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運動時のエネルギー代謝の変化 ATP,クレアチンリン酸、グリコーゲン、酸化的リン酸化、脂肪酸

庭で木を切っていたら、半分もきらないうちに筋肉が披露して、腕が動かなくなりました。エネルギーの枯渇です。若いときに比べたら、持続的に運動できる時間が本当に短くなったと思います。バス停まで走るときも、数十メートルも走ると足が止まってしまいます。20代後半にサッカーをやっていたときは、ボールを追いかけて長い距離を走ったら突然体が動かなくなってバランスを失い倒れたことがあります。小学校の頃にサッカーをやっていたときは、こういうエネルギーの枯渇を経験したことはありませんでした。サケが産卵で河を上ってきて、産卵を終えた後、ばたばたと死んでいくのも不思議でした。さっきまで普通に生きていたサケがなぜ、数分後にはエネルギーが枯渇して死んでしまっているのでしょうか。若いときは、エネルギーが枯渇するということがあまり実感できませんでしたが、歳をとると、突然エネルギーが切れて、体や頭が全く動かなくなるということを普通に経験するようになります。そうなって初めて、エネルギー代謝のありがたみを感じるのです。

エネルギー代謝って大事だなと思う今日この頃です。運動時のエネルギー代謝の変化としては、ATPの枯渇が数秒でおき、ATPを再生させる系であるクレアチンリン酸の枯渇が数十秒で起き(激しい運動時の話)、グリコーゲンが分解されてグルコースを供給しますが、それも数十分で枯渇し、酸化的リン酸化、脂肪酸などが大事になります。また、血中のBCAA(分岐鎖アミノ酸)を筋肉の細胞が取り込んでエネルギー源として使うほか、それも枯渇すると筋肉は筋肉のタンパク質を分解してBCAAを産生しそれをエネルギー源にします。

  1. BCAAとは?大塚製薬
  2. 必須アミノ酸BCAAとは BCAAとは、筋肉のエネルギー源 大塚製薬 BCAAとは、運動時の筋肉でエネルギー源となる必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。
  3. 筋肉量を増やすために必要な栄養素「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」 環境再生保全機構 すこやかライフ  BCAAは、筋肉の分解を抑制して、筋肉のエネルギー源となります。COPDの人は、呼吸筋を激しく使うため呼吸筋の損傷を防ぐ、という意味でもBCAAは欠かせない栄養素です。

実際どういうふうに使い分けされているのか、ChatGPTに聞いてみました。以下はその答え。

During exercise, the body utilizes a variety of energy sources to meet the increased energy demands. The specific utilization of energy sources can vary depending on factors such as exercise intensity, duration, and individual fitness level. Here’s a breakdown of how different energy sources are differentially used during exercise:

  1. ATP (Adenosine Triphosphate): ATP is the primary source of energy for muscle contractions. It is stored in limited quantities within the muscles and is rapidly used during short bursts of high-intensity exercise. The body can generate ATP through different metabolic pathways, including the phosphocreatine system, glycolysis, and oxidative phosphorylation.
  2. Creatine: Creatine phosphate, stored in muscles, serves as a quick energy source for immediate ATP production. During short-duration, high-intensity exercises, such as weightlifting or sprinting, creatine phosphate rapidly donates its phosphate group to ADP (adenosine diphosphate), forming ATP.
  3. Glycogen: Glycogen is the storage form of glucose in muscle and liver tissues. It serves as an essential energy source during moderate to high-intensity exercise. Glycogen stored in the muscles can be broken down through glycolysis to produce ATP. The liver can also release glucose from glycogen into the bloodstream to maintain blood glucose levels during prolonged exercise.
  4. Glucose: Glucose is a simple sugar derived from dietary carbohydrates or glycogen breakdown. It circulates in the bloodstream and is taken up by working muscles to be used as an energy source. Glucose can be metabolized through glycolysis to produce ATP, providing energy during moderate to high-intensity exercise.
  5. Ketone Bodies: Ketone bodies, such as beta-hydroxybutyrate and acetoacetate, are produced by the liver during periods of prolonged fasting, low carbohydrate intake, or ketogenic diets. During exercise, the utilization of ketone bodies as an energy source becomes more prominent, especially during longer-duration, low-to-moderate intensity activities. However, the reliance on ketone bodies for energy may vary depending on an individual’s metabolic state and adaptation to utilizing fats for fuel.
  6. Branched-Chain Amino Acids (BCAAs): BCAAs, including leucine, isoleucine, and valine, are essential amino acids that can be metabolized by muscles during exercise. They can serve as a minor source of energy during endurance exercise, particularly when glycogen stores become depleted. BCAAs can be oxidized within the muscles to produce ATP, helping to spare muscle glycogen.
  7. Fatty Acids: Fatty acids are the main fuel source during low-to-moderate intensity and longer-duration exercises. Adipose tissue releases stored triglycerides, which are broken down into fatty acids and transported to the muscles for oxidation. Fatty acids undergo beta-oxidation in the mitochondria, generating ATP. However, high-intensity exercise relies more on carbohydrates and glycogen as a primary energy source, and fatty acid utilization decreases accordingly.

