「胸が締めつけられるような痛みを感じた」「運動中に胸が苦しくなったが、少し休んだら治った」──このような経験はありませんか?
https://uetani-clinic.com/blog/狭心症とは|心筋梗塞の前兆かも?胸の痛み 植谷医院
胸痛か胸の圧迫感を感じるようになります。これが狭心症です。ただし、この症状は長くても15分以内に消えてしまいます。 https://www.beppu-clinic.com/angina_pectoris/ べっぷ内科クリニック
狭心症(きょうしんしょう、angina pectoris)とは、心臓の筋肉(心筋)に十分な酸素や栄養が届かなくなることで生じる胸の痛みや圧迫感を特徴とする疾患です。これは一種の虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)であり、心筋梗塞の前段階ともいえる重要なサインです。
狭心症という語句 英語「angina pectoris」の語源
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「angina」:ラテン語 angere(締めつける、絞めつける)が語源。
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→ 古代では「喉の痛み」や「胸の締めつけ感」などにも使われた。
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「pectoris」:ラテン語で「胸部の」の意味(pectus = 胸)
🔸「angina pectoris」は直訳すると、
→ “胸の締めつけ” です。
💡 つまり、患者が感じる「胸が締めつけられるような痛み」の感覚に由来しています。
✅ 狭心症の原因
- 狭心症とは、冠動脈が何らかの原因(多くは動脈硬化)により狭くなり、十分な量の酸素と栄養が心臓の筋肉に運べなくなることによって起こる病気です。 https://www.medic.mie-u.ac.jp/miecrnet/shiminnokata/
最も多い原因は、冠動脈の動脈硬化です。
冠動脈は心臓に血液を供給する血管で、動脈硬化によって血管が狭くなると、心筋に必要な酸素が行き渡らなくなります。
- https://www.ncvc.go.jp/coronary2/disease/stable_angina/index.html 労作性狭心症(安定狭心症)は、冠動脈の一部が動脈硬化によって75%以上狭窄すると発作の症状が出ると言われています。狭心症の症状である胸痛発作の頻度(数回/周以下)や持続時間(数分以内)、強度などが一定であることや、一定以上の運動や動作によって発作が出現するといった、発作の出現の仕方が安定している狭心症のことを言います。
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狭心症の主な症状
- 胸の痛みや圧迫感(特に胸の中央や左側)
- 安静や薬(ニトログリセリン)で数分以内に改善
- 放散痛:左肩・腕、顎、背中などに痛みが広がることも
- 動悸・息切れ(特に労作時)
- https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/06-心臓と血管の病気/冠動脈疾患/狭心症 大半の症例で運動への反応として発生し、安静にしていると回復します。
- https://www.karadacare-navi.com/medical/02/ 典型的な症状は、胸が圧迫されるような重たい痛みです。「心臓を万力で締め付けられる、グッとつかまれるような痛み」と表現されることもあります。こうした痛みが5〜10分ほど続き、スッと引くのが特徴です。このほか、「首が締め付けられる」「奥歯が痛い」「左肩が凝って痛む」「上腹部が痛む」こともあります。
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狭心症の種類
分類 | 特徴 |
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労作性狭心症 | 運動や階段の昇降など体を動かしたときに症状が出る |
安静時狭心症 | 安静にしているときでも突然症状が出る。夜間や早朝に多い |
異型狭心症(冠攣縮性) | **冠動脈の一時的なけいれん(攣縮)**が原因で、若年者にも起こることがある |
不安定狭心症 | 安静時にも起こり、心筋梗塞に進展しやすい危険なタイプ |
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狭心症の診断方法
- 心電図(安静時・運動負荷・ホルター)
- 心エコー
- 負荷心筋シンチグラフィ
- 冠動脈CT・カテーテル検査(冠動脈造影)
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狭心症の治療
- 薬物療法:ニトログリセリン、β遮断薬、Ca拮抗薬、抗血小板薬 など
- 生活習慣の改善:禁煙、運動、食事、血圧・血糖・コレステロール管理
- カテーテル治療(PCI:ステント留置)
- 冠動脈バイパス手術(CABG)
✅ 狭心症と心筋梗塞の違い
項目 | 狭心症 | 心筋梗塞 |
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原因 | 血流不足(一時的) | 血流の完全遮断(心筋が壊死) |
痛み | 数分以内に治まる | 15分以上続く |
改善 | 安静や薬で改善 | 改善しないことが多い |
緊急性 | 比較的低い | 非常に高い(命に関わる) |
(ChatGPT 4o)
ニトログリセリンが有効なわけ
ニトログリセリン(nitroglycerin)が狭心症に効果がある理由は、心臓への酸素供給と需要のバランスを改善するからです。
以下にその作用機序をわかりやすく説明します。
🔬 ニトログリセリンの作用機序(メカニズム)
🔻 1. ニトログリセリンは体内でNO(一酸化窒素)に変換される
- ニトログリセリンは血管平滑筋の中で酵素によって代謝され、**一酸化窒素(NO)**を放出します。
- NOは、グアニル酸シクラーゼという酵素を活性化し、**cGMP(サイクリックGMP)**を増やします。
- cGMPは血管平滑筋を弛緩させて、血管を広げます(=血管拡張)。
🔻 2. 血管が拡張するとどうなる?
