特許法
(審理の併合又は分離)
第百五十四条 当事者の双方又は一方が同一である二以上の審判については、その審理の併合をすることができる。
2 前項の規定により審理の併合をしたときは、さらにその審理の分離をすることができる。
プロンプト:この条文が理解できないんだけど、当事者(特許権者)が同じだといっても、異なる特許に関する係争だったらどうするの?それでも併合するの?この条文からすると、併合できるんだよね。
Gemini 3:「え、別々の特許なのに一緒にしちゃうの?」と疑問に思うのは非常に鋭い視点です。結論から言うと、おっしゃる通り、異なる特許に関する事件であっても、当事者が同じであれば併合(一つにまとめて審理すること)が可能です。なぜそのようなルールになっているのか、実務的な背景を含めて整理してみましょう。
1. なぜ「別々の特許」でも併合するのか?
条文上は「当事者の双方又は一方が同一」であれば併合できるとされています。これは、主に**「審理の効率化(訴訟経済)」と「判断の矛盾防止」**が目的です。
具体的には、以下のようなケースで併合のメリットが生まれます。
- 関連する特許(親出願と分割出願など):発明の内容が似ているため、別々に審理するよりも、同じ審判官グループがまとめて見た方が、技術内容の理解も早く、判断の整合性も取りやすくなります。
- 同じ技術分野での争い:特許権者Aと実施者Bが、複数の特許について争っている場合、まとめて審理した方が期日の設定や書類のやり取りが一度に済み、双方の負担が減ります。
2. 「併合できる」であって「しなければならない」ではない
ここで重要なのは、第154条1項が**「併合をすることができる(任意)」**となっている点です。特許庁(審判長)は、当事者が同じだからといって、何でもかんでも機械的にくっつけるわけではありません。以下のような場合は、たとえ当事者が同じでも併合されません。
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技術内容が全く異なり、一緒に審理しても効率が上がらない場合
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一方の事件は審理が終盤なのに、もう一方は始まったばかりで、足並みが揃わない場合
3. もし途中で「やっぱり別々がいい」となったら?(第2項)
第154条2項には、「併合したものを、さらに分離することができる」と書かれています。「一度まとめてみたけれど、やっぱりA特許の方は複雑だから切り離してじっくり審理しよう」といった柔軟な対応ができるようになっています。
まとめ:この条文の捉え方
この条文は、**「当事者が共通しているなら、効率のためにセット販売(併合)してもいいですよ。でも、都合が悪くなったらバラ(分離)してもいいですよ」**という、審理をスムーズに進めるための「道具箱」のような規定だと考えると分かりやすいです。
実務上のポイント
審判実務では、特に「無効審判」において、同じ特許の「請求項1」に対する無効審判と「請求項2」に対する無効審判が別々に請求された場合などに、この条文を使って併合されることがよくあります。