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- 分極化マクロファージを介した高純度間葉系幹細胞による変形性関節症病態修飾薬の開発 24K12331 2024-04-01 – 2027-03-31 内尾 祐司 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (20223547) 小区分56020:整形外科学関連 基盤研究(C)
- NASHにおけるKupffer細胞内糖代謝変化と分極化の関連性の解明とmicroRNA創薬 23K15508 2023-04-01 – 2026-03-31 猪俣 陽介 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (50975307) 小区分55020:消化器外科学関連 若手研究 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝硬変・肝細胞癌が発症することが最大の問題であるが、NASHの発症機序はいまだ不明である。一方で、NASH発症過程において肝特異的マクロファージであるKupffer細胞でM2型からM1型への分極化が注目されており、新たな治療標的として期待されている。申請者は、NASH発症過程におけるKupffer細胞内の糖代謝経路の変化とmiR122-5pの関連性を解明し論文化してきた。
そこで本研究では、NASH発症過程でのmiR122-5p調節による解糖系経路変化と、Kupffer細胞分極化の関連性を細胞・動物実験で明らかにすることを目的とする。
- 創傷治癒過程におけるマクロファージの分極化に基づく受傷後経過時間判定法の確立 23K09770 2023-04-01 – 2026-03-31 國中 由美 和歌山県立医科大学, 医学部, 特別研究員 (60843282) 小区分58040:法医学関連 基盤研究(C) 皮膚創傷治癒過程におけるマクロファージの分極化(M1およびM2サブセット)の時間的・空間的出現様態を解析し,それらの結果を受傷後経過時間判定に応用可能か否かを検討する研究である.基礎的研究ではマウスを用いて皮膚損傷モデルを作製し,その治癒過程におけるM1およびM2マクロファージのそれぞれの出現様態を経時的に明らかにする.実務的研究では,基礎的研究の結果に基づき,受傷後経過時間の判明しているヒト剖検皮膚試料を用いてM1・M2マクロファージ出現を免疫組織化学的に解析する.最終的には,マクロファージM1/M2バランスが受傷後経過時間判定の指標としての法医実務的有用性を検証する.
- DPP4によるM2マクロファージ分極化抑制と動脈硬化進展の機序解明 23K07533 2023-04-01 – 2026-03-31 松村 剛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20398192) 小区分53020:循環器内科学関連 基盤研究(C) Dipeptidyl peptidase 4(DPP4)阻害薬は高脂肪食負荷apoE欠損マウスの動脈硬化進展を抑制し,同時にマクロファージ(Mφ)由来DPP-4の産生抑制と抗炎症性マクロファージ(M2)の増加を誘導するが、その機序は不明である。DPP4はアデノシンデアミナーゼ(ADA)との結合能をもち、DPP4の増加はアデノシン-アデノシン受容体を介したM2分極化を阻害している可能性がある。本研究は、ADA結合領域に変異を加えたDPP4を有するMφの分極化への影響と、同変異を加えた遺伝子改変マウスの動脈硬化進展への影響を観察し、DPP4の動脈硬化進展への関与機序を解明することを目的とする。
- 和漢薬の抗炎症作用を応用した移植片対宿主病に対する新規治療法の開発 23K06262 2023-04-01 – 2026-03-31 鈴木 小夜 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (90424134) 小区分47060:医療薬学関連 基盤研究(C) 移植片対宿主病(GVHD)は、造血器悪性腫瘍や血液悪性疾患等に対する同種造血幹細胞移植後に発生する最も重篤な合併症であり、その制御は治療成功に不可欠である。申請者はこれまでに和漢薬・桔梗湯がGVHD発症との関連が注目されているマクロファージの生存・増殖・分極化に影響する可能性を見出している。
