医療コンフリクト・マネジメントとは

医療コンフリクトとは

相対する意見ないし要求などが対立し緊張状態を生じること」。怒りが表出され、苦情、クレーム、紛争、対立に至った状態はもちろんですが、一方が不安、不満を感じながらも胸の内に秘めて表出できない状態もコンフリクトに含めます。(丁寧な説明も「言いくるめられた気が…」、医療メディエーターの役割とは コンフリクト・マネジメントとは? 2019年10月27日 (日) 永井弥生(医療コンフリクトマネージャー/皮膚科専門医)m3.com)

患者の怒り

傾聴・共感が大事といわれるゆえんは、人は自分を承認してくれる人しか信頼しないからである。怒りを表出させている人でも同様である。怒りというのは2次的な感情であり、その奥には実は別の感情がある。医療の結果に対する強い怒りの奥底には、もっとこんなことができたのではという自身の後悔、期待を裏切られた思いなどがある。(医療現場で何が起きているか 不満を胸に秘める患者・家族たち  永井弥生 2019/9/21 14:00 産経新聞)

学校の場での心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置(Basic Life Support;BLS)

  1. 走った後に突然倒れた小6の娘 なぜ学校はAEDを使わなかったのか〈ASUKAモデルの10年・1〉 前田朋子 (2022年9月28日付 東京新聞朝刊)明日香さんに基礎疾患はなく、医師からは心臓に何らかのトラブルが起きた「致死性不整脈の疑い」と説明された。‥ 倒れた時になぜ心臓マッサージをせず、その場にあったAEDも使わなかったのか-。‥ 学校に説明を求めたが、示された文書には明日香さんに回復の兆しがあったように書かれ、病院や救急の記録から読み取れる重篤な症状と食い違う。‥当時市教育長だった桐淵博さん(69)‥ 「誰ひとり胸を押さずAEDを使わなかったのは、講習だけでは足りないからではないか」‥ 「元気に学校へ行った明日香さんを無事に帰すことができず、申し訳ありませんでした」と頭を下げた。事故から2カ月、初の謝罪だった。‥ ASUKAモデルとは 桐田明日香さんの事故を教訓に、さいたま市教育委員会が2012年の命日に完成させた教職員用事故対応マニュアル倒れた人の呼吸の有無がわからない場合なども迷わず胸骨圧迫(心臓マッサージ)と自動体外式除細動器(AED)装着を行うよう促した点が、当時の一般的対応と比べて画期的だった。
  2. 一般教員の一次救命処置実践力向上を目指して—児童死亡事故の教訓を踏まえたさいたま市の取り組みの評価— 日健教誌,2021; 29(1): 28–39 2011 年9 月29 日,さいたま市立小学校6 年生 の桐田明日香さんが,駅伝の練習中1,000 m 走の ゴール直後に突然倒れた.駅伝を指導していた複 数の教員や駆けつけた養護教諭は呼吸と脈があ るととらえたため,明日香さんに対し胸骨圧迫 や AED の装着を行わなかった.しかし,倒れてから11 分後の救急隊到着時には明日香さんは心 肺停止状態であり,その後救急隊による救命処置 が開始され救急搬送されたものの翌日に亡くなった.教員や養護教諭がなぜ BLS を行わなかったのかを明らかにし教訓を得るために,さいたま市教 育委員会は事故対応検証委員会を設置し検証を行 い,その結果をもとに遺族の協力を得ながら「体育活動時における事故対応テキスト~『ASUKA モデル』~」を作成した.ASUKAモデルの特徴 は,医療従事者でない教職員が BLS を行うことを前提に判断・行動チャートが作られていること である.

医療コンフリクト・マネジメントに関する研究

  1. 臨床倫理室での協議を必要とした高齢者の熱傷症例 日臨救急医会誌(JJSEM)2018;21:776-9 80 代,男性。自宅でストーブ上に置いてあったや かんの熱湯により受傷した。…… 全身麻酔時から継 続する人工呼吸器からの早期の離脱は困難と判断し, 気管切開を行い人工呼吸器からの離脱を進める方針と なった。なお,この時点では家族は医師からの説明にも納得しており同意書も問題なく取得可能であった。受傷10日目に家族(長男,長女夫婦)から気管切開・輸血等を含めた一切の治療を行わないでほしいとの申し出があった。
  2. 職場の中でのコミュニケーションスキル 理学療法学第37巻第4号314〜3正8頁(2010年) 病院苦情対応窓口に多いクレーム内容は医師やコメディカルに対する診療や処置など技術面に関すること。次いで言葉づかい,配慮,心遣い,態度,身だしなみの接遇面。そして連絡・引き継ぎ,設備環境などハード・システム面である。職
  3. 医療コンフリクトマネジメント技法を用いた患者対応 第56回日本農村医学会学術総会 発行日: 2007 年 患者の転倒で家族が混乱している時に、医療者が医学的正論を前面に出したことが今回の原因と考える。