臨床研究におけるさまざまなバイアス:情報バイアスとは

情報バイアス

情報バイアス information bias は、データ取得の際のシスマティックなエラーです。

Misclassification Bias

Misclassification Biasは情報バイアスの一つ

Recall Bias

Interviewer Bias

 

Response Bias

インタビューされている人の反応におけるバイアス。インタビュアーを喜ばせようとして、期待に応えるような答えをしてしまうこと。

Reporting Bias

研究者がポジティブな結果だけを報告してしまうことによって生じるバイアス。

Detection Bias

たとえば、肥満は糖尿病のリスク因子であることを知っているがゆえに、肥満患者に糖尿病をよりたやすく見つけてしまうバイアス。

あるいは、検査をより多く実施するように対処を勧めた国で、AIDS患者の数が増えた例。

参考

Information Bias by Raywat Deonandan, PhD

医師国家試験 医療面接 medical interview

解釈モデル explanatory model

  1. 解釈モデルとは、患者や医療者が考える病気の原因、病態、経過、病気の影響、望む治療法、期待感などの体系 https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/38067

第117回医師国家試験問題 令和5年(2023年)2月4日(土)、5日(日)

20 62 歳の男性。心窩部痛と食思不振を主訴に来院した。半年前から心窩部痛を感
じることがあったが、仕事が忙しいため様子をみていた。心窩部痛が持続し、2 週
間前から食思不振が出現したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙
歴はない。飲酒は焼酎1 合/日を40 年間。父が胃癌で70 歳時に手術。身長
170 cm、体重52 kg(半年間で8 kg 減少)。体温36.8 ℃。脈拍80/分、整。血圧
128/72 mmHg。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。左
鎖骨上窩に径2 cm のリンパ節を触知する。上腹部に径5 cm の腫瘤があり、圧痛
を認める。腸雑音に異常を認めない。直腸指診で直腸膀胱窩に硬結を触知する。尿
所見: 蛋白(-)、糖(-)、ケトン体1 +。血液所見: 赤血球368 万、Hb 8.9 g/
dL、Ht 32 %、白血球9,300、血小板21 万。血液生化学所見:総蛋白6.5 g/dL、
アルブミン3.1 g/dL、総ビリルビン1.9 mg/dL、直接ビリルビン1.2 mg/dL、
AST 128 U/L、ALT 116 U/L、LD 277 U/L(基準120~245)、ALP 283 U/L(基準
38~113)、-GT 132 U/L(基準8 ~50)、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン
1.6 mg/dL、血糖98 mg/dL、CEA 38 ng/mL(基準5 以下)、CA19-9 98 U/mL(基
準37 以下)。CRP 3.0 mg/dL。上部消化管内視鏡検査で進行胃癌を認めた。頸部・
胸腹部・骨盤部造影CT で、多発肝転移、リンパ節転移、腹膜播種が確認された。
患者に検査結果を伝え、薬物による抗癌治療が標準治療であることを説明したとこ
ろ、「薬ではなく手術で癌を取り除いてもらいたいと思う。家族と相談してきたい
のですが」と申し出た。
対応として適切でないのはどれか。

  • a 胃全摘術を予定する。
  • b 家族同席で再度説明する。
  • c なぜ手術を希望するか尋ねる。
  • d 本人の病状に関する認識を確認する。
  • e セカンドオピニオンについて説明する。

B22 治療薬の効果に関するランダム化比較試験の試験参加について被験者の同意を取
得したとみなされるのはどれか。
a 研究に用いる薬物の服用
b 研究を行う主治医の同意
c 研究施設の倫理委員会の承認
d 施設のホームページでの公示
e 被験者への説明と同意文書の取得

 

