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セレンディピティとアブダクション

科学研究の進展のためには、観察結果から導き出されるわけではない理論、そんな観察結果を導きだせるような理論を思い付く必要があります。どうして思いつけるの?という意外性のある発想に辿り着くの過程がabductionです。また、その過程で必要になるのがセレンディピティ selendipityです。セレンディピティと言う言葉は人によって意味の広さが異なるかもしれませんが自分の理解としては、予想外の事実を見て(実験結果など)その重要性に気付いたり、その予想外の結果を生みだした原因(仮説)のアイデアを得ることです。

Serendipity, in science, is the ability to discover, invent, create, or imagine a finding — a hypothesis, an explanation, a rule, a theory, a law — without deliberately having looked for it.  https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-7908-1792-8_14

セレンディピティによる発見は、理論を思いつくことである場合もあれば、予期せぬ観察である場合もあります。

  1. セレンディピティと科学の発見 英文タイトル:Serendipity and Scientific Discovery. Especially from Nobel Lecture by Koichi Tanaka

A man cannot inquire either about what he knows or about what he does not know. For he cannot inquire about what he knows, because he knows it, and in that case is in no need of inquiry; nor again can he inquire about what he does not know, since he does not know about what he is to inquire.

(PLATO, Meno, in 2 PLATO 300-01 (W.R.M. Lamb trans., Harvard Univ. Press 1990) https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-7908-1792-8_14)

人ってさ、自分が知ってることとか知らないことについて「問い求める」ことってできないんだよね🤔。だって、知ってることならもう知ってるから、わざわざ問い求める必要ないじゃん?で、知らないことについては、それが何なのか分かんないから、問い求めること自体できないって話!(訳:ChatGPT 4o)

To find something truly new or unknown, an unpredictable element is also needed: most often a surprising observation followed by a correct abduction (from the Latin, ab-ducere). The observation surprises because it shows something new, which is then explained by a good abduction. For the art of making such an unsought finding, there exists in English even one single word: “serendipity.”

何か本当に新しいものや未知のものを見つけるには、予測不可能な要素も必要です。それは多くの場合、驚くべき観察とそれに続く適切なアブダクション(ラテン語の ab-ducere に由来)によって成り立ちます。 その観察が驚きを与えるのは、新しい事実を示しているからであり、その後、それが適切な仮説によって説明されます。このような意図せずして発見を得る技術には、英語ではたった1つの言葉が存在します――「セレンディピティ」です。(訳:ChatGPT 4o)

A mass of facts is before us. We go through them. We examine them. We find them a confused snarl, an impenetrable jungle. We are unable to hold them in our minds. We endeavor to set them down upon paper; but they seem so multiplex intricate that we can neither satisfy ourselves that what we have set down represents the facts, nor can we get any clear idea of what it is that we have set down. But suddenly, while we are poring over our digest of the facts and are endeavoring to set them into order, it occurs to us that if we were to assume something to be true that we do not know to be true, these facts would arrange themselves luminously. That is abduction. […] (Peirce 1958a, footnote 12, pp. 531–532).

Discoveries through serendipity are thus associated with the type of reasoning that Peirce (1839–1914) called abduction, which complements deduction and induction. Abduction involves a more intuitive and exploratory way of reasoning, which allows one to provide the best explanation possible of a surprising and unexpected fact (Peirce 1958b).

https://link.springer.com/article/10.1007/s11245-018-9571-3

所属する文化のパラダイムに疑問を持たぬように親や周囲の人々から指導を受ける時点で、「社会を理解する」というかたちで、多くの人はこの関心度を低下させてしまう。これは疑問に対する「真の理解」ではなく、文化的で円滑な生活を送るためにこれらの疑問を不問に付すというパラダイムを理解したに過ぎず http://www.japancreativity.jp/images/monograph/2016vol.20+SIG_merged-42-45.pdf

  1. Ronald S. Lenox: “Educating for the Serendipitous Discovery, Journal of Chemical Education,” Vol.62, No.4, pp282-285,(1985)
  2. Abduction in the Everyday Practice of Science: The Logic of Unintended Experiments Frederick Grinnell https://muse.jhu.edu/pub/3/article/745412
  3. On serendipity in science: discovery at the intersection of chance and wisdom June 2019Synthese 196(April) DOI:10.1007/s11229-017-1544-3 Authors: Samantha Copeland  https://www.researchgate.net/publication/319863582_On_serendipity_in_science_discovery_at_the_intersection_of_chance_and_wisdom https://link.springer.com/article/10.1007/s11229-017-1544-3

 

 

