FDGとは
フルオロデオキシグルコース(18F)(18F-FDG)は、化学名は 2-デオキシ-2-[18F]フルオロ-D-グルコース で、D-グルコースの2位の水酸基を陽電子放射同位体であるフッ素18に置換したもの。
AI による概要
FDG-PET (フルオロデオキシグルコース-陽電子放出断層撮影) は、がんの診断や病期評価に使用される画像診断法の一種です。ブドウ糖に似た検査薬 (FDG) を体内に注射し、がん細胞が正常細胞よりも多くのブドウ糖を取り込む性質を利用して、がんの有無や広がりを調べます。
FDG-PET の仕組み:
-
-
1. FDG の投与:
ブドウ糖に似た検査薬であるFDG (フルオロデオキシグルコース) に、微量の放射性物質 (F-18) を結合させたものを注射します。
-
-
2. 集積:
FDG は、ブドウ糖代謝が活発な部位、特にがん細胞に多く取り込まれます。
-
3. 画像化:
取り込まれたFDGから放出される放射線を特殊な装置 (PET装置) で検出し、画像化します。
-
4. CTとの連携:
PET画像とCT画像を重ね合わせることで、病変の位置や形状をより正確に把握できます (FDG-PET/CT).
FDG-PET の特徴:
-
全身のがんを一度に検査:
PET/CT検査では、一度の検査でほぼ全身を撮影できます。
-
がんの活動状況を把握:
がん細胞が活発に活動しているか (糖代謝が亢進しているか) を調べることができます。
-
病期診断、再発・転移診断に有用:
がんの種類や進行度、転移の有無などを評価するのに役立ちます。
-
他の検査との併用:
CT検査やMRI検査、超音波検査など、他の画像診断と組み合わせて、より正確な診断を行うことができます。
FDG-PET の注意点:
-
食事制限:
検査の5~6時間前から食事制限が必要です。
-
高血糖:
糖尿病などで血糖値が高いと、FDG の集積が阻害される可能性があります。
-
偽陽性・偽陰性:
良性病変や炎症などでもFDGが集積することがあり、偽陽性となる場合や、成長の遅いがんなどではFDGが集積しにくく、偽陰性となる場合があります。
-
放射線被ばく:検査では微量の放射線を使用しますが、過度に心配する必要はありません。