B28 82 歳の女性。発熱を主訴に家族に連れられて来院した。誤嚥性肺炎の診断で入
院となった。Alzheimer 型認知症があり、食事のむせこみで頻回の誤嚥性肺炎の既
往がある。肺炎のため2 週間前に入院し、肺炎は改善したがADL が低下したため
現在は全介助の状態である。認知機能障害のため嚥下訓練も進まず胃瘻の造設を検
討することになった。認知症症状が悪化する前には、「ボケるくらいなら死んだほ
うがまし」、「胃に管を入れてまで生きたいと思わない」と発言していたという。息
子は胃瘻を希望しているが娘は反対している。現在、意識は傾眠状態で、呼びかけ
に反応しない。
この患者の胃瘻造設に関する意思決定について適切なのはどれか。
a 患者を介護する家族が決定する。
b 病状説明を行って患者が決定する。
c 患者にとっての最善な治療方法を医療チームが決定する。
d 患者の推定意思を尊重し家族と医療チームが話し合って決定する。
e 院内に設置された委員会が家族と医療チームの意見に基づいて決定する。

B30 40 歳の女性。心窩部痛を主訴に来院した。医療面接で解釈モデルを把握するた
めの質問はどれか。
a 「どうされましたか」
b 「どのような痛みですか」
c 「最近ストレスはありましたか」
d 「このような痛みは初めてですか」
e 「痛みの原因をどのように考えていますか」

 

B38 67 歳の男性。腹部膨満感、右季肋部痛およびふらつきを主訴に来院した。半年
以上前から右季肋部痛を自覚していたが、3 か月前から痛みが増強するとともに腹
部膨満感が出現、1 か月前から黒色の軟便が見られるようになり、2 週間前からふ
らつきが強まった。ここ3 か月で体重が5 kg 減少している。意識は清明だが、問
診の意味が把握しにくいようで、聴覚障害と軽度の知的障害が疑われる。身長
154 cm、体重53 kg。体温35.9 ℃。脈拍84/分、整。血圧112/72 mmHg。呼吸数
13/分。眼瞼結膜は蒼白で眼球結膜に軽度黄染を認める。腹部は膨満しており、波
動を認める。両下腿に強い浮腫を認める。一人暮らしで身寄りがなく、生活保護を
受けている。民生委員が同伴で受診しており、問診の際も民生委員を介して聞き取
りを行ったが、生活状況などについて十分な情報が聴取できない。
まず取るべき対応で正しいのはどれか。
a 医師が患者に代わって診療方針を決定する。
b 診療方針について患者本人に説明し意向を聞く。
c 民生委員を成年後見人とみなして診療方針について相談する。
d 患者本人の意思決定困難を理由にこれ以上の検査治療を行わない。
e 医学的検査の結果に基づき、客観的に治療の適否や内容を決定する。

 

 

次の文を読み、43、44 の問いに答えよ。
38 歳の男性。食欲不振、腰痛および背部痛を主訴に来院した。
現病歴 : 半年前から胸やけと食欲不振、腰痛を自覚していた。2 か月前から背部
痛と呼吸困難が出現し、自宅近くの診療所を受診した。上部消化管内視鏡検査で胃
体部に進行胃癌を認め、精査と治療のため入院となった。腰痛はみられるが、
ADL は自立し歩行可能である。
既往歴 : 特記すべきことはない。
生活歴 : 妻と小学生の娘2 人と4 人暮らし。職業は会社員、営業職で外回りの仕
事が多い。喫煙は20 歳から20 本/日だが、2 週間前から禁煙している。飲酒は機
会飲酒。
家族歴 : 特記すべきことはない。
現 症 : 意識は清明。身長176 cm、体重63 kg。体温36.4 ℃。脈拍92/分、整。
血圧120/64 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 97 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜と
に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾
を触知しない。
検査所見 : 血液所見:赤血球390 万、Hb 9.1 g/dL、Ht 39 %、白血球6,300、血
小板26 万。血液生化学所見:総蛋白5.0 g/dL、アルブミン3.0 g/dL、総ビリル
ビン0.8 mg/dL、AST 16 U/L、ALT 18 U/L、LD 184 U/L(基準120~245)、
ALP 200 U/L(基準38~113)、クレアチニン1.0 mg/dL、Na 141 mEq/L、
K 4.0 mEq/L、Cl 101 mEq/L、Ca 8.5 mg/dL。胸部エックス線写真で両肺に散在
する腫瘤を認めた。腹部CT 及び腰椎MRI で第1 腰椎と第3 腰椎に転移性骨腫瘍
を認めた。肝転移は認めなかった。
患者には病状が詳しく伝えられ、今後抗癌化学療法、放射線治療が計画された。
患者から、「会社に迷惑をかけるので、仕事をやめようか悩んでいる。治療費もた
くさんかかるし、小学生の娘2 人を今後どうやって養っていったらよいかを考える
と心配でしょうがない」と相談があった。

