特104の4(主張の制限)

(主張の制限)
第百四条の四 特許権若しくは専用実施権の侵害又は第六十五条第一項若しくは第百八十四条の十第一項に規定する補償金の支払の請求に係る訴訟の終局判決が確定した後に、次に掲げる決定又は審決が確定したときは、当該訴訟の当事者であつた者は、当該終局判決に対する再審の訴え(当該訴訟を本案とする仮差押命令事件の債権者に対する損害賠償の請求を目的とする訴え並びに当該訴訟を本案とする仮処分命令事件の債権者に対する損害賠償及び不当利得返還の請求を目的とする訴えを含む。)において、当該決定又は審決が確定したことを主張することができない。
一 当該特許を取り消すべき旨の決定又は無効にすべき旨の審決
二 当該特許権の存続期間の延長登録を無効にすべき旨の審決
三 当該特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の決定又は審決であつて政令で定めるもの

https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121#Mp-Ch_4-Se_1-At_97

プロンプト:

この条文をわかりやすく(高校生でもわかるように)説明して。再審って何?控訴のこと?

ChatGPT5.2

OK、これは条文としてはかなり難関なので、
高校生にも分かるレベルまで噛み砕いて説明しますね。
(結論から言うと、再審は控訴とは別物です)


まず全体を一言でいうと

いったん特許侵害の裁判が「完全に終わった」あとで、
後から特許が無効になっても、
そのことを理由に「もう一回やり直して!」とは言えない

というルールです。


① この条文は「どんな場面」の話?

次のような裁判の話です。

  • 特許侵害訴訟
    • 「あなたの製品、私の特許を侵害してますよね?」
  • 補償金の請求
    • 出願公開後〜特許成立前の“仮の権利”についての支払い請求

そして、

👉 その裁判が、最終判決まで行って、確定したあと

の話です。


② 「再審」って何?控訴と違うの?

結論から

用語 意味
控訴 まだ裁判が続いている段階での「上の裁判所への不服申立て」
再審 完全に終わった裁判を、例外的にもう一度やり直す制度

イメージでいうと

  • 控訴
    → 「テストの答案、再採点してください!」(まだ成績は確定してない)
  • 再審
    → 「卒業後に、実は採点ミスがありました!」と申し立てる感じ
    👉 めちゃくちゃ例外的

③ この条文が言っている核心ルール

普通はこう考えたくなる

「あとから特許が無効になったなら、
侵害裁判の判決も間違ってたんじゃない?」

でも、この条文は NO と言っています。


④ 具体的に「主張できない」こと(条文の3つ)

❶ 特許が無効になった場合

特許庁で
「この特許、そもそもダメでした」
と決まっても、

👉 それを理由に再審はできない


❷ 特許期間の延長が無効になった場合

「本当は特許、もう切れてました」

👉 それでも再審はできない


❸ 特許の内容が訂正された場合

「クレーム(特許の範囲)、あとから狭くなりました」

👉 それでも再審はできない
(※政令で決められた重要な訂正の場合)


⑤ なぜこんなルールがあるの?

もしこのルールがなかったら…

  • 裁判が終わる
  • 何年も後に特許が無効になる
  • 「じゃあ昔の判決も全部やり直し!」

👉 一生、裁判が終わらない


⑥ 高校生向け超シンプルたとえ

サッカーの試合で例えると

  • 試合終了、結果確定
  • 後日

    「実はこのルール、間違ってたかも…」

でも、

終わった試合の結果は覆さない

というルール。


⑦ まとめ(超重要)

  • 再審 ≠ 控訴
  • 再審は「終わった裁判をやり直す超例外制度」
  • 特許侵害裁判では、
    • あとから特許が無効になっても
    • 再審の理由にはできない
  • 裁判の安定性を守るための条文

 

プロンプト:再審って、裁判のことね、特許庁の審判のやり直しではなく。

ChatGPT5.2:

はい、その理解で完全に正しいです。
ここは混乱しやすいですが、はっきり整理できます。


結論(まずここ)

この条文でいう「再審」=
👉 裁判所の判決をやり直す手続(民事訴訟法上の再審)

特許庁の審判(無効審判・訂正審判など)のやり直しではありません。


どこで行われる「再審」か

① 対象になっている元の事件

条文冒頭にこうありますね:

「特許権若しくは専用実施権の侵害
又は補償金の支払の請求に係る訴訟の終局判決」

これは明確に
👉 裁判所の訴訟
です。


② 再審の相手は誰か

「当該訴訟の当事者であった者」

  • 原告・被告
  • 裁判の当事者

👉 特許庁の当事者ではありません。


特許庁の「審判」との関係は?

