媒介分析 mediation analysis

媒介分析というのは、独立変数X ⇒ 従属変数Y という因果関係があったときに、XとYの中間に媒介変数Mを仮定するモデルのようです。社会心理学などで多用されるとのこと。参考になる論文としてはBaron and Kenny 1986だそう。

Baron, R. M., & Kenny, D. A. (1986). The moderator-mediator variable distinction in social psychological research: Conceptual, strategic, and statistical considerations. Journal of Personality and Social Psychology, 51, 1173-1182. (無料要旨)

しかしこれ媒介変数の「間接効果」を評価するのが目的のようです。自分が考えていたのはX⇒M⇒Yにしても、X⇒Yの直接効果は無いものでした。つまり単純に因果の鎖という理解です。

  1. 因果媒介分析 理科大ヘルスデータサイエンス学会第1回学術集会 スライド 2022年11月26日

統計ソフトを利用した媒介分析

STATA

  1. Stataで行う因果媒介分析ウェビナー Light Stone Stata18の新機能として、因果媒介分析を行う mediate コマンドが実装されました。 因果媒介分析 アウトカムは連続、バイナリ、またはカウントをサポートします。 媒介変数は、連続、バイナリ、またはカウントにすることができます。処置変数は、バイナリ、多値、または連続のいずれかです。

参考記事

  1. 媒介分析について Nov. 2, 2015  第56回日本社会心理学会イブニングセッション Hiroshi Shimizu Follow Researcher(Psychology) at Kwansei Gakuin University
  2. Rによる媒介分析 2022/04/16 VanderWeele先生のセミナー動画、総説(矢田, 2020)
  3. 媒介分析(mediation analysis)の間違った理解 tomsekiguchi.hatenablog.com
  4. 媒介分析は、興味のある曝露とアウトカムの間の経路上に中間変数があるかどうか評価する方法です。 shuntaros.github.io/mediation-analysis-DNA-methylation
  5. 媒介MEDIATION 旭川医科⼤学公衆衛⽣学・疫学佐藤遊洋 曝露要因(X)が直接(つまり媒介要因(M)を介さず)、アウトカ ム(Y)に与える因果効果を c’ とすると、 c’ は直接効果 (Direct Effect)と呼ばれる。 ・曝露要因(X)が媒介要因(M)を介して、アウトカム(Y)に与え る因果効果は間接効果(Indirect Effect)と呼ばれる。
  6. 仮説検証型研究における仮説の形式 ―主効果,調整,媒介,調整媒介についてのチュートリアル― 産業・組織心理学研究 2023 年,第 36 巻,第 2 号,189-211 平行多重媒介モデル このモデルは,単に多重媒 介モデル(multiple mediator model)とも呼ばれ る(MacKinnon, 2000;2008;Preacher & Hayes, 2008)。XがYに直接に影響を与えると同時に,2 つまたはそれ以上の媒介変数を経由して間接的に影 響を与えるメカニズムを仮定したモデルである。こ の際,複数の媒介変数の間は無相関であるという制 約が置かれている。

媒介分析を用いた論文

  1. Knowledge, attitude and practice survey towards COVID‐19 vaccination: A mediation analysis Mitali Sengupta,corresponding author 1 Smita Dutta, Int J Health Plann Manage. 2022 Jul; 37(4): 2063–2080. Published online 2022 Feb 28. doi: 10.1002/hpm.3449 PMCID: PMC9087425 PMID: 35229357