43 この患者への対応で誤っているのはどれか。
a 患者の病状理解を確認する。
b 職場への伝え方を助言する。
c 不安を軽減させるための支援を行う。
d 退職して治療に専念するよう伝える。
e 利用可能な支援制度の情報提供を行う。

医師国家試験 発生学

第117回医師国家試験問題 令和5年(2023年)2月4日(土)、5日(日)

B19 肺低形成を合併する胎児疾患はどれか。
a 水頭症
b 二分脊椎
c 臍帯ヘルニア
d 横隔膜ヘルニア
e 先天性食道閉鎖症

医師国家試験に出た生化学の問題

第117回医師国家試験問題 令和5年(2023年)2月4日(土)、5日(日)

13 ビタミン欠乏とその症状の組合せで正しいのはどれか。

a 葉 酸   小球性貧血
b ニコチン酸   心不全
c ビタミンA   夜 盲
d ビタミンB1   腱反射亢進
e ビタミンB12   皮膚炎

 

44 40 歳の初妊婦( 1 妊0 産)。妊娠24 週、随時血糖110 mg/dL であったため、自
宅近くの産科診療所から紹介され受診した。既往歴、家族歴に特記すべきことはな
い。子宮収縮の自覚はなく、性器出血を認めない。身長160 cm、体重59 kg(妊娠
前体重55 kg)。体温36.7 ℃。脈拍88/分、整。血圧110/80 mmHg。経口グルコー
ス負荷試験〈75 gOGTT〉:負荷前値:90 mg/dL、1 時間値:190 mg/dL、2 時間
値:160 mg/dL。HbA1c 5.4 %(基準4.6~6.2)。
適切な対応はどれか。2 つ選べ。
a 運動療法を勧める。
b 経口血糖降下薬を用いる。
c 食事は4 ~ 6 分割食を勧める。
d 食後2 時間の血糖値150 mg/dL を目標とする。
e 1 日の摂取エネルギーを1,200 kcal に制限する。

 

75 動脈血ガス分析(room air)の結果を示す。

  • pH 7.48
  • PaCO2(Torr) 52
    PaO2(Torr)72
    HCO3-(mEq/L)37

単純性の酸塩基平衡障害として、最初の変化( 1 次性変化)と代償性変化( 2 次性変化)の組合せで正しいのはどれか。
1 次性変化      2 次性変化
a 呼吸性アシドーシス   なし
b 呼吸性アシドーシス   あり
c 呼吸性アルカローシス   なし
d 呼吸性アルカローシス   あり
e 代謝性アシドーシス   なし
f 代謝性アシドーシス   あり
g 代謝性アルカローシス   なし
h 代謝性アルカローシス   あり

ヒト胎児をつつむ膜 卵膜、羊膜、

羊膜 amnion

絨毛膜 chorion

  1. https://en.wikipedia.org/wiki/Chorion

卵膜

  1. https://medical.jiji.com/medical/031-0006-99 胎児と母体との関係の図が分かりやすい
  2. https://www.tissue.kpu-m.ac.jp/transplant.html 卵膜=羊膜+絨毛膜+脱落膜

子宮脱落膜

  1. 子宮脱落膜の分化不全による 新しい不妊症メカニズムの解明 東京大学大学院医学系研究科・疾患生命工学センター 分子病態医科学部門 https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/5582/files/h23_mori.pdf