It’s important to note that the body dynamically shifts its reliance on different energy sources based on exercise duration, intensity, and individual factors. The interplay between these energy sources allows the body to meet the energy demands of various types of exercise.

 

解糖系の反応式と化合物の化学構造と各反応を触媒する酵素を丸暗記する方法

解糖系とは

解糖系とは、グルコースを分解してピルビン酸にまでする過程です。酸素が十分にある環境下では、ピルビン酸はそのあと、アセチルCoAになって、TCA回路(クエン酸回路)に入ります。酸素がない状態では、ピルビン酸は乳酸になります。激しい運動をする場合、酸素の供給がおっつかなくて筋肉に乳酸が貯まることになるわけです。

解糖系で押さえておくべき事実

解糖系の中間代謝産物を全部把握しておいたほうが気持ちいいのですが、それより大事なことがあります。個々の化合物の名前を覚えるよりも大事です。

  1. グルコースから出発して多段階の反応を経て、最後はピルビン酸(2分子)になる。
  2. 解糖系は細胞質で起こる。
  3. 最終産物のピルビン酸はそのあと、ミトコンドリア内に輸送されて、アセチルCoAの産生の材料となり、そのアセチルCoAがTCA回路に入る。
  4. 解糖系では、酸素(O2)は必要ない(使われない)。
  5. 解糖系では、グルコース1分子に対して、ATPが2分子生じる(2個消費され4つ生成するので、正味が2分子)
  6. 解糖系で、グルコース1分子あたり、NADHが2分子生じる。
  7. グルコースは六炭糖で、解糖系の過程で2つに分かれて炭素3つからなるピルビン酸が2つできる。
  8. 酸素が無い条件では、ピルビン酸はそのまま乳酸に代謝される。この反応ではNADHが消費される。

解糖系の反応のまとめ

グルコースC6H12O6 + 2NAD+ + 2Pi + 2ADP  → ピルビン酸 2分子 + 2NADH + 2ATP + 2H2O

グルコース1分子(および、NAD+ 2分子、ADP 2分子、無機リン酸H3PO4 2分子)から、ピルビン酸が2分子、NADH 2分子、ATP 2分子、水が2分子生じます。途中の反応を忘れても、この結果を覚えておきましょう。NADHとATPがそれぞれ2分子生じるということです。

  1. マクマリー生化学反応機構第2版 175ページ

解糖系の暗記

解糖系は生化学の基本的な反応です。ぜひ、暗記したいものですが、10個の反応を覚えられるものでしょうか?自分がやってみたところでは、4~5回、反応を白い紙に書いているうちになんとか覚えられました。しかし、むやみに構造式を書いていても頭に入りません。ポイントポイントをおさえたほうが、頭に入りやすいです。

グルコースは炭素6個からなる化合物で、解糖系ではそれが2つに分かれるので、ピルビン酸は炭素3つの化合物ということになります。ピルビン酸はα‐ケト酸、つまりαの位置の炭素がケトン期です。酸というのはカルボン酸(カルボキシ基)というわけなので、構造式を覚える手がかりになります。カルボキシ基のとなりがαの位置ですので、ピルビン酸の構造式は、HOOC-C(=O)-CH3 と覚えられると思います。

さてグルコースからピルビン酸に至る過程は、暗記できそうなことなのでしょうか。グルコースは炭水化物でアルデヒドであり、多価のアルコールで炭素6個の鎖からなるということはまず押さえておきましょう。水酸基と水素の位置関係がどうであっても解糖系の反応とは関係ないので、異性体の構造を無視して考えることにします。また、環状と鎖状の2通りの構造をとりえますが、直鎖で書いたほうが頭に入りやすいので、直鎖で覚えることにします。

C6をC3に分裂させる際に、できるだけ同じ構造式のものにしたいので、1位と6位がリン酸化されます。また、アルドール開裂の反応でC3とC3に分かれるように、グルコースのアルデヒド基(ホルミル基)は、一つ内側に異性化反応で移されてフルクトースに変換されています。

R-C(=O)-CR’-C(OH)-R” の形が、アルドール開裂で、R-C(=O)-CR’  と、 CHO-R” に分かれるわけです。

また、高エネルギーリン酸結合をもつ化合物ができたら、その次のステップ(反応)では、リン酸基をADPに転移して、ATPを生成しています。

こういったポイントを覚えておけば、構造式や反応はかなり覚えやすくなります。

グルコース

グルコースは炭素6個からなる炭水化物なのでC6(H2O)6と水和の形で化学式が書けます。これはアルデヒドなので、

HC(=O)-CHOH-CHOH-CHOH-CHOH-CH2OH と書けます。アルデヒド基がついた炭素が1番で、順番に番号が振れますが、縦にかいたとき、4,5,6番の炭素の右側に水酸基が来ます。3番目だけ左側に水酸基。で、2番目も右側に水酸基。これで、異性体に関しても正しく書いたことになります。

