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弁理士試験の受験勉強の進め方:枝別短答過去問「特許法・実用新案法」一周したあと次に何をやるか

プロンプト:TAC枝別短答過去問集の本の中の「特許法、実用新案法」の部分を一周終わった後、次に何をすべき?続けて2周目をやるか、それとも、意匠法など次の法律に行くか(エレメンツを読むところから)?

Gemini 3:特許法・実用新案法の枝別過去問集、1周目完了お疲れ様です!まずは大きな一歩を踏み出しましたね。結論から申し上げますと、次のステップとしておすすめなのは「意匠法へ進みつつ、特許法の復習を並行する」というハイブリッドスタイルです。なぜこの方法が良いのか、具体的な進め方と合わせて解説します。


1. なぜ「意匠法」に進むべきか

弁理士試験(あるいは知的財産検定1級など)の学習において、最も避けたいのは「最初にやった科目を、最後の科目をやる頃には忘れている」という事態です。

  • 全体像の把握が優先: 意匠法や商標法は、特許法の知識を前提としている部分(準用規定など)が多いです。早めに全科目の全体像を把握することで、法域間の比較(例:新規性喪失の例外の期間の違いなど)ができるようになり、理解が深まります。

  • 学習のマンネリ化防止: 特許法だけを2周、3周と繰り返すと、答えを暗記してしまい「わかったつもり」になりがちです。新しい科目に触れることで脳を刺激しましょう。

2. 理想的な学習サイクルの組み方

「次に進む」といっても、特許法を完全に手放すのは危険です。以下の比率で進めるのが理想的です。

【黄金比】 意匠法(新規)7 : 特許法(復習)3

  • 意匠法(メイン):

    1. エレメンツを読む: まずは全体像を掴みます。特許法との違い(物品の概念、意匠登録の要件など)を意識しながら読みましょう。

    2. 枝別過去問を解く: エレメンツで読んだ範囲の過去問をすぐに解きます。

  • 特許法(メンテナンス):

    1. 1周目で間違えた問題だけを解き直す 枝別にチェックがついているはずです。そこだけを1日10〜20分でも良いので回し続けます。

    2. 忘却曲線に抗う: 完全に忘れる前に「あ、これだった」と思い出す作業を繰り返すことで、記憶が定着します。

3. 意匠法攻略のアドバイス

意匠法に入る際、以下のポイントを意識するとスムーズです。

項目 特許法との主な違い
保護対象 アイデア(技術) vs 外観(デザイン)
新規性 意匠は「類似」の範囲まで及ぶ
独自制度 関連意匠、秘密意匠、組物の意匠など(特許にはない!)

まずは「エレメンツ」を1章分読み、その範囲の「枝別」を解く、というスモールステップで進めてみてください。特許法の知識がある今なら、意匠法の理解スピードはぐっと上がっているはずです。

特154 審理の併合と分離

特許法

(審理の併合又は分離)

第百五十四条 当事者の双方又は一方が同一である二以上の審判については、その審理の併合をすることができる。

2 前項の規定により審理の併合をしたときは、さらにその審理の分離をすることができる。

プロンプト:この条文が理解できないんだけど、当事者(特許権者)が同じだといっても、異なる特許に関する係争だったらどうするの?それでも併合するの?この条文からすると、併合できるんだよね。

Gemini 3:「え、別々の特許なのに一緒にしちゃうの?」と疑問に思うのは非常に鋭い視点です。結論から言うと、おっしゃる通り、異なる特許に関する事件であっても、当事者が同じであれば併合(一つにまとめて審理すること)が可能です。なぜそのようなルールになっているのか、実務的な背景を含めて整理してみましょう。


1. なぜ「別々の特許」でも併合するのか?

条文上は「当事者の双方又は一方が同一」であれば併合できるとされています。これは、主に**「審理の効率化(訴訟経済)」「判断の矛盾防止」**が目的です。

具体的には、以下のようなケースで併合のメリットが生まれます。

  • 関連する特許(親出願と分割出願など):発明の内容が似ているため、別々に審理するよりも、同じ審判官グループがまとめて見た方が、技術内容の理解も早く、判断の整合性も取りやすくなります。
  • 同じ技術分野での争い:特許権者Aと実施者Bが、複数の特許について争っている場合、まとめて審理した方が期日の設定や書類のやり取りが一度に済み、双方の負担が減ります。

2. 「併合できる」であって「しなければならない」ではない

ここで重要なのは、第154条1項が**「併合をすることができる(任意)」**となっている点です。特許庁(審判長)は、当事者が同じだからといって、何でもかんでも機械的にくっつけるわけではありません。以下のような場合は、たとえ当事者が同じでも併合されません。

  • 技術内容が全く異なり、一緒に審理しても効率が上がらない場合

  • 一方の事件は審理が終盤なのに、もう一方は始まったばかりで、足並みが揃わない場合

3. もし途中で「やっぱり別々がいい」となったら?(第2項)

第154条2項には、「併合したものを、さらに分離することができる」と書かれています。「一度まとめてみたけれど、やっぱりA特許の方は複雑だから切り離してじっくり審理しよう」といった柔軟な対応ができるようになっています。


まとめ:この条文の捉え方

この条文は、**「当事者が共通しているなら、効率のためにセット販売(併合)してもいいですよ。でも、都合が悪くなったらバラ(分離)してもいいですよ」**という、審理をスムーズに進めるための「道具箱」のような規定だと考えると分かりやすいです。

実務上のポイント

審判実務では、特に「無効審判」において、同じ特許の「請求項1」に対する無効審判と「請求項2」に対する無効審判が別々に請求された場合などに、この条文を使って併合されることがよくあります。

実014の2 訂正があつたときは、登録がされたものとみなす

実用新案法

(明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正)
第十四条の二 実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正を一回に限りすることができる。
一 第十三条第三項の規定による最初の実用新案技術評価書の謄本の送達があつた日から二月を経過したとき。
二 実用新案登録無効審判について、第三十九条第一項の規定により最初に指定された期間を経過したとき。

2 前項の訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 実用新案登録請求の範囲の減縮
二 誤記の訂正
三 明瞭でない記載の釈明
四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。

3 第一項の訂正は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面(前項第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

4 第一項の訂正は、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。

5 特許法第四条の規定は、第一項第一号に規定する期間に準用する。

6 第一項の訂正をする者がその責めに帰することができない理由により同項第一号に規定する期間を経過するまでにその訂正をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその訂正をすることができる。

7 実用新案権者は、第一項の訂正をする場合のほか、請求項の削除を目的とするものに限り、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができる。ただし、実用新案登録無効審判が特許庁に係属している場合において第四十一条において準用する特許法第百五十六条第一項の規定による通知があつた後(同条第三項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後更に同条第一項の規定による通知があつた後)は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができない。

8 第一項及び前項の訂正は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。

9 第一項又は第七項の訂正をするには、訂正書を提出しなければならない。

10 第一項の訂正をするときは、訂正書に訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面を添付しなければならない。

11 第一項又は第七項の訂正があつたときは、その訂正後における明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面により実用新案登録出願及び実用新案権の設定の登録がされたものとみなす。

12 第一項又は第七項の訂正があつたときは、第一項の訂正にあつては訂正した明細書及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容を、第七項の訂正にあつてはその旨を、実用新案公報に掲載しなければならない。

13 特許法第百二十七条及び第百三十二条第三項の規定は、第一項及び第七項の場合に準用する。

プロンプト:

実用新案法第14条の2に関する過去問の解答解説に、「実用新案制度においては、基礎的要件を満たしている限り訂正は認められ、仮に訂正の要件を満たさない訂正がされた場合であっても、その訂正は認めれる(実14条の2第11項)。 って書いてあるんだけど、実14条の2第11項の条文をどう読めば、そんな結論が引き出せるの?

