ホルモン(hormones)とは?ホルモンの役割

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内分泌とは

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ホルモンとは

我々の体は、たくさんの細胞でできています。多細胞生物の個体内では、細胞と細胞とが情報のやりとりをする必要があります。それによって、環境の変化(危険など)に対応したり、食事の状態(飢餓、満腹など)を伝えたり、成長(性分化)に関与したりします。

ホルモンの実体は、タンパク質、ステロイド、アミノ酸誘導体などの化合物です。ホルモンは標的となる細胞に到達して、その細胞内でセカンドメッセンジャーを産生させることが多いので、セカンドメッセンジャーに対して、ホルモン自体は「ファーストメッセンジャー」という位置づけになります。例えばIP3はセカンドメッセンジャーの代表例です。IP3はつぎにカルシウムイオンを動員します。

余談ですが、カルシウムイオンをサードメッセンジャーというかというと、あまりそういう言い方はせずに、カルシウムイオンもセカンドメッセンジャーということが多いようです。つまり、ホルモン(ファーストメッセンジャー)に対して、細胞内で働くシグナルを総称してセカンドメッセンジャーと呼ぶわけです。

水溶性のホルモンが標的細胞の表面膜上にある受容体に結合してシグナルを伝えるのに対して、脂溶性であるステロイドホルモンはそのまま細胞内にはいって細胞内にある受容体と結合して作用を発揮します。ごく最近、ステロイドホルモンに対する細胞膜上の受容体も存在する場合があることが研究によりわかってきたそうです。

Hormones and Signal Transduction: Introduction – Biochemistry | Lecturio Lecturio Medical チャンネル登録者数 75万人

ホルモンと受容体、細胞内情報伝達

Receptors and Messengers – Biochemistry | Lecturio Lecturio Medical チャンネル登録者数 75万人

さまざまなホルモン

中枢ホルモン

視床下部ホルモン

  • 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン CRH
  • 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン TRH
  • 性腺刺激ホルモン放出ホルモン GnRH
  • 成長ホルモン放出ホルモン GHRH
  • プロラクチン放出ホルモン PRH
  • ソマトスタチン SOM
  • ドーパミン

下垂体ホルモン

下垂体前葉ホルモン
  • 副腎皮質刺激ホルモン ACTH
  • 甲状腺刺激ホルモン TSH
  • 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)
    • 卵胞刺激ホルモン FSH
    • 黄体形成ホルモン LH
  • 成長ホルモン GH
  • プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)PRL
下垂体後葉ホルモン
  • 抗利尿ホルモン antidiuretic hormone (バソプレシン vasopressin) ADH/VP
  • オキシトシン

下垂体の解剖学
Anatomy of the pituitary gland Sam Webster チャンネル登録者数 70.6万人

 

下垂体 pituitary は前葉 anterior lobeと後葉 posterior lobeとにわかれています。前葉 anterior lobeは、adenohypophysisとも呼ばれます。adeno-は「腺」という意味です。たとえば、adenocarcinomaは「腺の上皮がん」ということ。後葉 posterior lobeは、neurohypophysisとも呼ばれます。解剖学的には、前葉と後葉には大きな違いがあります。後葉には、視床下部から直接神経細胞の入力が到達しており、後葉の中にある血管に直接、視床下部ホルモンが放出されます。それに対して、前葉にまでは視床下部からの神経は到達しておらず、その手前に位置するinfundiblum 漏斗 にまでしか達していません。infundiblumは、視床下部のからから下垂体が文字通り垂れ下がっているその「茎」の部分です。前葉に対してはたらく視床下部ホルモンは、infundiblumにある動脈の血管中に放出され、ホルモンは血流にのって下垂体前葉に到達します。このように毛細血管の「網」が一度あつまって、さらにもう一度毛細血管の「網に」に広がる場合、その集約された部分は「門脈」portal veinと呼ばれます。門脈としておなじみなのは、消化管の血管が肝臓にはいるところに存在する「門脈」でした。下垂体前葉にある門脈はそれよりもずっと規模が小さいものですが、構造的には「門脈」になっているというわけです。