本研究では、マクロファージ細胞を用いたin vitro実験、及び急性/慢性GVHDマウスモデルを作製することにより桔梗湯及び抗炎症作用を有する和漢薬によるGVHD抑制効果及び作用機序を明らかにし(in vivo実験)、新規GVHD予防・治療法の開発を目指す。
- 乳酸菌由来細胞外小胞を用いた歯周病治療戦略ーM1/M2マクロファージに着目してー 22K09966 2022-04-01 – 2026-03-31 細川 育子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (50707908) 小区分57030:保存治療系歯学関連 基盤研究(C) 歯周病は、歯周病原性細菌により惹起される慢性炎症性疾患であり、宿主の過剰な免疫応答が歯周組織破壊に関与していることが明らかとされている。また、免疫担当細胞であるマクロファージが歯周組織破壊と修復の両方の免疫応答へ関与していることが報告されており、歯周病の慢性炎症の制御および治癒促進を導くためには、M1/M2マクロファージの分極化制御が重要である。
本研究では、M1/M2マクロファージの分極化に焦点を当て、歯周病病変局所における免疫応答に対して乳酸菌由来細胞外小胞がどのような影響を与えるのか、そのメカニズムを解明し、マクロファージの分極化制御システムの確立による歯周病治療への応用を目指す。
- 肺線維症を基礎に発症する急性肺障害の機序の解明と治療法の開発 22K09008 2022-04-01 – 2025-03-31 月岡 卓馬 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80528787) 小区分55040:呼吸器外科学関連 基盤研究(C) 肺線維症は軽微な気道感染や外科侵襲だけでも重篤な急性肺障害を呈することが知られており、その機序解明と対策は重要な臨床課題である。肺線維症における重症化因子に炎症性ケモカインの一つである血中CXCL13が報告されている。肺組織においてCXCL13は肺胞マクロファージ(Mφ)から産生され、その受容体のCCR5に結合することでCXCL13/CCR5経路が活性化され炎症が惹起される。、新たに確立した肺線維症を基礎に発症する急性肺障害モデルを用いて、肺胞MφのM1/M2への分極動態とCXCL13/CCR5経路との関連、それに伴う重症化因子による炎症機序を解明するとともに、新規化合物による介入研究により治療法の確立を目指す。
- ナノプローブを用いたpH依存性腫瘍関連マクロファージ分極の単一細胞測定 22K04890 2022-04-01 – 2025-03-31 ZHANG YANJUN 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任准教授 (70902807) 小区分28040:ナノバイオサイエンス関連 基盤研究(C) pH依存性があるTAMの分極化は、腫瘍の進行に重要であり、免疫療法におけるホットスポットである。我々は、生細胞SICMイメージング、pHセンシング、硬さマッピングの成功に基づき、ラベルフリーのマーカーであるpH、形状、硬さを用いて、個々のpH依存性分極化TAMをサブタイプ化するための、高解像度SICMフィードバック制御ナノプローブ表現型プラットフォームを開発することを計画している。この新しいナノプローブ表現型プラットフォームは、ラベルフリー、単一細胞、リアルタイムで分極化TAMをサブタイプ化することができ、TAM分極化の根本的なメカニズムを探り、標的免疫療法への道を切り開くことができる。
- カーボンナノホーン修飾チタン上における骨形成とリモデリング機構の解明 21K21029 2021-08-30 – 2024-03-31 木村 貞仁 北海道大学, 大学病院, 医員 (60910635) 0907:口腔科学およびその関連分野 研究活動スタート支援 申請者らは,高い生体適合性を有すカーボンナノホーン(CNHs) を用いた口腔インプラントの開発を目的としている.既にCNHsを貪食したマクロファージが骨芽細胞の分化を促進し,CNHsを修飾したTi(CNHs/Ti)により骨形成が促進されることを報告した.インプラントの正常な骨結合には埋入後の免疫反応と骨リモデリングが不可欠である.本研究では,CNHs/Tiの骨形成メカニズムへの関与と骨リモデリングに与える影響を調べるためにin vivo でのCNHsを貪食したマクロファージの分極と,骨芽細胞と骨髄間質細胞の共培養における発現因子を検索する.
