発達学とは
発達学とは、人間が生まれて育つプロセスに関する学問です。体の発育とこころの発育の両方を取り扱います。受精~死までの人の一生涯にわたる体と心の変化という広い捉え方が、広義の発達学で、場合によってはそれが細分化されているようです。
発達心理学:特に認知機能に関して、年齢に応じて人間は何ができるようになっていくのか、どのように変化していくのかといった、個体の能力の発達の段階を取り扱う学問分野。
生涯発達心理学:どのように能力が発達するかを成人までにとどめずに、老齢になるまで、つまり誕生、成長、老化、死までを一続きに捉えて学問の対象とするもの。その際、環境(家庭、学校、社会)とのかかわりも考慮する。
人間の発達期の分類
- 胎生期:受精から出生まで
- 胚芽期
- 胎芽期
- 胎児期
- 新生児期:出生に伴う急激な外界への心身の適応。肺呼吸の開始。栄養の摂取の開始(それまでは胎盤を通じたもの)。体温調節。
- 乳児期:随意運動の発現。発育の速度が大きい。
- 幼児期:運動、認知、言語、対人面の発達が著しい。 前期 後期
- 学童期:運動スキルの獲得。
- 青年期:生殖機能など身体機能の変化。前期 後期
- 成人期:社会的役割、家庭での役割。 前期 中期 後期
- 老年期:老化に伴い、身体的、精神的、社会的な喪失。
- 前期老齢期
- 後期老齢期
参考
- スキャモンの臓器別発育曲線:リンパ型、神経型、一般型、生殖型
発達学におけるキーワード
- 成熟:生物学的成長
- 成長:成人に向かう体の発育の量的な増大
- 発達:環境との相互作用で構造や機能が分化する過程、機能が発現する過程
- 学習:経験による行動の変化
- 発育:成熟過程での大きさの増加
正直、上の単語は似ていて、使い分けることにどれだけ意味があるやら。
発達学における原則
- 発達の連続性
- 発達の順序性:ある発達課題が達成されないと、次の発達課題に向かうことは困難。
- 発達の方向性
- 発達の異速性
- 発達の個人差
- 分化・統合
- 相互関連性の原則
- 個体と環境の相互作用の原則
発達学の内容
- 人間の一生涯のライフステージ
- 各ライフステージ固有の疾患
- 発達年齢課題
- 生活年齢課題
- 運動・姿勢獲得の要素
- 発達各領域間の相互関連性
発達学の研究者
- ハヴィーガースト RJ Havighurst:1953 発達課題
- エリクソン:人生周期説Life Cycle Theoryを唱え、心理社会的発達段階として8つの段階を提唱。アイデンティティ・クライシスという言葉が有名。
- フロイト:
発達学の理論
- 心の理論Theory of Mind (ToM)
発達学の参考図書
- イラストでわかる人間発達学 上杉雅之 監修 医歯薬出版株式会社 2015年9月25日 人間発達学に関する書籍は教育学・心理学の観点で書かれたものが多い中、この本は理学療法士・作業療法士の学生向けに書かれており、国試対策を意識して書かれている。
発達学の講義の実践
- 発達心理学における「自分史」発表の教育的意義 2009年(PDF)