医療AIとディープラーニングシリーズ オーム社
医用画像のためのディープラーニング-実践編-
医療AIとディープラーニングシリーズ 超音波画像 AI診断 著者 藤田 広志 シリーズ監修、椎名 毅 編、工藤 正俊 編 定価 4,950円 (本体4,500円+税) 判型 B5 頁 198頁 ISBN 978-4-274-22576-5 発売日 2021/09/18 発行元 オーム社https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274225765/
- 医用画像は、CT, MRI, 超音波、PET,内視鏡など
- 超音波はCTやPETのような被曝がない
- 超音波は、ドプラ法で造影剤なしで血流計測ができる
- リアルタイム性が高い
- 世界で80000台(2015年)、うち日本国内に9000台(世界の約1割が日本にある!超音波大国、日本)
- 手でプローブを広範囲に走査し、モニタ上の動画を視ながらリアルタイムで病変部の検出と良悪性の識別を行う
- 診断精度のためには検査者の技術の向上が重要で相応のトレーニングが必要
- AMEDで超音波画像データベース構築、AI診断支援システムが開発中(汎用の超音波診断装置にビルトインされる計画)
- 超音波画像の計測:パルスエコー法:超音波パルスを照射して組織境界で反射されたエコー信号を用いる。
- パルス波は臓器や組織の境界で一部は反射し、一部はさらに深部への伝播と反射を繰り返す。
- BモードのBはBrightness(輝度)のこと。
- 超音波プローブの種類:経皮的計測用(乳腺、肝臓など)、経直腸型(前立腺用)、血管内エコー用カテーテル先端プローブなど
- 超音波の反射:組織の音響インピーダンス(音速と密度の席)の差で生じる。
- パルス波を送信してからエコー信号が受信されるまでの時間を反射面までの深さに換算し、また、エコー信号の強度を画像軌道に変換して、ビーム方向に対応した捜査線上の輝点としてモニターに表示。断層面内でビームを移動させて、輝点の集合として断層面を画像化。
- アーチファクトが画像診断に活用される。乳腺の良性主要である嚢胞があると「外側陰影」とよばれるアーチファクトが生じる。すなわち外側陰影というアーチファクトが認められた場合には、嚢胞が存在する可能性が示唆される。
- 超音波画像はCTやMRIに比べて、検査する人の手技に依存しやすい。プローブによる体表の圧迫の程度、プローブの角度、被検者の呼吸や体位などによって画像が大きく変化するため。
参考
- Bモードとは、超音波検査における画像表示モードの一つで、組織の密度を白黒の濃淡で表し、断層像として表示するものです。「B」はBrightness(明るさ)の略で、超音波の反射の強さによって、白黒の濃淡で表示されます。硬い組織は白く、柔らかい組織は黒っぽく表示されます。(グーグル検索AI回答)
- 画像のモード(B・Mモード)超音波画像の表示(モード):医用超音波の基礎工学を簡単に解説するサイトです。超音波検査の原理や装置の仕組みについての説明。 https://www.jsmoc.org/kiso/pulse2.html
- https://www.jsum.or.jp/ulpath/el/eduwg_kiso01/ 超音波医学会 教育スライド 超音波とは (物理学に基づいた原理の非常にわかりやすい解説)
- https://www.jsum.or.jp/uploads_files/education/gazourikatsuyou/overview.pdf
- 超音波学会 勉強用動画 https://www.jsum.or.jp/ulpath/ https://www.jsum.or.jp/ulpath/el/eduwg_kiso03/
- https://www.datacatalog.amed.go.jp/amed/catalog-list
参考図書
- 生体組織の超音波計測 (音響サイエンスシリーズ 23) 単行本 – 2022/4/21 【主要目次】 1. 生体組織の計測手法(in vitroの計測) 1.1 生体中の音波伝搬の基礎 1.2 音響特性の計測手法と軟組織の計測 1.3 硬組織・毛髪の計測 引用・参考文献 2. 臨床計測手法の現状と課題 2.1 超音波診断の基礎 2.2 コントラストエコーと診断装置の実際 2.3 軟組織の臨床計測の実際 2.4 硬組織の計測 引用・参考文献 3. 超音波治療 3.1 生体組織の超音波物性と超音波治療 3.2 キャビテーションと超音波治療 コロナ社 (2022/4/21)
生成AIによる解説
超音波診断装置(B-mode)は X 線 CT と同じく「断層像(トモグラム)」をつくっています。ただし CT が計算機で再構成したスライスなのに対し、超音波は探触子(プローブ)そのものが“物理的に”平面内を走査してリアルタイムに 2 次元像を描き出す――というのが最大の違いです。仕組みを順を追って整理します。
