月経・生理周期の仕組み

下垂体前葉が性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)を分泌することを指令するための、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(ゴナドトロピン放出ホルモン)が視床下部から出されます。

視床下部からのこの指示を受けて、下垂体前葉は、性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の一種である卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌します。卵巣においては、FSHに刺激されたことで卵胞が発育します。

発育し成熟した卵胞は卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌します。エストロゲンは子宮内膜を肥厚させる働きがあります。

エストロゲンは下垂体前葉に対してネガティブフィードバックの働きをして、FSH分泌を抑制させます。また視床下部に対して働きかけて性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)を再度分泌させて、その結果としてそれを受けた下垂体前葉から今度はもうひとつの性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)である黄体形成ホルモン(LH)を分泌させます。

ホルモンの量を経時的に示したグラフを見ると、まずエストロゲンが大きなピークを示して、それに続いてLHが大きなピーク(LHサージ)を示します。

LHの分泌(LHサージ)により排卵が起きます。排卵後の卵胞は黄体へと変化します。黄体は黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌し続けます。プロゲステロンは子宮内膜に働きかけて、子宮内膜をやわらかくして受精卵が着床しやすくする働きがあります。プロゲステロンにはまた体温を高くする作用もあります。女性が基礎体温をつけたときに、排卵が起きたあとから体温が少し上昇した状態になるのはプロゲステロンが分泌され続けているためです。高温期に入るまえに体温が少し落ち込む場合があり、その下がった時点もしくはその直前が排卵のタイミングになっていることが多いようです。

  1. まずは基礎体温。基礎体温をつけて毎日チェック 赤ちゃんが欲しくなったら オムロン式美人

受精が生じなかった場合は黄体(おうたい)は白体(はくたい)に変化します。

ちなみに、性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)は、どちらもコレステロールからつくられるステロイドホルモンです。

月経周期(生理周期)の説明動画

下の動画が実にわかりやすい説明でした。こんな解説をしてもらえると、頭にはいりやすいくて良いです。

月経のホルモン、これで十分! mamken チャンネル登録者数 970人

上の動画とほぼ同じ内容ですが、英語サイト(Lecturio Nursing)の動画

The Hypothalamic Pituitary Ovarian Axis | Menstrual Cycle Part 1 Lecturio Nursing チャンネル登録者数 9.51万人

卵巣周期 ovarian cycle:卵胞期 follicular ー 排卵 ovulation ー 黄体期 luteal

卵巣の変化に着目して「卵巣周期」という時期の分類がなされています。月経周期が全部で28日(もちろん個人差があります)とした場合、排卵がおこる14日目までが卵胞期、そのあとが黄体期と呼ばれます。卵胞が発育する時期と、黄体(排卵後の卵胞が変化したもの)が形成されている時期の2つなので、名前が内容をそのまま表しており、覚えやすいと思います。

The Ovarian Cycle | The Menstrual Cycle Part 2 Lecturio Nursing チャンネル登録者数 9.51万人

子宮内膜の周期的な変化 Endometrial Cycle

卵巣の変化に着目したのが「卵巣周期」(卵胞期ー黄体期)でしたが、子宮の変化に着目したのが「子宮周期」です。1~7日めが月経期、7日目~14日目が増殖期、14日得m~28日目が分泌期と呼ばれます。卵巣周期と対応しているので(卵胞期=「月経期+増殖期」、黄体期=分泌期)、それほどややこしくもないと思います。

 

動画リンク集

  1. The Menstrual Cycle Nemours KidsHealth 245K subscribers (2:26) 月経(生理)に関する非常に簡単な説明。おそらく子供向けの解説。
  2. How menstruation works – Emma Bryce TED-Ed 19.7M subscribers (4:11) ホルモンにまで言及した生理に関する簡単な説明(一般向け)
  3. Understanding the Menstrual Cycle Zero To Finals 731K subscribers (9:52)
  4. Female Reproductive System – Menstrual Cycle, Hormones and Regulation Armando Hasudungan 2.53M subscribers (15:12)
  5. Why do women have periods? TED-Ed 19.7M subscribers (4:45)

発生における上皮-間充織相互作用

発生における上皮-間充織相互作用

生物学では『間充織」(かんじゅうしき)、医学では「間」(かんよう)と呼び方が異なりますが、同一のものを指しています。このブログでは特に使い分けをせずに、どちらも使うことにします。

  1. Jean Paul Thiery, Hervé Acloque, Ruby Y.J. Huang, M. Angela Nieto, Epithelial-Mesenchymal Transitions in Development and Disease, Cell, Volume 139, Issue 5, 2009, Pages 871-890, ISSN 0092-8674,

四肢の形成と上皮-間充織相互作用

 The apical ectodermal ridge (AER) maintains the mesenchyme in a proliferating state (preventing it from form cartilage) that enables the linear growth of the limb; maintains the expression of those molecules that generate the anterior-posterior axis; interacts with the proteins specifying the anterior-posterior and dorsal-ventral axis. AER formation requires
bone morphogenetic protein (BMP) signaling and can be prevented in transgenic mice by expressing a dominant negative BMP receptor under the control of an epidermis-specific promoter. The signal for limb bud formation comes from mesodermal cells, which secrete FGF-10, capable of initiating interactions between the ectoderm and mesoderm (Xu et al., 1998, Yonei-Tamura et al.,1999). FGF-10 induces the overlying ectoderm to form the AER.
Moreover, FGF-10 induces the AER to synthesize and secrete FGF-8, which stimulates mitosis in the mesenchymal cells. The FGF-10 knockout mouse forms no limb buds.