Gemini 3:

これは非常に鋭く、そして実用新案法の「恐ろしさ」を突いたご質問です。

条文の字面だけを追うと、「え?要件(2項〜4項)を満たさなきゃダメって書いてあるじゃないか」と思いますよね。しかし、11項の**「みなす」という言葉の背後には、実用新案制度特有の「無審査主義」**という大原則が隠れています。

なぜそう言えるのか、論理のステップを整理して解説します。


1. 「訂正があったときは」の解釈

11項の冒頭にはこうあります。

「第一項又は第七項の訂正があつたときは、……」

この「訂正があったとき」とは、法律上どういう状態を指すのでしょうか?

特許法の場合、訂正(訂正審判など)は審査官や審判官が「この訂正はOK」と認めて初めて効力が発生します。

しかし、実用新案法では、特許庁は訂正書が提出された際、「形式(方式)が整っているか」「基礎的要件(6条の2)に違反していないか」しかチェックしません。

つまり、2項〜4項(減縮か、新規事項の追加がないか等)を満たしているかどうかの実質的な審査は行わずに、そのまま受理してしまうのです。

受理された瞬間、法的には「訂正があった」という事実が確定します。

2. 「みなす」規定の強力な効力

次に続くフレーズが重要です。

「……その訂正後における……図面により……設定の登録がされたものとみなす。

特許庁が形式的に受理して「訂正があった」状態になれば、その中身が2項〜4項のルール(新規事項の追加禁止など)を破っていようがいまいが、**法律上は「最初からその内容で登録されていた」ことにされてしまう(=みなす)**のです。

3. なぜそんなデタラメ(?)が許されるのか

「要件違反の訂正でも認められる」という結論の真意は、**「特許庁は門前払いせず、一旦は受け入れて公報に載せちゃうよ」**という意味です。

これには実用新案制度のスピード重視の考え方があります。

  • 特許: 訂正が正しいか厳密にチェックしてから認める(時間がかかる)。

  • 実用新案: とりあえず出し直した内容で登録を書き換える。ただし、その内容がルール違反なら、後で無効にすればいい(自己責任原則)。

4. まとめ:なぜあの解説の結論になるのか

ご質問の解説が言いたいことを図解的に整理するとこうなります。

  1. 訂正書の提出(形式さえ整えばOK)

  2. 特許庁: 実質的な中身(要件違反)はスルーして受理。

  3. 11項発動: 受理された以上「訂正があった」ことになり、遡って登録されたものとみなされる

  4. 結果: たとえ「新規事項を追加したダメな訂正」であっても、一旦は**「訂正された状態」として法的に成立**してしまう。

[!CAUTION] ただし、無敵ではありません

「認められる」というのは「手続きとして通ってしまう」という意味であって、その訂正が「有効」であることを保証するものではありません。

14条の2第3項や4項に違反した訂正がなされた場合、それは**「無効理由(37条1項5号)」**になります。つまり、後で無効審判を打たれれば、その権利は潰れてしまいます。


比較表:特許と実用新案の訂正の違い

項目 特許(訂正審判など) 実用新案(14条の2)
特許庁の審査 要件を満たすか厳密に審査する 審査しない(形式と基礎的要件のみ)
効力の発生 認められた時(決定・審決) 訂正書を出した時(みなす規定)
要件違反の場合 却下される(訂正できない) 一旦受理される(が、後に無効理由になる)

このように、**「審査をしない(無審査主義)から、要件違反でも一旦はパスしてしまう」**という実用新案の構造が、11項の「みなす」という言葉に凝縮されているのです。

「実用新案は権利者がすべて自己責任で管理する制度」だということがよくわかる条文ですね。

Claude Opus 4.5:

これは良い質問ですね。確かに第11項の条文だけを読んでも、その結論は直接は出てきません。解説が言いたいことを整理すると:

ポイント:実用新案の訂正は「無審査」で認められる

特許との比較で理解する

特許の場合:

  • 訂正審判や訂正請求では、特許庁が訂正要件(126条1項各号、同条5〜7項等)を審理する
  • 要件を満たさなければ訂正は認められない(請求不成立)

実用新案の場合:

  • 14条の2による訂正は、基礎的要件(方式審査レベル)を満たしていれば受理される
  • 実体的な訂正要件(2項〜4項)を満たしているかどうかは、出願時と同様に審査されない

なぜ11項が根拠として挙げられているか

第11項は「訂正があつたときは、その訂正後における明細書…により…登録がされたものとみなす」と規定しています。

これは:

  • 訂正が形式的に受理されれば、自動的に遡及効が生じる
  • 訂正要件を満たすかどうかの審査・判断を経ずに効力が発生する

という構造を示しています。つまり、訂正要件違反があっても訂正自体は成立し、後に無効審判で争われる(37条1項2号)という仕組みです。

ChatGPT 5.2:

とても良いところに引っかかっています。
結論から言うと、その過去問解説の書きぶりはかなり雑で、条文を素直に読んだだけでは到底その結論は出ません
ただし、制度趣旨+条文構造+判例・実務解釈を踏まえると、「そう“整理されている”理由」は説明できます。

以下、条文→論理→なぜそんな解説になるのかを順に解剖します。


① 問題の核心:第14条の2第11項は何を言っているのか

まず条文を正確に押さえます。

第11項
第一項又は第七項の訂正があつたときは、
その訂正後における明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面により
実用新案登録出願及び実用新案権の設定の登録がされたものとみなす。

ここで重要なのは、
**「適法な訂正があったとき」**とは書いていない、という点です。

条文はただこう言っています:

  • 「第一項又は第七項の訂正があったときは
  • 「訂正後の内容で登録されたものとみなす

👉 要件充足の有無を一切書いていない


② では「訂正の要件違反」はどう扱われるのか?