✅ 主に「静脈」が拡張
- → 静脈還流が減少
- → 心臓に戻る血液量が減少(前負荷の減少)
- → 心臓が送り出す血液量が減るので、心筋の酸素消費量が減る
- → 結果的に心筋の負担が軽くなる(痛みが軽減)
✅(高用量では)動脈も拡張
- → 後負荷の減少(血圧が下がる)
- → 心臓が血液を送り出しやすくなる
- → さらに心筋の酸素需要が減る
✅ 冠動脈も拡張(特に攣縮性狭心症に有効)
- → 狭くなった冠動脈が広がり、酸素供給が改善される
- → 心筋虚血が解消
💡まとめ:ニトログリセリンの3つの主要効果
作用部位 | 効果 | 結果 |
---|---|---|
静脈系拡張 | 前負荷の減少 | 心筋の酸素消費量が減少 |
動脈系拡張 | 後負荷の減少 | 血圧低下 → 心臓の仕事が減少 |
冠動脈拡張 | 冠攣縮の解除 | 心筋への酸素供給が改善 |
🩺 だから狭心症に効く!
- 狭心症は「心筋の酸素不足」が原因。
- ニトログリセリンは「酸素の需要を減らし」「供給を増やす」ことで、虚血状態を改善し、胸痛を速やかに緩和します。
(ChatGPT 4o)
ニトログリセリンについて
ニトログリセリン(nitroglycerin)は、イタリアの化学者 アスカニオ・ソブレロ(Ascanio Sobrero) によって、1847年に発見されました。
🧪 発見の背景
- ソブレロは、トリノ大学で化学を学んでおり、後に有名な化学者ジュール・ペリゴーやテオフィル=ジュール・ペルズの影響を受けながら、有機化学の研究を進めていました。
- ニトログリセリンは、硝酸とグリセリンを強酸(通常は硫酸)存在下で反応させることで合成されます。
- 当初、ソブレロはこの化合物の爆発性の高さに恐れを感じ、「人間が扱うには危険すぎる」と考えていたため、その応用には否定的でした。
💥 後に応用したのは誰?
- ソブレロが発見してから約20年後、アルフレッド・ノーベル(Alfred Nobel)がニトログリセリンの爆薬としての実用化に成功します(1860年代)。
- ノーベルはニトログリセリンを**珪藻土(キースラガー)に吸収させた「ダイナマイト」**を発明し、大きな成功を収めました。
💊 医薬品としての応用は?
- ニトログリセリンはその後、血管拡張作用があることがわかり、1879年頃から狭心症の治療に使用されるようになります。
- この作用は、薬理学者**ウィリアム・マークハム(William Murrell)**らによって研究され、医療用途として確立されました。
🧠 ちなみに…
- アルフレッド・ノーベル自身も狭心症に悩まされており、皮肉なことに自身の発明品(ニトログリセリン)を治療に使うよう医師に勧められていました。しかし、彼はこれを「皮肉なことだ」と嫌がったという逸話があります。
✅ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
発見者 | アスカニオ・ソブレロ(1847年) |
応用者(爆薬) | アルフレッド・ノーベル(1860年代) |
医療応用開始 | ウィリアム・マークハムらによる研究(1879年頃〜) |
ニトログリセリン(nitroglycerin、または glyceryl trinitrate)の構造式は、**グリセリン(glycerol)の3つのヒドロキシ基(–OH)が硝酸基(–ONO₂)**に置き換わった形をしています。
🔬 構造式(化学構造)
化学式:C₃H₅N₃O₉
IUPAC名:1,2,3-プロパントリニトラート
● 構造式(構造式の説明)
- 中心は グリセロール骨格(CH₂–CH–CH₂)
- それぞれの炭素に 硝酸エステル(–ONO₂)基 が1つずつ結合
- 「硝酸エステル」とは、「アルコール + 硝酸」のエステル結合で、–OH → –ONO₂ に変換されたもの
🧨 爆薬としての性質の由来は?
- 含まれている 3つの硝酸エステル基(–ONO₂) は非常に不安定で、熱や衝撃で分解しやすい。
- 分解すると 大量のガスと熱を発生し、爆発的反応を起こす(これがダイナマイトの原理)。
(ChatGPT 4o)