質問:WIPO出願番号JPXXXXXW 出願日2025-01-XX 公開番号WOXXXX 公開日2025-07-XX この日付を見ると、出願者が早期の公開を希望して公開されたということ?その場合の手続きは?
Gemini 2.5 Pro:はい、まさしくその通りです。ご提示いただいた日付(出願日:2025年1月XX日 → 公開日:2025年7月XX日)を見ると、出願から公開まで約6ヶ月しか経過していません。通常の国際出願(PCT出願)は、出願日(または優先権主張の基礎となる出願日)から18ヶ月が経過した後に国際公開されます。このように18ヶ月より大幅に早いタイミングで公開されているのは、出願人がWIPO(世界知的所有権機関)に対して「早期公開(Early Publication)」の請求を行ったことに間違いありません。
📥 早期公開の手続き
国際出願(PCT出願)の早期公開の手続きは、PCT条約規則(48.4)に基づいて定められており、非常にシンプルです。
- 請求先: WIPOの国際事務局(IB: International Bureau)に対して行います。
- 請求方法: 出願人が「早期公開を請求します」という意思を示す書面(「早期公開の請求書」)を国際事務局に提出します。これは、ePCT(WIPOの電子出願・管理システム)を通じてオンラインでリクエストするのが一般的です。
- 手数料: この早期公開の請求手続き自体には、WIPOに支払う特別な手数料はかかりません。
- 公開のタイミング: 国際事務局がその請求書を受理し、公開の技術的な準備が整い次第、「速やかに(promptly)」国際公開(WO公報の発行)が行われます。
🤔 なぜ早期公開をするのか?
出願人が18ヶ月の期間を待たずに(デメリットを承知で)早期公開を請求するのには、主に以下のような戦略的な理由があります。
- 1. 暫定的保護(補償金請求権)の早期発生
これが最大の理由であることが多いです。多くの国(日本を含む)では、出願が「公開」された後でないと、発明を無断で実施している他者に対して補償金(ライセンス料相当額)を請求する権利(暫定的保護)が発生しません。もし出願から18ヶ月経つ前に、他社が製品を模倣し始めた場合、一刻も早く出願を公開状態にして、その模倣行為に対して警告し、権利行使の準備を整える必要があり、早期公開が使われます。
- 2. 防御的公開(先行技術化) 自社では権利化まで望まないが、他社(競合)にこの技術分野で特許を取らせたくない場合。早期公開をすることで、自分たちの発明を世界中の「先行技術(Prior Art)」にすることができます。これにより、他社が後から類似の発明を出願しても、このWO公報を引用されて「新規性・進歩性がない」として拒絶されやすくなります。
- 3. 審査の早期化(一部の国) 国によっては、国内段階の審査を早期に開始するための前提条件として「国際公開」されていることを要求する場合があります。その場合、早期公開は国内での権利化を早めるための一つの手段となり得ます。