Int. J. Dev. Biol. 58: 303 – 306 (2014) https://doi.org/10.1387/ijdb.140143dr Vol 58, Issue 5 Epithelial-mesenchymal interactions: a fundamental Developmental Biology mechanism Essay | Published: 30 September 2014 Domenico Ribatti* and Marcello Santoiemma

 

Limbs emerge from the body flank as a consequence of localized epithelial–mesenchymal interactions that result in rapid proliferation of mesenchymal cells leading to the formation of limb buds. https://www.sciencedirect.com/topics/biochemistry-genetics-and-molecular-biology/lateral-plate-mesoderm

 

参考資料

  1. 学術俯瞰講義 平成18年度冬学期講義「生命の科学」 「発生生物学からみた生命科学」 浅島 誠 (東京大学大学院総合文化研究科 教授)
  2. The lateral plate mesoderm Karin D. Prummel,1,2,* Susan Nieuwenhuize,1,2,* and Christian Mosimann1,2,‡ Development. 2020 Jun 15; 147(12): dev175059. Published online 2020 Jun 19. doi: 10.1242/dev.175059 PMCID: PMC7328003

顔の発生

頭と顔を構成する骨:脳頭蓋と顔面頭蓋

頭蓋は、脳が内部にある脳頭蓋と、顔の部分である顔面頭蓋の2つに大別されます。

脳頭蓋(のうとうがい)は、8個あります。

  1. 前頭骨
  2. 頭頂骨(左右)
  3. 側頭骨(左右)
  4. 後頭骨
  5. 蝶形骨
  6. 篩骨

顔面頭蓋は9種15個(左右対になっているものがあるので)からなります。

顔面頭蓋(がんめんとうがい)

顔面頭蓋 viscerocranium (9種15個)

  1. 鼻骨 nasal bone 有対
  2. 鋤骨 vomer 無対
  3. 涙骨 lacrimal bone 有対
  4. 下鼻甲介 inferior nasal concha 有対
  5. 上顎骨 maxilla 有対
  6. 頬骨 zygonatic bone 有対
  7. 口蓋骨 palatine bone 有対
  8. 下顎骨 mandible 無対
  9. 舌骨 hyoid bone 無対

参考

  1. 顔面頭蓋 (がんめんとうがい、英:viscerocranium) VISUAL ANATOMY
  2. 頭蓋骨を構成する骨と縫合 高津整体院

鰓弓(さいきゅう, branchial arch)/咽頭弓(いんとうきゅう, pharyngeal arch)の構造

鰓弓は咽頭弓とも呼ばれる。鰓(エラ)に分化するわけではないので、咽頭弓という呼称のほうが適切とする考え方がある。

  • 脊椎動物の発生において咽頭部に生じる、支柱状に突出した形態物。
  • 外側は外胚葉上皮、内側は内胚葉上皮に覆われており、内部を神経堤細胞と中胚葉の間葉が満たす。
  • 各咽頭弓の間は咽頭裂と呼ばれ、将来の鰓裂になる。陸上生活を行う多くの四肢動物では各弓の間は、咽頭の内外で溝状の構造として残る外胚葉上皮が溝状にくぼんだ構造は特に咽頭溝と呼ばれる。
  • 各咽頭弓の間で、咽頭内胚葉上皮が体の外側へ向かって嚢状に膨出した構造を咽頭嚢と呼ぶ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/咽頭弓

鰓弓とそれによってできる器官

第1鰓弓第2鰓弓下あご、口、耳などを作るもとなります。https://jsprs.or.jp/general/disease/umaretsuki/kuchi/saikyu.html

  1. 第1第2鰓弓症候群・小耳症による顔面変形の治療 東京警察病院 形成外科・美容外科

顎骨をふくむ頭蓋顔面骨の多くは神経細胞由来であり、腸骨を含む体幹や四肢の骨の多くは中胚葉由来である。

KAKEN

下顎骨と上顎骨の発生における類似性 明らかに、上顎骨と下顎骨の間でそれらの発生について興味深い比較が行われている(Dixon,·1957年)。それらの意義は、過大評価されている可能性もあるが、顔面隆起の外胚葉性間葉由来であること、骨化に先立ち上皮-間葉の相互作用が必要 https://www.quint-j.co.jp/books/browse/other/2024/2401_gakuganmen/pageindices/index4.html#page=4

Pharyngeal Arches and its Derivatives – MASTER pharyngeal arches in LESS than 7 minutes ONLY! DentalManiaK 39.3K subscribers

顎(あご)の進化

円口類の一種であるヤツメウナギには、普通のサカナである顎口類のような顎はない。そのため無顎類とも呼ばれるが、口が吸盤のような構造をしていて

鰓弓のうち、前方のものが発達して、上下の顎骨になった、というのが脊椎動物の顎の”はじまり物語”とされている

https://gendai.media/articles/-/79383?page=2

(上顎骨は鰓弓由来ではないのでは?)

