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ARO:Academic Research Organization(アカデミック臨床研究機関)とは

ARO:Academic Research Organization(アカデミック臨床研究機関)

AROの定義や使われ方は、状況に応じて狭かったり広かったりするようです。

ARO(AcademicResearchOrganization)大学や研究機関での研究を臨床研究主に臨床試験や医師主導治験)として適切に実施できるように支援する組織(ARO-CRC 教育ツール 解説書

 

Academic Research Organization (ARO)の定義 (新日本科学用語集)

  • 大学・研究所等のアカデミアにおいて臨床試験を推進、支援する組織
  • 大学(アカデミア)の有する多くの専門性や特徴を活用し、治験を収益事業として行う組 織

臨床研究中核病院における支援機能研究者からみたARO機能の活用

 

ARO:Academic Research Organizationの略。研究機関や医療機関等を有する大学等がその機能を活用して、医薬品開発等を含め、臨床研究非臨床研究を支援する組織をいう。(AMED

 

ARO の説明を求められた時に CRO のアカデミック版であるとの回答は簡便であるが正確ではなく,実際にはシーズ(基礎技術)探索ファンド獲得から臨床試験モニタリング総括報告書作成等,およそ基礎技術から医薬品・医療機器・再生医療等製品を実用化する上で必要なあらゆるプロセスを受け持っている.(Academic Research Organization の役割 日本臨床外科学会雑誌 77 巻

 

ARO協議会

ARO協議会法人学術会員

  1. 北海道臨床開発機構  (HTR) (北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学)HTRは、大学や企業などの研究部門等から生まれるライフサイエンス分野のシーズ研究を対象に、医薬品・医療機器・体外診断薬等の早期実用化を目指した臨床試験等の支援を行う研究組織です。
  2. 東北大学
  3. 群馬大学
  4. 筑波大学
  5. 千葉大学
  6. 東京大学
  7. 国立がん研究センター ARO機能の紹介(2016)
  8. 慶應義塾大学
  9. がん研究会有明病院
  10. 順天堂 順天堂AROの支援内容 国内外の研究者の皆様に対し、臨床研究・治験をトータルサポート
  11. 名古屋大学
  12. 国立病院機構 名古屋医療センター
  13. 京都大学
  14. 大阪大学
  15. 神戸医療産業都市推進機構
  16. 岡山大学
  17. 九州大学
  18. 長崎大学

くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)とは

くも膜下出血

脳を保護する3層の膜(外側から硬膜くも膜軟膜)のうち、くも膜と軟膜の間にある、「くも膜下腔」という隙間に出血が起こった状態 (DoctorsFile

 

くも膜下出血の原因

脳動脈瘤と言われる血管のふくらみがある日突然破裂 (くも膜下出血(破裂脳動脈瘤) 秋田県立循環器・脳脊髄センター) 説明の写真がわかりやすい。

瘢痕とは

医学の世界でわりと常識的で当然のように用いられる言葉、瘢痕。初めて聞いたときは何のことはさっぱりでした。

 

瘢痕とは

瘢痕(はんこん)は、潰瘍、創傷、梗塞による壊死などによって生じた、様々な器官の組織欠損が、肉芽組織の形成を経て、最終的に緻密な膠原線維や結合組織に置き換わることで修復された状態。(ウィキペディア

局注液

 

「十分な高さの粘膜隆起形成」「粘膜隆起の長時間持続」は安全・確実な腫瘍切除を行う上で重要な要素である。(消化管癌の内視鏡治療における次世代局注液開発 WO2019/059237)

 

 

  1. EMR・ESDにおける局注材の選定と粘膜隆起のコツ~粘膜の十分な隆起形成と維持に欠かせないヒアルロン酸ナトリウム~
  2. リフタル カイゲンファーマ

内視鏡的粘膜切除術 (Endoscopic Mucosal Resection; EMR)

従来から行われている方法として、病変に投げ縄のような器具をかけて切除する、内視鏡的粘膜切除術(EMR)が行われてきましたが、比較的大きな病変では切除が困難でした。(内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは 福岡大学病院消化器外科

 

 

  1. EMR,EPMERの手技 大腸腫瘍における他の治療法
  2. 大腸がんの「ポリペクトミー・EMR(内視鏡的粘膜切除術)」治療の進め方は?治療後の経過は?監修者田中信治(たなか・しんじ)先生 がんプラス 内視鏡を肛門から挿入し、腸内から病変を切除する治療です。粘膜内がんと一部の粘膜下層がんの患者さんが対象となります。