医学部・看護学部学生のための解剖生理学の教科書:オススメと定番

解剖生理学の教科書もたくさん刊行されています。たくさん教科書が出版されているということは、それだけ需要が大きいのでしょう。

解剖学用語

解剖学が得意になるためには、解剖学用語で使われる漢字の意味を知ることが大事です。これはもう約束事ですので、約束を覚えれば応用範囲が広いです。

  • 腔(くう):空間のこと。理科だと「こう」と読むことが多いような気がします。総排出腔は、高校の生物だと「そうはいしゅつこう」と読んだかもしれませんが、医学では「そうはいしゅつくう」と読むということになるのでしょうか。
  • 窩(か):くぼんだ部分のこと。
  • 嚢(のう):袋状の構造。
  • 結節(けっせつ):コブ状に盛り上がった部分。原始結節 primitive nodeもこれと同じでしょうか。
  • 絨毛(じゅうもう):指状の多数の突起のこと。消化管に絨毛がありますし、胎盤にも絨毛があります。一般的な構造の名前だったんですね。
  • 頭(とう):器官の端で丸まった構造。
  • 頸(けい):細くなっている部分。子宮頸部の頸部がこれですね。
  • 底(てい):器官の太い方の端のことだそうです。下側でなく上側に位置していても、底である例があるので要注意。
  • 体(たい):器官の主要部分。
  • 尖(せん):器官のとがった端。
  • 門(もん):器官に侵入する部分。
  • 葉(よう):器官の主要な区分。
  • 洞(どう):内部のくぼんだ空間だそう。
  • 口(こう):外部から内部につながる入り口。
  • 孔(こう):表面部分から内部へ入る口。

解剖学用語を効率的に覚える学習法 ゴロー/イラストで学ぶ体の仕組み チャンネル登録者数 33.6万人

リラックスして学べる解剖生理学の教科書

【改訂版】疾患とつながる 解剖生理図鑑 ゴロー, 大和田潔 2024/1/10 永岡書店

解剖生理学 超速!ゴロ勉 ゴロー, 大和田潔 永岡書店

のほほん解剖生理学 2016/8/15 玉先生 永岡書店

解剖生理学 大幅増補・改訂版: パワーアップ問題演習 竹内 修二 2006/10/1

医学部学生向け解剖生理学の教科書

カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版【電子書籍つき】改訂第4版 2021/1/25 坂井 建雄 (編集), 河原 克雅 (編集) 904ページ 日本医事新報社

トートラ人体解剖生理学 原書11版 2020/8/27 佐伯 由香 (編集, 翻訳), 細谷 安彦 (編集, 翻訳), 高橋 研一 (編集, 翻訳), 桑木 共之 (編集, 翻訳) ペーパーバックのみでキンドル書籍はなし。

「よくみられる病気」、「臨床関連事項」、「クリティカルシンキングの応用」 ちなみに原書のほうは2020年に第16版が出ています。

洋書

Principles of Anatomy and Physiology  2020/10/13 Gerard J. Tortora, Bryan H. Derrickson 1296ページ Loose Leaf 第16版 ルーズリーフのみでキンドル書籍はなし。

Anatomy & Physiology Made Easy: An Illustrated Study Guide for Students To Easily Learn Anatomy and Physiology 2021/10/25 NEDU 著 299ページ

Anatomy & Physiology For Dummies (For Dummies (Math & Science)) ペーパーバック – 2017/3/20 英語版 Erin Odya (著), Maggie A. Norris (著) 384ページ

医療系学生向けの解剖生理学の教科書

人体の解剖生理学 2017/2/27 木山博資 (編集), 遠山正彌 (編集)

読んでわかる解剖生理学: テキスト 2014/2/20 竹内 修二 (著), 生理学TN編集委員会

解剖生理学: 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち (健康・栄養科学シリーズ) 単行本 – 2020/3/25 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 (監修), 上嶋 繁 (編集), 濱田 俊 (編集)

人体の構造と機能 解剖生理学実習 (栄養科学シリーズNEXT) 単行本(ソフトカバー) – ビッグブック, 2015/6/27 森田 規之 (編集), 河田 光博 (編集), 松田 賢一 (編集)

看護学部の学生向け解剖生理学の教科書・問題集

増田 敦子 解剖生理をおもしろく学ぶ 2015/2/1

看護roo!にこの書籍に基づいた解説記事があります。https://www.kango-roo.com/learning/2348/ このウェブ記事を読む限り、とても分かりやすく親しみが湧きます。記述の正確さに関しても注意が払われていると感じます。