- 間葉系幹細胞によるマクロファージ分極化機構に着目した小児期侵襲性歯周炎治療法開発 21K17167 2021-04-01 – 2025-03-31 氏家 隼人 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (70826148) 小区分57070:成長および発育系歯学関連 若手研究 小児期の侵襲性歯周炎の発症には、Aggregatibacter actinomycetemcomitance (A.a)が関与し、A.aのlypopolysaccharide (LPS)がマクロファージを炎症性マクロファージ(M1-MΦ)に分極させ、破骨細胞への分化・活性化を行う。炎症性組織中の間葉系幹細胞は、M1-MΦを抗炎症性マクロファージ(M2-MΦ)に分極化させる。しかし、間葉系幹細胞がどのようにMΦをM2-MΦに分極化するかについては不明である。本申請者は、歯根膜由来間葉系幹細胞によるMΦ分極化調節メカニズムの全容を解明し、小児期の侵襲性歯周炎治療法樹立のための分子基盤を確立したい。
- EMT関連転写因子の新規活性化分子の同定とその口腔粘膜上皮悪性化マーカーへの応用 21K17096 2021-04-01 – 2025-03-31 平野 大輔 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (10878359) 小区分57060:外科系歯学関連 若手研究 1) 口腔扁平上皮癌(OSCC)細胞であるHSC-4細胞において、上皮間葉転換(EMT)誘導刺激をした際にSlugならびにSox9に結合し、これらの転写因子の活性化に働く分子を網羅的にピックアップする。
2) EMT誘導性転写因子SlugやSox9の活性化に働くモデル分子をin vitroレベルで絞り込む。
3) EMT誘導性転写因子SlugやSox9の活性化に働くモデル分子のin vivoレベルでの特定を行う。
4) これまでに特定されたOSCCのEMTを誘導するSox9 やSlug 結合性活性化分子の病理組織検体内での細胞内動態(発現強度や細胞内局在)と予後の病状との相関性を明確化する。
- マクロファージ活性化制御による肺線維症およびその急性増悪に対する治療の確立 21K16520 2021-04-01 – 2024-03-31 宮本 光 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (20803092) 小区分55040:呼吸器外科学関連 若手研究 本邦の特発性肺線維症(IPF)患者は15000人以上に達し、その40%程度に急性増悪が生じ呼吸不全にいたる予後不良な疾患であるため、その予防・治療薬の開発は急務である。本申請はIPFの急性増悪に対する予防・治療薬の開発を目標に、我々が新規に見いだしたマクロファージ活性化制御能を有する物質の細胞レベル、生体レベルでの効果を検討する。
- 薬剤耐性腫瘍における腫瘍関連マクロファージを介した免疫逃避・薬剤耐性機構増強作用 21K16399 2021-04-01 – 2023-03-31 江藤 祥平 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (50707007) 小区分55010:外科学一般および小児外科学関連 若手研究 申請者は転写因子Nuclear Factor(erythroid-derived 2)-Like 2 (Nrf2)が、腫瘍微小環境を介して肝胆膵癌の悪性度獲得に寄与することを発見した。Nrf2はいくつかの癌腫で薬剤耐性に関与すると報告されており、消化管癌の薬剤耐性獲得に関して、Nrf2が腫瘍微小環境を介して重要な役割を果たしていると考えた。本研究では、薬剤耐性の獲得においてTAMにおいてNrf2, CCL2/3を介してSHHが活性化され、腫瘍とのInteraction を引き起こし、さらにTAMおよび周囲腫瘍においてSHHを介してPD-L1が発現し、免疫逃避をしていると仮定し検討する。
- メタボローム解析によるKupffer細胞代謝を標的としたNASH肝細胞癌の治療 21K08720 2021-04-01 – 2024-03-31 廣川 文鋭 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (20322373) 小区分55020:消化器外科学関連 基盤研究(C) 近年、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の罹患率が上昇している。NASHから肝細胞癌が発症することが問題であるがその発症機序は未だ不明である。また、様々な癌腫の発癌過程においてマクロファージのM1型からM2型への分極化が注目されており、新たな治療標的として期待されている。
本研究では、発癌過程でKupffer細胞の分極化と代謝変化の関連性を明らかにすることを目的とする。まずKupffer細胞を分離した上で網羅的にメタボローム解析を実施し、代謝産物変化及び遺伝子変化を同定する。これらの成果から、Kupffer細胞をM1型へ変換させることを狙ったNASH由来肝細胞癌に対する治療薬の創製に取り組む。
