胸腺(きょうせん)とは?T細胞の分化成熟の場所

胸腺とは

胸腺は胸骨の裏にある組織で、骨髄で作られた未熟なリンパ球(Tリンパ球*)が正常に働くようにする役割を担っています。胸腺の機能は幼児期まで活発に働き、思春期で最も大きくなり、その後は年齢とともに萎縮していき、脂肪組織と置き換わることで周囲の脂肪組織と見分けがつきにくくなります。(胸腺腫と胸腺がん 国立がん研究センター 東病院)

胸腺におけるT細胞の分化成熟

胸腺内におけるT細胞分化の過程で生じる重要な現象は、1)T細胞受容体遺伝子の再編成、2)自己MHCを認識するTCRを発現するT細胞の選択(正の選択)、3)自己抗原を認識するTCRを発現するT細胞の除去(負の選択)、4)CD4およびCD8の発現である。(自己免疫疾患をより良く理解するための免疫学 JBスクエア)

Tリンパ球はおおまかにはウイルスやがん細胞を攻撃する細胞障害性T細胞CD8T細胞)と、他のリンパ球の働きを手助け・調節するヘルパー-T細胞CD4T細胞)に分けられます。(胸腺腫と胸腺がん 国立がん研究センター 東病院)