下顎の発生

  1. Development of the Mandible – Embryology [ Learn it in the most SIMPLE way] DentalManiaK 39.3K (4:00)

論文

  1. A new origin for the maxillary jaw (PDF) 2004年

舌の構造

舌(ぜつ、した)は、動物の口の中にある器官。脊椎動物の舌は、筋肉でできた突起物である。https://ja.wikipedia.org/wiki/舌

舌は筋肉からできていて、その筋肉は中胚葉由来のようです。

解剖学的記載は「全ての舌筋は後頭体節に由来する中胚葉から発生し、舌下神経に支配される」とされている。http://douken.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20160906174906-88C33B81B56F727295145970BA381F950612515FA9CDD93589F07BB1FEB16D14.pdf

舌の発生

舌体部の起源については,第1鯉弓にある1対の隆起の融合によるとするもの(Dursy1),Kolliker2)), 第1鰓弓と第2鰓弓との境界部に由来するとするもの(Reichert3),Hammer4),His5り)),tuberculumimparに由来するとするもの(His6)),などの他に外側舌隆起とtuberculumimparとの融合によるとするもの(Kallius7),McMurrich8))などがある.教科書的には外側舌隆起とtuberculumimparとの融合によるが,一般にtuberculumimparは一過性の隆まりにすぎず,舌にとって重要な構成要素ではないという考え方になっている(Hamilton9),Arey10))という記載がある.

舌根部については,第2鰓弓だけから生ずるとするもの(Reichert,Hammer,Born11)),第2鰓弓と第3鰓弓とに由来するとするもの(His6)),第2鰓弓とcopulaとに由来する(Arey),あるいは第3鰓弓の中胚葉が上皮下で移動し,第1鰓弓の中胚葉と融合する(Hamilton)という記載がある.

〔原著〕ヒトの舌発生についての研究 日本医科大学第1解剖学教室(主任:中村逸雄教授)(指導:横尾安夫名誉教授)横尾敦夫* 日医大誌第37巻第6号(1970)(383)―1

消化管の上皮細胞は内胚葉由来であるが,口腔内の粘膜や歯は外胚葉由来であるため,舌上皮も外胚葉由来と混同されやすい.しかし,最近の系統追跡実験などから舌上皮に存在する味蕾やその構成細胞である味細胞は同じ内胚葉由来であるとわかってきた. https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=629

副甲状腺の発生

  • 四足動物はカルシウムを食餌からしか得ることができないので、骨にカルシウムを蓄積し、濃度が低下する度に血液中に適量溶かし出す必要がある。副甲状腺は、血液中のカルシウム濃度を監視し、副甲状腺ホルモンを血液中に分泌して全身の骨からカルシウムを溶かし出し、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ司令塔なのである。
  • 脊椎動物の上陸時に、首の中に副甲状腺が現れた。一方消えていったのは、肺呼吸で不要になったエラである。
  • 3番目の咽頭嚢は胸腺(免疫細胞の分化に関わる)と副甲状腺を、4番目は副甲状腺のみを産み出し
  • 解剖学的に魚類には副甲状腺がない
  • 哺乳類で、咽頭曩から副甲状腺が形成される過程は、Gcm-2という遺伝子によって制御されている
  • ゼブラフィッシュ胚におけるGcm-2の機能を抑制したところ、鰓芽が発生せず魚類においてGcm-2はエラの形成に必要
  • Gcm-2という遺伝子は元来エラの発生に必要な遺伝子であり、陸上に上る時にその機能を副甲状腺の発生に転用したと考えてよさそう
  • ゼブラフィッシュ胚で調べてみた。2つの副甲状腺ホルモンカルシウム感受性受容体はどれもエラで作られていることがわかった
  • 発生学的にも、生理学的にも、エラと副甲状腺はよく似た存在であると考えることができ、副甲状腺がエラから進化してきた可能性

新天地を目指して ―陸上への引っ越しと器官のリサイクル 岡部正隆 東京慈恵会医科大学 DNA医学研究所 JT生命誌研究館

  1. Duplicated zebrafish co-orthologs of parathyroid hormone-related peptide (PTHrP, Pthlh) play different roles in craniofacial skeletogenesis Yi-Lin Yan, Poulomi Bhattacharya,1 Xin Jun He, Bhaskar Ponugoti,1 Ben Marquardt,1 Jason Layman,1 Melissa Grunloh,1 John H. Postlethwait, and David A. Rubin1 J Endocrinol. 2012 Sep; 214(3): 421–435. Published online 2012 Jul 3. doi: 10.1530/JOE-12-0110 PMCID: PMC3718479 NIHMSID: NIHMS488120 PMID: 22761277 Parathyroid hormone (PTH) acts as the main hypercalcemic hormone while PTH-related protein (PTHrP, official human symbol PTHLH (PTH-like hormone) and referred to as Pthlh in this manuscript), is essential for embryonic development, differentiation, and tissue patterning (). Unregulated paracrine secretion of Pthlh is associated with a type of tumor that results in elevated blood calcium levels, a condition called humoral hypercalcemia of malignancy (HHM), while regulated secretion of Pthlh during mouse embryogenesis is essential for the developmental patterning of cartilage, bone, teeth, CNS, pancreas, and other tissues ().

