個別化医療とは
個別化医療(personalized medicine)は、精密医療(precision medicine,プレシジョン・メディシン)とも呼ばれますが、文字通り患者さん一人一人の違いに合わせた治療を行うことです。同じ抗がん剤でも効く患者さんと効かない患者さんが存在しますが、もしも、どの患者さんにはどの抗がん剤が有効なのかが事前にわかれば、その患者さんにとっての最適な治療を最初から行うことができます。
非小細胞肺がんや乳がん、大腸がんではがん細胞の遺伝子をシーケンスして特定されたドライバーがん遺伝子変異に応じて薬物を処方する治療法が確立している。(胃がんも個別化医療の時代へ Cancer Review Vol.1 No.1 2017 Cutting Edge)
個別化医療が可能になってきた理由
患者さんごとの違いが存在すること、それを検出するテクノロジーが発展してきたこと、そして患者さんの違いごとに有効な治療の選択が可能になってきたことが、個別化医療の目覚ましい発展の背景にあります。
乳がんにおける個別化医療
- 乳がん治療における個別化医療、プレシジョン・メディシン 田村研治先生 監修:国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科科長 田村研治先生 2018.7 柄川昭彦 がんプラス 免疫組織化学的な検査では、がん細胞に現れている2種類のマーカーを調べます。1つのマーカーは「ホルモン受容体(エストロゲン受容体=ER、プロゲステロン受容体=PgR)」で、これが陽性か陰性か。もう1つはHER2というマーカーで、これが陽性か陰性かを調べます。… 増殖のマーカーであるKi67を使い、増殖が速いか緩やかかによって2つに分け…
消化器科における個別化医療
- 胃がん、食道がんの個別化医療を目指した本態解明および診断薬、治療薬の開発 国立がん研究センター
胃がん
- 胃がん個別化医療の今後を展望 がんゲノムプロファイル検査をどう活用すべきか 2021年03月23日 05:10 Medical Tribune 胃がんは、遺伝学的に①chromosomal instability(CIN)②Epstein Barr virus(EBV)③microsatellite instability(MSI)④genomic stability(GS)-の4つのサブタイプに分類される(Nature 2014; 513: 202-209)。およそ半数をCINサブタイプが占め、TP53変異や受容体型チロシンキナーゼ(RTK)によるRasの活性化の頻度が高いという特徴を有する。HER2陽性胃がんはこのタイプに多いとされる。
- 胃がんも個別化医療の時代へ 広島大学大学院医歯薬保健学研究科分子病理学教授 安井 弥 日経メディカルCancer Review Vol.1 No.1 2017 Cutting Edgeインタビューより 広島大学
眼科領域における個別化医療
加齢黄斑変性(AMD)
- 加齢黄斑変性、個別化医療の現状 2021年12月02日 05:00 Medical Tribune