頭の良さは遺伝する?

巷には知能は遺伝するという論調の記事や書籍が氾濫するようになってきました。

すべての能力は遺伝である」という命題はどこから来るのでしょうか。 初めにお断りしておきますが、これは「能力はすべて遺伝である」と言っているのではありません。「すべての能力は遺伝である」というのは、能力の種類にはいろいろあるが、どれも必ず遺伝の影響があるという意味で、「能力はすべて遺伝である」というのは、そういう能力を形作っているのはすべてが遺伝によるものであり、非遺伝的要因は関与していないという遺伝決定論の意味です。‥ 行動遺伝学は、その成果として、すべての能力が遺伝だけでないこともきちんと明らかにしています。https://kodomogakkai.jp/cafe2-1.html

 

知能が遺伝するという話は決して最近のものではなく、100年以上の歴史があります。ただ優生思想に対する配慮からタブー視されてきて、表立って主張する人がいなかったのだと思います。

優生思想とは一般的に同じ人間のなかに優れた者と劣った者が存在するとみなした上で,優れた者の増産劣った者の淘汰を目指す考え方である。

優生思想はどのように語られてきたか――優生学の言説をめぐって 専修人文論集109号(2021)311-327 https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/record/12467/files/1051_0109_11.pdf

  1. 『教育は遺伝に勝てるか?』 2023/12/19 安藤 寿康(あんどう じゅこう) 慶應義塾大学名誉教授 出版社から依頼されたのは親御さん向けに行動遺伝学をわかりやすく紹介することだったので、特定のタイトルを想定して執筆したのではなかった。校正が進む中で、そろそろタイトルどうしましょうかとなってから、お任せしますといって、このタイトルになった。無責任かもしれない。今年、相次いで刊行させていただいた新書は、『能力はどのように遺伝するのか』(講談社ブルーバックス)も、橘玲氏との対談『運は遺伝する』(NHK新書)も、タイトルはすべて出版社任せである。
  2. 胎児の時点で「将来の学歴」はある程度決まっている…最新研究でわかった”生まれと育ち”の残酷な事実 遺伝子解析をすれば「潜在能力」がわかってしまう 安藤 寿康 慶應義塾大学文学部教授 2022/09/28 11:00  PRESIDENT Online 大きな注目を集めたのが、アメリカの行動遺伝学者キャサリン・ハーデンらが2020年に発表した研究です。‥ ハーデンらは学歴に関するポリジェニックスコアが最終的な学歴にどう関係しているのかを調べました。‥ ポリジェニックスコアの高い生徒はどんな学校でも優秀だけれど、スコアが平均あるいは低い生徒に関しては学校の良し悪しが関係してくる
  3. 第2回 「知能指数は80%遺伝」の衝撃 2012年1月24日 ナショナルジオグラフィック