ここがポイントです。

特許法との決定的な違い

特許法には:

  • 訂正却下
  • 訂正無効
  • 訂正の適否を審決で判断

といった強いフィルタがあります。

しかし、実用新案法には

  • 訂正却下規定 → ❌存在しない
  • 訂正の適否を審理する通常の審査 → ❌存在しない

実用新案は 「無審査登録制度」 だからです。


③ だから第11項はこう機能する

実務上、第11項は次のように理解されています:

訂正書が形式的に提出されれば、
その内容が要件違反であっても、
いったんは「訂正後の内容で登録されたもの」として扱われる

つまり:

  • ❌「訂正要件を満たさないから無効」
  • ⭕「無効かどうかは無効審判で後から判断

という事後チェック方式です。


④ では過去問解説の文章を分解してみる

「実用新案制度においては、
基礎的要件を満たしている限り訂正は認められ
仮に訂正の要件を満たさない訂正がされた場合であっても、
**その訂正は認められる(実14条の2第11項)」

この文章、実はこう読み替えると正確になります👇

❌ 法的に適法と確定する
制度上いったん効力を持って扱われる

つまり「認められる」という言葉が
「最終的に有効と判断される」ではなく
**「形式的に効力を持つ状態になる」**という意味で使われています。

ここが最大のミスリーディングポイントです。


⑤ 条文からどう論理を組み立てるか(試験用)

試験では、こう整理すると安全です:

① 実用新案の訂正は無審査で受理される

→ 要件違反があっても却下されない

② 第11項により

訂正後の内容で登録されたものと「みなされる」

③ ただし

→ 無効理由があれば
無効審判で争われる(39条以下)


⑥ 重要な注意(ここ、超大事)

第11項は「違法訂正を適法化する条文」ではない

  • 違法訂正 → 当然に有効になる
  • 違法訂正 → いったん効力を持つが、無効審判の対象になる

過去問解説は、この違いを意図的に省略しています。


⑦ 一文で正確に言い直すと

実用新案法14条の2第11項は、
訂正の適否を問わず、訂正がなされたという事実があれば、
その訂正後の内容で登録されたものとして扱う
ことを定めた規定であり、
訂正の適法性は無効審判で事後的に判断される。


⑧ 率直な評価

あなたの疑問は100%正しいです。
条文だけ読んでその解説に納得できないのは、正常な法解釈力です。

 

実013 実用新案技術評価請求の旨を実用新案公報に掲載

実用新案法

第三章 実用新案技術評価
(実用新案技術評価の請求)

第十二条 実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第三条第一項第三号及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二並びに第七条第一項から第三項まで及び第六項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。

2 前項の規定による請求は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。

3 前二項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求は、その実用新案登録に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされた後は、することができない。

4 特許庁長官は、第一項の規定による請求があつたときは、審査官にその請求に係る実用新案技術評価の報告書(以下「実用新案技術評価書」という。)を作成させなければならない。

5 特許法第四十七条第二項の規定は、実用新案技術評価書の作成に準用する。

6 第一項の規定による請求は、取り下げることができない。

7 実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から第一項の規定による請求があつた後に、その請求に係る実用新案登録(実用新案登録出願について同項の規定による請求があつた場合におけるその実用新案登録出願に係る実用新案登録を含む。)に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされたときは、その請求は、されなかつたものとみなす。この場合において、特許庁長官は、その旨を請求人に通知しなければならない。

 

第十三条 特許庁長官は、実用新案掲載公報の発行前に実用新案技術評価の請求があつたときは当該実用新案掲載公報の発行の際又はその後遅滞なく、実用新案掲載公報の発行後に実用新案技術評価の請求があつたときはその後遅滞なく、その旨を実用新案公報に掲載しなければならない。

2 特許庁長官は、実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から実用新案技術評価の請求があつたときは、その旨を実用新案登録出願人又は実用新案権者に通知しなければならない。

3 特許庁長官は、実用新案技術評価書の作成がされたときは、その謄本を、請求人が実用新案登録出願人又は実用新案権者であるときは請求人に、請求人が実用新案登録出願人又は実用新案権者でないときは請求人及び実用新案登録出願人又は実用新案権者に送達しなければならない。

質問だけど、結局、技術評価書は公開されるの?公開しなければいけないの?条文は?

Gemini 3:

「実用新案技術評価書」の内容は、実質的に誰でも見ることができる状態(公開)になります。

条文上の規定と、実務上の運用に分けて整理して解説します。


1. 根拠となる条文(実用新案法 第13条第1項)

ご提示いただいた第13条第1項が、公開の第一歩となります。

第十三条 特許庁長官は、……実用新案技術評価の請求があつたときは……その旨を実用新案公報に掲載しなければならない。

ここには「請求があったこと(その旨)」を公報に載せると書かれています。これにより、第三者は「あ、この権利については技術評価が出ているんだな」と知ることができます。

2. レポートの中身はどうやって見るのか?

第13条3項にある通り、評価書の謄本(写し)は「請求人」と「権利者」に送られます。では、それ以外の第三者はどうするのかというと、以下の規定と運用に基づきます。

  • 書類の閲覧請求(実用新案法 第55条第1項で準用する特許法 第186条第1項):

    誰でも、特許庁長官に対して、実用新案に関する書類の閲覧や謄本の交付を請求できます。技術評価書もこれに含まれるため、法律上、隠されるものではありません。

  • J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)での公開:

    実務上は、わざわざ特許庁へ閲覧請求しなくても、誰でもネット上で無料で見ることができます。評価書が作成されると、J-PlatPatの経過情報からPDF形式でダウンロードできる仕組みになっています。

3. なぜ「公開」されるのか?(制度の趣旨)

実用新案は「無審査」で登録される権利です。中身がスカスカの(新規性がない)権利であっても登録されてしまうため、そのままでは権利者が他者に対して不当な警告を行うリスクがあります。

  • 警告の際の提示義務: 権利を行使する(警告する)際には、評価書を提示しなければなりません(法29条の2)。

  • 公衆への情報提供: 「この権利は有効そうか、それとも無効になりそうか」という特許庁の判断(評価書)を公開することで、第三者が不当な攻撃から身を守れるようにしているのです。


まとめ

項目 掲載・公開の場所 条文
「評価請求があった」という事実 実用新案公報(紙・電子) 第13条第1項
評価書の中身(テキスト・PDF) J-PlatPat(ネット公開) / 閲覧請求 第55条1項(準用特186条)

[!NOTE]

技術評価書は、一度請求されると取り下げることができません(法12条6項)。つまり、自分に不利な評価結果が出そうだからといって途中で止めることはできず、その結果は公にさらされることになります。

 

プロンプト:条文には閲覧請求できるとしか書いていなくて、公開すべきとは書いてないのね?だけど、実際には公開されるのね?