アブダクション abductionとは 仮説形成により科学的な研究を進める方法論

科学は如何にして進展するのか、科学研究はどのように行われているのかについて調べていったときに必ず遭遇するキーワードが、アブダクション abductionです。自分は英単語として「誘拐」という意味ではabductionを知っていましたが、科学的な推論の文脈におけるabductionは全く知らなかったのでとても新鮮でした。

deduction(演繹)、induction(帰納)、abduction(アブダクション)

deduction(演繹)、induction(帰納)、abduction(アブダクション)の3つは、科学研究の方法論を語るうえで欠かせない重要な概念です。

演繹は、ある事柄から論理的に別の事柄(結論)を導き出すことです。例えば「ユークリッドの公理」から「三平方の定理(ピタゴラスの定理)」を導く過程は、「演繹」という過程です。数学では、「公理」を受け入れて、公理から論理的な様々な「定理」を導きますので、数学は演繹を使って研究を進めている学問だと言えます。

演繹の例:すべての人間はいつか死ぬ(一般的な法則)。私は人間である(具体的な事実)。私はいつか死ぬ(演繹により得られる具体的な結論)。

上の例はあまりパワフルに感じません。それは一般的な法則がすでに十分わかりやすいからでしょう。しかし数学のように、一見単純にみえる公理を認めただけで、非常に豊かな数学が作られるのを目の当たりにすると、演繹の凄さを感じます。つまりシンプルにみえる公理の中に、豊かな数学が詰まっているのです。

帰納は、いくつかの観察結果に基づいて、それを一般化するものです。例えば、ハクチョウを観察したところどのハクチョウの個体も羽の色が白いということが認められたので、「ハクチョウの羽は白い」と結論づけるのが、帰納という推論の過程です。重要なこととして、「演繹」は論理的に正しいのですが、「帰納」は必ずしも論理的に正しいわけではありません。実際今の例だと、オーストラリアに旅行してみたら、黒いハクチョウがいたので、ハクチョウの羽は白いという主張は必ずしも正しくないということになります。このように、反例が一つ見つかることで、帰納によって推論されて得られた結論は反証されてしまいます。だからといって「帰納」を使ってはいけないというわけではありません。むしろ逆で、科学研究において「帰納」は、演繹と並んで、非常に重要な方法論です。

さてアブダクションとは何でしょうか。科学史的に有名な発見を例に説明しましょう。ニュートンの万有引力の法則のおかげで、惑星の運動をニュートン力学で説明がつきます。ところが、天王星の動きを精密に観察したところ、ニュートン力学で予測される軌道からズレて動いていることがわかりました。このとき、天王星のさらに外側にまだ見つかっていない「未知の惑星が存在する」と仮定すれば、天王星の動きがニュートン力学で説明できます。なので、「未知の惑星が存在する」と考えてしまおうというのが、アブダクションです。

「未知の惑星が存在する」ならば、「天王星の動きの説明がつく」。

なので「未知の惑星が存在する」と結論される。

というわけです。これは、

AならばB. 今、Bなので、A と言っているようなものです。

A「未知の惑星が存在」、B「天王星の動きがニュートン力学で説明可能される」

記号で書けば、

A⇒B  B⇒A

となります。A⇒Bだからといって、B⇒Aが成り立つといは言えません。これは高校の数学で論理学を習った人なら常識でしょう。別に高校の数学を覚えていない人でも「逆は真ならず」といういいまわしは聞いたことがあるはずです。逆は成り立たないのです。ところが「逆が成り立っている」として、それを仮説として採用するというのが、科学研究におけるアブダクションの考え方です。

今の説明を聞いてスンナリ納得できた人はかなりススンデいます。なぜなら、アブダクションという考え方は、科学研究の進展のロジックを高名な科学者(ベーコン 1561-1626、デカルト 1596-1650、ミル 1806 -1873)たちが、あーでもない、こーでもないと考えてきて、比較的最近になって提案されて(パース 1839-1914)、受け入れられた考え方だからです。それまでは、科学研究の方法と言えば、演繹か帰納だったのです。

  1. What’s the difference between deductive reasoning and inductive reasoning? References By Alina Bradford, Mindy Weisberger, Nicoletta Lanese last updated March 7, 2024 説明動画 https://cdn.jwplayer.com/previews/7sN0CWgE (3:01) 演繹、帰納、アブダクションの説明と例示

袋と豆の例

演繹と帰納とアブダクションの違いを、袋から豆を取り出す状況で説明します。

演繹:白い豆がたくさん入った袋があります。袋に手を突っ込んで、豆を取り出して、何色の豆か調べます。白い豆の袋から取り出すので、取り出した豆の色は白いです。

事実:袋の中の豆は白い

検証:これらの豆を袋から取り出した

結果:取り出した豆は白い(論理的な帰結)

真実⇒結果 が言えます。

帰納:何色の豆が入っているのかは知らないですが豆が入った袋があります。袋に手を突っ込んで、豆を取り出してみたら白色でした。また、同様に取り出したらまた白でした。再度同じことをしたらまた白でした。3回白かったので、実験結果を一般化して、袋の中身は全部白いのだと結論します。

仮説:袋の中の豆は白い(仮説)

