How to read a paper
論文の読み方という書籍タイトルですが、実際には臨床研究のデザインの良しあしに関する批判的な見方を紹介していたりして、論文の文言から何を読み取るかというよりも、その論文の研究デザインに妥当性はそもそもあるのかといった批判的態度を習得することができるという点で、素晴らしい「研究の教科書」だと思います。研究費獲得のために申請書を書く際にも研究デザインを示す必要がありますが、自分の考えている研究デザインが本当にそれでいいのかを批判的に吟味することもできるようになるはず。臨床研究の力を付けるための格好の教科書といえそうです。そのような批判的な態度が身につけばこそ、論文を読む力が上がるのでしょう。
本書は改訂を重ねていて、2024年に第7版が出ていました。
How to Read a Paper: the Basics of Evidence-Based Healthcare (English Edition) 7th edition 2024/12/23 Kindle版 ¥6,906 Trisha M. Greenhalgh (著), Paul Dijkstra (著) ページ数 : 328ページ
amazon.comでかなり高い評価を得ている本です。
How to Read a Paper: The Basics of Evidence-based Medicine and Healthcare 6th Edition by Trisha Greenhalgh (Author) 4.6 out of 5 stars 431 ratings (May 6, 2019) 288 pages
読む技術 論文の価値を見抜くための基礎知識 トリーシャ・グリーンハーフ 日経メディカル 2016年 Kindle版¥4,312 How to read a paper: the basics of evidence-based medicine 5th edition, Trisha Geenhaigh (原書261ページ)医学論文を探し、見つけた論文の科学的妥当性や診療との関連性を評価し、適切であればその結果を実践に移したいと考えるあらゆる人に向けた書(初版 序文 より)
これは第5版の邦訳。第13章質問票調査を報告する論文では、”他のほぼどのような研究デザインよりも、質の悪い質問票調査が多く存在するという事実”などといった調子で、かなり辛口の表現があります。「ゴミを入力すれば出力結果もゴミである」がどこよりも該当するのが質問票調査だなどと、辛口なコメントが続きます。
こうしてみるとHow to read a paperといいつつ、研究をしている人(研究者)が読めば、 How to conduct a research の本ともいえそうです。
心要の研究デザインが分かる本
医学論文、わからにのは統計だけ?肝心要の研究デザインが分かる本 新興医学出版社 2021年 https://shinkoh-igaku.jp/mokuroku/data/914.html 論文読破に必要な知識は統計学だけではありません。肝心要は「研究デザイン」です。 東京大学特任助教、特任講師が執筆、教授が監修 紙の本のみでキンドル書籍はなし。133ページの小冊子のような本。