Gemin  3:その通りです!法律用語としての**「公表・公示(掲載)」と、「閲覧(情報提供)」**の使い分けに気づかれたのは、非常に鋭い視点です。実務上は「誰でも見られる=公開」と表現されますが、法的な建付けとしては、おっしゃる通り**「積極的にバラまく(掲載)」のではなく「求めに応じて見せる(閲覧)」**という形になっています。詳しく紐解いてみましょう。


1. 条文上の扱いの違い

法律上、「公報に載せること」と「書類を見せること」は明確に区別されています。

区分 内容 実用新案法の条文
掲載(公報) 請求があったという事実を載せる 第13条第1項
閲覧(請求) 評価書の**中身(原本)**を見せる 第55条1項(準用 特186条1項)

つまり、条文上のルールはこうです:

  1. 特許庁は、公報を通じて「この案件、評価請求が出たよ!」と世界中にアナウンスする(13条1項)。

  2. 中身を見たい人は、特許庁に**「見せてください」と請求(閲覧請求)**する(55条1項)。

2. なぜ「公開すべき」と書かれていないのか?

これには**「公報」**というものの性質が関係しています。

「公報」は、特許庁が公式に発行する「刊行物」です。もし評価書の中身をすべて「公報」に載せる(掲載する)となると、膨大なページ数になり、特許庁の事務負担も増えます。

そのため、法的には以下のロジックをとっています。

  • 「評価書の中身は**ファイル(審査書類の一部)**に入れておくよ」

  • 「見たい人は閲覧請求してね」

  • 「ただし、誰でも閲覧できるようにしておくからね(隠し事はないよ)」

3. 現実(J-PlatPat)で起きていること

ここが混乱の元なのですが、今の時代、わざわざ特許庁の窓口に行って紙の書類を「閲覧」する人はほとんどいません。

  • 自動的なデジタル化: 特許庁は、閲覧請求の手間を省くために、審査書類や評価書を電子化してJ-PlatPatというデータベースにアップしています。

  • 実質的な公開: これにより、「閲覧請求」という法的なステップをネット上のクリック一つで代替させています。

結果として、**「法律には閲覧としか書いていないのに、実際には勝手に世界中に公開されている」**という状態に見えるわけです。


まとめ

[!TIP]

**「公報への掲載」は「看板を立てる」ようなもので、「閲覧請求」は「店の中に入って商品を見る」**ようなものです。

法律は「店の中に入りたい人には、誰でも見せなさい」と命じているだけで、店側(特許庁)が「商品を全部表の看板に貼り出せ」とまでは言っていません。しかし、今は「ネットショップ(J-PlatPat)」があるので、看板を見た瞬間に中身も見えてしまう、という状態なのです。

この「誰でも見られる」という仕組みがあるからこそ、実用新案権者は**「悪い評価が出たら、その権利で下手に他社を攻撃すると、逆に損害賠償を請求されるリスク」**を背負うことになります。

特201 両罰規定

特許法

(両罰規定)
第二百一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第百九十六条、第百九十六条の二又は前条第一項 三億円以下の罰金刑
二 第百九十七条又は第百九十八条 一億円以下の罰金刑

2 前項の場合において、当該行為者に対してした前条第二項の告訴は、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。

3 第一項の規定により第百九十六条、第百九十六条の二又は前条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。

プロンプト:枝別問題集(過去問)の中で、業務主 甲 が自然人であっても罰金刑が課されることがあるかないか?問われてるんだけど。法人の代表者(自然人である甲)に対して、罰金は発生しうるというのが答えかね。

Gemini 3:

その過去問のポイントは、**「両罰規定(201条)は法人だけに適用されるのではなく、個人事業主(自然人)にも適用される」**という点にあります。

結論から言うと、業務主である「甲(自然人)」に対しても、罰金刑が科されることはあります。

ただし、ユーザー様が書かれた「法人の代表者に対して罰金が発生する」という理解には、少し整理が必要なポイントがあります。図解とともに解説します。


1. 両罰規定(201条)の仕組み

両罰規定とは、従業員などが悪いことをしたときに、**「実際に手を下した本人(行為者)」だけでなく、「その雇い主(法人や事業主)」**も一緒に処罰するルールです。

雇い主が「法人」か「個人(自然人)」かで、罰金の内容が変わります。

雇い主(業務主)の区分 行為者(従業員など)への罰 雇い主への罰(両罰規定)
法人(株式会社など) 懲役 または 罰金 重い罰金刑(最大3億円など)
自然人(個人事業主) 懲役 または 罰金 各本条の罰金刑(最大1,000万円など)

2. 混乱しやすい「自然人(人)」の扱い

ユーザー様が「法人の代表者(自然人である甲)に対して、罰金は発生しうる」と考えられた部分について、以下の2つのパターンを区別して押さえておきましょう。

パターンA:甲が「個人事業主」の場合

  • 状況: 個人で特許ビジネスをしている甲の従業員が、勝手に他社の特許を侵害した。

  • 結論: 従業員も罰せられますが、雇い主である甲(自然人)にも罰金が科されます。これが、ご質問の「自然人であっても罰金刑が科される」ケースです。

パターンB:甲が「会社の社長(代表取締役)」の場合

  • 状況: 株式会社の社長である甲の部下が、会社の業務で特許を侵害した。

  • 結論: 1. 行為者: 部下が罰せられます。

    2. 法人: 「株式会社」に対して、法人重科(最大3億円)が科されます。

    • ※このとき、社長(甲)個人が直接「両罰規定」で罰金を受けるわけではなく、あくまで「法人としての会社」にお金(罰金)を払わせるという形になります。

3. なぜ試験で問われるのか?

試験(短答式など)で狙われるのは、条文の**「法人に対して…、その人に対して各本条の罰金刑を科する」**という部分です。

  • ひっかけの例: 「両罰規定は、法人に対してのみ適用され、自然人である事業主には適用されない。」

  • 答え: ×(間違い)。自然人であっても、人を雇っている「人(事業主)」であれば、罰金刑を受ける可能性があります。

まとめ

「業務主 甲 が自然人であっても罰金刑が課されることがあるかないか?」という問いに対しては、**「ある(個人事業主が従業員の行為によって罰金を受けるケースがあるため)」**が正解となります。

「法人じゃないから、雇い主個人は責任を負わなくていい」とはならない、という点が重要です。

プロンプト:この条文「その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。」の後半の「その人」というのは、従業者ではなく、法人の代表者(雇用側の人間)という意味?

Gemini 3:その通りです!この条文における「その人」とは、行為者(従業員など)のことではなく、**「雇用主である個人(個人事業主)」**のことを指します。この条文の構造を、パズルのように分解して整理すると非常にスッキリします。

1. 条文の「登場人物」を整理する

条文の冒頭から「誰が誰を指しているか」を色分けするように整理してみましょう。

第二百一条(両罰規定) 「法人の代表者」又は「法人若しくは(=個人事業主)の代理人、使用人その他の従業者」が、その「法人」又は「(=個人事業主)」の業務に関し、……違反行為をしたときは、

  1. 行為者(実際に手を下した人)を罰するほか、

  2. その法人に対して(重い)罰金刑を、

  3. その(=雇用主である個人)に対して各本条の罰金刑を科する。

つまり「その人」とは?