  1. 酸素を使わず、呼吸する?|呼吸する(1)2015/07/30 この図などは非常にわかりやすい。

 

解剖生理をひとつひとつわかりやすく。 2020/11/12 看護版ひとつひとつわかりやすく。

 

看護の現場ですぐに役立つ 解剖生理学のキホン (ナースのためのスキルアップノート) 野溝明子 2018/3/27  秀和システム

 

看護師国家試験 解剖生理学クリアブック 第2版  2015/12/28 日本生理学会教育委員会 (著)

 

イメージできる 解剖生理学 (ナーシング・サプリ) 単行本 – 2015/12/28 ナーシング・サプリ編集委員会 (編集)

ニワトリの玉子は一個の細胞?

ニワトリの玉子(たまご)は一個の巨大な細胞だということを聞いたことがあります。もちろんニワトリに限らずあらゆる生物種で卵(たまご)は一つの細胞なので、世界最大の単一細胞は、一番大きいダチョウの卵ということになるでしょう。

たまごは一個の細胞という言い方ですが、もう少し正確にいえばたまごのうちの「黄身」の部分が一個の細胞で、「白身」の部分は細胞ではありませんし、細胞が含まれてもいません。卵の殻の部分も同様に、細胞ではなく、細胞が含まれてもいません。黄身の部分はよく見ると白い斑点のようなものが表面に一つあり、そこが細胞の「細胞質」の部分です。それ以外は卵黄です。つまり卵の内部のほとんど全ての体積を卵黄が占めており、細胞質の部分は非常に小さい領域しかないのです。

黄身が単一細胞なら、受精して細胞分裂したときに黄身が半分、さらに半分と分かれていくのかというと、そうはなりません。鳥類の場合は、卵割の様式は「盤割」といって卵黄の表面にある細胞質の領域だけで細胞分裂が進むからです。これは両生類の卵割とは事情が異なります。カエルの卵にも卵黄が多く含まれています(特に下半分)が、卵割は卵黄の部分まで含めて生じます(盤割に対して、全割という)。人やウニの卵は、卵黄がそれほど多くありませんので、卵黄に邪魔されることなく細胞分裂が同じように(割球同士の大きさに差がなく)起こります。卵黄は栄養素として使われますが、人間の場合は着床して胎盤ができると栄養は母体から得られるので、卵黄を卵に貯め込んでおく必要があまりないのです。ニワトリの卵のように殻で綴じられていて外から栄養を取り込むことが出来ない場合には、卵黄だけが栄養源です。

  1. https://ja.wikipedia.org/wiki/卵黄

プトレマイオス『アルマゲスト』

クラウディオス・プトレマイオスの『アルマゲスト』天体の運動を数学的に記述する理論を解説した本です。日本語に翻訳されたものとしては、

プトレマイオス (著), 薮内 清 (翻訳) アルマゲスト 1993/7/25 (初版 昭和33年5月25日)恒星社厚生閣

があります。市場での入手は困難で、図書館などで借りるのがいいでしょう。この日本語版の底本になったのは、フランス語版です。

Composition Mathematique de Claude Ptolemee, 2 vol. 1838-1816 by Nicolas Halma(1756-1830)

アルマゲストは第一巻から第十三巻までありますが、1~6巻、7~13巻をそれぞれ第1冊、第2冊と2冊の分冊として出版されています。日本語の本も同様に2分冊になっています。

さきにアルマゲストの上巻を刊行してから9年を経過した。いまさらのように過ぎ去った年を数えて驚いている。下巻の刊行がおくれたのは、訳者自信の怠慢にも1つの原因はあるが、売行きのおそい出版物でまた出版社に迷惑をかけたくない気持ちも手伝って、ついおくれてしまった。

