尿量と血圧との関係

利尿ペプチド(尿量を増やすホルモン)で血圧が下がる理由は何でしょうか。

高血圧とは

高血圧とは、上の血圧「収縮期血圧」が140mmHg以上、下の血圧「拡張期血圧」が90mmHg以上と定義されており、収縮期血圧と拡張期血圧の基準値のどちらか一方、または両方を超えると、高血圧と診断 https://www.mrso.jp/colorda/lab/2102/

高血圧の原因2種類

血圧があがる理由は、循環する血液の量が多くなるか、もしくは血管が収縮した場合です。逆に、血圧が下がる要因は、循環する血液の量が減るか、血管が拡張する場合です。

血管パンパン型:血圧中の水分が増えることで血管の壁にかかる圧が上がる 日本人の7割がこのタイプ 塩分のとり過ぎが原因 血液中の余分な水とナトリウムを尿として体外に出すことが必要 利尿薬がよく効く。

血管ギュウギュウ型:65歳以上の人に多い 血管が縮んでしまう

(桑島巌氏 東京都健康長寿医療センター https://www.mrso.jp/colorda/lab/2102/)

  1. ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド, HANP(human atrial natriuretic peptide)(okayama-u.ac.jp)心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は,アミノ酸28個からなるホルモンで,主に心房で合成,貯蔵され血中に分泌される。またANPは,腎臓に働き利尿を促進すると同時に,末梢血管を拡張血圧降下作用物質としても働く。 

塩分と血圧との関係

塩分の摂取量が多すぎると(Naの摂り過ぎ)、身体は体液の塩分濃度を一定に保とうとして水分をより多く取り込み体液量が増えてしまいます。血管を流れる血液量が増えれば、血管はその分圧迫され、末梢血管の抵抗も増加し、血圧が上昇します。 https://pharma-navi.bayer.jp/adalat/pharmacist/basic/03/t26

尿量の調節と血圧との関係

利尿薬は主に、遠位尿細管で血圧を上昇させる機能に関与しているナトリウムイオンを再吸収させないように作用します。ナトリウムイオンは、再吸収されるときに水分も一緒に引き込もうとします。そのナトリウムイオンの再吸収を抑制するので、集合管への水分量やナトリウムイオン量が増加して、水分が血管に引き込まれなくなります。結果として循環血液量は減少するので、血圧が下がることになります。https://kango-oshigoto.jp/hatenurse/article/5207/

水分摂取と血圧との関係

健康な人の尿は1日約1200ml排泄されるが、腎臓の働きによって食事からとった余分なナトリウムも体外へ排泄する。この他にも、息を吐く、皮膚表面、汗、尿、便など様々な経路で排泄され、その量は1日に2300ml以上とされている。水分を意識的に摂取することが、ナトリウムの排泄による血圧のコントロールに役立つ。(高血圧の方は水分が重要。その理由とは familyset.jp)

血管の収縮・拡張と血圧との関係

血管が収縮すると血圧は上がります。逆に、拡張すると血圧は下がります。

  1. 血管収縮物質 vasopressor substance 循環器学用語集

降圧薬の種類

カルシウム拮抗剤アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬利尿薬 (『高血圧治療ガイドライン』日本高血圧学会 https://www.mrso.jp/colorda/lab/2102/)

  1. 治療編 (テキスト解説)  利尿薬 Ca拮抗薬 利尿薬  ARB・ACE阻害薬 β遮断薬・α遮断薬 https://pharma-navi.bayer.jp/adalat/pharmacist/basic/03/t26 (解説がわかりやすい)

血圧を調節するホルモン

バソプレシン

バソプレシン(vasopressin)は、抗利尿ホルモンとも呼ばれます。その日本語名が示すとおり利尿作用を抑えて、すなわち、水の(血管内への)再吸収を促進することにより、尿量を減少(すなわち、循環血液量を増加、すなわち血圧を上昇)させます。また、英語名vasopressinが示す通り、血管(vaso)を収縮(press)させることによっても、血圧を上昇させます。バソプレシンを産生する神経分泌細胞は背側視床下部に存在し、軸索を下垂体後葉にまで伸ばしているので、バソプレシンは下垂体後葉から分泌されます。バソプレシンの標的は、腎臓および、血管平滑筋です。

ちなみに、血圧を上げる薬は昇圧剤(vasopressor)と呼ばれます。もちろん、血管(vaso)を収縮(press)させることにより血圧を上げるからです。

  1. 抗利尿ホルモンとは・・・ 看護roo!
  2. ヒトES細胞からバソプレシンを分泌する視床下部―ホルモン産生ニューロンへの分化に世界に先駆けて成功!― AMED バソプレシンというホルモンは、主に背側視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されて血液中に拡がるホルモンで、尿量を精密に制御し、身体の浸透圧を一定の範囲内に保つ働きをしています。
  3. Vasopressin-induced vasoconstriction: two concentration-dependent signaling pathways J Appl Physiol. 2007 Apr; 102(4): 1402–1409. AVP exerts an antidiuretic effect at the kidneys by binding to V2 receptors. Additionally, AVP binds to V1a receptors on vascular smooth muscle cells to induce vasoconstriction.

参考

  1. 心不全 Question 18 水だけ出す利尿薬とは何ですか。なぜそういう薬剤が必要なのですか 日本心臓財団