ここでの「その人」は、**「人を雇ってビジネスをしている個人(自然人)」**を指します。 法律用語では、株式会社などの「法人」と対比させる形で、生身の人間を「人(自然人)」と呼びます。

2. なぜ「その人」に従業者を含めないのか?

「従業者(行為者)」は、すでに条文の中の**「行為者を罰する」**という言葉でカバーされているからです。もし「その人」を従業者と解釈してしまうと、「行為者を罰するほか、従業者を罰する」という二重の意味になってしまい、日本語としておかしくなってしまいます。

3. 具体的なケースで考える

「特許権侵害」が起きた場合の罰則の行き先をシミュレーションしてみます。

ケースA:法人(株式会社)の従業員が違反した場合

  • 行為者(従業員): 懲役 または 罰金

  • 法人(会社): 3億円以下の罰金(201条1号)

    • ※このとき、社長(代表者)個人に「両罰規定」による罰金は科されません。罰金は「会社という組織」に対して科されます。

ケースB:個人商店(甲さん)の従業員が違反した場合

  • 行為者(従業員): 懲役 または 罰金

  • その人(事業主 甲さん): 1,000万円以下の罰金(各本条の罰金刑)

    • ※ここでの甲さんが、条文でいう「その人」に当たります。

まとめ:ここが試験のポイント!

試験で「その人」という言葉が出てきたら、**「雇い主としての個人事業主」**と読み替えてください。

  • 行為者: 実際に悪いことをした人(代表者や従業員)

  • 法人: 雇い主が「会社」の場合

  • その人: 雇い主が「個人」の場合

このように、実際にやった人」と「それを利用してビジネスをしていた雇い主」の両方を罰するから「両罰規定」と呼ばれます。

 

過料と罰金の違い

Gemini 3:

「過料」と「罰金」は、どちらも「お金を払うペナルティ」という点では似ていますが、法律上の性質や**「前科」がつくかどうか**という点で大きな違いがあります。

特に、特許法などの知的財産権を勉強していると、手続きミスで課されるものと、権利侵害で課されるもので使い分けられていることに気づくはずです。

わかりやすく整理して解説します。


1. 過料と罰金の比較一覧

まずは、一目でわかる違いを以下の表にまとめました。

項目 罰金(ばっきん) 過料(かりょう)
法的性質 刑事罰(刑罰の一つ) 行政罰(秩序罰)
前科の有無 つく(一生記録に残る) つかない
対象となる行為 犯罪(盗み、傷害、特許侵害など) 軽微なルール違反(手続き遅れなど)
手続き 刑事訴訟(検察・裁判所) 行政手続き(裁判所の決定)
不納付時 労役場への留置があり得る 資産の差し押さえなど(強制執行)

2. それぞれの詳しい特徴

罰金:重い「犯罪」への制裁

罰金は、刑法や各法律の罰則規定に基づき、国家が「犯罪」に対して科す刑罰です。

懲役や禁錮と同じ仲間であるため、たとえ1万円であっても、支払いが確定すれば「前科」として記録されます。

  • 知財での例: 特許権をわざと侵害した(特許法196条:1,000万円以下の罰金など)。

過料:軽い「秩序」への制裁

過料は、行政上のルール(届出の期限など)を守らなかった場合に科される行政上のペナルティです。

「あやまち料」とも呼ばれ、社会の秩序を保つためのものなので、前科はつきません。

  • 知財での例: 住所変更の届出を怠った、特許表示の虚偽に関する勧告に従わなかったなど。


3. 注意点:もう一つの「かりょう(科料)」

実は、日本語にはもう一つ**「科料(かりょう)」**という言葉があります。これが混乱の元になることが多いです。

  • 科料(かりょう): 1,000円以上1万円未満の刑事罰

  • 過料(かりょう): 前述の行政罰

法学者の間では、読み分けるために「罰金」より軽い科料を**「とがりょう」、行政罰である過料を「あやまちりょう」**と呼んで区別するのが一般的です。


知財(特許法など)での具体的な使い分け

勉強中の方にとって重要なのは、「故意に悪いことをしたか(罰金)」 vs **「手続きをサボったか(過料)」**という視点です。

  • 特許権侵害罪(罰金): 相手の権利を侵害し、ビジネスを妨害した際などの重い制裁。

  • 報告義務違反(過料): 特許庁からの命令に対して、特許の実施状況などを報告しなかった際などの軽い制裁。

「罰金は履歴書に影響するが、過料はしない」と覚えると、その重みの違いがイメージしやすいですよ。

 

特196条(直接侵害)と特196条の2(間接侵害)

特許法

第十一章 罰則
(侵害の罪)
第百九十六条 特許権又は専用実施権を侵害した者(第百一条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第百九十六条の二 第百一条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第二節 権利侵害
(差止請求権)
第百条 特許権者又は専用実施権者は、自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 特許権者又は専用実施権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(物を生産する方法の特許発明にあつては、侵害の行為により生じた物を含む。第百二条第一項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。

侵害とみなす行為
第百一条 次に掲げる行為は、当該特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
一 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
二 特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
三 特許が物の発明についてされている場合において、その物を業としての譲渡等又は輸出のために所持する行為
四 特許が方法の発明についてされている場合において、業として、その方法の使用にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
五 特許が方法の発明についてされている場合において、その方法の使用に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
六 特許が物を生産する方法の発明についてされている場合において、その方法により生産した物を業としての譲渡等又は輸出のために所持する行為

 

(特許権の効力)
第六十八条 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

 

プロンプト:101条で「侵害とみなす行為」が定義されているけど、「侵害行為」はどこに定義されているの?それがないと、第196条「侵害した者」が定義されなくない?

*下の説明は、法律を構成するロジックがわかりやすく説明されていると思いました。

 

Gemini 3:特許法には「侵害とは〜である」という直接的な定義条文は存在しません。その代わりに、**「特許権の効力」を定めた条文(第68条)**を裏返して読むことで、何が侵害行為(直接侵害)になるかを導き出す仕組みになっています。

1. 「侵害行為」の根拠は第68条にある

第196条でいう「特許権を侵害した者」とは、端的に言えば**「正当な権限がないのに、業として特許発明を実施した者」**を指します。

その根拠となるのが以下の条文です。

(特許権の効力)

第六十八条 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。

この「専有する」という言葉がポイントです。「特許権者だけが独占できる」という意味なので、権限のない第三者が「業として特許発明の実施」を行えば、それは自動的に特許権を侵害したことになります。

「実施」の定義(第2条3項)