1958年2月12日 薮内 清

アルマゲスト 下 訳者の序文

アルマゲストというのは、俗名で本来の署名は、マテマティケ・シンタキス というのだそうです。プトレマイオスの独自の説だけが掲載されているわけではなく、それにいたる過去の科学的な知見が集約されています。すなわち、バビロンの天文観測、ギリシアの天文学、紀元前2世紀の天文学者ヒッパルコスの業績などが書かれており、重要な書物となっています。7世紀ころにはこの書物はアラビア人の手にもわたり、9世紀ころのアッバース王朝のじきにギリシア語の原典からアラビア語への翻訳が行われました。アラビア語の書名としてつけられたのがアルマゲストというわけなのです。アルマゲストとは、アラビア語で「最大」と言う意味だそうです。アラビア人がいかにこの書物を重要視して敬意を払っていたかがわかります。

西洋科学は、近代科学に目覚めるまでの数百年間は停滞していましたが、ギリシャ時代の科学の蓄積はアラビアの科学によって受け継がれ、保持され、発展されました。アルマゲストはそうして、アラビアから西洋へと再輸入されます。12世紀になってGerard of Cremonaが1175年にアラビア語のアルマゲストをラテン語に翻訳しました。写本でなく活字としてアルマゲスト(ラテン語)が出版された最初は、1518年でVniceにおいてでした。現代語(フランス語)に初めて翻訳したのがHalmaだとされています。

アリストテレスもプトレマイオスも、科学者でありながら神の存在も科学の中に入れて考えていたようです。

実際アリストテレスが思索的な学問を大きく物理学数学及び神聖なものの学との三部門に分けたのは至当である。‥ もし特に宇宙の本源的運動の第一原因を求めるならば、それは目に見えぬが恒久不変の神であることを発見するであろう。

まえがき 2~3ページ アルマゲスト

  1. アリストテレス メタフュジュカ 第6巻第1章

アルマゲストは、天動説に基づいて理論を組み立てています。天動説は大前提であって、天動説と地動説のどちらが妥当かといったことは、考察の対象になっていません。

何よりも先ず、天空が球形をなすこと、それが球として動くこと、地球はそれ自体の形によって全体として明らかに一個の球体をなすことを一般的に認めなければならない。そして又地球が天空全体の中心であり中央である所に位置し、それが恒星球に関する大きさと距離とに比較して、運動や移動をしない一点にすぎないことを認めねばならない。

アルマゲスト 第一章 定理の順序 5ページ

天空がまずは球であると仮定しており、その球である天空の中心に存在することを、そうでないと仮定した3つの場合にわけてそれぞれそれが妥当ではないということを考察しています。

第四章 地球は天空の中心にある

地球の形状からその位置の問題に移ると、地球のまわりに見える事柄は球の中心に於けるが如く地球を天空の中央に仮定することによってのみ起こりえる。実際にもしそうでなければ地球は各々の極から等距離ではあるが軸からはずれているか、或いは軸上にあっても何れかの極に一層近いか、或は軸上にもなく同時にまた両極から等距離にもないか、である。

先ず三者の中、第一の過程が正しくないことを証する事実は、~

10ページ

参考サイト

  1. A Modern Almagest: An updated version of Ptolemy’s Almagest https://farside.ph.utexas.edu/books/Syntaxis/Syntaxis.html
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Almagest
  3. 古典天文学(プトレマイオス、コペルニクス、ケプラー) http://fnorio.com/0015Classical_Astronomy1/Classical_Astronomy.htm

 

1日に何歩歩けば健康を保てるのか?1日9,000歩~1万1,000歩で健康寿命延伸

  1. 1日9,000歩で健康寿命が延伸 自覚的な健康状態の改善には1万1,000歩を提唱 2024年05月28日 05:00 MedicalTribune

上で紹介されていた論文は、国民生活基礎調査と国民健康・栄養調査のデータに基づいて調べたものだそうです。

  1. 国民健康・栄養調査 厚生労働省
  2. 国民栄養の現状 厚生労働省

マウス解剖手技JoVE動画集

動物の取り扱い一般

マウスの受け入れ、飼育、床替え、餌やり、行動学実験

Basic Care Procedures https://app.jove.com/v/10290/basic-care-procedures

マウスの麻酔

Anesthesia Induction and Maintenance https://app.jove.com/v/10263/anesthesia-induction-and-maintenance