単語

上顎(じょうがく):上(うわ)あごのこと。

下顎(かがく):下あごのこと

皮骨(コトバンク):膜骨とも呼ばれる。はじめ軟骨として発生し,それが骨化してできる骨を軟骨性骨または置換骨というのに対して、軟骨をへずに真皮中に直接形成される骨を皮骨または膜骨という。

顔の発生講義動画

  1. Development of the Face and Palate 浸透 チャンネル登録者数 310万人 (8:16)
  2. Development of the Human Face – Embryology DentalManiaK 39.3K (3:16)

due to と owing to との使い分け

ChatGPT-3.5 に聞いてみました。

“Owing to” and “due to” are often used interchangeably in casual language, but there is a subtle difference in their usage:

  • “Owing to” typically implies a more direct or immediate cause, and it is often used to introduce the reason for something.
  • “Due to” is a bit more general and can be used to indicate a cause, but it can also denote an explanation or attribution of something.

For example:

  • “The cancellation of the event was owing to the bad weather.” (The bad weather directly caused the cancellation.) キャンセルの原因は悪天候でした。
  • “The delay was due to unforeseen circumstances.” (Unforeseen circumstances were the cause, but it might not be as direct as in the first example.) 何らかの理由で遅延が生じました。

In some contexts, they can be used interchangeably without much difference in meaning. However, in formal writing or contexts where precision is necessary, it’s best to use them according to their nuances.

Control of REM sleep by ventral medulla GABAergic neurons【お手本となる文章の分析】

Franz Weber, …, Yang Dan* Control of REM sleep by ventral medulla GABAergic neurons. Nature 526:435–438 (2015) https://www.nature.com/articles/nature14979 の論文の要旨が非常にかっちりと組み立てられていて無駄も隙もない文章構成だと思ったので、分析してみます。以下、英文 分析 の順です

Rapid eye movement (REM) sleep 主題を最初の文の文頭において明示 is a distinct brain state characterized by activated electroencephalogram and complete skeletal muscle paralysis, and is associated with vivid dreams1,2,3. 主題の説明 Transection studies by Jouvet first demonstrated that the brainstem is both necessary and sufficient for REM sleep generation2, 既知の事柄の紹介 and the neural circuits in the pons have since 副詞(それ以来)介 been studied extensively4,5,6,7,8. 研究の潮流の紹介 The medulla also contains neurons that are active during REM sleep9,10,11,12,13, 既知の事柄の紹介 but whether they play a causal role in REM sleep generation remains unclear. 問題提起 Here we show that a GABAergic (γ-aminobutyric-acid-releasing) pathway originating from the ventral medulla powerfully promotes REM sleep in mice. 提起した問題に対する簡潔な答え(実験結果の要約) Optogenetic activation of ventral medulla GABAergic neurons rapidly and reliably initiated REM sleep episodes and prolonged their durations, whereas inactivating these neurons had the opposite effects. もう少し詳細な実験結果 Optrode recordings from channelrhodopsin-2-tagged ventral medulla GABAergic neurons showed that they were most active during REM sleep (REMmax), and during wakefulness they were preferentially active during eating and grooming. 同様の結論を導く別の実験結果 Furthermore, dual retrograde tracing showed that the rostral projections to the pons and midbrain and caudal projections to the spinal cord originate from separate ventral medulla neuron populations. 別の実験結果(先行研究とつながる重要な発見) Activating the rostral GABAergic projections was sufficient for both the induction and maintenance of REM sleep, 実験結果の簡潔な要約・結論 which are probably mediated in part by inhibition of REM-suppressing GABAergic neurons in the ventrolateral periaqueductal grey. 推測を交えた補足 These results identify a key component of the pontomedullary network controlling REM sleep. 意義、結論(抽象化した表現)The capability to induce REM sleep on command may offer a powerful tool for investigating its functions. 将来展望・研究領域への期待される波及効果

睡眠の謎、睡眠の役割、メカニズム

人間はなぜ眠るのか?は未だに明らかになっていない謎だそうです。ただし眠らないとだめという研究はあるそう。

 

下の動画は睡眠の第一人者が、自身の研究キャリアを交えて睡眠研究の現状を解説していて非常に面白いものです。

【最先端!快眠の科学】Google賞金4.5億!天才睡眠学者が登場【常識覆す研究】 ReHacQ−リハック−【公式】 チャンネル登録者数 93.9万人

 

1983年RechtscaffenらがScience誌に報告した研究では、「断眠装置」をつくってラットにてきようしたところ、3週間すると、食べているのに体重が減り、体温も低下して死んでしまったそう。少なくとも睡眠は生存に必須と言えそうです。

