統計学的な手法の選択 2群か3群以上か、パラメトリックかノンパラか、データ間の対応の有無は、‥

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実験群と対照群との間の差の有無を検定する統計学的な手法の選択は、慣れないと頭がこんがらがりそうです。考え方の基本となるのは、比べたい量が連続的に変化する量なのか、それとも離散的なデータなのか、また、データが正規分布していることを仮定しているのか(パラメトリック)、仮定しないのか(ノンパラメトリック)、群間のデータに対応があるかないかをしっかりと把握することが検定の手法選びのポイントです。それがわかっていないと、選びようがありません。

 

2群間の比較

パラメトリック

2群のデータに対応が無い場合には、t検定を(ただし等分散でない場合にはウェルチのt検定を)、対応があるデータに関しては、「対応のあるt検定」を用いる。

 

ノンパラメトリック

2群のデータに対応が無い場合には、マン・ホイットニー検定(またはそれと同値の、ウィルコクソンの順位和検定)を、対応があるデータに関しては、ウィルコクソンの符号付順和検定を用いる。つまりt検定のノンパラメトリック版がマン・ホイットニー検定で、ウェルチのt検定のノンパラメトリック版がウィルコクソンの符号付順和検定ということになります。

 

3群以上の間の比較

対照群、実験群(実験条件1)、実験群(実験条件2)といった研究デザインの場合です。

パラメトリック

1-way ANOVA (Analysis of variants 1元配置分散分析):多群間で、平均値が他と異なる群があるかどうかを検定する手法。2群間の比較で使われるt検定の、多群バージョンと考えられる。どの群とどの群の間に差があるのかは、ANOVAではわからないため、ANOVAのあとにチューキーのテストなどを行う。

1-way ANOVA (Analysis of variants 1元配置分散分析)とは

チューキーの検定 (Tukey’s test): 多群間のペアワイズな検定を行う。

ダネットの検定(Dunnett’s test):対照群1つと実験群複数の場合に、個々の実験群を対照群と比較する。

シッフェ(Scheffe)検定:

ボンフェローニ検定:

参考

  1. 杉本典夫『医学・薬学分野で役立つ 統計学の基礎 推定を中心にした統計手法の理論と実践』(プレアデス出版2015年)

ノンパラメトリック

クラスカル・ウォリス検定 (Kruskal-Wallis test):ノンパラメトリック検定の一つ。3群以上の間で、差がある群が存在するかどうかを検定する。どの群とどの群との間に差があるかはわからないので、その場合はSteel-Dwass test(スティール・デュワス検定)などを続けて行う。

Steel-Dwass test(スティール・デュワス検定):ノンパラメトリック検定の一つ。多群の場合に、群間の比較をペアワイズに行う。

 

参考

  1. 理学療法領域における統計解析法の選択 小林 武 理学療法の歩み16巻1号 2005年1月25■講座■ 統計学的手法を選ぶためのフローチャートが見やすい。
  2. 28-4. Welchのt検定 BellCure 統計WEB
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