検証:これらの豆を袋から取り出した(仮説の検証方法:袋から豆を取り出して色を調べる)

結果:取り出した豆は白い(検証)

仮説⇒結果(反証されなかったので、この仮説はもっともらしい)

アブダクション:白い豆が床にいくつかこぼれています。床に豆の入った袋が置いてあります。床にこぼれた豆は、その袋からこぼれ落ちた豆なのでしょう。

事実:袋の中の豆は白い

仮説:これらの豆はその袋から取り出された

観察された事実:ころがっている豆は白い

観察された事実⇒仮説

考えてみると、この場合は、袋の中の豆が白いという仮説だけでなく、これらの豆はその袋から取り出されたということも仮説として立てることができます。袋の中の豆が白いことを仮説にすると、帰納法と同じになってしまうので、ここでは「その袋から取り出された」ことを仮説としました。こうすれば、 帰納法の例とは異なる状況になります。

Suppose we know that a bag is full of white beans. We see white beans in the corridor, and we say, “These beans probably come from that bag.” The argumentation can be schemed as follows: – We see White beans (𝐴); – We know that if the beans come from that bag then they are white (𝐶 → 𝐴); – Then we say that probably those beans come from that bag (𝐶). In other words: we observe a fact 𝐴, we know that if a fact 𝐶 would be true, certainly 𝐴 would be true so it is reasonable to assume that 𝐶 is true https://iris.unito.it/retrieve/3504748d-e94e-4e18-8976-bc53c6b9d43f/Thesis%20Final%20-%20PhD%20-%20BarberoM.pdf

別の例で考えると、5大陸がもともとは一つの大きな大陸だったという大陸移動説があります。

仮説:一つの大きな大陸が5個の分かれて移動してそれぞれの現存する大陸になった

観察事実:それぞれの大陸の縁の形がジグソーパズルのようにピッタリ合う。

仮説⇒観察事実

という関係があります。今、観察事実が正しいので、仮説がもっともらしいと考えられます。もちろん、別の仮説でも説明がつくかもしれないので、あくまで仮説にすぎません。しかしもっともっともらしい仮説がほかになければ、とりあえずこの仮説を暫定的にでも受け入れておくしかないでしょう。

 

アブダクションに関する書籍

  1. 米盛裕二 アブダクション Abuduction 仮説と発見の論理 2007年 勁草書房 :学術書です。重要人物の業績を適宜引用、紹介しながら科学的な研究における推論や仮説形成の方法論が解説されています。アブダクションという書籍タイトルですが、アブダクションと帰納との違いが何かを論じているので当然のことながら「帰納」の話も多いです。
  2. 羽田康祐 k_bird 問題解決力を高める「推論」の技術 2020/1/8 フォレスト出版

 

参考論文

  1. Anatomy of the Unsought Finding. Serendipity: Origin, History, Domains, Traditions, Appearances, Patterns and Programmability PEK VAN ANDEL Brit. J. Phil. Sci. 45 (1994), 631-648  https://www.wur.nl/upload_mm/5/a/b/28cef998-bcc4-43de-9b2e-250b3169729e_Pek%20van%20Andel.pdf パースの著書の文章などもたくさん引用されており、米盛裕二氏の著作と併せて読むと良い。
  2. On serendipity: The happy discovery of unsought knowledge Robert M. Davison 24 October 2018 https://doi.org/10.1111/isj.12229
  3. The Antinomies of Serendipity How to Cognitively Frame Serendipity for Scientific Discoveries Published: 02 June 2018 Volume 39, pages 939–948, (2020)

アブダクションとベイズとの関係

アブダクションのことを学ぶと、それってベイズの定理もしくは事後確率そのものじゃないかと思いました。実際、そのものだと思います。パースのアブダクションを、定量的に扱っているのがベイジアンだと言っていいでしょう。パースは仮説を得ることに主眼(主目的)を置いているのに対して、ベイジアンは得られた仮説のもっともらしさを定量している(複数の仮説があれば、どの仮説が一番ありそうか)というところに違いがありますが、いわんとしていることは同一だと思います。

1. Abduction (Peirce’s Concept)

Definition: Abduction, according to Peirce, is a form of reasoning that starts with an observation and seeks the simplest or most likely explanation. It’s often referred to as “inference to the best explanation.”

Process:

  • Observation: Something surprising or unexplained occurs.
  • Hypothesis: Formulate a plausible explanation that could make the observation intelligible.

Example:

  • Observation: The grass is wet.
  • Abduction: It might have rained last night.
  • Core Feature: It focuses on the generation of hypotheses rather than their validation.

2. Bayesian Abduction

Definition: Bayesian abduction extends Peirce’s concept by incorporating probabilistic reasoning, often using Bayes’ theorem to update the likelihood of hypotheses given new evidence.

Process:

Prior Probability ( 𝑃 ( 𝐻 ) P(H)): The initial probability of a hypothesis 𝐻 H.

