医学用語には、心不全、腎不全など、ナントカ不全と呼ばれるものがたくさんあります。この不全と言う言葉が、わかるようなわからないような微妙な言葉でモヤモヤしていました。
心不全とは
心不全という言葉は、疾患の名称ではなく、病態を表す言葉なのだそうです。
心臓のポンプとしての働きが低下して、全身の臓器に必要な血液量を送ることができなくなった状態をいいます。‥ 心不全は一つの疾患名ではありません。 心筋梗塞、狭心症、心筋症、弁膜症、高血圧、不整脈などの疾患が最終的に至る病態で『終末像』と言われています。
(第42話 「心不全(しんふぜん)とその予防」 山形済生病院)
腎不全とは
腎炎などの病気で、血液を濾過する「糸球体」の網の目がつまってしまうと腎臓の機能がおち、老廃物を十分排泄できなくなります。このような状態を腎不全といいます。腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態を腎不全といいます。いったん慢性腎不全になると、腎機能は回復不可能となります。
国立循環器病研究センター https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/renal-failure/
不全とは
不全という場合、単に機能が落ちているという意味以上に、深刻な状態を指すのだそうです。自分の認識が甘かったです。
「不全」は、働きが十分でないというだけでなく、からだの大事な働きができなくなることで危険な状態になる場合に使われる言葉です。
https://oncology-assist.jp/patient/comic/039.php?certification=1
肝不全
定義
- 肝機能が大幅に低下した状態
原因
- 肝臓に損傷が起きる病気や物質により引き起こされる
症状
- 黄疸(皮膚と眼が黄色くなる)
- 疲れて脱力を覚え、食欲を失う
- 腹部への体液の貯留(腹水)
- 皮下出血や出血が起きやすい
治療
- タンパク質の摂取調整
- 食事に含まれるナトリウムの制限
- 禁酒
- 原因に対する治療
- 肝移植
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/04-肝臓と胆嚢の病気/肝疾患の症状と徴候/肝不全
呼吸不全(肺機能不全)
定義
- 血液中の酸素レベルが危険なほど低くなったり、血液中の二酸化炭素濃度が危険なほど高くなる病気
原因
- 気道をふさぐ病気
- 肺組織を損傷する病気
- 呼吸を制御する筋肉を衰えさせる病気
- 呼吸を促す仕組みが抑制される病気
症状
- 激しい息切れ
- 皮膚の青みがかった変色
- 錯乱
- 眠気
診断
- 指先のセンサー(パルスオキシメーター)を使って酸素レベルの低下を検出
- 血液検査で血液中の二酸化炭素濃度の上昇を検出
治療
- 酸素の投与
- 原因の治療
- 人工呼吸器による補助
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/07-肺と気道の病気/呼吸不全と急性呼吸窮迫症候群/呼吸不全
血管不全
血管内皮障害、血管平滑筋機能障害、血管壁代謝異常など動脈硬化の進展に関わる血管の障害を包括的にとらえる「血管不全」という概念
日本血管不全学会 https://jsvf.org/
『血管不全』には,血管内皮,血管平滑筋,および血管代謝における機能不全が含まれ
https://www.saga-u.ac.jp/koho/press/2018112715779
- https://www.jstage.jst.go.jp/browse/vascfail/list/-char/ja