呼吸で肺に吸い込んだ酸素分子は、その後どこに行くのか?どうやって目的地に行くのか?

私たちが息を吸ったり吐いたりしているときに、何をしているのかというと、空気中の酸素を取り込んで、二酸化炭素を吐き出しているわけです。では、吸い込んだ酸素はその後、どこに行ったのでしょうか?高校で生物を履修していれば、その答えは明らかなはずですが、意外と、教科書的な知識と実際の呼吸とが結びついていない人が多いです。肺に吸い込んだ酸素はその後どこに行くのか?肺から吐き出す二酸化酸素はどこから来たのか?という質問に答えられる人がいたら、生化学をばっちり学んで血肉となっている人でしょう。

答え言ってしまうと、肺に吸い込んだ酸素分子は、肺胞の血管から血流に入り赤血球のヘモグロビンに結合して、血流にのって全身くまなく運ばれます。人間の体は、どの部分を切っても血がでますつまり、そこまで酸素が運ばれてきているということです。末梢までいくと、酸素分子はヘモグロビンから離れて末梢の組織の細胞の中に入っていき、さらにミトコンドリアの中にまで入り、そこで酸化還元反応の電子を受容する(つまり還元される)働きがあります。還元された酸素は、水になります。

なぜ酸素分子は、このようにヘモグロビンに結合したり離れたり、ミトコンドリアのところに行ったりできるのかというと、全ては、酸素の濃度(酸素分圧)の差が酸素分子の移動を決める原理となっています。濃度の高いところから低いところに拡散するという単純な話で、全ての説明がつきます。赤インクを水に垂らすと、拡散する(赤インクの色素分子の濃度が高い部分から低い部分に赤インクの色素分子が移動する)という話と、同じことです。

ChatGPT 4oに説明をまかせてみます。

動脈、静脈、動脈血、静脈血の定義

動脈は心臓から外に向かう血管のことで、動脈血は酸素をたっぷり含んだ血液のことです。左心室から全身に血液が送り出される場合には、これで問題ないのですが、肺動脈、肺静脈に関しては、酸素濃度に関して逆になるため、肺動脈を流れるのは静脈血、肺静脈を流れるのは動脈血ということになります。言葉を整理しておきましょう。

ChatGPT 4o:
混乱しやすい「動脈」「静脈」「動脈血」「静脈血」について、正確な定義を以下に整理します。


✅ 基本の定義(大事なのは“方向”です)

用語 定義(どこからどこへ) 含まれる血液
動脈 心臓から出ていく血管 ふつうは酸素が多い(=動脈血) 大動脈、肺動脈(←例外)
静脈 心臓へ戻る血管 ふつうは酸素が少ない(=静脈血) 上大静脈、肺静脈(←例外)

🩸 血液の種類としての定義

用語 定義(酸素の量) 色・状態 主に通る血管
動脈血 酸素が多く含まれている血液(赤い) 鮮紅色 大動脈、肺静脈(←例外)
静脈血 酸素が少なく、二酸化炭素が多い血液(暗赤色) 暗赤色 大静脈、肺動脈(←例外)

❗ ややこしくする例外:肺動脈と肺静脈

血管名 心臓との関係 血液の種類 説明
肺動脈 右心室から肺へ向かう → 動脈 静脈血 心臓から出るけど酸素が少ない(例外)
肺静脈 肺から左心房へ戻る → 静脈 動脈血 心臓に戻るけど酸素が多い(例外)

🧠 覚え方のコツ

  • 動脈 vs 静脈血液が「心臓から出るか戻るか」で決まる!
  • 動脈血 vs 静脈血血液中の酸素量で決まる!

 

 

酸素はどうやって血中に入るのか

ChatGPT 4o:

肺に吸い込まれた酸素が血中に入るのは、基本的に「酸素分圧の差」によるものです。以下、順を追って説明しますね。


🌬️ 肺から血中へ:酸素が取り込まれる仕組み


🫁① 吸気により肺胞に酸素が到達

  • 空気中の酸素は約21%
  • 吸い込まれた空気は、気管→気管支→肺胞へと届きます

🧪② 肺胞内の酸素分圧(PAO₂)は高い

  • 肺胞内の酸素分圧はおおよそ 100 mmHg
  • 一方、肺に入ってきた静脈血(肺動脈を流れる血液)の酸素分圧(PvO₂)は 約40 mmHg

⬇️③ 酸素分圧の差によって拡散が起こる

  • この **分圧差(100 → 40)**により、酸素は:
    • 肺胞 → 肺胞壁 → 間質 → 毛細血管の血漿 → 赤血球内のヘモグロビン
      の順で、濃度勾配に従って自然に拡散します
  • 拡散はエネルギーを使わない「単純拡散

❤️④ 赤血球内のヘモグロビンと結合

  • 拡散してきた酸素は、赤血球内でヘモグロビンと結合
  • これにより酸素は効率よく運搬されます(O₂運搬能力アップ!)

✅ まとめ:肺→血中 酸素取り込みの流れ

ステップ 内容
1. 吸気 空気が肺胞に到達(酸素分圧 高)
2. 血流 肺胞に面した毛細血管の血中は酸素分圧 低
3. 拡散 分圧差によって酸素が血中に拡散
4. 結合 赤血球のヘモグロビンと酸素が結合

🔍 ちなみに:

この拡散はFickの法則で定量的に説明できます:

 

酸素拡散量(肺胞PO2血中PO2×拡散面積拡散距離\text{酸素拡散量} \propto \frac{(肺胞PO₂ – 血中PO₂) \times 拡散面積}{拡散距離}

 


つまり、**酸素分圧の差が「原動力」**なんです。

 

 

酸素分子はどうして血中から出て組織に入っていけるのか

ChatGPT 4o:

「酸素はどうやって**ヘモグロビンから離れて細胞の中に入るのか?」という点を、ステップごとに説明します。


🔬 ステップで理解する:酸素が組織に届くまで


🩸① 酸素は肺でヘモグロビンに結合する

  • 肺胞では酸素分圧が高く(約100 mmHg)
  • → 酸素は赤血球内のヘモグロビン(Hb)に結合
  • → 酸素飽和度はほぼ100%

🧬② 血流に乗って組織へ運ばれる

  • 酸素を積んだ赤血球は動脈から毛細血管へ

🧪③ 末梢組織では酸素分圧が低い(約40 mmHg)

  • 組織の細胞は酸素を消費しているので、酸素濃度が低い
  • ヘモグロビンの性質として:
    • 酸素分圧が低いところでは、酸素を放しやすくなる
    • これを酸素解離曲線といいます

📉 ⇒ 低酸素の環境では、ヘモグロビンは酸素を離す(解離)


📤④ 酸素は単純拡散で毛細血管から細胞内へ

  • ヘモグロビンから離れた酸素(O₂)は血漿中に溶ける
  • 溶けた酸素は:
    • 毛細血管 → 組織液 → 細胞膜 → ミトコンドリア
    • すべて 「濃度勾配」に従った単純拡散で動く
    • 細胞内のミトコンドリアが酸素を使うので、常に濃度勾配がある

✅ ポイントまとめ

プロセス 説明
解離 酸素は末梢の低酸素環境でヘモグロビンから離れる(酸素解離)
拡散 血中→組織液→細胞内へは、単純拡散で自然に移動する(エネルギー不要)

💡 さらに:

  • pHが低い(酸性)
  • CO₂濃度が高い
  • 温度が高い

こうした条件も酸素を「離しやすくする」=ボーア効果と呼ばれます。