まず最初の反応は、グルコースのリン酸化です。六炭糖はhexose(ヘキソース)。ヘキソースをリン酸化する酵素なのでヘキソキナーゼが触媒します。ヘキソキナーゼが、ATPからもらったリン酸基を、グルコースの6位の炭素の水酸基に転移します。この反応で、ATPが1分子、消費されグルコース6リン酸が生成します。

反応①:酵素ヘキソキナーゼが、グルコースにATPのγ‐リン酸を転移し、グルコース6リン酸を生成するする。ATP1分子がここで使われた。ATPはADPに加水分解された。

グルコース6リン酸

HC(=O)-CHOH-CHOH-CHOH-CHOH-CH2O-PO3 2-  名称は、glucose 6-phosphate

さて、次の反応は、異性化です。異性化(isomerization)なので使われる酵素はイソメラーゼ(isomerase)。グルコース6リン酸を異性化する酵素なので、glucose-6 phosphate isomarase(グルコース6リン酸イソメラーゼ)。酵素名は、そのまんまやんけ!覚えるなと言われても、すでに覚えてしまっていますね。

反応②:グルコース6リン酸イソメラーゼが、グルコース6リン酸を異性化して、アルデヒドの部分をケトンに変える。それによって名前がフルクトースに変わるので、生成物は、フルクトース6リン酸です。

フルクトース6リン酸

CH2(OH)-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH2OPO3 2- 名称はfructose 6-phosphate(フルクトース6リン酸)

次に、再びATPを使って、1位の炭素の水酸基にリン酸を付加します。fructose phosphateは、別名、phosphofructoseです。phosphofructoseをリン酸化するリン酸化酵素(kinase)なので、使われる酵素は、phosphofructokinaseです。この酵素名も、そのまんまなので、覚えられますね。

反応③:ホスホフルクトキナーゼが、フルクトース6リン酸の1位の炭素の水酸基に、ATPのγ‐リン酸基を転移して、フルクトース1,6リン酸を生成します。これですでにATPを2つも使ってしまいました。ATPを産生する目的のはずの解糖系で、いきなりATPを2分子も使っちゃっていいのか?って不安になる人がいるかもしれませんが、このあと、ATPを4つつくることになるので、差し引きで、正味2分子のATPが解糖系で作られることになります。ご安心ください。

フルクトース1,6リン酸

CH2(OPO3 2-)-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH2OPO3 2- 名称は fructose 1,6-bisphosphate(フルクトース1,6リン酸)

さて、ここまではC6(炭素6個)化合物でした。次の反応で、このC6が真っ二つに分かれて、C3化合物になります。わかれる場所は、

CH2(OPO3 2-)C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH2OPO3 2-

CH2(OPO3 2-)C(=O)-CH(OH)- ココの結合  -CH(OH)-CH(OH)-CH2OPO3 2-

さて、アルデヒド基とヒドロキシ基の両方の官能基を持つ化合物はアルドール(aldol)と呼ばれるそうです。今の場合、アルデヒド基というかケトン基ですが、aldolを開裂させる(分解させる)のでその酵素名がaldolase(アルドラーゼ)というのだと思います。

反応④:アルドラーゼが、炭素6つからなる化合物のフルクトース1,6リン酸を、真っ二つに分けて炭素3つからなる分子にする。水酸基側は、端がアルデヒド基になる。

  1. CHEM 407 – 解糖系 – 4 – アルドラーゼのメカニズム  Biochemistry with Dr. Mauser(YOUTUBE)
  2. アルドール開裂/縮合 アルドラーゼにより3炭素の化合物へ分解 生体分子有機化学 2014年12月11日分第10回:糖の代謝(続) 担当:岸村 顕広  この講義ノートは非常に詳しくてわかりやすいと思います。開裂する前に、なぜグルコースをフルクトースに変えたのかが、解説されていて、なるほどと思いました。
  3. 第24回 エノール・エノラートの反応(1)(PDF) 名城大学理工学部応用科学科 わかりやすいくて詳細な説明。
  4. アルドール反応・アルドール縮合:酸・塩基によるエノラート合成 Hatsudy:総合学習サイト

アルドール開裂は、アルドール(付加)反応の逆反応です。アルドール反応は有機化学の世界で非常に重要な反応なそうで、知識を別記事で纏めておきます。

アルドール反応とは

グリセルアルデヒド3リン酸:開裂してC3化合物に

左側半分は、

CH2(OPO3 2-)-C(=O)-CH2(OH) になり(ジヒドロキシアセトンリン酸)、右半分は

HC(=O)-CH(OH)-CH2-OPO3 2-  (グリセルアルデヒド3リン酸)になります。酸素や水素の数は前後で変わりません。ジヒドロキシアセトンリン酸は、イソメラーゼによって、グリセルアルデヒド3リン酸になりますので、ここまでで、グルコース1分子から、2分子のグリセルアルデヒド3リン酸が生成されました。

反応⑤:トリオースリン酸イソメラーゼが、ジヒドロキシアセトンリン酸を異性化して、グリセルアルデヒド3リン酸にします。これにより、グルコース1分子から、グリセルアルデヒド3リン酸が2分子できたことになります。

トリオースというのは、三炭糖のことです。

1,3‐ビスホスホグリセリン酸:高エネルギーリン酸結合

反応⑥:グリセルアルデヒド3リン酸デヒロゲナーゼが、グリセルアルデヒド3リン酸の1位の炭素の水素を奪い、NAD+に渡して(NAD+ →NADH)、グリセルアルデヒド3リン酸の1位の炭素に無機リン酸をリン酸基として付加することにより、1,3-ビスホスホグリセリン酸(1,3-bisphosphoglycerate)

O=C~(OPO3 2-)-CH(OH)-CH2-OPO3 2-  ができます。ここで~で表したのは、いわゆる高エネルギーリン酸結合です。ここに来る前のリン酸基の結合は、高エネルギーリン酸結合ではありません。1位の炭素には酸素が二重結合しているので、マイナスチャージが近いところにマイナスチャージをたくさんもったリン酸基がついているため、エネルギー的に不安定で「高エネルギー」な状態なのだと思います。

さて、これでATPを産生する準備ができました。この高エネルギー結合のリン酸基がADPに渡されてATPを生成します。

3-ホスホグリセリン酸

反応⑦:ホスホグリセリン酸キナーゼが1,3-ビスホスホグリセリン酸を脱リン酸化することにより、

O=C(OH)-CH(OH)-CH2-OPO3 2-   3-phosphoglycerateができます。キナーゼは本来リン酸化酵素の意味ですが、ここでは逆反応も触媒するため、キナーゼという名前になっています。

2-ホスホグリセリン酸

次に、

反応⑧:2-ホスホグリセリン酸ムターゼにより、リン酸基が3位から2位の炭素のほうに移されます。

O=C(OH)-CH(-OPO3 2- )-CH2-OH

ホスホエノルピルビン酸:高エネルギーリン酸結合

反応⑨:エノラーゼという酵素により2-phosphoglycerateが脱水されて、また、炭素間に二重結合が導入され、

O=C(OH)-C(~OPO3 2- )=CH2 phosphoenolpyruvate(ホスホエノルピルビン酸)になります。enolaseは、phosphopyruvate hydrataseとも呼ばれます。このリン酸基は高エネルギー結合になります。そして、この高エネルギー結合のリン酸基がADPに渡されてATPを生成します。それにより

ピルビン酸

反応⑩:ピルビン酸キナーゼが、ホスホエノルピルビン酸を脱リン酸化し、そのリン酸をADPに与えてATPを産生します。ホスホエノルピルビン酸は、ピルビン酸 O=C(OH)-C(=O)-CH3  になります。

以上、10個の反応でした。覚えるまで紙に書いていると、4~5回書くうちに、覚えてしまいます。

 

解糖系を理解するには、どのステップの反応で高エネルギー結合のリン酸ができたかを押さえておくと、その次でATPが産生されるので、理解が深まると思いました。

ピルビン酸の構造式を覚えるためには、ピルビン酸は、α‐ケト酸だと覚えておけば、思い出して書けそうです。グルコースが2つに割れてできたので炭素3つの化合物であり、酸なのでカルボキシ基をもっており、そこから数えてαの位置にケトン基があるというわけです。

 

乳酸

酸素が無い状態だと、ピルビン酸がTCA回路に入るためにアセチルCoAにならずに、さらに代謝されて乳酸になります。

反応⑪:乳酸デヒドロゲナーゼが、ピルビン酸に水素をあたえて乳酸 HOOC-CH(OH)-CH3 にします。この酵素は逆反応も触媒するので、逆反応の場合は脱水素酵素ということでこの名があります。

 

参考図書

  1. マークス臨床生化学 原書 964ページ  FIGURE 22.6 Reaction of glycolysis.

参考ウェブサイト

  1. 生化学II 講義補助資料:解糖系の諸反応説明 bio.tottori-u.ac.jp/~mizobata
  2. 2)解糖の10段階反応 Bio-Science~生化学・分子生物学・栄養学などの『わかりやすい』まとめサイト~

解糖系を歌で覚える方法

  1. グルコース解糖系のゴロ、覚え方 「もしもしかめよ〜」の音程で歌おう
  2. The Glycolysis Song bcpprojects (YOUTUBE)
  3. Glycolysis! (Mr. W’s Music Video) sciencemusicvideos(YOUTUBE) 説明が細かくて、ノリも良い動画。
  4. Glycolysis Time sciencemusicvideos(YOUTUBE)
  5. Glycolysis Do Re Mi englishgalmd (YOUTUBE)

 

生化学の教科書

  1. マークス臨床生化学第5版(原書)第22章 Generation of adenosine triphosphate from glucose, fructose, and galactose: Glycolysis   page 953~
  2. 畠山 生化学(医学書院)第4章 糖質代謝 1解糖系 p74~

グルコース-アラニン回路(Cahill cycle; Glucose-alanine cycle)とは:筋肉と肝臓とが作る代謝ネットワーク

人間は栄養源となる食べ物を食べて、それを分解することによりエネルギーとなるブドウ糖を得ています。しかし、食事と食事との間、あるいは長い間食べることがなくて飢餓状態になると、体の中に蓄えておいたエネルギー源を使わなければなりません。

筋肉は、貯めておいたグリコーゲンを分解してグルコースをつくり、解糖系でATPを産生します。飢餓が長く続くと、筋肉を構成するタンパク質を分解してエネルギー源にします。

筋肉で分岐鎖アミノ酸が代謝されるとき、アミノ酸のアミノ基がピルビン酸に転移されてアラニンが生じ、アラニンが血中を通って肝臓に運ばれ、そこでアミノ基は尿素へと変換され、アラニンは再びピルビン酸になって糖新生の経路でグルコースになり再び血中に入って筋肉にグルコースが届けられるという代謝サイクルがあり、グルコース-アラニン回路あるいはCahill cycleと呼ばれるようです。

マークス臨床生化学の教科書におけるグルコース-アラニン回路の説明

マークス臨床生化学(第5版)の541ページの図32-8をみると、筋肉でアミノ酸からアミノ基が外れてα-ケト酸になり、そのアミノ基はα-ケトグルタル酸に転移されてグルタミン酸を生成します。今度はそのグルタミン酸からピルビン酸にアミノ基が転移して、グルタミン酸は再びα-ケトグルタル酸に戻り、ピルビン酸はアラニンになります。そのアラニンは肝臓に運ばれて、グルコースに変換され再び血中に放たれて、筋肉で取り込まれて解糖系に入るので、回路が完成します。マークス臨床生化学の説明はわかりやすいと思いました。ちなみに肝臓の方の経路は、簡単に、

アラニン→窒素→尿素→尿、

アラニン→炭素→グルコース

としか書かれていません。マークスは同じ541ページの図32-9では、筋肉を含めた末梢組織でのグルタミン産生の経路の説明もされています。そこでは由来は明示していませんがアンモニウムイオンNH4+をαケトグルタル酸が取り込んでグルタミン酸となり、さらにもう一度アンモニウムイオンNH4+を取り込んでグルタミンになることが説明されています。αケトグルタル酸はアンモニア分子を2分子取り込めるわけです。グルタミンもまた血中に出て肝臓に行きます。ここでアミノ基がアンモニアとして遊離して尿素になり尿中に排泄されます。

ハーパー生化学の教科書におけるグルコース-アラニン回路の説明

Harper’s Illustrated Biochemistry 30th Editionの邦訳、イラストレイテッド ハーバー・生化学原書30版(丸善出版)の337ページ図28-6にグルコース-アラニン回路の説明があります。それによると、アミノ酸から由来するアミノ基 -NH2がピルビン酸に転移されてアラニンが生成しています。ただこの教科書はグルコース-アラニン回路の肝臓の経路でも、アラニン→ -NH2 →尿素 と描いているので、アンモニアは表立って表現されていません。

コリ回路(乳酸回路)との関連でいうと、筋肉においてピルビン酸ができるところが共通で、コリ回路の場合は解糖系でできたピルビン酸が乳酸にまで代謝されて、乳酸が血流を通じて肝臓に運ばれます。一方、グルコース-アラニン回路では、筋肉でピルビン酸がアミノ基受容体として働きアラニンに変換され、アラニンが血流にのって肝臓にいきます。似た回路はまとめて覚えたほうがよいのですが、ハーパーの教科書の222ページ図19-5では2つの回路がひとまとめに描かれていて、理解を助けます。

  1. Exercise-induced changes in amino acid levels in skeletal muscle and plasma J Phys Fitness Sports Med, 2(3): 301-310 (2013) DOI: 10.7600/jpfsm.2.301 この論文にもグルコース-アラニン回路の図がありますが、Amino acid  → -NH2  → Alanine と描かれています。

レーニンジャーの生化学の教科書グルコース-アラニン回路の教科書による説明(?)

レーニンジャーの生化学の教科書には、ヌクレオチドの分解などにより多くの組織において遊離アンモニアが生成アンモニアはグルタミンの形で血液中を通って肝臓に送られて、肝臓で尿素の形になることが説明されています。

アンモニアがグルタミンの形になるのは、二段階の反応を経由します。まずL-グルタミン酸 -OOC-CH2-CH2-CH(NH3+)-COO-  が酵素グルタミンシンテターゼの働きによってリン酸化されてγ-グルタミルリン酸 (PO4 2-)-C(=O)-CH2-CH2-CH(HN3+)COO- になります。このときリン酸を供与したATPがADPになります。次に同じく酵素グルタミンシンテターゼの働きによってアンモニアNH4+がγ-グルタミルリン酸に結合し、L-グルタミン NH2-C(=O)-CH2CH2CH(NH3+)COO- が生成します。

さて、アンモニアの運び手としてグルタミンがまず紹介されましたが、グルタミンだけでなく、アラニンもアンモニアの運び手になります。筋肉と肝臓の間にできるグルコース-アラニン回路においては、アンモニアの運び手はアラニンなのです。

アミノ酸のアミノ基はα-ケトグルタル酸に転移され、このアミノ基転移の結果グルタミン酸が生成します。このグルタミン酸は、上で説明した反応によってアンモニアを取り込んでグルタミンになることもできますが、酵素アラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase; ALT)の働きで、α-アミノ基がピルビン酸に転移されてアラニンを生成します。α-アミノ基が抜けることでグルタミン酸はα-ケトグルタル酸になります。

この教科書(レーニンジャーの新生化学[下]第7版 廣川書店)の977ページにグルコース・アラニン回路の説明がありその項目タイトルは「アラニンはアンモニアを骨格筋から肝臓へと運ぶ」となっています。また図18-9では、筋肉タンパク→アミノ酸→NH4+ →グルタミン酸 という流れが示されています。項目タイトルおよび図中のこのアンモニアもしくはアンモニウムイオンNH4+はどこから来たのでしょうか。本文の説明を読んでも、このような流れは書かれていなかったと思います。アミノ酸のα-アミノ基はα-ケトグルタル酸に転移されてその結果グルタミン酸が生成すると説明されていたわけです。

アミノ酸をエネルギー源として分解する筋肉やある種の他の組織では、アミノ基はアミノ基転移によってグルタミン酸として集められる(図18-2(a))。(977ページ)

図18-2(a)の図は肝臓の例として化学反応が紹介されていますが、同じ反応が筋肉でも起きるといっています。なのでこの977ページ図18-9の図の「筋肉タンパク→アミノ酸→NH4+ →グルタミン酸」は、本文と合わないように思います。

 

ストライヤーの生化学の教科書グルコース-アラニン回路の教科書による説明(?)

ストライヤーの教科書『ストライヤー基礎生化学第4版』(東京化学同人)の411ページ図30-1をみると、「筋肉」の側での化学反応の経路において、

分岐アミノ酸⇒NH4+ ⇒ アラニン

という流れが示されています。しかしこれも、レーニンジャーと同様、本文を読む限りそのような説明は見当たりません。哺乳類でアミノ酸分解に関わる主要な部位は肝臓であると前置きしたうえで、アミノ酸のα-アミノ基が2-オキソグルタル酸に転移され、グルタミン酸ができ、つぎに酸化的脱アミノ反応によってアンモニウムイオン(NH4+)ができることが説明されています。これは肝臓を念頭に置いた話。

次のセクションで、末梢組織に関する説明があります。肝臓では分岐アミノ酸(ロイシン、バリン、イソロイシン)の脱アミノ化ができないこと、筋肉においては長時間の運動や飢餓時にはこれら分岐アミノ酸をエネルギー源として使うこと、アミノ基転移反応によりグルタミン酸が作られ、窒素がピルビン酸に転移してアラニンができて血中に出ることが書かれています。

そのあと、窒素がアラニンだけでなくグルタミンを使って輸送されることもできるという説明があります。その場合は、グルタミン酸とアンモニウムイオンからグルタミンができます。この段落の説明が、まだ筋肉を念頭においたものなのか、末梢全般の話としているのかは不明瞭です。

いずれにしても図30-1のように アンモニウムイオン⇒アラニン という反応は本文中にはありませんので、図と本文が合わないように思います。

 

レーニンジャーとストライヤーという2つの大教科書に書かれた内容がしっくりこないので、もやもやしますね。本文を読むだけなら何も問題はないのですが。

 

医学書院の畠山『生化学』の教科書による説明(?)

畠山『生化学』第14版148ページ図8-8を見ると、筋肉における代謝経路の図で、アミノ酸→NH3→グルタミン酸 と描かれています。一方、147ページ図8-7では、アミノ酸のアミノ基がα-ケトグルタル酸に転移されてグルタミン酸を生じており、筋肉中でアンモニアが産生されるのかどうかのはっきりした説明がないように思います。図はレーニンジャーの教科書と似ているので、レーニンジャーなどの図を参考に描かれたのかもしれません。

 

医学書院の三輪・中『生化学』第13版の教科書による説明

三輪・中『生化学』第13版(2014年)にはグルコース-アラニン回路という名前を出しての説明はありませんが、筋肉でアミノ酸のアミノ基がピルビン酸に渡されてアラニンが生成し、そのアラニンが血中を通って肝臓に入り最終的にアンモニアが尿素として処理される反応の説明はありました。また、アミノ酸から受け取ったアミノ基は骨格筋ではアンモニアにはならないという説明もありました。

肝臓では、アミノ酸からアミノ基を受け取って生じたグルタミン酸は、グルタミン酸脱水素酵素glutamate dehydrogenaseによる酸化的脱アミノ反応の作用を受けて、受け取ったアミノ基がアンモニアNH3のかたちで遊離する(219ページ)

肝臓筋肉以外の多くの組織では、アミノ酸からアミノ基を受け取ってできたグルタミン酸からまずアンモニアが遊離する(図14-8)。(220ページ)