Evidence Likelihood ( 𝑃 ( 𝐸 ∣ 𝐻 ) P(E∣H)): The probability of the evidence 𝐸 E if the hypothesis 𝐻 H is true.

Posterior Probability ( 𝑃 ( 𝐻 ∣ 𝐸 ) P(H∣E)): The updated probability of 𝐻 H after considering 𝐸 E, calculated as: 𝑃 ( 𝐻 ∣ 𝐸 ) = 𝑃 ( 𝐸 ∣ 𝐻 ) 𝑃 ( 𝐻 ) 𝑃 ( 𝐸 ) P(H∣E)= P(E) P(E∣H)P(H) ​

Key Feature: Bayesian abduction formalizes the evaluation of hypotheses based on their probability, making the abductive reasoning process quantitative. Key Differences Aspect Abduction (Peirce) Bayesian Abduction Nature Qualitative reasoning to generate plausible hypotheses. Quantitative reasoning to evaluate and rank hypotheses. Focus Plausibility of hypotheses. Probability of hypotheses given evidence. Evaluation Informal and intuitive. Formal and mathematical (Bayes’ theorem). Purpose Hypothesis generation. Hypothesis evaluation and ranking.

Example: Diagnosing Disease

Peirce’s Abduction

  • Observation: A patient has a fever and cough.
  • Hypothesis: The patient might have the flu.
  • Reasoning: The flu is a plausible explanation for these symptoms.

Bayesian Abduction

  • Observation: A patient has a fever and cough.
  • Hypotheses: 𝐻 1 H 1 ​ : The flu ( 𝑃 ( 𝐻 1 ) = 0.3 P(H 1 ​ )=0.3). 𝐻 2 H 2 ​ : COVID-19 ( 𝑃 ( 𝐻 2 ) = 0.1 P(H 2 ​ )=0.1).
  • Update: Using Bayes’ theorem, update 𝑃 ( 𝐻 1 ∣ 𝐸 ) P(H 1 ​ ∣E) and 𝑃 ( 𝐻 2 ∣ 𝐸 ) P(H 2 ​ ∣E) given the observed evidence (fever and cough) to decide which hypothesis is more likely.

Summary

  • Peirce’s Abduction: A creative, qualitative process for generating explanations.
  • Bayesian Abduction: A probabilistic, quantitative approach that evaluates and ranks explanations using formal Bayesian methods.
  • While Bayesian abduction can be seen as a modern extension of Peirce’s idea, it focuses on hypothesis evaluation rather than generation, emphasizing the formal and probabilistic assessment of competing explanations.

At their core, both Peircean abduction and Bayesian abduction aim to explain observed phenomena by identifying plausible hypotheses. The key distinction lies in how they approach the reasoning process: Peircean abduction is qualitative and intuitive: It’s about hypothesis generation—the creative leap to a potential explanation. It doesn’t require numbers or probabilities; instead, it relies on plausibility and coherence.

Bayesian abduction is quantitative and formal: It focuses on hypothesis evaluation—assessing and ranking explanations based on evidence. It uses probabilistic frameworks like Bayes’ theorem to guide this evaluation.

Why They’re Linked but Not Identical

Peircean abduction provides the foundation: it gives us a way to think about forming hypotheses in the first place. Bayesian abduction takes it further by formalizing how to evaluate and refine those hypotheses once they’re proposed.

Analogy: A Detective Solving a Mystery

  • Peircean abduction: The detective observes a clue (e.g., a broken window) and hypothesizes that it might be a burglary.
  • Bayesian abduction: The detective then gathers more evidence (e.g., fingerprints, a missing TV) and uses probabilities to evaluate if burglary is the most likely explanation compared to, say, an accident or prank.

In essence, they are two sides of the same coin: both aim to infer the best explanation, but they operate on different levels—one is the spark of insight, and the other is the logical testing of that insight.

(ChatGPT 4o)

 

仮説形成に用いられる帰納(インダクション)、アブダクション、プロジェクション

推論の種類として、演繹、帰納、アブダクションといった概念が重要です。

AならばB

すなわち、

A(原因)⇒B(結果)

という因果関係と対応付けて考えると理解しやすいと思います。

演繹deduction

演繹deductionとは、命題Aが真なら、命題Bが成り立つ ということを論理的に導くことです。これは常に正しい推論です。具体的な例としては、数学が該当します。公理や定義を真として受け入れて、さまざまな定理を導いていくので、もちろん命題Bが真になります。

論理式で考えると、A⇒B 今、Aが真なのでBも真であると主張することが演繹です。

演繹は知識を増大させない、なぜならもともと前提に全ての情報が詰まっていたからと言う説明を良く見ます。これに関しては、少なくとも数学(演繹によって数学と言う学問が構築されている!)に関しては、当てはまらないと思います。前提だけでは誰も想像できなかったような面白い定理がたくさん導きだされるからです。

