生化学に関連する問題のみピックアップします。医学、栄養学、生化学は全部繋がっていますね。
第115回医師国家試験 令和3年2月6日(土)、7日(日)実施
C問題 12
肝臓の代謝で正しいのはどれか。 a. アラニンは糖新生に利用される。 b. 胆汁酸は中性脂肪から合成される。 c. 非代償性肝硬変では芳香族アミノ酸が低下する。 d. アンモニアはTCAサイクルで尿素に変換される。 e. 非抱合型ビリルビンはグルクロン酸抱合を受け脂溶性になる。
解説:筋肉でピルビン酸が、アミノ酸代謝で生じたアミノ基の転移を受けてアラニンに変化します。アラニンは肝臓に運ばれて糖新生に利用されます。胆汁酸はステロイド骨格を持っており、肝臓でコレステロールから合成されます。アンモニアが尿素に変換されるのは、文字通り、尿素回路においてです。非抱合型ビリルビンは水に溶けません(脂溶性)ですが、グルクロン酸(グルコースにカルボキシ基が結合したもの)と結合することにより(抱合と呼ぶ)、水溶性になります。そもそも抱合というのは、脂溶性のものを水に溶けやすくするためのものです。
- 肝硬変ガイドQ&A 日本消化器病学会ガイドライン 肝硬変では、血液が十分に肝臓に流れ込まなくなったり、全体の肝細胞機能が低下するために、腹水、肝性脳症、黄疸、出血傾向など、さまざまな症状が現れてきます。このうち黄疸、腹水、肝性脳症が認められる肝硬変を「非代償性肝硬変」と呼び、症状のないものを「代償性肝硬変」と呼びます。
- 栄養指標のフィッシャー比ってなに!? 日本離床学会 フィッシャー比とは、活動時のエネルギーとなる血中分岐鎖アミノ酸と、タンパク質の構成やホルモンのもととなる血中芳香族アミノ酸の比率です。フィッシャー比は、肝代謝・予備能の指標、肝障害の重症度判定に有用
- 臨床栄養学20-134. https://diet2005.exblog.jp/ 肝硬変の食事療法である。正しいものの組合せはどれか。 非代償期になると肝臓の機能低下による症状(黄疸、腹水、浮腫、肝性脳症など)が出てくる
- 臨床栄養学 21-138 https://diet2005.exblog.jp/ 肝硬変の非代償期の栄養補給に関する記述である。( )に入る正しいものの組合せはどれか。 肝硬変の非代償期ではフィッシャー比を( a )ために、( b )を投与する。 分枝アミノ酸と芳香族アミノ酸の比率をフィッシャー比という。
関連記事:
参考: