特017の3第6項 独立特許要件を準用する場合の補正

最後の拒絶理由通知に対応する 明瞭でない記載の釈明を目的とする補正については 独立特許要件は課されない。

Gemini:

その通りです。
「最後の拒絶理由通知」に対する応答として行う**「明瞭でない記載の釈明(第17条の2第5項第4号)」**を目的とする補正については、独立特許要件は課されません。
この点は、論文試験や担当官との応対において非常に重要な区別となりますので、整理しておきましょう。


1. 法的根拠(条文の構造)
特許法第17条の2(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)の構造を見ると、このルールが明確になります。
* 補正の目的(第5項)
   最後の拒絶理由通知後の補正は、以下のいずれかに該当するものに限られます。
   * 1号:請求項の削除
   * 2号:特許請求の範囲の減縮
   * 3号:誤記の訂正
   * 4号:明瞭でない記載の釈明(拒絶理由通知で指摘されたものに限る)
* 独立特許要件の適用(第6項)
   > 「前項第2号(特許請求の範囲の減縮)に掲げる事項を目的とする補正については、…独立して特許を受けることができるものでなければならない。」
   >
このように、条文上、独立特許要件(特許法第126条第7項の準用)が課されているのは**「第2号(減縮)」のみです。「第4号(釈明)」には適用されません。


2. なぜ「釈明」には独立特許要件が不要なのか?(趣旨)
* 減縮の場合:
   権利範囲を狭めて「特許可能」な状態に持っていく行為であるため、その狭めた範囲で本当に特許性(新規性・進歩性)があるかを厳格にチェックする必要があります。
* 釈明の場合:
   あくまで「不明確な記載をはっきりさせる(不備を治癒する)」ことが目的であり、発明の構成そのものを実質的に変更したり、新たな特許性を主張するものではないため、独立特許要件を課す必要性が低い(あるいは性質上なじまない)と考えられています。


3. 注意点:「新規事項」と「目的外補正」
独立特許要件は課されませんが、以下の制限は当然に適用されます。ここは混同しやすいポイントです。
| 要件 | 明瞭でない記載の釈明 (4号) への適用 | 備考 |
|—|—|—|
| 独立特許要件 | × 適用なし | これが今回のポイントです。 |
| 新規事項の追加禁止 | ○ 適用あり | 明瞭にするためであっても、当初明細書等に記載のない事項を追加することはできません(第17条の2第3項)。 |
| シフト補正の禁止 | ○ 適用あり | 発明の単一性を満たす範囲内である必要があります(第17条の2第4項)。 |
| 補正の目的 | ○ 適用あり | 拒絶理由で指摘された「不明瞭な箇所」に対応するものでなければなりません。「自発的な釈明」は認められません。 |
> 重要な実務ポイント
> 形式的には「釈明」として提出しても、審査官に「これは実質的に請求項の減縮(構成要件の限定)である」と認定されると、独立特許要件(進歩性など)の判断対象となるリスクがあります。補正書提出時の「補正の内容」の説明が重要になります。