帰納induction

帰納inductionとは、複数の個々の例をいくつか調べて、そこから普遍的な結論を導くことです。同じ種類と思われるいくつかのことを調べて、その種類に属する全てのことが共通に、普遍的な命題Aを満たすと考えます。そのため同じ種類の別のあたらしいものを調べたときも命題Aが成り立つと考えられます。

例えば、コレラという病気はコレラ菌に感染することにより発症する。赤痢という病気は赤痢菌に感染することにより発症する。ということは、「感染性の病気には必ず起因菌が存在する」と結論するのが帰納の考え方です。すると、「同じく感染性のインフルエンザという病気は、インフルエンザ菌に感染することにより発症する」(これは演繹の考え方による結論)のだろうと予測できます。もちろん事実は異なります。インフルエンザは細菌ではなくウイルス(インフルエンザウイルス)感染が原因の病気です。

このように「帰納」による推論は常に正しいというわけではありませんが、「感染症は、起因菌となる細菌により発症する」という一般化した仮説や、そこから演繹により導かれる「インフルエンザという病気は、インフルエンザ菌に感染することにより発症する」という予言・仮説を形成することには役立ちます。仮説はあくまで仮説ですので、検証した結果反証されてもよいのです(その場合はまた新しい仮説を立てればよい)。

論理式で考えると A⇒B

A(感染性の病気に罹患している)⇒B(起因菌である細菌が存在する)

今、Aが真なので、Bも真だろうという推論が「帰納」です。細菌性の感染症に関しては

コレラが発症⇒コレラ菌がみつかる A1⇒B

赤痢が発症⇒赤痢菌がみつかる A2⇒B

普遍的に、

感染症が発症⇒起因菌がみつかる A⇒B

実のところ、

インフルエンザが発症⇒インフルエンザ菌が見つかる A3⇒B

はただしくありません。上の論理式と同値である対偶をとって ¬B⇒¬A を考えてみると、

「インフルエンザ菌が見つからない(存在しない)ならばインフルエンザを発症しない」という主張が「偽」である(ウイルス感染で発症する)ことは明らかでしょう。

ちなみに「帰納」という推論は常に正しいとはいえないですが、「数学的帰納法」は数学的に正しいものです。

帰納による推論は、知識を増大させます。なぜなら、たかだか複数個の個々の事例を調べただけなのに、全体に関して結論しているからで、あmだ調べていない事柄に関する情報が得られた(ただしそれが正しいという保証はない)というわけです。

  1. Mind as Theory Engine: Causation, Explanation and Time By Michael D. Pacer. A Dissertation. University of California, Berkeley Unlike deduction, where true premises lead to true conclusions, inductive reasoning and arguments make no guarantees.

アブダクション abduction

アブダクションは帰納の逆で、A(原因)⇒B(結果) 今、結果Bが真なので、原因Aも真であろうという推論です。もちろん、論理学においてA⇒Bの逆B⇒Aは成り立ちません。「逆は真ならず」という言葉も日常化しているように、これは論理学を知らなくても常識的なことだと思います。しかし、仮説形成という場面においては、B⇒Aを考えるのです。

具体的な例としては、天王星という惑星の動きがニュートン力学によって説明がつかない(という結果Bが真である)のは、さらに外側のすぐそばに別の未知の惑星が存在している(原因A)だという推論です。

A(天王星の外側に未知の惑星が存在)⇒B(天王星の軌道が影響を受ける)

結果Bが先に得られていて、原因Aを推定しています。

繰り返しになりますが再度まとめておきますと、A⇒Bだからといってその「逆」であるB⇒Aは成り立ちませんので、アブダクションという推論は論理的に正しいとはいえません。しかし、「蓋然性」(正しい可能性)はありますので、仮説形成に使うことができます。

  1. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kansei/15/3/15_133/_pdf
  2. A critique of using the labels confirmatory and exploratory in modern psychological research. Ross Jacobucci. Front Psychol. 2022; 13: 1020770. Published online 2022 Dec 13.
  3. 【創造法第一回】アブダクションとはなにか 創造法編集社

abductionという名前について

abductionは通常の英語だと誘拐といった意味で、なぜ仮説形成の意味になるのかわかりにくいですが、説明がありました。

論理的思考でabduction という用語を使うとしたら、「正しい形式から離れて、無理やり推論する行為」といった具合になるでしょうか。‥ 仮説推論を整理したパース自体は、abduction という用語について一言述べています。パース曰く、アリストテレスの文献の誤記をギリシア語から英語に翻訳したからそうです。(2 仮説推論と演繹法の相違点 第6章 仮説推論 LAAD)

