医学用語」カテゴリーアーカイブ

allograft(同種移植)、xenograft(異種移植)、isograft(同系移植)

allograft(同種移植)は同じ動物種間での臓器移植のこと。例えば、他人の腎臓を誰かに移植するなど。

enograft(異種移植)は異なる動物種間の臓器移植のこと。例えば、ブタの心臓を人に移植するなど。

isograft(同系移植)は遺伝学的なバックグラウンドが同一の個体間での移植のこと。例えば一卵性双生児の間での移植など。

Isografts are allografts in which organs or tissues are transplanted from a donor to a genetically identical recipient (e.g. an identical twin).

https://www.sciencedirect.com/topics/immunology-and-microbiology/isograft

歴史的には、isograftという単語は同種移植の意味で用いられたこともあるようです。

Transplants are classified as (1) autogenous transplants—tissue completely separated from its original site and implanted in another location in the same individual—and (2) heterogenous transplants—tissue taken from other individuals. The second class may be subdivided into (a) homogenous grafts (known as isografts)—tissue from the body of an individual of the same species—and (b) zoografts—tissue from animals of different species.

https://jamanetwork.com/journals/jamaotolaryngology/fullarticle/575670

 

Youglish.comで使用例を聴く

xenograft (26件)

allograft (39件)

isograft (0件)

 

上級医とは

医師の方とメールのやり取りをしていたら、「上級医から、これこれしかじかのアドバイスを受けました。」という文言があり、上級医って先輩の医師のことかなと考えてしまいました。

上級医とは,「臨床研修医に対する指導を行うために 2年以上の臨床経験および能力を有している者で,指導医の要件を満たしていない医師のこと」をいうのだそうです。厳密に定義された言葉なんですね。

立場としては、指導医と研修医との中間に位置するようです。

  1. 指導医・主治医・上級医・担当医の定義と役割(学校法人 慈恵大学)

上級医とは

 

研修医の責任・上級医の責任

 

「特発性」(idiopathic)とは? その疾患の発症の原因が特定できないという意味【医学用語】

病気の名前で、特発性(idiopathic)~という言い方を良く見かけます。通常の日本語の国語辞典的な意味とは異なる、独特な医学用語です。「特発性」(idiopathic)とは その疾患の発症の原因が特定できないという意味になります。

例えば、「流涙症」という病気の原因の一つに「鼻涙管排泄の減少」があり、鼻涙管排泄が減少する原因として加齢に伴う特発性の鼻涙管狭窄が挙げられます。

特発性に似た用語に「孤発性」(sporadic)というものもあります。これは遺伝する病気はなくて、散発的に個人に発症する病気の場合の言い方です。

  1. IPF(特発性肺線維症)ってどんな病気?  IFP.jp
  2. 用語:孤発性 (こはつせい) 難病センター
  3. 流涙 MSDマニュアルプロフェッショナル版

ROC曲線、感度(sensitivity)、特異度(specificity)、AUC

ROC曲線とは

  • 与えられた値から,真(TRUE)か偽(FALSE)かを判断したい
  • 与えられた値をどこで切っても,TとFは完全には分離できません
  • 区切る値(閾値,カットオフポイント)をいろいろ変えて,横軸にfalse positiveの割合,縦軸にtrue positiveの割合をとってプロットしたものが,ROC曲線
  • ROCはReceiver Operating Characteristicの略で,第2次大戦のときに米国のレーダーの研究から生まれた概念

ROC曲線 edu.mie-u.ac.jp

  1. ROC curve analysis  MedCalc

AUCとは

ROC曲線は、診断法がどれぐらい有用なのかを知るときに使われ、曲線下の面積(AUC)によって定量化されます。(医療統計コラム File 2. ROC曲線は、こんなふうに描かれます jmp

特異度、感度とは

医学における検査では、感度、特異度といった特有の言葉があります。

特異度とは

特異度というのは、検査で「陰性」のものを正しく「陰性」と判断できる割合のことです。式で書けば、

特異度 = 実際に陰性でしかも検査でも陰性と判断された人の数 / 実際に陰性の人の数 

ちなみに、

実際に陰性の人の数 = 実際に陰性で、検査でも陰性と判断された人の数 + 実際は陰性なのに陽性と判断された人の数

もっとすっきりと書けば、

陰性の数 = 真陰性の数 + 偽陽性の数

特異度 = 真陰性の数 / (真陰性の数 + 偽陽性の数)