- 肝星細胞制御による薬剤耐性肝癌の肝内転移抑制機構の解明 21K08620 2021-04-01 – 2024-03-31 居村 暁 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (90380021) 小区分55010:外科学一般および小児外科学関連 基盤研究(C) 肝癌はひとたび門脈内に進展すれば容易に肝内転移を起こすことが治療抵抗性の一要因である。また、肝癌をはじめ種々の癌において抗癌剤や分子標的治療薬といった薬物療法に対する耐性を獲得すると悪性度がさらに上昇し治療抵抗性となる。本研究で着目した肝星細胞は肝線維化、肝再生のほか腫瘍環境の免疫系にも作用すると考えられているが、活性化肝星細胞と肝癌の転移・進展機構との関連はいまだ不明な点も多い。今回、肝癌の腫瘍微小環境における肝星細胞の役割に着目し、活性化肝星細胞が肝癌細胞の転移先臓器への着床、増殖を促進するという仮説のもと、薬剤耐性肝癌の増殖・進展過程における肝星細胞制御による転移抑制機構を明らかにする。
- 抗酸菌産生Dアミノ酸とマクロファージの感染防御メカニズムとの関連性についての検討 21K08495 2021-04-01 – 2024-03-31 多田納 豊 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 准教授 (70432614) 小区分54030:感染症内科学関連 基盤研究(C) 申請者のこれまでの検討により非結核性抗酸菌の産生するD-アミノ酸の種類と産生量が明らかになっている。そこで、そのD-アミノ酸が及ぼすマクロファージの活性化・分極化への影響、および、D-アミノ酸によるマクロファージ活性化・分極化制御のメカニズムについて詳細に調べる。
さらに、抗酸菌感染マウスの肺や脾臓などの臓器の感染の進展に対する抗酸菌由来D-アミノ酸の影響について、検討を行う。
- 糖尿病におけるケトン体代謝シフトの意義と長期予後予測 21K06797 2021-04-01 – 2024-03-31 佐藤 洋美 千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (30506887) 小区分48030:薬理学関連 基盤研究(C) 生涯疾患である糖尿病の長期予後改善のため、特に心血管イベントリスク(CVR)の総合的予測を目指し、疾患時間軸に基づいてリスクを分析する疾患数理モデルの構築と精密予測に寄与する新規バイオマーカーの創出に取り組む。モデル構築には被験者個別の公開臨床試験情報を活用し、短期間のバイオマーカー情報から全病期の長期推移を予測する独自技術を用いる。さらにCVRに寄与する新規バイオマーカーとしてSGLT2阻害薬の臓器保護作用で見いだされたケトン体代謝の有用性を探る。最終的に疾患数理モデルのパラメータにケトン体情報を追加することで精密予測への寄与を検証する。
- 滑膜マクロファージに着目した関節リウマチ病態の性差メカニズムの解明 21K05974 2021-04-01 – 2024-03-31 佐伯 法学 愛媛大学, 学術支援センター, 講師 (80791607) 小区分42030:動物生命科学関連 基盤研究(C) 関節リウマチは難治性の自己免疫疾患である。罹患率は女性で高く、明確に性差が認められる疾患であるが、性差のメカニズムは大部分が不明である。免疫細胞の一つであるマクロファージ(Mφ)は多様なサブポピュレーションをもち、関節リウマチ病態の増悪に深く関わっているが、性差がMφに及ぼす影響については不明である。本研究は、関節リウマチに生じる性差を、滑膜Mφのサブポピュレーションに発現する性ホルモン受容体(特にERα)の機能の観点から調べ、関節リウマチ病態にどの様な影響を及ぼすか明らかにする。性差の分子機構が明らかになれば、関節リウマチの新たな治療・予防法の開発につながることが期待される。
- 歯髄組織におけるM2マクロファージの創傷治癒機能を向上させるmTORの機能解析 20K23103 2020-09-11 – 2021-03-31 竹内 亮祐 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (60827616) 0907:口腔科学およびその関連分野 研究活動スタート支援 本研究は、歯髄創傷治癒過程でのM2マクロファージとアミノ酸-Lamtor1-mTOR連関の詳細を分子生物学的および免疫組織学的に検証することで、mTORの活性化を制御してM2マクロファージの免疫能を亢進し、従来の歯髄保存療法とは異なる機序で、成功率アップを図る新規治療オプションの提供を目的とするプロジェクトである。
- アディポネクチンと新たな生理活性内分泌因子エクソソームに関する研究 20K20606 2020-07-30 – 2023-03-31 下村 伊一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60346145) 中区分54:生体情報内科学およびその関連分野 挑戦的研究(開拓) 本研究では、アディポネクチン(APN)のエクソソーム(Exo)の産生制御を軸に、組織常在性間葉系幹細胞を含む全身のT-カドヘリン(T-cad)発現細胞の産生するExoの生理病態学的意義を明らかにし、新たな内分泌因子Exoのautocrine, paracrine, endocrine学を生理・病態学的観点から明らかにする。