abductionという英語の訳として、「仮説形成」という言葉を当てる考え方もあるそうですが、戸田山 和久 著「科学的思考」のレッスン 学校では教えてくれないサイエンス(2011/11/8)では、帰納や類推(analogy)も仮説形成に使われるのだから、この訳語をabductionに当てるのはおかしいと述べていて、なるほどと自分も思いましたので、abductionはカタカナでアブダクションとしておきます。

abductionとdeductionとinductionとの違い

Abduction is the process of forming an explanatory hypothesis. It is the only logical operation which introduces any new idea; for induction does nothing but determine a value, and deduction merely evolves the necessary consequences of a pure hypothesis. Deduction proves that something must be;Induction shows that something actually is operative; Abduction merely suggests that something maybe.
Its only justification is that from its suggestion deduction can draw a prediction which can be tested by induction, and that, if we are ever to learn anything or to understand phenomena at all, it must be by abduction that this is to be brought about. (Peirce, 1978, p. 171)(Complementary Frameworks of Scientific Inquiry: Hypothetico-Deductive, Hypothetico-Inductive, and Observational-Inductive January 2009World Futures The Journal of General Evolution 65(1):61-75 DOI:10.1080/02604020701845624 Authors: Farzad Mahootian New York University Timothy E. Eastman) https://www.researchgate.net/publication/232872053_Complementary_Frameworks_of_Scientific_Inquiry_Hypothetico-Deductive_Hypothetico-Inductive_and_Observational-Inductive
  1. 新しいアイデアは推論のプロセスから生まれる https://www.jstage.jst.go.jp/article/kansei/15/3/15_133/_pdf

パースの考え

演繹、帰納、アブダクションが科学研究の推論で使われているということを指摘したのはパース(Peirce)さんのようです。推論には演繹、帰納、アブダクションの3種類があり、それぞれが各段階で使われているといいます。まず観察事実があり、それを説明するためにアブダクションをつかって仮説をたてます。つぎに演繹を使って予言をします。そして帰納により確かめます。

Peirce classified inference into three fundamental kinds: deduction, induction, and abduction.  ‥ he also placed these three kinds of inference at each stage of scientific inquiry. According to him, every scientific inquiry begins with an observation of a surprising fact. The first stage, abduction, of scientific inquiry proposes a hypothesis to explain why the fact arises. The second stage, deduction, derives new conclusions from the hypothesis. The third stage, induction, tests empirically or corroborates the hypothesis and the conclusions.

本当にパースさんの考えかたが科学研究に当てはまるのか例を考えてみます。

観察事実B:ある人が病気になった。

感染(原因A)で病気(結果B)は生じるという「法則」をもともと信じていれば、仮説「その人は、細菌に感染している」といえます。結果から原因を予測しているので、アブダクションに相当します。この仮説に基づいた演繹による予言として、「感染しているのならその人の体内から起因菌が見つけられる。」というものが考えられます。帰納による確認として、1.菌培養法によって検出する。2.ゲノムシーケンシングにより検出する。3.染色方法(形態学)によって検出する(仮想の話です)など、いくらでも検出方法は考えられます。医師が患者さんを目の前にしたときには、こういう推論がなされるのでしょう。もちろん他の原因が否定されるとしての話ですが。

同じ観察事実から、別の人は別の仮説思いつくかもしれません。

観察事実B:ある人が病気になった。

アブダクションによる仮説形成:細菌による感染(原因A)で、病気(結果B)が生じる。(A⇒B 結果から原因を仮定)

演繹による予言:病原菌による感染(原因A)で、病気(結果B)が生じる。(A⇒B 仮説と言葉は同じになってしまいましたが)

帰納による確かめ:コレラ菌を感染させたらコレラを発症した。(A1⇒B1) 赤痢菌を感染させたら赤痢を発症した。(A2⇒B2) チフス菌を感染させたら、腸チフスを発症した。(A3⇒B3) よって、細菌に感染すると、病気になる。(A⇒B) 人間だとできない実験ですが、動物実験でこういう研究デザインはあり得るでしょう。

投射 projection

『科学的思考のレッスン』には投射 projectionというものも紹介されていました。これは上の帰納の説明でいうと、

A1⇒B、A2⇒B なので A3⇒B であると推論することです。これは、

A1⇒B、A2⇒B なので A⇒B(帰納による一般化)、A3はAなので A3⇒B  と考えてもよいのではないかと思います。つまり、投射=帰納+演繹 という組み合わせになっていると理解できます。

投射の例としては、ある命題が正しいかどうかを実験動物を用いて実験したところ、ショウジョウバエでもゼブラフィッシュでもマウスでも正しかった。なのできっと人間でも正しいだろうという推論です。すべての生物種で正しいだろうと推論するのは、「帰納」になります。

類推 analogy

『科学的思考のレッスン』には類推 analogyも紹介されていました。例としては、万有引力の法則のアナロジーとして、クーロンの法則が挙げられていました。質量に関してなりたつ方程式の形が、電荷でも同じなんじゃないかというアナロジーです。根拠は何もなくて、類推したって感じですね。

水素分子で水素原子同士が結合しているのは電子対を共有しているからということのアナロジーで、原子核で陽子同士が結合しているのはなんらかの粒子を共有しているからというのも例になるかと思います(湯川秀樹の中間子)。

しかし、Patterns of Abduction (Schurz, Synthese, 2008)(PDFリサーチゲート)には、analogical abductionなどとabductionを細分化して解説したものがあり、考えようによってはanalogyはabductionの一種と考えられるかもしれません。

クーロンの法則を例にとれば、もともと存在する法則として「なんらかの物理量をもつ2つの物体間にはその物理量の積に比例して距離に反比例する力が働く」というものを認めておけば、質量のかわりに電荷を当てはめただけとも言えます。

力の大きさに関する法則(原因) ⇒ 2物体間に力が働く現象(結果)

と考えて、結果を見て原因を推測しているからabductionというわけです。このとき、質量や電荷を抽象化して「物理量」としたところがミソです。考えてみたら、アナロジーと言う考え方をしたときは必ず何かしらの抽象化の過程を含んでいるように思います。

ケクレがベンゼンの構造を思い立ったのは、「蛇が自身の尻尾に噛みついてグルグルと回り出した」夢を見たからと言われていますが、これぞまさにピュアな類推(類似に基づく推論)かもしれません。

仮説演繹法

仮説演繹法はジョージ・ハーシェルが『自然哲学研究に関する予備的考察』(1930)で定式化し、その後18世紀~19世紀の科学者ウィリアム・ヒューエルや、19世紀の経済学者ウィリアム・ジェヴォンズらによって発展させられました(野家啓一『科学哲学への招待』ちくま学芸文庫119-125頁 【仮説演繹法とは】具体例から特徴・問題点までわかりやすく解説 リベラルアーツガイド)。

その他の方法

帰納、アブダクション、プロジェクションが仮説形成に使えるパワフルなツールだということは上の説明からわかったのですが、仮説形成に使えるツールはこれらだけしかないというわけではありません。

例えば、

A⇒B(因果関係が直接的)

C⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒B(因果関係があるが、直接的ではなく、因果の鎖が長い)

という2つの因果関係があったときに、

C⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒A⇒B (すなわち、Aという過程を、CとBの因果の鎖の中間に置く)を仮説として採用することは理にかなっていると思います。もちろん絶対に正しい保証はありません。

このような推論に名前がついているのかどうかがわからずグーグルで仮説形成に関する記事を探索してもこのタイプが全然ヒットしませんでしたので、ChatGPTに聞いてみました。

質問:”A” directly cuases “B”. “C” ends up in “B” in the process of a chains of causality. Now I formulate a hypothesis that “C” causes “A” and as a result of which “B” occurrs. What is this called for this type of inference?

回答:The type of inference you are describing, where you hypothesize that “C” causes “A,” and as a result, “B” occurs, is known as a “mediating” or “mediated” causation hypothesis. In this scenario, “C” is considered to be a mediator or an intermediate variable that plays a role in the causal pathway from “C” to “A” and then from “A” to “B.” This type of inference involves understanding the indirect causal relationship between “C” and “B” through the mediation of “A.”

mediating causation hypothesisもしくはmediated causation hypothesisでグーグル検索しましたがヒットしませんでした。ChatGPTは過信できませんね。しかし、どうやら、mediating analysis(媒介分析)と呼ばれるものが近いですが、媒介分析はX⇒Yの間に媒介変数Mを仮定してX⇒M⇒YとしてMの効果を評価するので、少し目的が違うようです。

下の講義資料の14枚目のスライドの経路がまさに今の自分の興味でした。

  1. Meta-Level Abduction Katsumi Inoue National Institute of Informatics, Japan April, 2015  Formalizing rule abduction g: a goal, s: an input, r: a (hidden) node g is not directly caused by s, but we know that there is a causal chain to g from s. This is given by an observation: G: caused(g, s).  SOLAR computes a hypothesis H: linked(r, s), given the abducibles {linked(_,_)}.

s ⇒ ⇒ g  因果関係はあるが直接ではない

s ⇒ r ⇒ g 間にrを仮定し、s ⇒ r を仮説とする

 

