  • 国内移行手続:翻訳文提出期限は優先日から30月
  • 補正:国際段階で19条補正・34条補正、国内段階で17条の2補正
  • 翻訳文提出特例(184条の4)

④ ハーグ協定(0〜1問)★ 捨てるか押さえるか

意匠法60条の3〜60条の23の特例だけ押さえる。1問出るかどうかやから、意匠法とセットで効率的に勉強できる。


残り2週間の具体的アクションプラン

Week 1(7日間)
 Day 1-2:パリ条約 1〜12条 + 過去問
 Day 3-4:TRIPs協定 1〜45条 + 過去問
 Day 5-6:PCT 11/14/19/20/21/22/34条 + 184条の3 + 過去問
 Day 7:パリ・TRIPs総復習・弱点潰し

Week 2(7日間)
 Day 8-9:PCT規則の頻出(26の2.3、49.6など)+ 184条の3
 Day 10:ハーグ協定(意匠法60条の3〜セットで)
 Day 11-12:令和7年問題の解き直し+パリ・TRIPs再回し
 Day 13:過去5年の条約問題のみ集中
 Day 14:弱点総ざらい

 

パリ条第1条(4)

質問:パリ条第1条(4)の輸入特許とは?改良特許とは?(特許法72条 利用関係 と関連する?)追加特許とは?

Claude Opus 4.7:

おっ、ええとこ突いてきたな。パリ条約1条(4)の3つの謎ワードやな。これ、日本法の感覚で読むとマジで意味不明やから、ちゃんと整理したるわ。

パリ条約1条(4)の条文確認よっしゃ、条文と過去問は確認したわ。それでは順番に解説したるな。


パリ条約1条(4)の正体

まず大前提な。パリ条約1条(4)は「同盟国がこういう特許を法令で認めてたら、それも特許に含めるで」っていう包括規定やねん。つまり、日本法には存在しない概念も含まれてる。せやから「日本の特許法のどこに当たるんや?」って探しても、見つからへんで当然なんよ。

パリ1条(4)「特許には、輸入特許、改良特許、追加特許等の同盟国の法令によって認められる各種の特許が含まれる。」

これは「優先権主張の対象」とか「内国民待遇の対象」を広く取るための定義規定。試験的には「○○特許も含まれる(〇)」っていう素直な問題が出る程度(H18-49、H27-52)。中身まで深掘りされることはまずないけど、「何やこれ?」って気持ち悪さは残るやんな。ほな解説いくで。


① 輸入特許(Patent of Importation)

外国でとった特許を、自国に「輸入」する形で再度特許として認める制度やねん。

歴史的背景

昔のフランスとか一部の国にあった制度で、こんな感じ:

  • A国で先に特許取得済みの発明を、B国に持ち込んで「これA国で特許取ってるやつや」って届け出る
  • B国が自国の通常の審査をスキップして特許を付与
  • 存続期間は元のA国特許に従属(A国特許が切れたらB国でも切れる)

要は**「外国特許のコピーを自国でも保護したる」**っていう、産業導入促進のための制度。発展途上国が外国の技術を国内に呼び込みたいときに使ったわけや。

現代では?

ほぼ絶滅した制度。パリ条約4条の2(特許独立の原則)と思想的に矛盾するし、TRIPSの最恵国待遇とかとも相性悪い。今は実質的にどこの国もやってへん。

日本法にはそもそも存在せえへん。せやから72条とかと比較する場面もない。


② 改良特許(Patent of Improvement)

ここが質問者の混乱ポイントやな。改良特許 ≠ 利用発明やで!

改良特許の本来の意味(パリ条約上)

これは**「他人の特許発明を改良した発明」に対する特許**っていう概念で、一部の国の法令では:

  • 基本特許(親特許)の存続期間に従属する
  • 別建ての出願じゃなくて、基本特許に「ぶら下がる」形で登録される
  • 基本特許が消滅したら一緒に消滅、みたいな扱い

つまり**「独立した特許権ではなく、親特許に依存する特殊な特許」**っていう制度設計。

日本法の72条「利用関係」との違い

ここ大事や。全然別物やで:

改良特許(パリ条約) 利用発明・72条
性質 特許制度上の特殊カテゴリ 権利同士の調整ルール
効果 親特許に従属して登録 別個独立の特許権が両立、ただし実施に制約
存続期間 親特許に連動することも 各特許が独立に20年
日本法 存在しない 72条で実装

