胚中心(germinal center)とは【免疫学】

胚中心という言葉が免疫学について書かれた文章の中で当たり前に出てきて、何それ?胚の中心?と思いました。名は体を表すといいますが、例外はつきもので、全く名称からは想像がつかない内容です。生物学は、覚えないといけない名称が無数にあって本当に難しい。

胚中心とは

  • 胚中心は免疫応答の際に脾臓リンパ節などの免疫組織に形成される微小な構造
  • 高親和性の抗体を産生するB細胞が分化する場
  • 胚中心における免疫応答は胚中心B細胞と濾胞性ヘルパーT細胞との相互作用により担われ,抗原受容体との親和性にもとづき選択される

胚中心B細胞のプラズマ細胞への分化は濾胞性ヘルパーT細胞との相互作用により制御される 伊勢 渉・黒崎知博 (大阪大学免疫学フロンティア研究センター 分化制御) email:伊勢 渉 DOI: 10.7875/first.author.2018.051 ライフサイエンス新着論文レビュー

Germinal centers (GC) are sites in peripheral lymphoid tissues where B cells proliferate, switch classes of antigen receptors, and increase their affinity to antigens.

https://www.sciencedirect.com/topics/medicine-and-dentistry/germinal-center

英語だと単数形と複数形があるので、胚中心が複数だということがわかります。日本語で「中心」というとひとつのように思えるので、英語のほうがわかりやすい。ウィキペディアの説明は簡潔なのに詳細。胚中心とは、二次リンパ器官(リンパ節、回腸のパイエル板、脾臓)の中にある「B細胞領域(濾胞)」の内部に一時的にできる構造だそう。

Germinal centers (GCs) are transiently formed structures within B cell zone (follicles) in secondary lymphoid organs – lymph nodes, ileal Peyer’s patches, and the spleen– where mature B cells are activated, proliferate, differentiate, and mutate their antibody genes (through somatic hypermutation aimed at achieving higher affinity) during a normal immune response; most of the germinal center B cells (BGC) are removed by tingible body macrophages.

https://en.wikipedia.org/wiki/Germinal_center

胚中心は、抗原に暴露されたときにできる一時的な構造のようです。

This selective processoccurs in microanatomical structures known as germinal centers(GCs) (Berek et al., 1991; Jacob et al., 1991b), which emerge in several copies within secondary lymphoid organs upon exposure to antigen by infection or immunization.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5123673/

『もっとよくわかる免疫学』(河本宏)の113ページ~114ページにリンパ節の構造の説明があります。それによれば、リンパ節はリンパ液が入ってくる「輸入リンパ管」側とリンパ液が出ていく「輸出リンパ管」側とにそれぞれ、B細胞が多く存在する「B細胞領域」と、T細胞が多く存在する「T細胞領域」とが隣接しているそうです。その「B細胞領域」の内部に、胚中心と呼ばれる構造があります。

 

胚中心反応とは

  1. Textbook Germinal Centers? Tim Manser J Immunol March 15, 2004, 172 (6) 3369-3375