  1. 特異度(ウィキペディア)

感度とは

感度というのは、陽性の人の内、正しく陽性と判断できた割合のことです。式で書けば、

感度 = 実際に陽性で検査でも陽性と判定された人の数 / 実際に陽性の人の数

ちなみに、

実際の陽性の人の数 = 陽性と判定された人の数 + 間違って陰性と判定された人の数

もっと簡潔に書けば、

陽性 = 真陽性 + 偽陰性

感度 = 真陽性/ (真陽性 + 偽陰性)

とも言えます。

  1. 特異度(ウィキペディア)

疾患概念とは

初めて疾患概念なる語句を見た時、なぜ単に疾患と言わずに疾患概念というのか疑問でしたが、「どいういう疾患なのかという概念」が定まらない時期があり、研究が進むにすれてこの疾患はこういう疾患であると概念が定まるもののようです。

そのため疾患概念が確立するという言い方を良くします。

 

DSM-Ⅲ(精神障害の診断と統計の手引き;第3版)やⅢ-R,あるいはICD-10(国際疾病分類)が世に出るようになって,それを見ると病気という概念を外して disorder(障害)という概念でとらえようということが書いてあって(Disease から disorder へ [ 座 談 会 ] 軽症うつ病 軽症うつ病の診断と治療)

 

参考

  1. 白血病の基礎知識 疾患概念と病態
  2. 気管支拡張症revisited -古くからの病気を新しい光の下で見直す 第1部:疾患概念,疫学,病態
  3. 難治性疾患の疾患概念確立プロセス

絶対適応とは?何が絶対なのか?

医学用語に適応、禁忌といった素人には馴染みの無い言葉が、日常的に使われています。絶対適応という言葉を目にしたときに、絶対にやらなければならない治療方法という意味かと思いましたが、どうなんでしょうか。

 

適応とは 絶対適応とは

医療分野においては、治療や検査など医療行為の正当性、妥当性を意味する。いかなる場合でも施行する妥当性があることは「絶対的適応」、状況によっては妥当な場合は「相対的適応」と表現する。(ウィキペディア

ウィキペディアが不正確なことも多々あるので、これを鵜呑みにしていいのかわかりませんが、適応や絶対適応という言葉は医学の世界では当たり前すぎるのか、わざわざ意味を説明したサイトが見つかりませんでした。

 

 

使用例

内視鏡的切除の適応本ガイドラインでは,リンパ節転移の危険性が1%未満と推定される病変を,外科的胃切除と同等の成績が得られると考え,「絶対適応病変」として定義した。(jgca.jp/guideline/

2018年1月に改訂された最新の胃癌治療ガイドライン第5版では、特にESDについて、適応対象が拡大されました(表1)。これによると、十分なエビデンス(臨床試験の結果などで得られた科学的根拠)があり日常診療としてEMRあるいはESDによる治療を推奨できる「絶対適応病変」として、「2cm以下の粘膜内がんで、分化型のがんであり、病変部分に潰瘍を伴っていないと判断される病変」があげられています。(がんプラス

下の使用例だと、日常語としての絶対に近い意味で使われています。

インスリン療法が適応となる患者さんは、基本的に必ず必要な場合(絶対的適応)と、必ずではないが必要な場合(相対的適応)の2つに分けられます。(インシュリン療法 SANOFI)

下の例も絶対に必要という文脈での使用例。

現行の大腸癌治療ガイドラインには、内視鏡的切除pT1大腸癌に対する追加外科切除の適応基準として、「垂直断端陽性」と「病理組織学的リンパ節転移リスク陽性」の2つがある。前者は局所遺残の可能性があるため、追加切除の”絶対適応”である。(人を対象とする医学系研究に関する情報の公開

 

  1. 食道「粘膜固有層までに癌の浸潤が留まるもの」が(内視鏡的切除術の)絶対適応です。(ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) 刈谷豊田総合病院)