「と」が何と何を結ぶのかがこの文自体からは断定できませんが、その前に肝臓では遊離アンモニアがせいせいすると書いてあるので、「筋肉以外の多くの組織」という意味が決まります。筋肉以外のと書いてあるので、筋肉ではアミノ酸由来のアンモニアは存在しないのでしょう。

 

筋肉中でアンモニアが産生されるのか-

三輪・中『生化学』第13版(2014年)には、「肝臓筋肉以外の多くの組織では、アミノ酸からアミノ基を受け取ってできたグルタミン酸からまずアンモニアが遊離する」と書いてあったので、筋肉でアミノ酸由来のアンモニアは生じないと理解したのですが、生じるとする文献もどうやらいくつもあるようです。混乱させられますね。結局は、文献をひとつひとつ見ていくほかなさそう。

  1. Hungry for your alanine: when liver depends on muscle proteolysis J Clin Invest . 2019 Nov 1;129(11):4563-4566. doi: 10.1172/JCI131931. Theresia Sarabhai, Michael Roden この論部の図1を見ると、aa + NH4+ → Glutamate と読み取れる図があります。このアンモニアイオンはどこから来たのかは描かれていません。
  2. 運動時のアンモニア代謝 グルタミン酸脱水素反応 glutamate- + NAD+ + H2O → 2-oxoglutarate2- + NADH +H+ + NH4+ 反応場所は肝、脳、筋肉、腎 アンモニアの上昇は筋肉での産生の増大 Errikson LS et al., Ammonia metabolism during eercise in man. Clin.Physiol.1985:5:325-336.

他の関連論文

  1. Muscle amino acid metabolism at rest and during exercise: role in human physiology and metabolism A J Wagenmakers Exerc Sport Sci Rev . 1998;26:287-314. PubMed

 

その他の参考記事

  1. 骨格筋におけるアミノ酸代謝調節の分子機序 アミノ酸研究 Vol 14,No l.(2020)

筋肉はどうやってエネルギーを得ているのか:ATP産生の3つの経路

生体内でエネルギー通貨と呼ばれているのがATP(Adenosine Triphosphate;アデノシン三リン酸)です。しかし、筋肉の細胞内には1秒足らずの筋収縮を可能にする量のATPしか存在しないそうです。そこで消費したATPをすぐに元にもどすために、筋肉に多量に存在するクレアチンリン酸が使われます。クレアチンキナーゼという酵素の働きにより、クレアチンリン酸からリン酸基が取られてクレアチンになり、そのリン酸基はADPに移されてATPが再生します。このクレアチンリン酸を利用したエネルギー供給は、クレアチンリン酸が枯渇する10秒程度しか持続しないようです。酸素の供給がない場合には、解糖系と合わせて、このようなエネルギー供給経路が働くそうです。酸素が十分あれば、解糖系の産物であるピルビン酸はアセチルCoAに変換されて、クエン酸回路がまわりますが、酸素が少ない場合には、ピルビン酸は乳酸にまで変換されます。

  1. Presentation on theme: “Tymoczko • Berg • Stryer © 2015 W. H. Freeman and Company”— Presentation transcript:
  2. ATP-CP系とは?(運動とエネルギー供給) 陸上競技の理論と実践~Sprint & Conditioning~ 当サイトについて For visitor
  3. 5分でわかる「有酸素系エネルギー供給機構」身体の中でエネルギーを作る仕組みを現役理系大学院生が解説 スタディーZ

筋肉に乳酸が溜まるとよくいう、あれですね。昔は、乳酸が溜まることが筋肉疲労の原因と考えられたそうですが、今は、この「乳酸=疲労物質」説は否定されているそうです。乳酸は筋肉からは排出されて、肝臓で再びグルコースに変換されます。そうしてできたグルコースが再び筋肉に運ばれて、取り込まれて使われるわけで、循環するのですね(コリ回路と呼ばれる)。

筋肉で産生された乳酸(lactic acid; lactate 化学式:C3H6O3、 構造式:CH3CH(OH)COOH)は血中を通って肝臓に取り込まれ、乳酸デヒロゲナーゼという酵素の働きで水素原子が2つとれて、ピルビン酸(CH3(C=O)COOH)に変換されます。乳酸は、一つの炭素にメチル基-CH3と水酸基-OHとカルボキシ基-COOHが結合したものと覚えれば、覚えやすいですね。

解糖系の最後のステップで、ホスホエノールピルビン酸からピルビン酸ができる過程は不可逆反応であるため、糖新生においては、このステップを逆行できません。そのためピルビン酸はミトコンドリアに入って、ピルビン酸カルボキシラーゼの働きで(二酸化炭素とATPを用いて)オキサロ酢酸を作ります。このオキサロ酢酸は、クエン酸回路を逆行してリンゴ酸になり、ミトコンドリアから外にでて再びオキサロ酢酸に変換され、さらにホスホエノールピルビン酸に変換されます。あとは解糖系を逆行していき、最後、フルクトース1,6-ビスリン酸からフルクトース6リン酸になるステップと、グルコース6リン酸からグルコースになるステップは、、フルクトース1,6-ビスフォスファターゼ、グルコース6ホスファターゼという、肝臓にしかない酵素によって触媒されます。

