実013 実用新案技術評価請求の旨を実用新案公報に掲載

実用新案法

第三章 実用新案技術評価
(実用新案技術評価の請求)

第十二条 実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第三条第一項第三号及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二並びに第七条第一項から第三項まで及び第六項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。

2 前項の規定による請求は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。

3 前二項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求は、その実用新案登録に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされた後は、することができない。

4 特許庁長官は、第一項の規定による請求があつたときは、審査官にその請求に係る実用新案技術評価の報告書(以下「実用新案技術評価書」という。)を作成させなければならない。

5 特許法第四十七条第二項の規定は、実用新案技術評価書の作成に準用する。

6 第一項の規定による請求は、取り下げることができない。

7 実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から第一項の規定による請求があつた後に、その請求に係る実用新案登録(実用新案登録出願について同項の規定による請求があつた場合におけるその実用新案登録出願に係る実用新案登録を含む。)に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされたときは、その請求は、されなかつたものとみなす。この場合において、特許庁長官は、その旨を請求人に通知しなければならない。

 

第十三条 特許庁長官は、実用新案掲載公報の発行前に実用新案技術評価の請求があつたときは当該実用新案掲載公報の発行の際又はその後遅滞なく、実用新案掲載公報の発行後に実用新案技術評価の請求があつたときはその後遅滞なく、その旨を実用新案公報に掲載しなければならない。

2 特許庁長官は、実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から実用新案技術評価の請求があつたときは、その旨を実用新案登録出願人又は実用新案権者に通知しなければならない。

3 特許庁長官は、実用新案技術評価書の作成がされたときは、その謄本を、請求人が実用新案登録出願人又は実用新案権者であるときは請求人に、請求人が実用新案登録出願人又は実用新案権者でないときは請求人及び実用新案登録出願人又は実用新案権者に送達しなければならない。

質問だけど、結局、技術評価書は公開されるの?公開しなければいけないの?条文は?

Gemini 3:

「実用新案技術評価書」の内容は、実質的に誰でも見ることができる状態(公開)になります。

条文上の規定と、実務上の運用に分けて整理して解説します。


1. 根拠となる条文(実用新案法 第13条第1項)

ご提示いただいた第13条第1項が、公開の第一歩となります。

第十三条 特許庁長官は、……実用新案技術評価の請求があつたときは……その旨を実用新案公報に掲載しなければならない。

ここには「請求があったこと(その旨)」を公報に載せると書かれています。これにより、第三者は「あ、この権利については技術評価が出ているんだな」と知ることができます。

2. レポートの中身はどうやって見るのか?

第13条3項にある通り、評価書の謄本(写し)は「請求人」と「権利者」に送られます。では、それ以外の第三者はどうするのかというと、以下の規定と運用に基づきます。

  • 書類の閲覧請求(実用新案法 第55条第1項で準用する特許法 第186条第1項):

    誰でも、特許庁長官に対して、実用新案に関する書類の閲覧や謄本の交付を請求できます。技術評価書もこれに含まれるため、法律上、隠されるものではありません。

  • J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)での公開:

    実務上は、わざわざ特許庁へ閲覧請求しなくても、誰でもネット上で無料で見ることができます。評価書が作成されると、J-PlatPatの経過情報からPDF形式でダウンロードできる仕組みになっています。

3. なぜ「公開」されるのか?(制度の趣旨)

実用新案は「無審査」で登録される権利です。中身がスカスカの(新規性がない)権利であっても登録されてしまうため、そのままでは権利者が他者に対して不当な警告を行うリスクがあります。

  • 警告の際の提示義務: 権利を行使する(警告する)際には、評価書を提示しなければなりません(法29条の2)。

  • 公衆への情報提供: 「この権利は有効そうか、それとも無効になりそうか」という特許庁の判断(評価書)を公開することで、第三者が不当な攻撃から身を守れるようにしているのです。


まとめ

項目 掲載・公開の場所 条文
「評価請求があった」という事実 実用新案公報(紙・電子) 第13条第1項
評価書の中身(テキスト・PDF) J-PlatPat(ネット公開) / 閲覧請求 第55条1項(準用特186条)

[!NOTE]

技術評価書は、一度請求されると取り下げることができません(法12条6項)。つまり、自分に不利な評価結果が出そうだからといって途中で止めることはできず、その結果は公にさらされることになります。

 

プロンプト:条文には閲覧請求できるとしか書いていなくて、公開すべきとは書いてないのね?だけど、実際には公開されるのね?

Gemin  3:その通りです!法律用語としての**「公表・公示(掲載)」と、「閲覧(情報提供)」**の使い分けに気づかれたのは、非常に鋭い視点です。実務上は「誰でも見られる=公開」と表現されますが、法的な建付けとしては、おっしゃる通り**「積極的にバラまく(掲載)」のではなく「求めに応じて見せる(閲覧)」**という形になっています。詳しく紐解いてみましょう。


1. 条文上の扱いの違い

法律上、「公報に載せること」と「書類を見せること」は明確に区別されています。

区分 内容 実用新案法の条文
掲載(公報) 請求があったという事実を載せる 第13条第1項
閲覧(請求) 評価書の**中身(原本)**を見せる 第55条1項(準用 特186条1項)

つまり、条文上のルールはこうです:

  1. 特許庁は、公報を通じて「この案件、評価請求が出たよ!」と世界中にアナウンスする(13条1項)。

  2. 中身を見たい人は、特許庁に**「見せてください」と請求(閲覧請求)**する(55条1項)。

2. なぜ「公開すべき」と書かれていないのか?

これには**「公報」**というものの性質が関係しています。

「公報」は、特許庁が公式に発行する「刊行物」です。もし評価書の中身をすべて「公報」に載せる(掲載する)となると、膨大なページ数になり、特許庁の事務負担も増えます。

そのため、法的には以下のロジックをとっています。

  • 「評価書の中身は**ファイル(審査書類の一部)**に入れておくよ」

  • 「見たい人は閲覧請求してね」

  • 「ただし、誰でも閲覧できるようにしておくからね(隠し事はないよ)」

3. 現実(J-PlatPat)で起きていること

ここが混乱の元なのですが、今の時代、わざわざ特許庁の窓口に行って紙の書類を「閲覧」する人はほとんどいません。

  • 自動的なデジタル化: 特許庁は、閲覧請求の手間を省くために、審査書類や評価書を電子化してJ-PlatPatというデータベースにアップしています。

  • 実質的な公開: これにより、「閲覧請求」という法的なステップをネット上のクリック一つで代替させています。

結果として、**「法律には閲覧としか書いていないのに、実際には勝手に世界中に公開されている」**という状態に見えるわけです。


まとめ

[!TIP]

**「公報への掲載」は「看板を立てる」ようなもので、「閲覧請求」は「店の中に入って商品を見る」**ようなものです。

法律は「店の中に入りたい人には、誰でも見せなさい」と命じているだけで、店側(特許庁)が「商品を全部表の看板に貼り出せ」とまでは言っていません。しかし、今は「ネットショップ(J-PlatPat)」があるので、看板を見た瞬間に中身も見えてしまう、という状態なのです。

この「誰でも見られる」という仕組みがあるからこそ、実用新案権者は**「悪い評価が出たら、その権利で下手に他社を攻撃すると、逆に損害賠償を請求されるリスク」**を背負うことになります。