ニワトリの玉子は一個の細胞?

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ニワトリの玉子(たまご)は一個の巨大な細胞だということを聞いたことがあります。もちろんニワトリに限らずあらゆる生物種で卵(たまご)は一つの細胞なので、世界最大の単一細胞は、一番大きいダチョウの卵ということになるでしょう。

たまごは一個の細胞という言い方ですが、もう少し正確にいえばたまごのうちの「黄身」の部分が一個の細胞で、「白身」の部分は細胞ではありませんし、細胞が含まれてもいません。卵の殻の部分も同様に、細胞ではなく、細胞が含まれてもいません。黄身の部分はよく見ると白い斑点のようなものが表面に一つあり、そこが細胞の「細胞質」の部分です。それ以外は卵黄です。つまり卵の内部のほとんど全ての体積を卵黄が占めており、細胞質の部分は非常に小さい領域しかないのです。

黄身が単一細胞なら、受精して細胞分裂したときに黄身が半分、さらに半分と分かれていくのかというと、そうはなりません。鳥類の場合は、卵割の様式は「盤割」といって卵黄の表面にある細胞質の領域だけで細胞分裂が進むからです。これは両生類の卵割とは事情が異なります。カエルの卵にも卵黄が多く含まれています(特に下半分)が、卵割は卵黄の部分まで含めて生じます(盤割に対して、全割という)。人やウニの卵は、卵黄がそれほど多くありませんので、卵黄に邪魔されることなく細胞分裂が同じように(割球同士の大きさに差がなく)起こります。卵黄は栄養素として使われますが、人間の場合は着床して胎盤ができると栄養は母体から得られるので、卵黄を卵に貯め込んでおく必要があまりないのです。ニワトリの卵のように殻で綴じられていて外から栄養を取り込むことが出来ない場合には、卵黄だけが栄養源です。

  1. https://ja.wikipedia.org/wiki/卵黄
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