  1. Physiological Correlates of Prolonged Sleep Deprivation in Rats ALLAN RECHTSCHAFFEN, MARCIA A. GILLILAND, BERNARD M. BERGMANN, AND JACQUELINE B. WINTERAuthors Info & Affiliations SCIENCE 8 Jul 1983 Vol 221, Issue 4606 pp. 182-184 DOI: 10.1126/science.6857280

眠るといっても身体的な睡眠である必要はなく、脳が眠りさえすればいいみたいです。面白いのはオットセイの睡眠で、左側の脳と右側の脳とは交代交替に眠ることができるのだそう。

REM睡眠とノンREM睡眠

ヒトのREM睡眠は1953年に初めて報告されました(Science誌)。その後、ネコでもREM睡眠が存在することが1958年に報告されています。

  1. Sleep architecture: REM sleep and Non-REM sleep and sleep stages https://www.researchgate.net/figure/Sleep-architecture-REM-sleep-and-Non-REM-sleep-and-sleep-stages-Based-on-29_fig2_221054769
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Rapid_eye_movement_sleep
  3. Regularly Occurring Periods of Eye Motility, and Concomitant Phenomena, During Sleep EUGENE ASERINSKY AND NATHANIEL KLEITMANAuthors Info & Affiliations SCIENCE 4 Sep 1953 Vol 118, Issue 3062 pp. 273-274 DOI: 10.1126/science.118.3062.273

人間が睡眠中に夢をみるのは、REM睡眠中だと言われています。夢を見ているのに実際には体を動かすことはないのが不思議ですが、体あ動かないことをatoniaというそうです。

 

睡眠(ノンREM睡眠)の役割

睡眠の役割としてこれまでいわれているのは、成長ホルモンは睡眠中に分泌が上昇するということ、ストレスホルモンの分泌は低下するということが知られています。

  1. Growth hormone secretion during sleep Y. Takahashi, … , D. M. Kipnis, W. H. Daughaday Published September 1, 1968 Citation Information: J Clin Invest. 1968;47(9):2079-2090. https://doi.org/10.1172/JCI105893.
  2. Electroencephalogr Clin Neurophysiol . 1997 Sep;103(3):405-8. doi: 10.1016/s0013-4694(97)00013-1. Temporal relationships between pulsatile cortisol secretion and electroencephalographic activity during sleep in man C Gronfier 1, R Luthringer, M Follenius, N Schaltenbrand, J P Macher, A Muzet, G Brandenberger PMID: 9305289.

また、記憶(シナプスの可塑性)が関係しそうだということ脳の老廃物の除去に関連するのではないかという報告もあります。

  1. Sleep drives metabolite clearance from the adult brain Lulu Xie 1, Hongyi Kang, Qiwu Xu, Michael J Chen, Yonghong Liao, Meenakshisundaram Thiyagarajan, John O’Donnell, Daniel J Christensen, Charles Nicholson, Jeffrey J Iliff, Takahiro Takano, Rashid Deane, Maiken Nedergaard Science . 2013 Oct 18;342(6156):373-7. doi: 10.1126/science.1241224.
  2. Sleep promotes branch-specific formation of dendritic spines after learning Guang Yang, Cora Sau Wan Lai, Joseph Cichon, Lei Ma, Wei Li, Wen-Biao Gan Science . 2014 Jun 6;344(6188):1173-8. doi: 10.1126/science.1249098.

REM睡眠の役割に関してはほとんどわかっていないようです。

REM睡眠を司る脳の部位はどこか

ネコの脳を脳幹を残してその上部(大脳皮質など)を切って除いた「除脳ネコ」(Pontine cat)を使った実験により、脳幹さえのこっていればREM睡眠が生じるということがJouvetらによって1962年にしめされました。

  1. Arch Ital Biol . 1962:100:125-206. [Research on the neural structures and responsible mechanisms in different phases of physiological sleep] [Article in French] M JOUVET PMID: 14452612

じゃあ脳幹の中のどの部分がREM睡眠に関係しているのかというと、脳幹の橋(きょう)と呼ばれる部位にある青斑下核α(Peri-LC α)というニューロンがREM睡眠中になると活動するということがわかりました。

  1. Arch Ital Biol . 1989 Jun;127(3):133-64. Mapping of cholinoceptive brainstem structures responsible for the generation of paradoxical sleep in the cat G Vanni-Mercier 1, K Sakai, J S Lin, M Jouvet  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2774793/ a high amount of paradoxical sleep (PS) was induced by carbachol applications with short latencies, less than 5 minutes, is the mediodorsal pontine tegumentum, namely the nuclei locus coeruleus (LC) alpha and peri-LC alpha, where ChAT-and TH- immunoreactive neurons are intermingled.
  2. Mapping neuronal inputs to REM sleep induction sites with carbachol-fluorescent microspheres J J Quattrochi 1, A N Mamelak, R D Madison, J D Macklis, J A Hobson Science 1989 Sep 1;245(4921):984-6. doi: 10.1126/science.2475910. The cholinergic agonist carbachol was conjugated to latex microspheres that were fluorescently labeled with rhodamine and used as neuroanatomical probes that show little diffusion from their injection site and retrogradely label neurons projecting to the injection site. Microinjection of this pharmacologically active probe into the gigantocellular field of the cat pontine brain stem caused the awake cats to fall into rapid eye movement (REM) sleep indistinguishable from that produced by free carbachol.

ネコと齧歯類とはすこし事情が異なるようで齧歯類においてはsublaterodorsal nucleus (SLD)と呼ばれる領域がREM睡眠に関与しているようです。ラットを用いた実験で、神経毒によってこの部位を破壊してやるとREM睡眠が減少したという報告があります。

  1. A putative flip-flop switch for control of REM sleep Jun Lu 1, David Sherman, Marshall Devor, Clifford B Saper Nature . 2006 Jun 1;441(7093):589-94. doi: 10.1038/nature04767. Epub 2006 May 10.  PMID: 16688184 DOI: 10.1038/nature04767 Figure 3: The interrelationship of the two halves of the REM switch.

REM睡眠に関与する脳部位はほかにもいくつも発見されており、どれが重要なのかが混沌とした印象です。

  1. Chung, S., Weber, F., Zhong, P. et al. Identification of preoptic sleep neurons using retrograde labelling and gene profiling. Nature 545, 477–481 (2017). https://doi.org/10.1038/nature22350 Electrophysiological recordings and c-Fos immunohistochemistry have shown the existence of sleep-active neurons in the preoptic area, especially in the ventrolateral preoptic area and median preoptic nucleus.
  2. Weber, F., Chung, S., Beier, K. et al. Control of REM sleep by ventral medulla GABAergic neurons. Nature 526, 435–438 (2015). https://doi.org/10.1038/nature14979  Transection studies by Jouvet first demonstrated that the brainstem is both necessary and sufficient for REM sleep generation, and the neural circuits in the pons have since been studied extensively. The medulla also contains neurons that are active during REM sleep, but whether they play a causal role in REM sleep generation remains unclear. Here we show that a GABAergic (γ-aminobutyric-acid-releasing) pathway originating from the ventral medulla powerfully promotes REM sleep in mice.

黄体とは

黄体とは

黄体とは、哺乳類の卵巣内で、排卵後に卵胞が変化してできる物質のことであり、その内分泌組織のこと

https://www.homemate-research-zoo.com/useful/glossary/00158/3636701/

  1. https://webpath.med.utah.edu/FEMHTML/FEM045.html
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Corpus_luteum
  3. https://www.britannica.com/science/corpus-luteum
  4. 良い黄体とはどの様な黄体のことを言うのでしょうか? 黄体は妊娠するために必要なプロジェステロン(黄体ホルモン)を分泌します。妊娠を維持できる値のプロジェステロンを分泌できる黄体が良い黄体と言えます。
  5. https://sciencephotogallery.com/featured/human-ovary-with-corpus-luteum-jose-calvoscience-photo-library.html

Granulosa Lutein CellsとTheca Lutein Cells

Histology of the Corpus Luteum 4K UB Medical Histology チャンネル登録者数 3420人

卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)

女性ホルモンには、卵巣から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2つがあります。

https://www.otsuka.co.jp/pms-lab/sp/basic/estrogen_progesterone.html

生理が終わってから排卵までは卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が多い時期で、「卵胞期」と呼ばれます。また、排卵後から生理までは黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が多くなり、「黄体期」と呼ばれます。

https://www.seirino-mikata.jp/knowledge/how/

  1. Endocrine disorders and fertility and pregnancy: An update https://www.frontiersin.org/journals/endocrinology/articles/10.3389/fendo.2022.970439/full

月経

妊娠が成立しなかった場合、厚くなった子宮内膜は剥がれ落ち、血液とともに体外に流れ出ます。この現象が「月経」です。

https://caran-coron.jp/column/126/

 

Ovary

Histological Structure of the Ovary 4K UB Medical Histology チャンネル登録者数 3420人

ovary Ústav histologie a embryologie LFP UK チャンネル登録者数 2980人

Ovarian Cysts

  1. https://elara.care/female-reproductive-health/ovarian-cysts/

Cell Signaling

  1. The Role of the Guanosine Nucleotide-Binding Protein in the Corpus Luteum https://www.mdpi.com/2076-2615/11/6/1524#fig_body_display_animals-11-01524-f001

生理の仕組み 卵母細胞が排卵される仕組み

The menstrual cycle 浸透 チャンネル登録者数 310万人 (10:57)

ogenesis part 2 – Folliculogenesis and Oogenesis after puberty MedicoVisual – Visual Medical Lectures チャンネル登録者数 4.27万人

Ovarian Cycle | Menstrual Cycle | Part 1 | Folliculogenesis | Reproductive Physiology Byte Size Med チャンネル登録者数 9.74万人 (13:30)

Female Reproductive Cycle | Ovulation Ninja Nerd チャンネル登録者数 291万人

Female Reproductive Cycle | Ovulation & Menstrual Cycle: Overview Ninja Nerd チャンネル登録者数 291万人

  1. Menstrual Cycle Miss Angler チャンネル登録者数 13.7万人 (28:40)

眼の発生

 

