弁理士試験の合格者が頭に入れている「条文番号の背骨(トップ30)」。頻出度と重要度を考慮して、S・A・Bランクに分けています。
【Sランク】 呼吸をするように出てくる「ビッグ5」
(ここが出ないと会話が始まりません。最優先です。)
| 順位 | 条文番号 | 通称・キーワード | ひとこと解説 |
| 1 | 29条 | 新規性・進歩性 | 特許の基本中の基本。「新しいか?容易じゃないか?」 |
| 2 | 29条の2 | 拡大先願 | 「カクダイセンガン」。先輩の出願と中身がかぶったらダメ。 |
| 3 | 39条 | 先願 | 早い者勝ちルール。「1日でも早く出した方が勝つ」。 |
| 4 | 36条 | 記載要件 | 願書の書き方ルール。「実施可能要件」や「サポート要件」など。 |
| 5 | 17条の2 | 補正 | 願書の内容を後から修正すること。「補正の時期と範囲」が試験の山場。 |
【Aランク】 実務・試験の「主役級」10選
(論文試験や口述試験で、番号を間違えると致命傷になるレベルです。)
| 順位 | 条文番号 | 通称・キーワード | ひとこと解説 |
| 6 | 30条 | 新規性の喪失の例外 | うっかり発表しちゃった時の救済(グレースピリオド)。 |
| 7 | 49条 | 拒絶理由 | 「お前の特許はここがダメだ」リスト。条文番号のデパート。 |
| 8 | 41条 | 国内優先権 | 自分の過去の出願をベースに、新ネタを追加して出し直す制度。 |
| 9 | 44条 | 分割出願 | 1つの特許出願を、2つ以上に切り分けること。 |
| 10 | 123条 | 無効審判 | ライバルの特許を消し去るための攻撃手段。 |
| 11 | 121条 | 拒絶査定不服審判 | 審査官にNOと言われたけど、納得いかない時の不服申し立て。 |
| 12 | 68条 | 特許権の効力 | 「業として特許発明の実施をする権利を専有する」という定義。 |
| 13 | 70条 | 技術的範囲 | 「私の権利はここまで!」という範囲の決め方(クレーム解釈)。 |
| 14 | 104条の3 | 無効の抗弁 | 「侵害だと言うけど、そもそもお前の特許無効だろ?」という返し技。 |
| 15 | 101条 | 間接侵害 | 完成品じゃなく「専用部品」を売っただけでも侵害になるルール。 |
【Bランク】 ここまで覚えれば合格者レベル!15選
<権利の運用・トラブル系>
| 順位 | 条文番号 | 通称・キーワード | ひとこと解説 |
| 16 | 35条 | 職務発明 | 社員が発明した時、会社とどうお金のやり取りをするか。 |
| 17 | 72条 | 利用関係 | 「あなたの特許、私の基本特許を使ってるよね?勝手にやらないで」 |
| 18 | 102条 | 損害賠償 | 侵害された時、「いくら請求できるか」の計算式。 |
| 19 | 79条 | 先使用権 | 【攻略済】 出願前からやってた人はタダで継続OK。 |
| 20 | 80条 | 中用権 | 【攻略済】 無効審判でひっくり返った時の有料救済。 |
| 21 | 176条 | 後用権 | 【攻略済】 再審で復活した時の有料救済。 |
<手続き・審査系>
| 順位 | 条文番号 | 通称・キーワード | ひとこと解説 |
| 22 | 43条 | パリ条約の優先権 | 外国に出すとき、「日本の出願日」を基準にしてもらう制度。 |
| 23 | 53条 | 補正の却下 | 「そんな大幅な書き換えは認めん!」と門前払いされること。 |
| 24 | 50条 | 拒絶理由通知 | いきなり拒絶せず、「反論のチャンス(意見書)」を与える義務。 |
| 25 | 46条 | 出願の変更 | 実用新案や意匠へ乗り換えること。 |
<審判・その他>
| 順位 | 条文番号 | 通称・キーワード | ひとこと解説 |
| 26 | 126条 | 訂正審判 | 特許になった後で、自分で範囲を狭くして守りを固めること。 |
| 27 | 134条の2 | 訂正の請求 | 無効審判で攻められた時に、カウンターで訂正すること。 |
| 28 | 163条 | 一事不再理 | 「一度確定したら、同じネタで何度も蒸し返すな」というルール。 |
| 29 | 67条 | 存続期間 | 原則20年。薬などは5年延長できる(延長登録出願)。 |
| 30 | 33条 | 特許を受ける権利 | 発明が完成してから出願するまでの、「卵」の状態の権利。 |