大腸がんの遺伝と大腸がん検診の重要性

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自分は父を大腸がんで亡くしています。90歳近くても足腰も強くて元気でしたが、あるとき突然便秘が酷くなり、市販薬で浣腸しても便が出ず、病院に行って大腸がんがわかりました。がんの組織が大腸の壁で肥大して、便の通り道をふさいでしまっていたために、便が出なくなっていたのです。直ちに入院してステントを入れて大腸の管腔を広げる処置をしましたので便通は可能になったのですが、検査をしてみるとすでにがん細胞が肝臓などに広く転移しており、転移した肝臓のがんを切除して取り除くこともできず、原発巣の大腸のがんを取り除くこともそうなると意味をなさないため、なすすべがないという状態でした。90近くまで頭も体も完全に健康だった父ですが、便秘したことにより末期大腸がんが見つかって、それから3か月もしないで亡くなりました。

消化器系のガンは、末期には食事が消化できなくなりますので、エネルギーを摂取できなくなります。エネルギーがないと人間は生きていけないという当たり前のことを思い知らされました。

大腸がんの恐ろしいところは、手遅れになるまで症状が出ないことです。自覚症状が出たときは、既に手遅れなのです。大腸がん検診がいかに大事かということがわかります。大腸がんは、まず最初に大腸にポリープが形成されてそれが何年もかかってがん化するという過程を経ることが多いようです。ガン化する前のポリープを外科的に切除すれば完治しますので、大腸がんは防げる病気とも言えます。

家族が大腸がんになっている場合には、遺伝的な影響により自分も大腸がんになるリスクがほかの人よりも高くなるので、大腸がん検診(内視鏡検査)を受けたほうが良いと医師に勧められました。

大腸がん

  1. Colorectal cancer The Lancet

遺伝的な大腸がんのリスク

Interindividual genetic differences could account for 40% of the variation in susceptibility to colorectal cancer

Familial Risk and Heritability of Colorectal Cancer in the Nordic Twin Study of Cancer Clinical Gastroenterology and Hepatology Volume 15, Issue 8, August 2017, Pages 1256-1264

Heritable factors account for approximately 35% of colorectal cancer (CRC) risk, and almost 30% of the population in the UK have a family history of CRC. (Guidelines for the management of hereditary colorectal cancer from the British Society of Gastroenterology (BSG)/Association of Coloproctology of Great Britain and Ireland (ACPGBI)/United Kingdom Cancer Genetics Group (UKCGG) Gut Volume 69, Issue 3)

大腸がんのリスク遺伝子

Thirty years of investigations into the genetic causes of colorectal cancer have identified 14 genes that, when mutated, are associated with an increased risk of the disease. Now, a Saudi-US research collaboration has found two more genes, greatly improving the ability of clinicians to identify at-risk individuals, while indicating potential therapeutic options for chemo-therapy-resistant patients. ‥ The results showed two heritable genetic mutations in the genes ATM and PALB2 that were morecommon in cancer patients, suggesting a causal link. (Revealing the missing heritability of colorectal cancer Diagnosis of colorectal cancer may improve following the discovery of two gene mutations. References: AlDubayan, S. et al. The American Journal of Human Genetics 102, 401-414 (2018).)

  1. The missing heritability of familial colorectal cancer Mutagenesis. 2020 Jul; 35(3): 221–231. doi: 10.1093/mutage/gez027 PMCID: PMC7352099

大腸がん検診の重要性

自分の父親がもし定期的に(数年に1回でも)大腸がんの内視鏡検査を受けていれば、切除可能な段階で大腸がん(もしくは大腸ポリープ)が発見できていたのだろうと思います。そうすれば、あと10年くらい(人生100年時代)は生きられたのではないでしょうか。

  • 50代になると大腸がんを発症する方が急増
  • 「血便」「便が細い」など大腸がんと思われる症状が現れる時には、すでにがんは進行

大腸内視鏡検査を受ける頻度は?毎年受けたほうがいい? たまプラーザ南口胃腸内科クリニック 神奈川県横浜市青葉区新石川)

  • 内視鏡検査でほぼ防ぐことが可能
  • 2親等以内の親族(祖父母、両親、兄弟姉妹)が大腸がんになった場合には、40歳になったら検査を受けましょう。

大腸内視鏡検査とは 芦屋おく内視鏡クリニック 兵庫県芦屋市大桝町)

下の動画によると、血便の検査で陽性と分かった人ですら、多くの場合、大腸内視鏡検査をしないのだそうです。医師の説明によれば、肛門から内視鏡を挿入されるので恥ずかしいと感じることと、痛くて苦しいのではないかという思い込みがあることだそうです。羞恥心のせいで助かるはずの命を失うことになるとしたら、とても残念なことです。

  1. Colorectal Cancer #2: Endoscopic Diagnosis and Treatment Doctor’s Insight 10m 00s Broadcast on May 3, 2022 Available until March 31, 2025 www3.nhk.or.jp

 

 

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