この条文、ややこしいのはここ👇

「決定又は審決が確定したときは…
そのことを再審で主張できない」

ポイント

  • 決定・審決
    → 特許庁(取消決定・無効審決・訂正審決)
  • 再審
    → 裁判所(侵害訴訟のやり直し)

つまり、

特許庁で何かが起きても、
それを使って裁判所の判決をひっくり返すことはできない

という「橋渡し禁止ルール」です。


図で整理(超重要)

【特許庁】
  無効審判・訂正審判
        ↓
   (確定しても)

【裁判所】
  侵害訴訟の終局判決
        ↓
   ❌ 再審できない

なぜこの条文名が「主張の制限」なのか

  • 再審という裁判手続そのものは否定していない
  • ただし、

👉 「特許庁での審決が確定した」という主張は使えない

だから条文名が
「主張の制限」
になっています。


重要な一言まとめ

再審=裁判の再スタート
審判=特許庁の判断

この条文は
「審判の結果を使って、裁判を蒸し返すな」
という規定。


ここまで理解できていれば、弁理士試験・実務レベルでもかなり盤石です。

 

プロンプト:終局判決って、最高裁判決のこと?そうでないこともある?

ChatGPT 5.2:

とても良いポイントです。
結論から、はっきり整理しますね。


結論

「終局判決」= 最高裁判決とは限りません。
👉 最高裁でなくても「終局判決」になることは普通にあります。


① 「終局判決」って何を意味する言葉?

法律用語としての定義(超重要)

終局判決とは:

その裁判手続において、
その審級で事件の全部について判断を終える判決

です。

✔ どの裁判所かは 関係ない
✔ 最高裁かどうかも 関係ない


② 最高裁判決との関係

最高裁判決は?

  • 当然、終局判決です
    (それ以上、通常の不服申立てがない)

でも、最高裁でなくても終局判決になる例

例1:一審判決で確定した場合

  • 地裁で判決
  • 控訴しなかった

👉 地裁判決が 終局判決として確定


例2:控訴審(高裁)で確定した場合

  • 地裁 → 高裁
  • 上告しなかった/上告棄却

👉 高裁判決が 終局判決として確定


例3:最高裁が「上告棄却・不受理」

  • 実体判断はしていなくても
  • その時点で裁判は終了

👉 高裁判決が 終局判決として確定


③ じゃあ「確定判決」との違いは?

ここも混乱ポイントなので整理します。

用語 意味
終局判決 裁判所が事件を最終的に判断した判決(その審級内)
確定判決 不服申立てができなくなった状態

関係性

  • 終局判決 + 確定
    → 条文が想定している状態

④ 特許法104条の4との関係でいうと

条文では:

「終局判決が確定した後に」

とあります。

つまり、

  • 地裁でも
  • 高裁でも
  • 最高裁でも

👉 どこであれ、裁判が完全に終わったあと
という意味です。


⑤ 高校生向け超たとえ

  • 終局判決
    → 先生が「はい、これがあなたの成績です」と出した評価
  • 確定
    → もう再テストも、再評価もできない状態
  • 最高裁
    → 校長先生が見るケースもあるけど、
    見ないまま終わることも普通にある

⑥ まとめ(超重要)

  • ❌ 終局判決 = 最高裁判決、ではない
  • ⭕ 一審・二審でも 確定すれば終局判決
  • 特許法104条の4は
    👉 **「裁判が完全に終わったあと」**を指している

この理解があると、

  • 再審
  • 確定力
  • 既判力
  • 104条の3(無効の抗弁)

が一気に整理できます。

次、
「じゃあ和解は終局判決になるの?」
いきます?

プロンプト:頼む

ChatGPT 5.2:

では、**「和解は終局判決になるのか?」**を
試験でも実務でもそのまま使える形で整理します。


結論(最重要)

和解は「終局判決」ではありません。
⭕ ただし、判決とほぼ同じ効力を持ちます。


① 和解とは何か(まず定義)

裁判上の和解とは、

裁判の途中で、
当事者同士が合意して
裁判所にその内容を記録してもらうこと

です。


② なぜ和解は「終局判決」じゃないの?

理由はシンプル

  • 判決:裁判所が判断する
  • 和解:当事者が合意する

👉 裁判所の判断ではないから。


③ でも、和解は弱いの?

いいえ。むしろ強いです。

裁判上の和解の効力

項目 和解
確定力 ⭕ ある
既判力 ⭕ 判決と同等
強制執行 ⭕ できる
控訴 ❌ できない

👉 実質は「確定判決と同じ」


④ 特許法104条の4との関係

条文はこうでしたね:

「終局判決が確定した後に」

では、和解の場合は?

  • 文言上
    → 和解は「終局判決」ではない
  • 実務・解釈上
    和解も同趣旨で扱われる

理由:

和解後に
「あとから特許が無効になったから再審!」
なんて認めたら、
👉 和解の意味がなくなる


⑤ 試験でどう書くべきか(超重要)

安全な書き方

裁判上の和解は終局判決には当たらないが、
確定判決と同一の効力を有するため、
特許法104条の4の趣旨は和解の場合にも及ぶ。

👉 これで減点されません。


⑥ 高校生向けたとえ

  • 終局判決
    → 先生が「この点数で決定」と決める
  • 和解
    → 生徒と先生が話し合って
    「今回はこれでいこう」と合意する

どちらも
👉 あとから文句は言えない


⑦ まとめ(短く)

  • ❌ 和解 ≠ 終局判決
  • ⭕ でも効力は確定判決と同じ
  • 特許侵害訴訟では
    👉 和解後も再審は原則不可