特許法
(行政不服審査法の規定による審査請求の制限)
第百九十五条の四 査定、取消決定若しくは審決及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書若しくは第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定並びにこの法律の規定により不服を申し立てることができないこととされている処分又はこれらの不作為については、行政不服審査法の規定による審査請求をすることができない。
プロンプト:この条文は何を言っているの?不満なら裁判できるんじゃなかったの?
Gemini 3:
特許法第195条の4について、シンプルかつ本質的な部分を解説しますね。
結論から申し上げますと、この条文は**「特許に関する大事な決定については、一般的な役所への文句(行政不服審査法)ではなく、特許庁独自の専門的なルート(特許法上の審判や裁判)で解決してください」**というルールを定めたものです。
「裁判ができない」という意味ではなく、むしろ**「専門性の高い問題だから、いきなり裁判や専門ルートに行くべきで、一般的な行政の不服申し立て手続きはパスします」**という、二度手間を防ぐための規定です。
1. なぜこの条文があるの?
通常の行政処分(例えば、営業停止処分など)に不満があるときは、「行政不服審査法」に基づいて、その役所や上級庁に「審査請求」をすることができます。
しかし、特許の審査は非常に専門的です。
もし一般の行政手続きを許してしまうと、専門知識のない部署が判断することになり、混乱を招く恐れがあります。そこで特許法では、以下のような**「独自の不服申し立てルート」**をあらかじめ用意しています。
-
拒絶査定に不満がある → 「拒絶査定不服審判」を請求する
-
審決(審判の結果)に不満がある → 「知財高裁(裁判所)」に訴える
このように、特許法の中で完結するルートがあるため、あえて「行政不服審査法」の出番をなくしているのです。
2. 制限されるもの・されないものの違い
この条文で「行政不服審査法による審査請求ができない」とされているのは、主に**「特許庁の高度な判断」**が伴うものです。
| 対象となる処分 | なぜ行政不服審査法が使えないのか? | 代わりの手段は? |
| 査定・審決(特許にする・しないの判断) | 専門性が極めて高く、特許法上の「審判」で争うべきだから。 | 不服審判、または知財高裁への訴訟 |
| 書類の却下決定(審判請求書などの却下) | これも審理のプロセスに含まれるため、専門ルートで処理すべきだから。 | 知財高裁への訴訟(第178条) |
【補足:裁判はできるの?】
ご安心ください、裁判(訴訟)はできます。
第195条の4が禁止しているのはあくまで「行政への不服申し立て」であって、裁判所へ訴える権利を奪うものではありません。むしろ、この条文があるおかげで、無駄な行政手続きを飛ばしてスピーディーに裁判(知財高裁)へ持ち込めるようになっています。
3. 逆に「行政不服審査法」が使えるケースは?
この条文に書かれていない「事務的な処分」については、行政不服審査法が使えます。
例えば、以下のようなケースです。
-
特許料の還付を認めてもらえなかった。
-
特許原簿の謄本交付を拒否された。
これらは特許の専門性というよりは「役所の事務手続き」の話なので、一般のルートで文句を言うことができます。
まとめ
第195条の4は、**「特許の核心に触れる大事な判断については、一般の行政ルートを禁止して、専門的な『審判』や『知財高裁での裁判』という特急券ルートに一本化しますよ」**という、手続きの交通整理をしている条文だと考えてください。