眼の発生の講義動画

  1. 3D Development of the Eye: A Comprehensive Overview – Eye Embryology – Ophthalmology MedicoVisual – Visual Medical Lectures チャンネル登録者数 4.26万人

眼の発生は、予定眼領域 eye fieldが生じるところから始まります。簡単に概略をいうと、

  1. 予定眼領域 eye fieldが形成される
  2. 予定眼領域が左右に分かれる(突然変異体などで、分かれなかった場合は、一つ眼になってしまう!)
  3. 眼胞(がんぽう)が、形成される。このころはまだ前脳の部分の神経管は閉じていません。ですから、最初は、神経溝の一部から隆起して眼胞が形成されることになります。

The cellular and molecular mechanisms of vertebrate lens development November 2014 Development 141(23):4432-4447 DOI: 10.1242/dev.107953 CC BY 3.0 https://www.researchgate.net/publication/268985222_The_cellular_and_molecular_mechanisms_of_vertebrate_lens_development#fullTextFileContent

眼の発生の分子メカニズム

眼のマスター遺伝子による予定眼領域 eye filedの確立

脳の前方ではWnt/β-カテニン シグナル経路は抑制されており(Dkkなどにより)、そのかわりノンカノニカルなWntシグナルがeye filedを確立するのに重要な働きをするようです。下の図のようにWNTがeye filedになるすぐ後ろ側から分泌されて、ノンカノニカル経路が働くことで眼のマスター遺伝子であるRAXやPax6の遺伝子発現が誘導されます。

Figure 1 Specification of the eye field in the anterior neural plate. Wnt antagonists are expressed in the neural plate and permit development of the forebrain including the eye field by suppressing Wnt/β-catenin signaling. Very close to the caudal border of the eye field, Wnt11 and Wn4 are expressed and act through Fzd5 and Fz3 (incl. MAK) to activate non-canonical Wnt pathways in the eye field. This mechanism permits morphogenetic movements of retinal precursors into the eye field and promotes expression of eye-field-specific transcription factors, e.g., Pax6 and Rx. For further explanation, see text.

Wnt signaling in eye organogenesis Sabine Fuhrmann Organogenesis Pages 60-67 | Published online: 11 Jun 2008 Cite this article https://doi.org/10.4161/org.4.2.5850  https://www.tandfonline.com/doi/full/10.4161/org.4.2.5850#d1e615

RAX

眼ののマスター遺伝子といえばPAX6が有名です。PAX6をショウジョウバエで強制発現させると発現させた場所に眼が生じることが示されています。しかしマウスにおいてはPAX6遺伝子の働きが無くても眼が形成されるそうです。RAXという転写因子がその後見つかっており、こちらのほうがPAXよりも早くから発現することが知られています。

Figure 4 Whole-mount in situ hybridization of E7.5 (A), E8.5 (B), E9.5 (C and D), E10.5 (E and F), and E11.5 mouse embryos (G and H).  rax, a novel paired-type homeobox gene, shows expression in the anterior neural fold and developing retina Takahisa Furukawa *, Christine A Kozak †, Constance L Cepko *,‡ Proc Natl Acad Sci U S A. 1997 Apr 1;94(7):3088–3093. doi: 10.1073/pnas.94.7.3088 ”pax6 expression starts later than that of rax, suggesting that rax might be directly or indirectly upstream of pax6 in the series of events that lead to optic vesicle formation.”  https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC20326/

RAX遺伝子破壊マウスでは眼の形成ができません。

Details are in the caption following the image

An essential role for Rax in retina and neuroendocrine system development Yuki Muranishi, Koji Terada, Takahisa Furukawa First published: 24 April 2012 https://doi.org/10.1111/j.1440-169X.2012.01337.x DGD https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1440-169X.2012.01337.x

PAX6

眼の発生のマスター遺伝子の一つであるPAX6を欠損させたマウスでは眼が全くできなくなります。

figure 1 Anophthalmia mouse mutant. a Head of a neonatal (P1) homozygous Pax6Aey11 mutant compared to a wild-type mouse (wt) at the same age. The absence of eyes in the mutant is obvious. The eyelids of neonatal mice are still closed (photography: Jana Löster†, unpublished). Mouse models for microphthalmia, anophthalmia and cataracts 27 March 2019 Volume 138, pages 1007–1018, (2019)https://link.springer.com/article/10.1007/s00439-019-01995-w

カエルの眼の発生に関わるマスター遺伝子の発現パターン

Fig. 2. Comparison of EFTF expression patterns by double whole-mount in situ hybridisation. Otx2 expression at stage 12 (A) and 13 (B). In C-I and K-T, the dark blue stain is the expression pattern of the gene named on the left, while the magenta stain is the expression pattern of the gene named on the right, at the stages shown. For example, in C, Otx2 is dark blue and Rx1 is magenta. (J) Both Emx1 and Rx1 stain dark blue. (J-L) The Rx1 (J), Pax6 (K) and Six3 (L)expression borders are indicated by a broken line. A schematic summary of the overlapping expression patterns of the eye field transcription factors at stage 12.5/13 (U) and 15 (V) is shown. Scale bars: in A, 300 μm for A-L; in M, 300 μm for M-T.

