大血管とは

「大血管 (Great vessels)」とは、心臓に直接つながっている太い動脈と静脈の総称です。

心臓のポンプ機能の「入口」と「出口」にあたる、循環器系の根幹となる血管です。


🫀 大血管に含まれる血管

具体的には、以下の血管を指します。

1. 心臓から出ていく血管 (動脈)

  • 大動脈 (Aorta)

    • 役割: 左心室から全身へ、酸素を多く含んだ血液(動脈血)を送り出す、体で最も太い動脈です。

  • 肺動脈 (Pulmonary Artery)

    • 役割: 右心室から肺へ、酸素が少ない血液(静脈血)を送り出します。

2. 心臓に入ってくる血管 (静脈)

  • 大静脈 (Vena Cava)

    • 役割: 全身を巡って酸素を消費した血液(静脈血)を集め、右心房に戻します。上半身からの上大静脈と、下半身からの下大静脈があります。

  • 肺静脈 (Pulmonary Veins)

    • 役割: 肺で酸素を受け取った血液(動脈血)を、左心房に戻します。

🩺 臨床的な使われ方

この用語は、特に心臓外科や循環器内科でよく使われます。

例えば、生まれつき心臓の血管の接続が通常と異なる先天性心疾患を「大血管転位症(だいけっかんてんいしょう)」と呼びます。これは、本来左心室につながる大動脈が右心室に、右心室につながる肺動脈が左心室に、というように「転位(入れ替わり)」している状態を指します。

心臓の4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)と、これらの大血管がどう接続されているかが、心臓の構造と機能を理解する上で非常に重要です。

(Gemini 2.5 Pro)