日本では改良発明であっても、それが特許要件を満たせば独立した普通の特許になる。ただし先行特許との関係で利用関係が生じれば72条で実施が制限される、と。これは「特許の種類」じゃなくて「権利行使の調整」の話やねん。

せやから「改良特許=72条の利用関係」と思うと、概念のレイヤーがズレてまうから注意な。


③ 追加特許(Patent of Addition / Certificate of Addition)

これも一部の国(フランスが代表的)にあった制度。

仕組み

  • 既に自分が持ってる主特許に対して、後から追加で改良発明をした場合
  • 通常やったら新規性なくて拒絶されたり、別出願で進歩性が問題になる
  • でも「主特許の追加」として出願すれば、進歩性審査が緩和されたり、追加料金なし or 安いで保護される
  • ただし存続期間は主特許と同じ(主特許が切れたら追加特許も切れる)

要は**「自分の発明をブラッシュアップしたときの簡易保護制度」**やな。発明者にとってはお得な反面、独立した権利ちゃうから売却とかには制約があった。

日本法では?

これも存在しない。日本では改良発明は普通に新規出願するか、国内優先権主張出願(41条)使うか、補正で対応するかや。


試験的にどう扱うか

過去問見たらわかるけど、この3類型は「内容知らんでも解ける」レベルの問題しか出てへん

  • H18-49:「追加特許等の同盟国の法令によって認められる各種の特許が含まれる。」→(〇)
  • H27-52:「輸入特許、改良特許、追加特許等の同盟国の法令によって認められる各種の特許が含まれる。」→(〇)

要は**「条文のキーワードが並んでたら〇、別のワードに置き換えられてたら×」**っていう単純チェック。中身までは問われへん。

ただし覚えとくべき試験ポイントは:

  1. 「輸入特許」と「特許の輸入(5条A)」は別物 ← ここ混同しがち!
    • 1条(4)の輸入特許=Patent of Importation(外国特許のコピー的なやつ)
    • 5条A(1)の輸入=特許権者が自国に物を輸入することの不実施扱い禁止
  2. 「改良特許」と「利用発明(72条)」も別物 ← 質問の通り、ここ要注意
  3. 1条(4)は「等」が入ってるので、限定列挙ではなく例示列挙

まとめ

ほな、結論や:

用語 中身 日本法での対応
輸入特許 外国特許を自国に取り込む形の特許(旧制度・ほぼ絶滅) なし
改良特許 親特許に従属する「特殊カテゴリの特許」 なし(72条は別概念)
追加特許 主特許に「ぶら下がる」改良発明の保護制度 なし(41条は別概念)

要するに「同盟国の法令でこういう変わった特許制度があっても、ぜんぶパリ条約上の『特許』として扱うで」っていう包括規定やねん。質問者が日本法で対応関係探してモヤモヤしたんは、そもそも対応する制度が日本にないからや。「あ、これ日本にない外国の昔の制度なんやな」で割り切ってOK。

72条の利用関係とは全くの別レイヤーの話なんで、そこは分けて整理しときや。

特許法184条の17 PCT外国語特許出願の国内移行後の審査請求

特許法184条の17 PCT外国語特許出願の審査請求についてだと思うけど、翻訳文を提出していることが審査請求の要件だよね。それって、翻訳文に基づいて審査が行われるってこと?国内出願の「外国語書面出願」の場合はどうだったっけ?それも翻訳文の提出が審査請求の要件だっけ?審査も翻訳文に基づく?似てるから並べて比較して整理して。

Claude Opus 4.7:

いい質問やね!この2つは似てるようでけっこう違うから、しっかり整理しとこか。ほな、しっかり並べて整理しよか。


ほんま似てるけど、構造はそっくり同じやで

質問の核心からいくと、両方とも「翻訳文=願書に添付した明細書等」とみなされて、その翻訳文に基づいて審査が行われるんや。これが大原則。順番に整理するで。


1.条文構造の対比

PCT外国語特許出願(184条の17関連) 外国語書面出願(36条の2関連)
翻訳文提出義務 184条の4第1項(優先日から2年6月以内) 36条の2第2項(出願日から1年4月以内)
審査請求の要件 184条の17:①184条の4第1項/4項の翻訳文提出 ②184条の5第1項の国内書面提出 ③195条2項の手数料納付 36条の2+48条の3:48条の3には明文の「翻訳文要件」はないが、翻訳文未提出だと出願が取下擬制(36条の2第5項)されて審査請求のしようがなくなる
翻訳文を明細書等とみなす規定 184条の6第2項:明細書の翻訳文=36条2項の明細書、請求の範囲の翻訳文=特許請求の範囲、etc. 36条の2第8項:外国語書面の翻訳文=願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面とみなす
審査の基礎 翻訳文に基づいて審査 翻訳文に基づいて審査

ここがポイントや。**両方とも「翻訳文=みなし明細書等」**になって、その翻訳文を基準に審査・新規性・進歩性・新規事項追加禁止が判断される。


2.審査が翻訳文に基づく根拠(同じ構造!)