- 間葉系幹細胞の抗炎症性免疫細胞誘導能を応用した変形性顎関節症新規治療戦略の確立 20K10234 2020-04-01 – 2024-03-31 間山 寿代 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (90382639) 小区分57070:成長および発育系歯学関連 基盤研究(C) 1) TMJ-OAの患部組織中にMSCがホーミングするためにキーとなるモデル分子のピックアップとその絞り込みを実施する。
2) TMJ-OAの患部組織中でMSCがM1-MΦをM2-MΦに分極化するためにキーとなるモデル分子のピックアップとその絞り込みを実施する。
3) 1)と2)のそれぞれの実験で絞り込んだキー分子を同時に強発現させたMSCを作製してラットTMJ-OAモデルマウスに移植する。遺伝子導入されたMSCが効率よくTMJ-OA患部組織にホーミングし、M2-MΦの動員を促して下顎頭周囲の骨組織の破壊を抑制することを確認し、MSCのホーミングやM2-MΦ分極化誘導に働くキー分子を特定する。
- P gingivalis Mfa1線毛の歯周組織破壊における免疫調節機構について 20K09985 2020-04-01 – 2024-03-31 菊池 毅 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40421242) 小区分57030:保存治療系歯学関連 基盤研究(C) Porphyromonas gingivalisが持つ線毛は、組織への定着のみならず歯周組織破壊においても重要な役割を担っている。二種類ある線毛のうち、Mfa1線毛に関する研究、特に宿主応答に与える影響に関する報告はその重要性と比べごく僅かである。歯周組織破壊における宿主免疫応答に対するMfa1線毛の役割を明らかにすることを目的とし、in vivo研究として線毛発現の異なったP. gingivalis誘導実験的歯周炎の宿主応答を免疫学的に比較検討することおよびin vitro研究としてP. gingivalis線毛のマクロファージ・樹状細胞および線維芽細胞に対する免疫調節能に関する検討を行う。
- 口腔癌微小環境における間葉系幹細胞を司令塔とした癌浸潤・転移誘導メカニズムの解明 20K09883 2020-04-01 – 2023-03-31 石崎 明 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20356439) 小区分57010:常態系口腔科学関連 基盤研究(C) 1)高浸潤・転移型口腔扁平上皮癌細胞が間葉系幹細胞(MSC)を「浸潤・転移誘導型MSC」に変化させるために働く口腔癌細胞由来モデル分子をピックアップする。
2)MSCを癌間質線維芽細胞へと分化誘導するキー分子をin vitroレベルで絞り込む。
3)MSCを血管構成細胞へと分化誘導し、その後の血管新生を促進するキー分子をin vitroレベルで絞り込む。
4)MSCを介したM2-マクロファージ分極化誘導を促進するキー分子をin vitroレベルで絞り込む。
5)「浸潤・転移誘導型MSC」の作出のために働く口腔扁平上皮癌細胞由来の真のキー分子についてin vivoレベルで特定する。
- 多剤耐性菌の脅威に対するバクテリオファージ療法の新規効果機序の解明 20K08826 2020-04-01 – 2024-03-31 松田 剛明 杏林大学, 医学部, 教授 (80365204) 小区分54030:感染症内科学関連 基盤研究(C) 増え続ける多剤耐性菌感染症に対し、新たな治療法の開発が急務となっている。
バクテリオファージ(ファージ)は細菌に感染して死滅させるウイルスであり、その活性は薬剤耐性に影響されないことからファージを用いた感染症治療が注目されている。
申請者らはファージが溶菌作用以外にも宿主に認識されてそれに対する応答が感染病態に影響を及ぼしていることを示唆する結果を得ている。本研究では感染における宿・細菌・ファージの3者の存在下、ファージの新規作用とその機構を解明する。
- 疾患病態を反映するマクロファージの免疫形態学的指標の探索 20K07553 2020-04-01 – 2024-03-31 遠田 悦子 日本医科大学, 医学部, 助教 (00589327) 小区分49070:免疫学関連 基盤研究(C) マクロファージはケモカインなどの遊走因子の刺激を受けて炎症組織に浸潤し、微小環境に応じて機能的にも形態的にも多様な性質を示すことが分かっている。しかしその機能と形態、病態との関連については不明な点が多い。我々はケモカイン受容体会合分子FROUNT(フロント)がマクロファージの細胞遊走を促進し、がんや炎症性疾患の増悪化に関与するとともに、欠損あるいは阻害による特有の形態を見出している。本研究では細胞微細構造観察技術を用いて、疾患増悪化分子FROUNTが病態に関わる炎症モデルを観察対象とすることで、病態を反映するマクロファージの微細形態像を捉え、新しい診断方法につながる知見を得ることを目的とする。
- マクロファージ分極化と機能調節におけるミトコンドリアCa2+制御機構の役割の解明 20K07094 2020-04-01 – 2023-03-31 太田 紘也 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (40638988) 小区分47040:薬理学関連 基盤研究(C) マクロファージは一般的には炎症を誘導性と見做されるが、近年では抗炎症作用を示すマクロファージの存在が明らかになり、M2マクロファージと総称される。M2マクロファージは、がんやメタボリック症候群などの様々な病気の発症に関わることが明らかになり、マクロファージの分極化(M1/M2)を制御機構に関する研究が注目されている。