Specification of the vertebrate eye by a network of eye field transcription factors Michael E. Zuber, Gaia Gestri, Andrea S. Viczian, Giuseppina Barsacchi, William A. Harris Author and article information Development (2003) 130 (21): 5155–5167. https://journals.biologists.com/dev/article/130/21/5155/52150/Specification-of-the-vertebrate-eye-by-a-network

予定眼領域 eye filedの左右への分離

正中線シグナルであるshhが正中線で分泌される結果PAX2の発現が誘導されます。PAX2はPAX6を抑制することにより、真ん中部分は予定眼領域ではなくなり、予定眼領域が左右に分かれます。

眼胞によるレンズプラコードの誘導の誘導

眼胞からBMPやFGFなどのシグナル分子が分泌されて外胚葉に働きかけ、レンズを誘導します。

Figure 2. Figure 2. Expression of Bmp4 and BMP type-I receptor genes during early eye development. (A–F) In situ hybridization using an antisense riboprobe for Bmp4 on transverse sections of 10- (A) and 14- (B) somite-stage embryos, and on frontal sections of 18- (C), 22- (D), 27- (E), and ∼40-somite-stage (10.5 dpc) (F) embryos.

BMP4 is essential for lens induction in the mouse embryo Yasuhide Furuta and Brigid L.M. Hogan1 Genes & Dev. 1998. 12: 3764-3775 https://genesdev.cshlp.org/content/12/23/3764.full

Figure 3.  Figure 3. The timing and intensity of FGF signalling controls the two-dimensional patterning of the lens. The PPR is first selected from the head ectoderm by active FGF signalling devoid of suppressive BMP and Wnt (a), before progressing further towards the LP fate in lieu of(~の代わりに◆instead of に近い意味) continuous FGF signalling (b). FGF next induces Frs2–Shp2-mediated Ras signalling modulated by NF1 to promote Pax6 expression and lens vesicle invagination (c), but FGF signalling must be suppressed by Spry to allow lens vesicle closure (d). During the subsequent lens maturation, FGF cooperates with PDGF to stimulate Notch signalling, which promotes lens epithelium proliferation (e). In lens fibre cells, FGF signalling also activates Ras to promote differentiation and recruit Ras and Rac GTPases via Crk/CrkL to promote cell elongation (f).

レンズの前後軸の決定に関わる分泌シグナル:WNTとFGF

 Fig. 2. Diagram indicating how the ocular media and a gradient of FGF stimulation may determine antero-posterior patterns of lens cell behavior. Growth factor regulation of lens development F.J. Lovicu , J.W. McAvoy Developmental Biology Volume 280, Issue 1, 1 April 2005, Pages 1-14 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S001216060500045X?via%3Dihub

眼胞から眼杯へ

眼胞から眼杯に形態が変わるときに重要な遺伝子として転写因子Lhx2が同定されています。下の論文によれば、Lhx2ノックアウトマウスでは眼胞までは形成されますが眼杯はできないそうです。また外胚葉がレンズに誘導される現象も起きないのだそうです。下の図が示すようにLhx2がBMPを亢進して、BMPがレンズ誘導や眼杯形成を促進するという仮説が提唱されています。

Fig. 8. Model of Lhx2 function during mouse early eye organogenesis. Lhx2, under the control of the EFTF network, links lens specification and optic vesicle patterning through the regulation of BMP signaling (black arrows). Lhx2 also promotes optic vesicle patterning by cell-autonomous mechanisms (red arrows). Why Bmp4 fails to upregulate Tbx5 expression is not resolved (dashed line). The timing of action and influence of Lhx2 on several pathways suggest that it acts to coordinate the multiple patterning events necessary for optic cup formation.

Lhx2 links the intrinsic and extrinsic factors that control optic cup formation Sanghee Yun, Yukio Saijoh, Karla E. Hirokawa, Daniel Kopinke, L. Charles Murtaugh, Edwin S. Monuki, Edward M. Levine Author and article information Development (2009) 136 (23): 3895–3906. https://journals.biologists.com/dev/article/136/23/3895/43745/Lhx2-links-the-intrinsic-and-extrinsic-factors

眼の発生の分子メカニズムのまとめ

下のレビュー論文の図が、眼の発生に関与するシグナル分子や転写因子を網羅的にまとまっていてわかりやすいと思います。

 FIGURE 4 | Early ocular morphogenesis. The Use of Induced Pluripotent Stem Cells as a Model for Developmental Eye Disorders July 2020 Frontiers in Cellular Neuroscience 14:265 DOI: 10.3389/fncel.2020.00265 License CC BY  (A) Developmental pathways such as Wnt, BMP, and fibroblast growth factor (FGF) drive upregulation of eye-field transcription factors in the anterior neural plate, creating the specified region known as the “eye-field.”

 

症例報告

  1. Cyclopia, a newborn with a single eye, a rare but lethal congenital anomaly: A case report Int J Surg Case Rep. 2021 Nov; 88: 106548. Published online 2021 Nov 4. doi: 10.1016/j.ijscr.2021.106548 PMCID: PMC8581486 PMID: 34741865