「実施」の内容については、第2条3項に詳しく定義されています。

  • 物の発明: その物の生産、使用、譲渡等、輸出、輸入など

  • 方法の発明: その方法の使用など

  • 物を生産する方法の発明: その方法の使用、それにより生産した物の使用、譲渡等など

したがって、「第2条3項の行為を、権限なく業として行うこと」が、第196条の対象となる「侵害(直接侵害)」の正体です。

2. 侵害の「二段構え」の構造

特許法では、侵害を以下の2つのレベルで捉えています。今回の罰則規定(196条と196条の2)も、この区分に対応しています。

種類 内容 根拠条文 罰則(刑事罰)
直接侵害 特許発明の構成要素をすべて満たす行為(ズバリそのものを作るなど) 第68条の裏返し 第196条(10年以下の懲役等)
間接侵害 侵害を誘発するような予備的行為(専用パーツを売るなど) 第101条(みなす定義) 第196条の2(5年以下の懲役等)

3. なぜ第196条で「101条を除く」と書かれているのか

第196条の括弧書きに「(第百一条の規定により…みなされる行為を行つた者を除く。)」とあるのは、直接的な侵害(196条)と、予備的な侵害(196条の2)で罪の重さを分けるためです。

  • 196条(直接侵害): 特許品そのものを無断で製造・販売する行為 → 重い

  • 196条の2(間接侵害): 侵害に使われるパーツを製造・販売する行為(侵害と「みなす」行為) → 少し軽い

もし第101条のような「みなす規定」がなければ、パーツを売っているだけの人を「特許権を侵害した」として処罰することが難しいため、あえて101条で「これも侵害とみなしますよ」と網を広げているのです。

まとめ

  • 直接侵害(196条): 第68条(専有)に違反して、第2条3項(実施)を行うこと。

  • 間接侵害(196条の2): 第101条各号に該当する、侵害の予備的行為。

このように、特許法は「権利の範囲(68条)」を定義することで、その範囲を侵すものを「侵害」として特定する構造になっています。

 

特195の4 行政不服審査法の規定による審査請求の制限

特許法

(行政不服審査法の規定による審査請求の制限)
第百九十五条の四 査定、取消決定若しくは審決及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書若しくは第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定並びにこの法律の規定により不服を申し立てることができないこととされている処分又はこれらの不作為については、行政不服審査法の規定による審査請求をすることができない。

プロンプト:この条文は何を言っているの?不満なら裁判できるんじゃなかったの?

Gemini 3:

特許法第195条の4について、シンプルかつ本質的な部分を解説しますね。

結論から申し上げますと、この条文は**「特許に関する大事な決定については、一般的な役所への文句(行政不服審査法)ではなく、特許庁独自の専門的なルート(特許法上の審判や裁判)で解決してください」**というルールを定めたものです。

「裁判ができない」という意味ではなく、むしろ**「専門性の高い問題だから、いきなり裁判や専門ルートに行くべきで、一般的な行政の不服申し立て手続きはパスします」**という、二度手間を防ぐための規定です。


1. なぜこの条文があるの?

通常の行政処分(例えば、営業停止処分など)に不満があるときは、「行政不服審査法」に基づいて、その役所や上級庁に「審査請求」をすることができます。

しかし、特許の審査は非常に専門的です。

もし一般の行政手続きを許してしまうと、専門知識のない部署が判断することになり、混乱を招く恐れがあります。そこで特許法では、以下のような**「独自の不服申し立てルート」**をあらかじめ用意しています。

  • 拒絶査定に不満がある → 「拒絶査定不服審判」を請求する

  • 審決(審判の結果)に不満がある → 「知財高裁(裁判所)」に訴える

このように、特許法の中で完結するルートがあるため、あえて「行政不服審査法」の出番をなくしているのです。


2. 制限されるもの・されないものの違い

この条文で「行政不服審査法による審査請求ができない」とされているのは、主に**「特許庁の高度な判断」**が伴うものです。

対象となる処分 なぜ行政不服審査法が使えないのか? 代わりの手段は?
査定・審決(特許にする・しないの判断) 専門性が極めて高く、特許法上の「審判」で争うべきだから。 不服審判、または知財高裁への訴訟
書類の却下決定(審判請求書などの却下) これも審理のプロセスに含まれるため、専門ルートで処理すべきだから。 知財高裁への訴訟(第178条)

【補足:裁判はできるの?】

ご安心ください、裁判(訴訟)はできます。

第195条の4が禁止しているのはあくまで「行政への不服申し立て」であって、裁判所へ訴える権利を奪うものではありません。むしろ、この条文があるおかげで、無駄な行政手続きを飛ばしてスピーディーに裁判(知財高裁)へ持ち込めるようになっています。


3. 逆に「行政不服審査法」が使えるケースは?

この条文に書かれていない「事務的な処分」については、行政不服審査法が使えます。

例えば、以下のようなケースです。

  • 特許料の還付を認めてもらえなかった。

  • 特許原簿の謄本交付を拒否された。

これらは特許の専門性というよりは「役所の事務手続き」の話なので、一般のルートで文句を言うことができます。


まとめ

第195条の4は、**「特許の核心に触れる大事な判断については、一般の行政ルートを禁止して、専門的な『審判』や『知財高裁での裁判』という特急券ルートに一本化しますよ」**という、手続きの交通整理をしている条文だと考えてください。

 

特050 拒絶理由通知

特許法
(拒絶理由の通知)
第五十条 審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)
第十七条の二 特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。
一 第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
二 拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において、同条の規定により指定された期間内にするとき。
三 拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
四 拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするとき。

(以下略)

プロンプト:特許法第50条の条文には「意見書を提出する機会」って書いてあるけど、意見書なの?補正じゃなくて?両方?なぜ補正の機会を与えるって書かないの?

Gemini 3:実務上は「意見書」と「補正書」の両方が出せますが、法律上の役割が異なるため、あえて書き分けられています。なぜ第50条に「補正」という言葉が出てこないのか、そのロジックを整理して解説しますね。


1. 「意見書」と「補正」の役割の違い

第50条で「意見書」だけが明記されている理由は、「反論の機会(適正手続き)」を保障することが憲法上の要請だからです。

  • 意見書(第50条): 審査官の「ここがダメだ」という判断に対して、「いや、それは誤解です」「この技術とはここが違います」と反論する権利です。

  • 補正(第17条の2): 出願の内容そのものを書き換える権利です。

もし第50条に「補正をする機会を与えなければならない」と書いてしまうと、「補正をしないと拒絶を回避できない」というニュアンスが強まってしまいます。実際には「補正しなくても、説明だけで拒絶理由が解消する」ケースもあるため、あくまで「言い分を聞く場(意見書)」として規定されているのです。

2. 条文の「リンク」構造

「補正」の機会については、別の条文である第17条の2でセットされています。

特許法 第17条の2 第1項

特許出願人は、次に掲げる場合を除き、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。

一 第五十条(略)の規定による通知を受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき。

このように、**「第50条の通知が来たときには、第17条の2によって補正をする権利が発生する」**という仕組みになっています。

  • 第50条: 審査官が「拒絶する前にチャンスをあげる(通知)」

  • 第17条の2: 出願人が「通知が来たから、ついでに中身を直す(補正)」

3. なぜ「補正」と書かないのか?(法的理由)