PCT外国語特許出願の場合:

  • 184条の6第2項で、翻訳文が「36条2項の規定により願書に添付して提出した明細書」とみなされる
  • だから審査官は翻訳文を読んで審査する

外国語書面出願の場合:

  • 36条の2第8項で、翻訳文が「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面」とみなされる
  • だから審査官は翻訳文を読んで審査する

どっちも「翻訳文がみなし明細書等になる」という同じ仕組みや。原文(外国語書面・国際出願原文)は審査の基礎にはならへん。原文が出てくるのは誤訳訂正書を提出するとき原文新規事項違反(49条6号)の判断のときだけ。


3.「審査請求の要件」の細かい違い

ここが質問で気になってる部分やと思うんやけど、ちょっと整理が要るで。

PCT外国語特許出願(184条の17):

外国語特許出願については、184条の4第1項/4項(翻訳文)+184条の5第1項(国内書面)+手数料納付の後でなければ、審査請求できない

→ つまり翻訳文の提出は条文上明文で審査請求の前提要件になってる。

外国語書面出願:

  • 48条の3(審査請求)の条文自体には「翻訳文を提出してなければ審査請求できない」という明文はない
  • ただし、36条の2第5項で翻訳文を期間内に提出せえへんかったら出願が取り下げ擬制される
  • 取り下げ擬制された出願に対して審査請求はできへん(係属してへんから)
  • 結果として、事実上、翻訳文提出が審査請求の前提になる

つまり、結論は同じやけど、立て付けが違う。PCTのほうは「審査請求の時期」を定めた条文(184条の17)で正面から要件化してる、外国語書面出願のほうは「みなし取下げ」を経由する間接構造になってる、と。


4.なぜPCTだけ正面から要件化されてるか

立法趣旨的にはPCT23条・40条の制約があるからや。国内書面提出期間が経過するまで指定国は処理・審査を開始してはならない(PCT23条1項)というルールがあるから、それに合わせて時期制限を明文化してる。第三者の審査請求についても国内書面提出期間経過まで待たせる必要があるから、184条の17で正面から書いてあるんや。


5.横断比較まとめ表

論点 PCT外国語特許出願 外国語書面出願
翻訳文提出期限 優先日から2年6月(184条の4第1項) 出願日から1年4月(36条の2第2項)
翻訳文未提出の効果(明細書・請求の範囲) 取下擬制(184条の4第3項)/救済あり(4項) 通知→2月猶予→なお未提出で取下擬制(36条の2第3項~5項)/救済あり(6項)
翻訳文未提出の効果(図面の中の説明) 図面の中の説明はないものとして扱う(取下擬制ならず)
翻訳文未提出の効果(図面) 図面はないものとして扱う(取下擬制ならず)
翻訳文未提出の効果(要約) 補正命令→なお未提出で出願却下(184条の5第2項4号、3項) 補正命令で対応(取下擬制ならず)
翻訳文を明細書等とみなす規定 184条の6第2項 36条の2第8項
審査の基礎 翻訳文 翻訳文
審査請求の要件としての翻訳文 明文(184条の17) 間接(取下擬制を経由)
補正の基準 翻訳文等(184条の12第2項) 翻訳文(17条の2第3項括弧書)
誤訳訂正の制度 あり(184条の12第2項により17条の2第2項を読替適用) あり(17条の2第2項)

6.ひっかけ注意ポイント

ここ過去問でよう聞かれるところやで:

  1. 図面の取扱いが逆:PCTは「図面の中の説明」だけ翻訳必要(図面本体は国際出願日のものを使う)/外国語書面出願は図面全体の翻訳が必要(提出なければ図面なしになる)。〔H28-条5〕でズバリ問われてる。
  2. 新規事項追加の判断基準は「翻訳文」:H28-条5の4で「国際出願日における請求の範囲の翻訳文」じゃなく19条補正後の翻訳文が基準(184条の6第3項)。ひっかけ多い。
  3. 誤訳訂正書を出した後:補正の基準は「翻訳文等 又は 補正後の明細書等」のいずれでもOK(184条の12第2項、17条の2第3項括弧書)。「誤訳訂正書で補正したらもう翻訳文を基準にできない」みたいに誤読させる問題あるから注意。