本研究では、ミトコンドリアNa+/Ca2+交換輸送体(NCLX)がM2マクロファージで高発現することを踏まえ、ミトコンドリアのCa2+輸送体によるミトコンドリアのCa2+動態制御と、マクロファージの分極化および機能発現の関連性の解明を目指す。
- 乳脂肪が牛の乳房内マクロファージの機能的多様性に及ぼす影響の解析 20K06398 2020-04-01 – 2023-03-31 大塚 浩通 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (40327458) 小区分42020:獣医学関連 基盤研究(C) 乳牛の乳房内マクロファージサブセットとその機能に及ぼす乳脂肪の意義を解明し、常在細菌に対する防御能の恒常性維持のための科学的基盤を確立する。
培養系においてマクロファージサブセットの解析系ならびに機能評価系を確立、確立した解析系を用いた培養系における脂肪酸添加培養によるマクロファージ機能解析、生体から採取した検体を用いて乳牛の飼養内容が乳房内マクロファージの機能に及ぼす影響を解明し、乳汁中の細菌の動向との関係を明らかにすることを最終的な目標点とする
- 間葉系幹細胞の免疫制御機構を応用した新たな難治性顎骨壊死根治療法樹立の試み 19K19242 2019-04-01 – 2023-03-31 小松 祐子 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (90781625) 小区分57060:外科系歯学関連 若手研究 本研究では、① BPやDenosumabの投与により作製されたONJモデルマウスでは、組織修復性と抗炎症性を併せ持つMSCがどのような機能障害を受けるのかについて明らかにする、さらに② MSC移植による難治性ONJ根治療法樹立のため、MSCの抗炎症性作用が最大限に発揮される細胞分子生物学的な基盤を確立する。
- 神経細胞に対する栄養作用と局所消炎作用とを兼ね備えた新たな神経組織再生医療戦略 19K19173 2019-04-01 – 2023-03-31 太田 麻衣子 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (60824993) 小区分57060:外科系歯学関連 若手研究 我々は、TGF-βの刺激により歯周靭帯由来間葉系幹細胞SCDC2から分泌されるNGFが神経細胞様細胞PC12の突起を伸長させることや、炎症性サイトカインがSCDC2由来のNGF発現を抑制することを見出した。
これらは、歯周靭帯では非炎症環境下で間葉系幹細胞由来NGFによる感覚神経受傷後の再生メカニズムが働くことを示唆した。一方、NGFは侵害受容神経を刺激すると知られている。
本研究では、NGFによる局所の疼痛誘発を回避しつつ、神経再生効果を最大限に引き出すための分子学的基盤を確立すると共に、歯周靭帯由来間葉系幹細胞ならびに抗炎症性細胞を併用した革新的神経再生療法の樹立を目指したい。
- 腫瘍関連マクロファージ/ミクログリアの分極化制御によるグリオーマの増殖抑制 19K16725 2019-04-01 – 2023-03-31 中野 洋輔 関西医科大学, 医学部, 助教 (40776530) 小区分50010:腫瘍生物学関連 若手研究 脳に発生するグリオーマは、腫瘍関連マクロファージ/ミクログリア(TAM)によって保護され、集学的治療を施しても予後が非常に悪い。申請者は、グリオーマと腫瘍微小環境を多層の構造物(グリオーママルチレイヤー)としてとらえ、腫瘍組織と正常組織の境界付近で炎症性のM1型ミクログリアが一過性に増加すること、さらには、腫瘍形成能が高い細胞株では、M1型ミクログリアが少ないことを明らかにした。
本研究では、TAMを構成するミクログリアのサブタイプに着目し、ミクログリアの分極化を制御することで、グリオーマの進展抑制を試みる。本研究の成果は、TAMを標的としたグリオーマの新規治療法開発につながるものである。
- ヒト歯髄の創傷治癒過程におけるM2マクロファージとシュワン細胞の相互作用の解明 19K10146 2019-04-01 – 2023-03-31 吉羽 永子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10323974) 小区分57030:保存治療系歯学関連 基盤研究(C) 免疫機能の中心的役割を担うマクロファージは, 歯髄の創傷治癒でも重要な役割をしていることが示されてきた。さらに, ヒト歯髄はラット歯髄と異なり,M2型のマクロファージは常に神経系のシュワン細胞と共在する特徴を有することが, 申請者らのこれまでの研究で明らかとなっている。
本研究では,in vivoにおいてヒト歯髄の様々な病態や創傷治癒過程におけるM2マクロファージの動態をシュワン細胞との関連性から解析し,in vitroでその相互依存のメカニズムについて検討する。本研究の遂行により,小動物とは異なるヒト歯髄の特徴に新たな知見が加わり,より効果的な「歯髄保存・再生治療法」の開発に関与できる。