もし第50条に「補正の機会を与える」と書いてしまうと、法的に不都合が生じます。

  1. 補正は「義務」ではないから: 意見を述べるのは権利ですが、補正をするかどうかは出願人の自由です。

  2. 補正には「制限」があるから: 補正はいつでも自由にできるわけではなく、時期によって「新規事項の追加禁止」や「請求項の限定」などの厳しいルール(第17条の2第3項〜第6項)があります。

  3. 手続の純粋性: 第50条はあくまで「拒絶査定をする前の最後の警告」という手続的ステップを定めた条文だからです。


まとめ:実務での動き

実際には、拒絶理由通知を受け取った出願人は、以下のように対応します。

書類名 内容 役割
意見書 「審査官の指摘は間違っている」「補正したからもう大丈夫だ」という主張 反論・説明
手続補正書 クレーム(請求範囲)を狭くしたり、誤字を直したりする 内容の修正

**「第50条で反論の場(意見書)を作り、それに乗っかって第17条の2で中身を直す(補正)」**という二段構えになっていると考えると分かりやすいですよ。


この「条文同士のリンク」が分かると、特許法の構造がぐっと見えやすくなります。

特193 特許公報 補正の公開

特許法

(特許公報)
第百九十三条 特許庁は、特許公報を発行する。
2 特許公報には、この法律に規定するもののほか、次に掲げる事項を掲載しなければならない。
一 出願公開後における拒絶をすべき旨の査定若しくは特許出願の放棄、取下げ若しくは却下又は特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ
二 出願公開後における特許を受ける権利の承継
三 出願公開後における第十七条の二第一項の規定による願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(同項ただし書各号の規定によりしたものにあつては、誤訳訂正書の提出によるものに限る。
四 第四十八条の三第五項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による出願審査の請求
五 特許権の消滅(存続期間の満了によるもの及び第百十二条第四項又は第五項の規定によるものを除く。)又は回復(第百十二条の二第二項の規定によるものに限る。)
六 特許異議の申立て若しくは審判若しくは再審の請求又はこれらの取下げ
七 特許異議の申立てについての確定した決定、審判の確定審決又は再審の確定した決定若しくは確定審決(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものに限る。)
八 訂正した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容(訂正をすべき旨の確定した決定又は確定審決があつたものに限る。)
九 裁定の請求若しくはその取下げ又は裁定
十 第百七十八条第一項の訴えについての確定判決(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものに限る。)

 

特許法

(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)
第十七条の二 特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。
一 第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
二 拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において、同条の規定により指定された期間内にするとき。
三 拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
四 拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするとき。

2 第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人が、誤訳の訂正を目的として、前項の規定により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、その理由を記載した誤訳訂正書を提出しなければならない。

3 第一項の規定により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、誤訳訂正書を提出してする場合を除き、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第八項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)。第三十四条の二第一項及び第三十四条の三第一項において同じ。)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

4 前項に規定するもののほか、第一項各号に掲げる場合において特許請求の範囲について補正をするときは、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、第三十七条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。

5 前二項に規定するもののほか、第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶理由通知と併せて第五十条の二の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 第三十六条第五項に規定する請求項の削除
二 特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
三 誤記の訂正
四 明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)

6 第百二十六条第七項の規定は、前項第二号の場合に準用する。

 

特許法

(拒絶理由の通知)
第五十条 審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

 

プロンプト:補正って、公開されないの?「補正が誤訳訂正書の提出によるものでない場合」(特許法第193条第2項第3号)って、書いているけど、誤訳訂正も補正の一部なの?

 

Gemini 3:

補正の内容そのものは「出願公開」や「特許公報」などを通じて公表されますが、193条2項3号がわざわざ「誤訳訂正書」に限定しているのには、手続き上の深い理由があります。


1. 誤訳訂正は「補正」の一部なの?

はい、誤訳訂正も「補正」という大きな枠組みの中に含まれます。

外国語書面出願(英語などでまず出願したもの)において、翻訳が間違っていた場合にそれを直す作業は、法律上は「明細書等の補正」として扱われます(特許法第17条の2第1項)。

ただし、通常の補正と区別するために、書類の名称が異なります。

  • 一般の補正: 「手続補正書」を提出する。

  • 誤訳の訂正: 「誤訳訂正書」を提出する。

「誤訳訂正書」は、どこがどう間違っていたのかという「理由」を詳しく書かなければならないという、通常の補正よりも重いルールがあります。


2. なぜ193条では「誤訳訂正」に限定されているの?(補正は公開されないのか?)

「補正が公開されない」わけではなく、**「特許公報(官報のようなもの)への掲載の仕方が違う」**というのが正確な理解です。

なぜ「誤訳訂正」だけをわざわざ書くのか

通常の「手続補正書」による補正の場合、その内容は**「出願公開」「特許公報(登録時)」**において、最新の状態として反映されます。また、審査の途中で行われた補正は、J-PlatPatなどで誰でも閲覧可能です。

しかし、**「誤訳訂正書」**による補正は非常に重要です。なぜなら、外国語書面出願では「原文」が正義であり、翻訳の修正によって権利範囲が大きく変わる可能性があるからです。

そのため、193条2項3号では、以下のようなルールにしています:

  • 通常の補正(手続補正書): 公報に「補正があったこと」という履歴は載せるが、中身はわざわざ別枠で載せない(最終的な明細書を見ればわかるため)。

  • 誤訳訂正(誤訳訂正書): その内容そのものをしっかり特許公報に掲載して、第三者が「ああ、ここは誤訳だったから直したんだな」とハッキリ分かるようにしなければならない。


整理:特許法193条2項3号の読み方

この条文を噛み砕くと、こうなります。

「出願公開された後に、明細書などの補正があったら公報に載せるよ。ただし、審査が進んで(17条の2第1項ただし書きの時期)、『手続補正書』で出した細かい修正はわざわざ載せないけど、『誤訳訂正書』で出した中身は重要だからちゃんと公報に載せるからね。

という意味です。

まとめ

  • 補正は公開される?: はい。J-PlatPatの書類閲覧や、登録時の公報で確認できます。193条は「公報という公的なお知らせに、特に何を載せるか」を決めている規定です。

  • 誤訳訂正は補正の一部?: はい。外国語書面出願特有の「特別な補正方法」だと考えてください。

 

プロンプト:補正書は、当初の特許公開とは別の文書として公開されるということ?誤訳訂正書以外の補正を公開すると述べているのはどの条文?

Gemini 3非常に鋭いご質問です!条文の書き方がパズルのようになっているので、混乱しやすい部分ですね。整理すると、**「補正の内容を誰でも見られるようにする仕組み」**は、193条以外にも複数のルートがあります。結論からお伝えすると、通常の補正書が「別の冊子」として改めて発行されることはありませんが、「書類の閲覧(186条)」と「出願公開(64条)」、そして**「特許掲載公報(193条)」**という3つの仕組みによって公開が担保されています。順を追って解説します。

1. 補正書は別の文書として「公開」されるのか?