  1. Meta-Level Abduction (講義スライド)Katsumi Inoue National Institute of Informatics, Japan April, 2015
  2. Rule-Based Abduction for Logic Programming October 1996 Kouichi Hirata, Kyushu Institute of Technology. we classify abduction into five types: rule-selecting abduction, rule-finding abduction, rule-generating abduction, theory-selecting abduction, and theory-generating abduction. ‥ the first three types of abduction, which we call together rule-based abduction,
  3. ルールアブダクションとアナロジーによるスキル創造支援
    プロジェクトの概要 https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2013/0/JSAI2013_1H3OS02a5/_pdf/-char/ja
  4. アナロジーを組み込んだルール発想推論によるスキル獲得支援 金城 敬太, 尾崎 知伸, 古川 康一, 原口 誠 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/29/1/29_C-TS13_6/_pdf/-char/ja ここでやらんとしていることは、まさに上の自分の知りたかったことそのもののようです。それをコンピューターでやろうという発想でしょうか。
  5. Rule-Based Abduction for Logic Programming https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/3195/rifis-tr-106.pdf
  6. Rule Based Abduction (有料)Sai Kiran Lakkaraju & Yan Zhang International Symposium on Methodologies for Intelligent Systems ISMIS 2000: Foundations of Intelligent Systems pp 525–533 PDF 無料ダウンロード at independent.academia.edu
  7. Rule-Based Abduction for Logic Programming October 1996 Authors: Kouichi Hirata Kyushu Institute of Technology 耕一 平田 researchgate.net

仮説の形成

どんな仮説を立てるかは恣意的だと思います。

観察事実B:ある人が病気になった。 から「全ての病気には起因菌が存在する」という仮説を考える人もいるかもしれません。

「全ての病気には起因菌が存在する」という仮説を信じると、帰納的な推論により、壊血病にも起因菌が存在すると予言できます。実際のところこの予言を検証しようとして多くの医師や科学者が起因菌の同定の努力をしたはずですが、報われませんでした。なぜなら、壊血病の原因は細菌ではなく、栄養素(ビタミンC)の不足だったからです。「全ての病気には起因菌が存在する」という仮説は、反証されたのでした。

次々と疾患に対して病原菌が見つかっていった時代には、「病気⇒起因菌が存在」は常識的な考えかただったようです。

  • 病気1⇒起因菌1が存在
  • 病気2⇒起因菌2が存在
  • 病気3⇒起因菌3が存在

帰納により、「病気⇒起因菌が存在」という仮説を信じたくなります。

実際のところ、「全ての病気には起因菌が存在すといる」という仮説は全く正しくなくて、細菌以外が原因の病気は、ウイルス、微生物、栄養の欠乏、遺伝子変異、化学物質などいくらでもあります。

 

Meta-Level Abduction Katsumi Inoue National Institute of Informatics, Japan April, 2015 の講義資料には、Patterns of Abduction (Schurz, Synthese, 2008)の紹介もありました。参考になるかも。(リサーチゲートのPDF

 

こうしてみると、仮説をどれだけ大きなものにするか、あるいは、正しい仮説を思いつくかどうかで、研究成果の大きさが変わってくると言えそうです。

仮説を立てるときには、あらゆる可能性をモレなく考えて、どれが正しそうかという「確率」まで考慮しないとなかなか正しい仮説にたどりつかないのではないかと思います。

例えば、遺伝子は進化の過程で重複していることがあり、多くの場合、一つの遺伝子だけでなくファミリーを形成しています。カルシウムチャンネル1,2,3,4,5といった具合です。じゃあ6番目のカルシウムチャンネルもあるはずだという仮説のもとに、カルシウムチャンネル6を同定するという研究計画を立ててよいのでしょうか?すでに誰かが散々調べつくして1~5で打ち切りになっているのかもしれません。6番めが見つかる可能性は高くないでしょう。ところが、1つしか遺伝子がないものもあれば、嗅覚受容体遺伝子のようになんと数百個あるものもあります。調べてみないとわからない場合もどうしても出てきますね。

参考にしたリソース

  1. Deduction, induction, abduction: The Differences Management Consulting Journal チャンネル登録者数 330人
  2. 科学的思考のレッスン 戸田山 NHK出版

その他の参考サイト

  1. 新しいアイデアは推論のプロセスから生まれる
  2. J.S.ミルの具体的演繹法(1)
  3. ケインズとラムジー : 確率と合理性 をめぐって
  4. 真実発見のアブダクション的・帰謬法的構造と故意の目的論的立証
  5. ロジックツリー作成の原則 MECE
  6. 第10章 論理的思考のまとめ la-ad.net/
  7. 推論と判断の等確率性仮説:思考の対称性とその適応的意味
  8. 因果概念束にもとづく知識構造モデルの研究
  9. 仮説の立て方とは|仮説を立てる【仮説構築力】を身につける方法|例題有  2023-08-15 Mission Driven Brand(外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ビジネスの「できない、わからない」を解決するブログ) あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。‥ パレートの法則とは、20%の重要なインプットが80%の成果を生み出しているというビジネス上の法則だ。‥ 希少資源である「時間」を重要な20%に充てるには、初めに「何が重要な20%なのか?」について仮説を立てる必要がある。もしあなたが「何が重要な20%なのか?」について仮説を立てることができれば、その20%が80%の成果を生むのだから、生産性は4倍になる。
  10. 小学校理科地球領域における仮説設定能力の実態に関する研究 日本教科教育学会誌 2020. 6  第43巻 第 1 号 pp.71-81