免疫学

マウス成体の脾臓 spleenとリンパ節lymph nodesの摘出

Mouse Naïve CD4+ T Cell Isolation and In vitro Differentiation into T Cell Subsets DOI : 10.3791/52739-v • 7:12 min • April 16th, 2015 Stephanie Flaherty1, Joseph M. Reynolds1 https://app.jove.com/v/52739/mouse-na239ve-cd4-t-cell-isolation-and-in-vitro-differentiation-into-t-cell-subsets

マウス肝臓での免疫応答のさいの白血球の2光子励起顕微鏡 in vivo 観察

Two-photon Intravital Imaging of Leukocytes During the Immune Response in Lipopolysaccharide-treated Mouse Liver DOI : 10.3791/57191-v • 7:06 min • February 6th, 2018 Sang A Park1,2*, Young Ho Choe1,2*, Sung Hwan Lee3, Young-Min Hyun1,2 https://app.jove.com/v/57191/two-photon-intravital-imaging-of-leukocytes-during-the-immune-response-in-lipopolysaccharide-treated-mouse-liver

発生学

マウス胚のallantoi 尿膜の摘出

Dissection and Explant Culture of Murine Allantois for the In Vitro Analysis of Allantoic Attachment DOI : 10.3791/56712-v • 9:30 min • January 13th, 2018 Kerstin Hadamek1,2, Angelika Keller1,2, Antje Gohla1,2 https://app.jove.com/v/56712/dissection-and-explant-culture-of-murine-allantois-for-the-in-vitro-analysis-of-allantoic-attachment

マウス胚からの卵嚢 yolk sacとAorta-gonad-mesonephros(AGM)の摘出

Isolation of Murine Embryonic Hemogenic Endothelial Cells DOI : 10.3791/54150-v • 8:56 min • June 17th, 2016 Jennifer S. Fang1*, Emily C. Gritz2*, Kathrina L. Marcelo3, Karen K. Hirschi1 https://app.jove.com/v/54150/isolation-of-murine-embryonic-hemogenic-endothelial-cells

 

呼吸器科学

マウスの気管挿管の手技

Repeated Orotracheal Intubation in Mice DOI : 10.3791/60844-v • 6:26 min • March 27th, 2020 Andrew M. Nelson1, Katherine E. Nolan1, Ian C. Davis1 https://app.jove.com/v/60844/repeated-orotracheal-intubation-in-mice

マウス新生児の肺胞上皮細胞の単離と培養

Isolation and Culture of Pulmonary Endothelial Cells from Neonatal Mice DOI : 10.3791/2316-v • 10:46 min • December 14th, 2010 Magdalena Sobczak1, Jillian Dargatz1, Magdalena Chrzanowska-Wodnicka1 https://app.jove.com/v/2316/isolation-and-culture-of-pulmonary-endothelial-cells-from-neonatal-mice

神経科学

網膜神経節細胞

*animalsがマウスかどうかは不明です

Single-cell RNA-Seq of Defined Subsets of Retinal Ganglion Cells Published: May 22nd, 2017 DOI: 10.3791/55229 Lauren A. Laboissonniere1, Takuma Sonoda2, Seul Ki Lee2, Jeffrey M. Trimarchi1, Tiffany M. Schmidt2 https://app.jove.com/t/55229/single-cell-rna-seq-of-defined-subsets-of-retinal-ganglion-cells

マウス胎児脳からの海馬の摘出と培養

Isolation and Culture of Hippocampal Neurons from Prenatal Mice DOI : 10.3791/3634-v • 10:27 min • July 26th, 2012 Michael L. Seibenhener1, Marie W. Wooten1 https://app.jove.com/v/3634/isolation-and-culture-of-hippocampal-neurons-from-prenatal-mice

マウス新生児からの脊髄神経細胞の摘出

Spinal Cord Neurons Isolation and Culture from Neonatal Mice DOI : 10.3791/55856-v • 7:49 min • July 11th, 2017 Mohamed Eldeiry1, Katsuhiro Yamanaka1, T. Brett Reece1, Muhammad Aftab1 https://app.jove.com/v/55856/spinal-cord-neurons-isolation-and-culture-from-neonatal-mice