1. 1 本のビームで得られるのは A-mode(深さプロファイル)
- プローブの素子が短いパルス波を送信
- 深さ
ddごとに戻ってきた反射エネルギーを記録
- 得られるのは「時間(= 深さ)」―「反射強度」の 1 次元波形
2. 走査して A-mode を並べれば B-mode(Bright-ness mode)
方式 | 走査のやり方 | 像の形 |
---|---|---|
リニアアレイ | 素子列を時系列に送受信 → 直線状に走査 | 矩形の断層 |
コンベックス/セクタ | 電子偏向または機械回転で扇状に走査 | 扇形の断層 |
フェーズドアレイ | 全素子を位相制御 → ビーム方向を瞬時に振る | 扇形(心臓 2D-Echo など) |
- 各ビームは「平面上の 1 本の線」を探るだけ。
- その線を多数並べ、横軸(または扇軸)=面内位置、縦軸=深さ として 2D マトリクスに配置 → 強度を輝度に変換 ⇒ 1 枚の断層像。
3. 「面外」の厚み――エレベーション方向とスライス厚
- プローブ素子には**高さ(厚み方向)**があり、その幅がビームの面外拡がりを決める。
- 実際のスライスは理想的な無厚板ではなく、数 mm 程度の「レンズ状ボリューム」。
- 高さ方向の分解能をエレベーション分解能と呼び、厚みが大きいと “partial-volume” アーチファクト(臓器が実際より太く写る等)が生じる。
4. 3D/4D 超音波は「断層の積み重ね」
- 機械スイープ
プローブ内蔵モータで扇状に面をずらし、多数スライスを取得 - マトリクスアレイ
縦横 2D 配列素子を個別制御 ⇒ 任意方向へ電子走査 - 得られた体積データをレンダリングして心臓 4D や胎児顔面像に応用
5. CT と比較すると
特性 | X 線 CT | 超音波 |
---|---|---|
投射エネルギー | 電磁波(X 線) | 機械波(音) |
像形成 | 減弱係数の逆投影再構成 | 反射強度の直接マッピング |
断層厚 | 数 mm(再構成で調整) | プローブのエレベーション幅で決定 |
3D 化 | らせん収集+再構成 | 機械 or 電子ボリューム走査 |
放射線被曝 | あり | なし |
6. 現場での実感ポイント
- プローブを 1 cm 傾ければ、まったく別の断面が写る。
- 心エコーで「心尖部四腔断面」「心基部短軸断面」などと呼ぶのは、向きを変えて“違うスライス”を見ているということ。
- 立体構造を把握するには 同じ臓器を多方向から何枚も切って頭の中で 3D 再構築する“読影力”が要。
- 造影エコーや エラストグラフィは、基本の B-mode 断層に追加情報(造影剤の動態や硬さ分布)を上書きする拡張技術。
▶︎ まとめ
超音波診断装置が描いているのは、プローブが定めた平面をリアルタイムで「切り取る」断層像です。
- 1 本のビームで深さ方向の反射プロファイル(A-mode)
- ビームを横方向に掃いて並べると 2D スライス(B-mode)
- さらにスライスを積めば 3D/4D
したがってプローブの操作は、実質的に「身体の中をどの方向で切るか」を決める行為に等しい――というわけです。
はい、超音波診断装置(B-mode)は X 線 CT と同じく「断層像(トモグラム)」をつくっています。ただし CT が計算機で再構成したスライスなのに対し、超音波は探触子(プローブ)そのものが“物理的に”平面内を走査してリアルタイムに 2 次元像を描き出す――というのが最大の違いです。仕組みを順を追って整理します。
1. 1 本のビームで得られるのは A-mode(深さプロファイル)
- プローブの素子が短いパルス波を送信
- 深さ
ddごとに戻ってきた反射エネルギーを記録
- 得られるのは「時間(= 深さ)」―「反射強度」の 1 次元波形
2. 走査して A-mode を並べれば B-mode(Bright-ness mode)
方式 | 走査のやり方 | 像の形 |
---|---|---|
リニアアレイ | 素子列を時系列に送受信 → 直線状に走査 | 矩形の断層 |
コンベックス/セクタ | 電子偏向または機械回転で扇状に走査 | 扇形の断層 |
フェーズドアレイ | 全素子を位相制御 → ビーム方向を瞬時に振る | 扇形(心臓 2D-Echo など) |
- 各ビームは「平面上の 1 本の線」を探るだけ。
- その線を多数並べ、横軸(または扇軸)=面内位置、縦軸=深さ として 2D マトリクスに配置 → 強度を輝度に変換 ⇒ 1 枚の断層像。
3. 「面外」の厚み――エレベーション方向とスライス厚
- プローブ素子には**高さ(厚み方向)**があり、その幅がビームの面外拡がりを決める。
- 実際のスライスは理想的な無厚板ではなく、数 mm 程度の「レンズ状ボリューム」。