  1. 畠山『生化学』p91
  2. 乳酸(にゅうさん)  e-ヘルスネット

強度がそれほど強くない、持久走などの有酸素運動の場合は、ATP産生に酸素を使うのが主要な経路になります。

このように、筋肉を使う運動の場合は、酸素がどれくらい豊富に使えるかとタイムコースによって、3つのATPを供給する経路が使われているということになります。(1)クレアチンリン酸、(2)解糖系(乳酸にまで至る代謝系)、そして、(3)「解糖系および脂肪酸のβ酸化ークエン酸回路ー電子伝達系」の3つです。クエン酸回路に入る物質はアセチルCoAであり、アセチルCoAは、解糖系においてピルビン酸から作られる経路と、脂肪酸のβ酸化によって作られる経路とがあります。(1)と(2)の代謝経路は、酸素を必要としません。(3)は電子伝達系において酸素が消費されます。解糖系の出発材料であるグルコースは、グリコー ゲンの分解によって作られます。

  1. 1-3.筋肉を動かす3つのエネルギー供給系 DNSZONE
  2. 呼吸と筋収縮で捉える「ATP」 ZKAI

 

カルニチン(carnitine)とは?脂肪酸代謝のキープレーヤー

カルニチンは、細胞内で脂肪酸が分解されるとき重要な役割を担います。脂肪酸はエネルギーを取り出すために分解されますが、分解の化学反応が起きる場所は細胞の中にある細胞内小器官ミトコンドリアの内部です。細胞質中において脂肪酸は補酵素Aという物質と結合することでアシルCoA(教科書によっては、脂肪酸アシルCoAと呼ぶ)になりますが、アシルCoAはミトコンドリアの内膜を通過できません。そのため、外膜を通過後、外膜と内膜との間において一度アシルカルニチンに変換されます。内膜上に存在するカルニチンーアシルカルニチンとランスロカーゼの働きによりミトコンドリア内膜を通過してマトリックスへの入ります。マトリックス内で、再びアシルーCoAに変換されます。。マトリックス内で、アシルーCoAは、いわゆるβ酸化という一連の反応を生じます。

カルニチンの存在なくしては、脂肪酸のβ酸化が始まらないわけです。カルニチンは脂肪酸代謝になくてはならない物質なので、逆に、脂肪酸代謝を促すためにカルニチンを摂取するカルニチンサプリの効果が期待出来そうです。

心臓と脂肪酸代謝とカルニチン

1955年、Bingは冠静脈洞内にカテーテルを挿入して冠静脈血と冠動脈血内の代謝物を測定した。その結果、空腹時には心筋のエネルギー源の67%は脂肪酸、18%はグルコース、16%は乳酸、残りはアミノ酸ケトン体であった。しかし、糖質の多い食事摂取時にはグルコースが70%、乳酸が30%と糖質でほぼ全エネルギー源が占められる。また急激な運動時には乳酸がエネルギー源の60%を占める。(虚血心筋と脂肪酸代謝 小林明 浜松医科大学第三内科)

心臓は,長鎖脂肪酸をはじめとしてグルコース・乳酸・ケトン体・アミノ酸など多くのエネルギー基質を利用し,また,基質選択が基質の供給状態と病的・生理的状況によりダイナミックに変化する.心臓の代謝応答は,基質濃度・ホルモン・酸素濃度・仕事量により調整され,主として興奮収縮連関に必要なATP(アデノシン三リン酸)を絶え間なく産生するために使われる.健常な心臓では,ATP産生の₆₀︲₇₀%を長鎖脂肪酸に依存する.(心筋エネルギー基質変換の病態生理的意義

  1. http://www.igaku.co.jp/pdf/1302_tonyobyo-2.pdf

カルニチンが足りなくなってなる病気

  1. カルニチン欠乏症の診断・治療指針 2018
  2. カルニチン hobab.fc2web.com
  3. 脂肪分解とカルニチン www3.fctv.ne.jp/~judo

サプリメントとしてのカルニチンの効果

  1. カルニチンCarnitine 厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』

カルニチンの効果

  1. 透析患者へのカルニチン補充は必要か?
  2. 慢性血液透析患者における レボカルニチンの有用性の検討
  3. 心肥大のある透析患者さんにはLカルニチンは効果が発揮しやすい。  https://www.aaproject.co.jp/alternative/cardiovascular.html
  4. https://d-smile.or.jp/bay/press/wp-content/uploads/2020/07/2015_jsdt_hirabayashi.pdf

カルニチンに関する文献

  1. L- カルニチンの脂肪酸に対する心筋ミトコンドリア保護作用 総説 川崎医療福祉学会誌 Vol. 23 No. 1 2013 27-36
  2. 心筋エネルギー基質変換の病態生理的意義 第53回 河口湖心臓討論会 「主催・提供/日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社」

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