位置の固有方程式の場合、固有値がx0ということ?飛び飛びになるんじゃなかったっけ?固有値だから。


非常に良い質問です!「固有値が飛び飛び(量子化)になる」というのは、状況によって異なります。位置演算子の固有値 \( x_0 \) に関しては、飛び飛びではなく**連続的**です。これは位置演算子と他の演算子(例えばエネルギー演算子や運動量演算子)の性質の違いに由来します。

### **1. 位置演算子の固有値:連続的**
– 位置演算子 \( \hat{x} \) の固有値方程式は次のようになります:
\[
\hat{x} \psi(x) = x_0 \psi(x)
\]
– この方程式を満たす波動関数 \( \psi(x) \) は、ディラックのデルタ関数 \( \delta(x – x_0) \) です。
\( x_0 \) は特定の位置を示す値であり、これは空間の任意の点で連続的に取れる可能性があります。

したがって、位置演算子の固有値 \( x_0 \) は**連続的**で、飛び飛びではありません。

### **2. エネルギー固有値:飛び飛び(離散的)**
– 一方で、エネルギー演算子(ハミルトニアン)の場合、固有値が飛び飛びになることがあります。これは、系がどのようなポテンシャル \( V(x) \) の下にあるかによります。

#### 例:
1. **束縛状態の場合**(例えば、量子井戸や調和振動子のような系):
– エネルギー固有値は量子化され、飛び飛びになります(離散値)。
– 例:調和振動子のエネルギー固有値:
\[
E_n = \left(n + \frac{1}{2}\right)\hbar\omega \quad (n = 0, 1, 2, \ldots)
\]

2. **自由粒子の場合**(ポテンシャルがゼロ、または一定):
– エネルギー固有値は連続的になります。
– 自由粒子のハミルトニアンは次のように書けます:
\[
\hat{H} = \frac{\hat{p}^2}{2m}
\]
ここで運動量 \( \hat{p} \) の固有値が連続的であるため、エネルギー固有値も連続的です。

### **3. 固有値が飛び飛びになる条件**
固有値が飛び飛びになるかどうかは、演算子と系の条件によります:

– **束縛状態がある場合**(例えば、井戸型ポテンシャルや調和振動子):
– 固有値は量子化されます。

– **自由な場合**や**無限に広がる場合**(例えば、位置演算子や運動量演算子):
– 固有値は連続的になります。

### **4. 位置演算子の固有値の特性**
位置演算子の固有値 \( x_0 \) が連続的であるのは、位置という物理量が空間内のどんな値でも取り得るためです。
しかし、エネルギーや角運動量など、一部の物理量では**量子化**(飛び飛びの値)が現れます。これは、空間の対称性や境界条件による制約のためです。

### **結論**
– **位置演算子の固有値 \( x_0 \)** は連続的です。したがって、波動関数が表現する位置はどんな値でも取り得ます。
– **エネルギーの固有値**は状況次第で、飛び飛び(離散的)になる場合と、連続的になる場合があります。

この違いは、物理量や系の性質によるものです。