特178条1項 の条文でOR(又は、若しくは)AND(及び、並びに)のルールをマスター!

(審決等に対する訴え)
第百七十八条 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。

法律の条文を読むのが最初難しく感じられる理由は、日常的な日本語の文章とは異なるルールがいくつかあるせいだと思います。日常だと、「**と**」のように、ANDで結ばれる2つのものの長さは同じ程度が望ましいとされます。しかし法律の条文だと、「**と*******************************」みたいな著しく長さがことなる2つのものが並列の関係に結ばれていることがしょっちゅうです。つまり繋がれる者同士の長さは全く読解の際に当てにならないのです。

ORについて

あとは、OR(又は、若しくは)AND(及び、並びに)の階層構造に応じた使い分けのルールを知る必要があります。ORを意味する場合、階層構造がなければ、「又は」を使います。

例 A又はB

AやBの中にさらにORを入れ込みたいときには、「若しくは」を使います。つまり、「若しくは」のほうが、文章の中では局所的なつながりを示しています。

例 A若しくはB又はC

例 A又はB若しくはC

読む際の手掛かり:「若しくは」が出てきたら、その後にはかならず「又は」が登場する。なぜなら、「若しくは」は、「又は」を使ったあとでさらに下の階層でORを使いたいときに使うものだから。

ルール:一番上の階層には「又は」を使い、さらに細かい下の階層でORを使いたい場合には「若しくは」を使う。

ルール(上のルールの例外):A, B若しくはC とように3つ以上を列挙するときは、一番上の(=唯一の)階層であっても、「若しくは」使う。

ANDについて

ルール:一番下の階層のみの場合は「及び」を使い、一つ上の階層でANDを使いたいときは、「並びに」を使う。

上の階層下の階層ということに関して、ORとANDでは、どちらの言葉(及び 並びに 若しくは 又は)を優先するかが逆になっているのがミソです。

例 A及びB

例 A及びB並びにC

括弧を用いてまとまりを示すなら、(A及びB)並びにC です。

読む際の手掛かり:「及び」が出てきていないのに「並びに」が出てきたら、その後「及び」が出てくる。

特許法178条の読解

(取消決定 又は 審決)に対する訴え

及び

(① 特許異議申立書、②( 審判若しくは再審)の請求書 又は ③(第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項)の訂正の請求書)の却下の決定 に対する訴え

は、東京高等裁判所の専属管轄とする。

 

上の説明はGeminiに説明してもらったものを自分なりに書き直したものです。Geminiの説明は以下のようなものでした。


1. 【OR(または)系列】の読み方ルール

「上から下へ(大きい方から)」

「A 又は B 若しくは C」 → A or (B or C)

「若しくは」が出たら、必ず親分の「又は」がいるはず。

解説:

    • 「又は」は**レベル1(最大)**です。

    • 「若しくは」は**レベル2以下(子分)**です。

    • 子分(若しくは)がいきなり単独で仕切ることはありません。必ず親分(又は)の支配下にあります。

読み進めるコツ: 「又は」を見つけたら「あ、ここで話が大きく分かれるな」と思い、「若しくは」を見つけたら「あ、さっきの選択肢の中での細かい話だな」とズームインします。


2. 【AND(および)系列】の読み方ルール

「下から上へ(小さい方から)」

「並びに」が出てきたら、その後に(またはその構成要素として)「及び」が必ず出てくる。

解説:

    • 「及び」は**レベル1(最小単位・接着剤)**です。

    • 「並びに」は**レベル2以上(包装紙)**です。

    • 「並びに」は、バラバラのものを包むのではなく、「すでに『及び』で接着されたセット」を包むために存在します。

    • だから、「並びに」があるのに、中身に「及び」が一つもない(単語A 並びに 単語B)ということはあり得ません。(それは「A 及び B」と書くべきだからです)。


3. 唯一の「例外」的なケース(ここだけ注意!)

「若しくは」の読み方で、一つだけレアケース(リスト形式)があります。

例: 「A、B、C 若しくは D」

(意味:A or B or C or D)

このように、3つ以上のものを並列に列挙する場合、最後のつなぎ目だけに接続詞を使います。

このとき、法律のルールでは、単なる並列の列挙には(一番大きな区切りがない限り)「若しくは」を使うことになっています。

  • この場合の読み方:「又は」が出てこないのに「若しくは」が出ている!とおかしいと思うかもしれませんが、これは**「A, B, C, D 全員がフラットな関係(小粒な並列)」**である合図です。

最終まとめ:条文読解の「センサー」

読み方マニュアル

  1. 「又は」を見たら👉 「よし、ここで一番大きな分岐だ! 左の道か、右の道か。」
  2. 「若しくは」を見たら👉 「おっと、これは枝道だ。さっきのグループの中での細かい選択肢だな。」
  3. 「及び」を見たら👉 「これはセット商品だ。AとBは離れないぞ。」
  4. 「並びに」を見たら👉 「でっかい風呂敷が来たぞ! これまでに出てきた**『及びセット』たちをまとめて縛りにきたな**。」

この感覚で条文を眺めれば、どんなに長く複雑な特許法の条文も、構造図が浮かび上がってきます。