- アディポネクチンによる腎保護作用機序の解明と血中T-カドヘリン測定の臨床的意義 19K08980 2019-04-01 – 2022-03-31 前田 法一 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (30506308) 小区分54040:代謝および内分泌学関連 基盤研究(C) 心血管イベント発症基盤としての慢性腎臓病(CKD)が注目されている。肥満や糖尿病に起因するCKD患者は増加の一途を辿っており、腎機能低下・腎不全を未然に防ぐ事が重要である。肥満・糖尿病で低下する脂肪細胞特異的分泌蛋白アディポネクチン(APN)は、T-カドヘリン(T-cad)を介して血管に集積し、抗動脈硬化作用を発揮することを申請者は明らかにしてきた。
しかし、CKD発症・進展におけるAPN/T-cadの役割は未だ明らかでは無い。本研究では、APN/T-cadシステムによる腎保護作用を明らかにし、糖尿病やCKDとAPN/T-cadシステムの臨床的意義を明らかにしたい。
- エクソソーム産生調節を介するアディポネクチン作用の基盤と応用展開 19K08978 2019-04-01 – 2022-03-31 喜多 俊文 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (10746572) 小区分54040:代謝および内分泌学関連 基盤研究(C) 脂肪由来分泌因子アディポネクチンが細胞膜アンカー型受容体T-カドヘリンを介して、エクソソームと呼ばれる細胞外微粒子の生合成・分泌を促進することを見出した。本申請では、①アディポネクチンのエクソソーム産生促進を介する臓器保護機序を解明し、②T-カドヘリンの制御機構、及び血中遊離T-カドヘリンの病態生理学的意義を解明する。また、③これらの幹細胞機能における役割を明らかにする。
- 副腎白質ジストロフィーはコレステロール代謝障害による自然免疫応答の異常が原因か? 19K08271 2019-04-01 – 2022-03-31 守田 雅志 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (20191033) 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連 基盤研究(C) 副腎白質ジストロフィーは、ペルオキシソーム膜タンパク質ABCD1の機能欠損が原因で炎症性脱髄を起こす難治性の神経変性疾患である。本疾患では早期の骨髄移植が神経変性に対して抑制効果があることが臨床で明らかになっている。骨髄移植モデルマウスを用いたこれまでの実験結果から脳グリア細胞のコレステロール代謝異常が本疾患の発病と関連していると推察された。本研究計画では、ミクログリアのコレステロール代謝に着目し、ABCD1機能欠損によるコレステロール代謝の異常が自然免疫応答を活性化し、炎症性脱髄の原因となっていることを明らかにする。これにより発症機構に基づいた発症抑制薬の開発に繋げることが可能となる。
- 常在マクロファージのM1・M2分極化,器官定着機構とホーミング能に関する研究 19K06406 2019-04-01 – 2022-03-31 小川 和重 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60231221) 小区分42020:獣医学関連 基盤研究(C) 病態とマクロファージ(Mφ)の分極化(炎症性のM1と抗炎症性のM2型)の研究は,単球由来の動員Mφを主体に進んでいる。Mφには,胎生期に食細胞が各器官に浸潤・定着し,器官特異的に分化した自己増殖する常在Mφも存在する。常在Mφの増殖培養は難しく,器官定着機構や炎症時の動態など不明な点が多い。本研究では,代表者が開発した「常在Mφの継代培養・増殖法(特開019-17291)」を活用し,常在Mφの臨床応用を究極の目的に,大量培養できた常在Mφを材料に,器官特異的性状,M1・M2型Mφへの分極化と両Mφの相互作用,器官定着機構とホーミング能を調べ,常在Mφの移植治療法開発の基盤となる研究を行う。
- TRPチャネル複合体のカチオン透過とは異なる新奇機能とその生理的意義の解明 19H03417 2019-04-01 – 2022-03-31 森 泰生 京都大学, 工学研究科, 教授 (80212265) 小区分48040:医化学関連 基盤研究(B) 細胞膜のイオンチャネルが化学的・物理学的変化を感知し開口すると、その開いた「穴」を通ってNa+とCa2+等が通過し、様々な電気現象を生体に引き起こす。最近、この旧来から理解されてきたイオンチャネルの働きとは全く異なる、新たな機能が示されつつある。本研究では、生体内外の環境変化のバイオセンサーとして働くTRPタンパク質群が構成するイオンチャネルに着目し、それらがどのような他タンパク質と相互作用することにより、細胞内物質のバランスを変化させ、均質な細胞集団から異なる細胞種を生成していくかを明らかにする。