一言でまとめると

両方とも「翻訳文がみなし明細書等になって、翻訳文に基づいて審査される」という同じ構造。 ただPCTのほうは184条の17で「翻訳文提出が審査請求の前提」と明文化されてて、外国語書面出願のほうは36条の2第5項の取下擬制を経由して同じ結論になる、っちゅう違いや。

語呂合わせで覚えるなら:

翻訳文 みなし明細 審査基礎 PCTは明文 書面は擬制で

 

実用新案法48条の8 補正の特例

実用新案法48条の8 って補正の特例 だけど、何がどう特例なの?特に第2項の意味?1月の期間を適用しない趣旨は?逆に1月の期間を適用する場合は?

Claude Opus 4.7

実用新案法48条の8の構造を整理して説明します。

条文の位置づけ

実用新案法48条の8は、国際実用新案登録出願(PCT経由の実案出願)について、補正の特例を定めるものです。「特例」というのは、通常の実案法における補正規則(2条の2)を、PCT出願の特殊事情に合わせて修正・上書きするという意味です。

なぜ「特例」が必要か

通常の国内実案出願なら、出願→設定登録までの期間は短く、補正のタイミングも実案法2条の2で素直に規律できます。ところがPCT経由の出願は、

  • 国際段階で既にPCT19条補正・34条補正の機会がある
  • 国内移行時に翻訳文の提出という独自のプロセスがある
  • 国内処理基準時という概念が絡む

ため、通常規定をそのまま適用すると不都合が出ます。そこで48条の8で読み替え・追加規定を置いています。

第2項の意味

第2項は、国際実用新案登録出願については、実案法2条の2第1項ただし書(「実用新案登録出願の日から1月を経過した後は、することができない」)の「1月」の期間制限を適用しない、という主旨の規定です(正確には、所定の手続が済んだ後に補正できる、という形で読み替えがされる構造)。

「1月」を適用しない趣旨

国内出願では、出願日から1月以内に限り補正可能というのが原則です(実案は無審査主義で早期登録を旨とするため、補正期間を極めて短く絞っている)。

しかし国際出願の場合、出願日(=国際出願日)から国内移行までだけでも優先日から30月かかり得るため、「出願日から1月」という基準をそのまま当てはめると、国内移行時点では既にとっくに補正期間が終わっています。これでは出願人に補正の機会が事実上与えられません。

そこで、PCT出願については「出願日から1月」という縛りを外し、国内処理基準時(または国内書面提出+翻訳文提出+手数料納付という国内移行手続が完了した時点)を基準に補正可能時期を組み直すわけです。これが「特例」の中身です。

逆に「1月」が適用される場面

ここが少しややこしいのですが、48条の8第2項が外しているのはあくまで「国内移行に伴う補正タイミング」についての話で、国内移行後にさらに発生する場面では別個に1月の期間が機能します

具体的には、国際出願が日本語でされていない場合(外国語実用新案登録出願)について、

  • 翻訳文提出 → その翻訳文を基礎に国内処理がされる
  • 翻訳文の誤訳訂正は別ルート(48条の4関連)

が絡むため、補正可能時期は「国内処理基準時を経過した後、所定の手続を行った後」といった形に組み替えられます。

つまり整理すると、

  • 適用しない: 「国際出願日(=実案法上の出願日)から1月」という素の文言をそのまま読むこと
  • 実質的に効いてくる: 国内移行手続完了・国内処理基準時の経過などを起点とした補正可能時期の規律

弁理士試験的な押さえどころ

試験対策としては、次の3点を押さえれば足ります。

第一に、48条の8は通常規定の「読み替え」条文であること。条文を読むときは、何条のどの文言を、何にどう読み替えているかを対照表的に押さえる。

第二に、「1月」を外す理由は時間軸のズレであること。国際出願日基準では国内移行前に期間満了してしまうため、起算点を国内手続完了側に寄せ直している。

第三に、国内移行・翻訳文提出・国内処理基準時という3つの概念の関係を整理しておくこと。補正の可否は、これらのどれを基準にどの段階で可能となるかで決まります。

条文を手元に開いて、48条の8第2項が「2条の2第1項ただし書を適用せず」と何を読み替えているか、最新の条文文言で一度トレースしておくと、論文式でも短答式でも安心して使えるはずです。条文は近年改正もあるので、最新の青本ないし条文集で文言を確認することをおすすめします。