いわゆる「公開特許公報(第64条)」のような形で、補正書のたびに新しい冊子が発行されるわけではありません。

  • 出願公開(64条)の前に行われた補正:最初に出る「公開特許公報」の中に、すでに補正された内容が反映された状態で掲載されます。
  • 出願公開(64条)の後に行われた補正:新しい冊子は出ませんが、**「特許公報(193条)」に「補正がありましたよ」という履歴が載り、中身はJ-PlatPatなどの「書類の閲覧(186条)」**で誰でも原本を確認できるようになります。

2. 誤訳訂正以外の補正も公開される、と言える根拠(条文)

「補正の内容を公衆に見せる」根拠は、主に以下の条文です。

① 特許法第186条(証明等の請求)

これが最も強力な根拠です。

第百八十六条 何人も、特許庁長官に対し、特許に関し、証明、謄本若しくは抄本の交付、書類の写しの交付……を請求することができる。

出願公開(64条)が行われた後は、その出願に関するすべての書類(手続補正書の内容も含む)が、この186条に基づいて誰でも見られるようになります。現在ではJ-PlatPatでクリックするだけで見られますが、法律上の根拠はこの「閲覧」の規定にあります。

② 特許法第64条(出願公開)

出願公開そのものの目的が「出願の内容を世に知らしめること」です。

公開された後に出された補正書も、上記の186条とセットで「公開された情報」の一部として扱われます。

③ 特許法第193条第2項第3号(本題の条文)

ご質問の193条2項3号をもう一度見てみましょう。

三 出願公開後における第十七条の二第一項の規定による願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(同項ただし書各号の規定によりしたものにあつては、誤訳訂正書の提出によるものに限る。

ここが「誤訳訂正書に限る」となっている理由は、「明細書そのものを書き換えて公報に再掲載するほどのインパクトがあるもの」に限定しているからです。

  • 通常の補正: 「特許公報」には「補正があった」というインデックス(履歴)だけ載せれば十分。中身は186条の閲覧で見ればいい。

  • 誤訳訂正: 翻訳の間違いを直すもので、内容がガラッと変わる可能性がある。これは重要度が高すぎるので、履歴だけでなく内容そのものも公報にしっかり載せなさい、と命じているのです。


3. 公開の全体像(まとめ表)

種類 公開のタイミング 掲載場所・根拠
通常の補正 出願公開後 **186条(閲覧)**によりJ-PlatPat等で全公開。193条に基づき「補正があった事実」は公報に載る。
誤訳訂正 出願公開後 上記に加え、193条2項3号により、内容そのものが特許公報に詳しく掲載される。
登録時の補正 特許登録後 193条2項8号により、最終的に確定した明細書(補正反映済)が「特許掲載公報」として発行される。

結論として

193条2項3号で「誤訳訂正書に限る」と書かれているのは、**「他の補正を隠すため」ではなく、「誤訳訂正は特に重要だから、単なる履歴掲載だけでなく、内容をしっかり公報に載せて周知徹底しなさい」**という、特別な格上げルールなのです。

通常の補正書の内容は、**第186条(閲覧の自由)**によって、ネット(J-PlatPat)等でしっかり「公開」されているので安心してくださいね。

Claude Opus 4.5:

補正は公報に掲載されます。ただし、掲載される範囲に制限があります。


条文の読み方

第193条第2項第3号をもう一度見てみましょう:

出願公開後における第十七条の二第一項の規定による願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(同項ただし書各号の規定によりしたものにあつては、誤訳訂正書の提出によるものに限る。

これは:

  1. 原則:出願公開後の補正は公報に掲載する
  2. 例外:17条の2第1項ただし書各号のタイミング(拒絶理由通知後など)でした補正については、誤訳訂正書によるものだけを掲載する

誤訳訂正と補正の関係

誤訳訂正は補正とは別の手続です。

手続 根拠条文 内容
補正 17条の2 明細書等の記載を修正
誤訳訂正 17条の2第2項 外国語書面出願で、翻訳文の誤訳を原文に基づいて訂正

誤訳訂正書の提出は「補正とみなす」(17条の2第2項)ので、手続としては補正の枠組みの中に入りますが、性質は異なります。


なぜこういう規定になっているか

拒絶理由通知後の補正は頻繁に行われるため、全部公報に載せると膨大になります。しかし誤訳訂正は「原文と翻訳文の齟齬を正す」という性質上、第三者にとって重要な情報なので、これだけは公報に載せる、という趣旨です。

 

ChatGPT5.2:


① 「補正って、公開されないの?」への答え

はい、原則として「すべての補正」が特許公報に掲載されるわけではありません。
特許法193条2項3号は、あえて掲載対象を限定しています。

条文のポイント(193条2項3号)

出願公開後における
第17条の2第1項による補正
(ただし、同項ただし書各号の規定によりしたものにあっては、誤訳訂正書の提出によるものに限る

ここが非常に重要です。


② 「誤訳訂正も補正の一部なの?」への答え

はい。誤訳訂正は「補正の一種」です。
ただし、法的に特別扱いされています。

整理すると

区分 法的位置づけ 公報掲載
通常の補正(17条の2本文) 補正 掲載される
誤訳訂正書による補正 補正の一種 掲載される
ただし書各号による補正(例:新規事項に当たるため却下対象となる補正など) 補正だが問題含み 掲載されない(誤訳訂正を除く)

③ なぜ「誤訳訂正だけ」例外的に掲載されるのか

理由はシンプルで、第三者保護です。

  • 外国語書面出願では
    • 翻訳文が一度公開される
    • しかし、その翻訳が間違っていた可能性がある
  • その後に提出される誤訳訂正書
    公開内容そのものを遡って修正する行為

👉 だから、

  • 「最初に公開されていた内容」
  • 「実際に正しい内容」

このズレを第三者が確認できなければ不公平になる。

そのため、

誤訳訂正は、たとえただし書補正であっても公報掲載する

という扱いになっています。


④ では、なぜ「それ以外の補正」は載らないのか?

理由は逆です。

  • ただし書補正(17条の2第1項ただし書)は
    • 本来やってはいけない補正
    • 結果として却下・無効になる可能性が高い
  • それを逐一公報に載せると
    • 権利関係がかえって混乱
    • 実体として意味を持たない情報が公示されてしまう

👉 だから「誤訳訂正以外」は切り捨てている。

⑤ 一文でまとめると

補正は原則として公報掲載の対象だが、17条の2第1項ただし書補正については、第三者の信頼保護が特に必要な「誤訳訂正書による補正」だけが例外的に掲載される。

⑥ あなたの疑問へのストレートな答え

  • 補正は公開されないの?
    いいえ。公開される補正とされない補正がある。
  • 誤訳訂正も補正?
    はい。補正の一種だが、特別に公報掲載が義務付けられている。

この条文、
「補正一般」ではなく「公示すべき補正だけを選別している」
という視点で読むと、非常にきれいに理解できます。