胸骨正中切開(心臓外科手術)とは

「胸骨正中切開(きょうこつせいちゅうせっかい)」は、心臓に到達するために胸骨を縦に切って、「観音開き」のように左右に開く手技のことです。

手術の流れ

  1. 切開(切る):

    胸の真ん中にある平らな骨(胸骨)を、電動ノコギリ(スターナムソー)で縦一直線に切ります。

  2. 開胸(開く):

    切った骨の間に器具を入れ、左右に押し広げます。これで心臓が見える状態になり、手術を行います。

  3. 閉胸(閉じる):

    心臓の手術が終わったら、開いていた胸骨を元の位置に戻します。

  4. 固定(くっつける):

    ステンレス製のワイヤー(針金のようなもの)で、骨をしっかりと縛って固定します。


術後の状態について

  • 骨はどうなる?: 固定された骨は、骨折が治るのと同じように、数ヶ月かけて自然にくっつきます(癒合します)。

  • ワイヤーはどうなる?: 基本的には一生体内に入れたままです。体に害のない素材ですが、もし術後に痩せてワイヤーが当たって痛い場合や、感染を起こした場合などは、骨がくっついた後に抜く手術をすることもあります。

まとめ

胸骨正中切開は、骨を取り除く(欠損させる)手術ではなく、一時的に開いて、また元に戻す手術です。


(Gemini)