- 高さ方向の分解能をエレベーション分解能と呼び、厚みが大きいと “partial-volume” アーチファクト(臓器が実際より太く写る等)が生じる。
4. 3D/4D 超音波は「断層の積み重ね」
- 機械スイープ
プローブ内蔵モータで扇状に面をずらし、多数スライスを取得 - マトリクスアレイ
縦横 2D 配列素子を個別制御 ⇒ 任意方向へ電子走査 - 得られた体積データをレンダリングして心臓 4D や胎児顔面像に応用
5. CT と比較すると
特性 | X 線 CT | 超音波 |
---|---|---|
投射エネルギー | 電磁波(X 線) | 機械波(音) |
像形成 | 減弱係数の逆投影再構成 | 反射強度の直接マッピング |
断層厚 | 数 mm(再構成で調整) | プローブのエレベーション幅で決定 |
3D 化 | らせん収集+再構成 | 機械 or 電子ボリューム走査 |
放射線被曝 | あり | なし |
6. 現場での実感ポイント
- プローブを 1 cm 傾ければ、まったく別の断面が写る。
- 心エコーで「心尖部四腔断面」「心基部短軸断面」などと呼ぶのは、向きを変えて“違うスライス”を見ているということ。
- 立体構造を把握するには 同じ臓器を多方向から何枚も切って頭の中で 3D 再構築する“読影力”が要。
- 造影エコーや エラストグラフィは、基本の B-mode 断層に追加情報(造影剤の動態や硬さ分布)を上書きする拡張技術。
▶︎ まとめ
超音波診断装置が描いているのは、プローブが定めた平面をリアルタイムで「切り取る」断層像です。
- 1 本のビームで深さ方向の反射プロファイル(A-mode)
- ビームを横方向に掃いて並べると 2D スライス(B-mode)
- さらにスライスを積めば 3D/4D
したがってプローブの操作は、実質的に「身体の中をどの方向で切るか」を決める行為に等しい――というわけです。
プローブ操作と「扇形画像」の関係を整理します
見えている“扇形” | 本当の原因 | 手に感じる操作 |
---|---|---|
画面上のエコー像が扇形に広がる | プローブ内部でビーム方向を段階的に変えている(電子走査 or 曲面素子列) | 必ずしも大きく傾けているわけではない。同じ一点で軽く固定していても扇形像は出る |
スライス(断面)を別の角度に切り替える | 画像平面そのものを変えるために**プローブを “ロック” or “ヒール&トゥ”**で数°〜十数°傾ける | 指先で“ゆらす”感覚(パン・ティルト) |
観察範囲を体表面上で移動させる | 皮膚に沿って平行移動(スライド) | 「走査する」感覚 |
1. 扇形は“内部の走査”で作られる
- フェーズドアレイ
小さな開口を共有する 64~128 個の素子を、マイクロ秒単位で位相制御 → ビーム角度を電子的に‐30°〜+30°程度振る ⇒ 扇形 - コンベックスアレイ
最初から曲面に並んだ素子を順番に走査 ⇒ 幾何学的に扇形 - ▶︎ どちらもプローブ先端は静止したままでも 1 フレーム内で複数の角度を“掃いて”いる
たとえると:懐中電灯を置いたまま、中でミラーが高速に振れてライトが扇形状にスキャンしているイメージ。
2. オペレータが行う主な 4 つの手技
手技 | 目的 | 画像の変化 |
---|---|---|
スライド(平行移動) | 隣の領域を見る | 同じ断面向きで位置がずれる |
ティルト(傾ける) | 断面の角度を変える | 心尖部四腔断面 → 二腔断面のように像が回転 |
ロック・ヒール&トゥ(先端支点に微傾斜) | エコー輝度を最大化/部位を中央に | 反射が強くなる・臓器中央化 |
ローテーション(回転) | 長軸 ↔ 短軸切替 | 画像が90°回転した断面に |
➡ ティルト操作をすると画面の扇形が“首を振る”ように見えるので「傾け=扇形」と感じやすいですが、像自体の扇形形状は内部ビーム制御、断面を切り替える動きは手元のティルトと分けて考えると理解しやすくなります。
3. まとめ
- 扇形画像の形状そのものはプローブ内部のビーム走査方式が決めており、
- 心エコー用フェーズドアレイ:電子的にビーム角を振る
- 腹部用コンベックス:曲面素子列を順番に発射
- 操作者は
- 画像平面を変えたいとき → 軽く傾けたり回したり(ティルト/ローテーション)
- 観察領域を移したいとき → 皮膚に沿って平行移動(スライド)
- したがって「扇形=常に大きく傾けている」わけではなく、
- 静止した位置でも扇形像は描ける
- 傾け操作は断面の向きを替えるための追加動作
これで「扇形」と「プローブの傾け」の役割分担がクリアになると思います。
(ChatGPT o3)
参考
- https://www.riken.jp/pr/news/2024/20240906_2/index.html