点滴の針は金属の針を刺しっぱなしにしているわけではなかった

自分は点滴をやったことがないので知らなかったのですが、点滴経験者に聞いたら、点滴されている間、皮膚に刺さっているあの針は、「金属じゃないよ」とのことでした。

刺すときは金属の針があるのですが、その外側にプラスチックの部分があって、二重構造になっているのだそうです。血管に針を差し入れたあとは、内側の金属部分を抜いて、外側のプラスチックの柔らかい針の部分だけが血管内に残ります。だから、フレキシブルなのです。下のブログの図入り解説がわかりやすい。

以下の看護のサイトにも説明がありました。

内針または内管、内筒と呼ばれる金属針と、外針また外管、外筒と呼ばれる柔らかいプラスチック製のカテーテルからなる。外針のなかに内針が入っている状態で、血管に刺した後、内針を引き抜き、外針のみが血管内に留置されるようになっている。(留置針とは・・・  2019/08/01 看護roo!)

 

なぜ自分は点滴の金属針は差しっぱなしだと思い込んでいたのか、もやもやしていたのですが、たまたまアマゾンプライムで「ブラックジャック」のアニメを見ていて、その謎が解けました。ブラックジャックで、点滴の金属針が折れて血管の中に入って行って大騒動になるエピソードがあったのです。

  1. 「ブラック・ジャック」【055】針(秋田書店)
  2. Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記 日頃の行い 2012年03月22日 01:14

マンガの影響は大きいですね。

 

下の動画では、手技の実際の様子が見られます。

使用方法解説 シュアシールド サーフロー Ⅱ(フラッシュタイプ) 2012/03/29 jrgoicpwork

失敗事例

  1. 静脈留置針を抜去する際、外針(プラスチック製)が離断し、離断片が血管内に遺残(静脈留置針操作時の注意について PMDA資料)

 

参考

  1. 医療機器今昔物語(MTJAPAN)
  2. 乳幼児の血管確保(杏林大学小児外科 腹部救急診療の進歩10(3):319-396,1990)
  3. 麻酔科医がもっておくべき針の知識(日臨麻会誌26(1) Jan. 2006)