- 体性幹細胞を起点とした難治性線維化に関与する「上皮-間葉」転換の病理学的基盤研究 19H03130 2019-04-01 – 2023-03-31 山手 丈至 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 客員研究員 (50150115) 小区分42020:獣医学関連 基盤研究(B) 腎線維化において、傷害後の再生上皮が間葉系細胞、特に膠原線維を産生する筋線維芽細胞に転換(上皮‐間葉転換:EMT)し、線維化の増悪に係ることが知られている。このEMT には上皮系と間葉系の双方に分化し得る体性幹細胞が関与すると考えている。しかし、EMT 現象の全貌は解明されていない。ラットの肝、腎、膵、皮膚、腸、心筋に線維化病変を作出し、異常な修復機転であるEMT の病態を臓器横断的に比較解析し、さらに体性幹細胞を認識する新規抗体A3を用い胎子発生過程との関連でEMT が係る線維化の増悪メカニズムを追究する。この研究は「EMT 幹細胞学説」の構築に繋がり、線維化の治療法探索に資する。
- 間葉系幹細胞の抗炎症性マクロファージ誘導機構を応用した難治性顎骨壊死新規治療戦略 17K19774 2017-06-30 – 2019-03-31 石崎 明 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20356439) 挑戦的研究(萌芽)
- 骨免疫制御を可能にするインプラントナノ表面形態の探索 17K19742 2017-06-30 – 2019-03-31 山田 将博 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90549982) 挑戦的研究(萌芽)
- マクロファージの獲得免疫制御におけるケモカイン受容体会合分子FROUNTの役割 17K15716 2017-04-01 – 2022-03-31 遠田 悦子 日本医科大学, 医学部, 助教 (00589327) 若手研究(B)
- GFPラットとの血管吻合ラット抜歯窩骨欠損修復部位の超音波刺激による骨髄細胞動員 17K11922 2017-04-01 – 2022-03-31 竹内 良平 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任教授 (30236442) 基盤研究(C)
- 抗酸菌由来Dアミノ酸によるマクロファージの活性調節についての基礎的検討 17K10028 2017-04-01 – 2022-03-31 多田納 豊 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 准教授 (70432614) 基盤研究(C)
- 出生直後からの先制医療を目指した、羊水幹細胞による難治性早産合併症の治療法開発 17H04236 2017-04-01 – 2020-03-31 田中 守 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (20207145) 基盤研究(B)
- M2マクロファージの骨再生作用の検討 16K10858 2016-04-01 – 2019-03-31 岡本 美奈 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (50457008) 基盤研究(C)
- 健康長寿社会の実現への寄与が期待される食品成分の機能解析と分子作用機構解明 16H03039 2016-04-01 – 2019-03-31 井上 裕康 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (40183743) 基盤研究(B)
- 単球/マクロファージの血管壁通過と組織定着を制御する新規候補分子の検証 15K07769 2015-04-01 – 2018-03-31 小川 和重 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60231221) 基盤研究(C)
- がん進展における代謝を介した足場非依存性増殖制御の役割 15K06829 2015-04-01 – 2019-03-31 坂本 毅治 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70511418) 基盤研究(C)
- マクロファージ-筋線維芽細胞を基軸とした難治性線維化の臓器横断的発生機序の解明 26292152 2014-04-01 – 2018-03-31 山手 丈至 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50150115) 基盤研究(B)
- マクロファージの機能特性に基づいた胆管線維症の病理発生の解明と治療戦術 12F02095 2012 – 2013 山手 丈至 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 特別研究員奨励費
- T細胞分極化阻止因子GIFの脂肪組織リモデリング制御における分子機構の解明 22591011 2010 – 2012 西條 美佐 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (10566813) 基盤研究(C)
- マクロファージと筋線維芽細胞を基軸とした慢性腎臓病の進展機序の解明と治療戦術 22380173 2010-04-01 – 2014-03-31 山手 丈至 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50150115) 基盤研究(B)