神経管の背腹軸方向の細胞分化シグナル

個人的には、外胚葉がBMPを出していて、神経管の上部でもBMPがシグナリングセンターになり、下側に目をやると、脊索が最初シグナリングセンターになってshhシグナルによって神経管の下部をFLOOR PLATEに誘導し(実際の誘導の時期は、神経管になってからではなく、神経板の段階)、今度はFLOOR PLATE自身がshhを分泌するようになるというところが面白いと思います。ゾンビによって自分もゾンビ化されてしまうみたいな。

https://bastiani.biology.utah.edu/courses/3230/db%20lecture/lectures/b15NeuroHH.html

Roof plate天板ではBMPが、Floor plate底板ではshhがシグナルとなって、神経管の上下の端がシグナリングセンターとなり、神経管の内外に対して働きかけます。神経管の内部ではこれらのシグナルによって背腹軸方向の神経細胞のアイデンティティが決定されます。

https://media.springernature.com/lw685/springer-static/image/art%3A10.1038%2Fnrn1805/MediaObjects/41583_2005_Article_BFnrn1805_Fig3_HTML.jpg

https://media.springernature.com/lw685/springer-static/image/art%3A10.1038%2Fnrn1805/MediaObjects/41583_2005_Article_BFnrn1805_Fig3_HTML.jpg

下のrの文の図は、Roof plateで確かにBMPが発現していることを示す実験データ。BMPシグナリングの下流で転写因子として働くリン酸化SmadもRoof plateに局在しています。

https://www.researchgate.net/figure/The-roof-plate-RP-loses-responsiveness-to-BMP-signaling-a-c-In-situ-hybridization-for_fig1_299420557