Hypothalamus & Pituitary Gland – Endocrine System Anatomy | Lecturio Nursing Anatomy Lecturio Nursing チャンネル登録者数 9.51万人


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下の動画では、ホルモンとホルモンとの関係、分泌以上と病気との関連性などがわかりやすく解説されています。わかりやすいといってもそもそもこのトピックは非常に複雑なので、何度も視聴ししないとなかなか理解できなさそうです。

Pituitary Hormones – Endocrine Pathology | Lecturio Lecturio Medical チャンネル登録者数 75万人

末梢ホルモン

  • 甲状腺ホルモン (T3, T4)
  • カルシトニン
  • 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)
  • 糖質コルチコイド:コルチゾル
  • 鉱質コルチコイド:アルドステロン
  • アドレナリン
  • ノルアドレナリン
  • アンドロゲン:テストステロン
  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)
  • インスリン
  • グルカゴン
  • インクレチン:GIP, GLP-1
  • 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)
  • ブラジキニン(炎症部位に浸潤した白血球などから分泌)
  • セロトニン (腸、脳、血小板など)

Hypothalamic–Pituitary–Adrenal Cortex Axis

甲状腺ホルモン thyroid hormones

甲状腺ホルモンにはT3とT4があります。どちらもチロシンが2つつながった構造をしており、T3はヨウ素(Iodine)原子が3つ、T4は4つ結合しています。T3のほうがT4が活性が高いという特徴があります。

  1. Thyroid Hormones by Thad Wilson, PhD Lecturio
  2. サイログロブリンとは(kuma-h.or.jp) 甲状腺ホルモン(T4=サイロキシン)の前駆物質。甲状腺の病気で血液のサイログロブリン値(Tg)が高い値を示す(正常値46ng/ml以下)。

Thyroid Hormone and Calcitonin: How are they connected? | Lecturio Nursing Physiology Lecturio Nursing チャンネル登録者数 9.51万人

甲状腺ホルモン(T3,T4)の役割

  1. Thyroid Hormones: Symptomatology Associated by Thad Wilson, PhD Lecturio

インスリンの作用と細胞内情報伝達、グリコーゲン合成促進

インスリン受容体の細胞内信号伝達機構によってグリコーゲン合成酵素が活性化されてグリコーゲン産生が促進されるまでのしくみは結構複雑です。理解するためのポイントは、GSK3はグリコーゲン合成酵素に結合してグリコーゲン合成酵素の活性を抑制していることです。

GSK3が抑制される結果グリコーゲン合成酵素が脱抑制されて活性化されます。活性化されて活性化されてという経路ではなく、もともと抑制されている状態を脱抑制することで活性化するというステップが大事なところです。

  1. https://www.pieronline.jp/content/article/0039-2359/249050/371 GSK-3β(グリコーゲン合成酵素キナーゼ-3β)はグリコーゲン合成酵素を抑制する酵素として発見されたが,いまでは細胞・組織の分化,増殖,炎症など,基本的な生体反応の多くにかかわることが知られている.
  2. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscpt/41/2/41_2_19S/_pdf/-char/ja
  3. https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/125/3/125_3_129/_pdf

下の動画は、GSK3が抑制されるメカニズムを詳しく解説しています。PKBがGSK3をリン酸化し、リン酸化された部分がGSK3自身のためのpseudosubstrateとなるために、グリコーゲン合成酵素との結合ができなくなって離れます。

Priming of GSK3 phosphorylation of glycogen synthase Bio peak チャンネル登録者数 2200人 チャンネル登録

Glycogen synthase kinase‐3 (GSK3), a highly evolutionarily conserved intracellular serine/threonine kinase, was originally found to inhibit glycogen synthase (GS) via phosphorylation and to modulate glucose metabolism. GSK3 has important regulatory functions in glucose metabolism, insulin activity, and energy homeostasis. In response to insulin, GSK3 is phosphorylated and inactivated, which allows GS activation and glucose deposition as glycogen. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9298385/

The path from insulin to GSK3 and glycogen synthase Bio peak チャンネル登録者数 2200人

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