ナチュラルキラー(NK)細胞(natural killer cells)とは

ナチュラルキラー(NK)細胞(natural killer cells)とは

自然免疫のシステムは、可溶性物質による防御機構と、細胞性の防御機構がある。細胞性の防御機構としては、貪食細胞による貪食や、NK細胞による攻撃がある。

末梢のリンパ球のうち、T細胞 (CD3をマーカーとして発現)でもB細胞(マーカーとして免疫グロブリンを発現)でもない集団があり、それがナチュラルキラー細胞(末梢のリンパ球の5~10%)。前感作なしである種の腫瘍細胞を殺すことができることから、この名前がついた。

ウイルスに感染した細胞はストレス分子MICAやMICBを発現する。またMHCクラスI分子の発現量が減少する。NK細胞のキラー活性化レセプター(killer activation receptor)は、MICAやMICBと結合し、キラーシグナルを生み出す。また、NK細胞のキラー抑制性レセプター(killer inihibition receptor)は、MHCクラスI分子と結合することにより、MHCクラスI分子の発現量をモニターする。MHCクラスI分子が十分発現していれば、先のキラーシグナルを抑制する。不十分であればキラーシグナルが優勢となり、NK細胞が宿主細胞を死に至らしめる。

参考

  1. リッピンコットシリーズ イラストレイテッド免疫学 原書第2版