 

Endoscopic Mucosal Resection of Early Esophageal Neoplasia: Haruhiro Inoue, M.D. 2011/06/24 Society of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons (SAGES)

内視鏡的粘膜下層剥離術 (Endoscopic submucosal dissection; ESD)

ESDとは

食道や胃、大腸の壁は粘膜層、粘膜下層、筋層という3つの層からできていますが、がんは最も内側の層である粘膜層から発生するため、早期がんの中でもさらに早期の病変に対して、胃カメラや大腸カメラで消化管の内腔から粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を一括切除するという治療法です。(ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) 刈谷豊田総合病院)

ESD:内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術とは

「ESD:内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術」(オリンパス「おなかの健康ドットコム」) 40,519 回視聴 2018/08/30 本動画では、早期がん等の内視鏡治療方法「ESD:内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術」について、アニメーションで分かりやすく説明しています。 高評価 低評価 共有 オフライン クリップ 保存 オリンパス「おなかの健康ドットコム」

 

胃 ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の手術動画

消化器内科『胃 ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)』4分編集動画 31,735 回視聴 2019/08/14 胃体中部小弯 0-Ⅱa 5mm マーキングから切除終了10分 67 低評価 共有 オフライン クリップ 保存 kamedaChannel 亀田メディカルセンター

ESD of Colorectal Neoplasias – Step by Step Explanation, Technical Aspects 2014/01/22 Video Journal and Encyclopedia of GI Endoscopy

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の手技の開発の歴史

原型は1982年に報告されたERHSEという方法と言われていますが,1990年代後半小野らによりITナイフ(insulation-tipped diathermic knife)が開発され,ESDは画期的な治療法へと発展しました.この方法はまず,病巣のマーキング局注を行い,その周囲の粘膜を切開し, さらに,粘膜下層を少しずつナイフで剥離して切除します.(内視鏡的治療について 消化器内科)

ESDの手順(模式図・写真)

  1. 消化器領域の治療指針とパス 掲載記事は発行時(2005年)の内容です。パリエット
  2. 日本大腸肛門病会誌 66:941-949,2013特集 主題I:内視鏡下大腸手術の最近の進捗II.大腸腫瘍に対する内視鏡的治療―ポリペクトミーからEMR,ESDまで―
  3. 大腸ESDのコツとピットフォール Vol.53(10), Oct. 2011
  4. 早期胃がんのESD手順 がん研有明病院

 

 

絶対適応とは?何が絶対なのか?

医学用語に適応、禁忌といった素人には馴染みの無い言葉が、日常的に使われています。絶対適応という言葉を目にしたときに、絶対にやらなければならない治療方法という意味かと思いましたが、どうなんでしょうか。

 

適応とは 絶対適応とは

医療分野においては、治療や検査など医療行為の正当性、妥当性を意味する。いかなる場合でも施行する妥当性があることは「絶対的適応」、状況によっては妥当な場合は「相対的適応」と表現する。(ウィキペディア

ウィキペディアが不正確なことも多々あるので、これを鵜呑みにしていいのかわかりませんが、適応や絶対適応という言葉は医学の世界では当たり前すぎるのか、わざわざ意味を説明したサイトが見つかりませんでした。

 

 

使用例

内視鏡的切除の適応本ガイドラインでは,リンパ節転移の危険性が1%未満と推定される病変を,外科的胃切除と同等の成績が得られると考え,「絶対適応病変」として定義した。(jgca.jp/guideline/

2018年1月に改訂された最新の胃癌治療ガイドライン第5版では、特にESDについて、適応対象が拡大されました(表1)。これによると、十分なエビデンス(臨床試験の結果などで得られた科学的根拠)があり日常診療としてEMRあるいはESDによる治療を推奨できる「絶対適応病変」として、「2cm以下の粘膜内がんで、分化型のがんであり、病変部分に潰瘍を伴っていないと判断される病変」があげられています。(がんプラス

下の使用例だと、日常語としての絶対に近い意味で使われています。

インスリン療法が適応となる患者さんは、基本的に必ず必要な場合(絶対的適応)と、必ずではないが必要な場合(相対的適応)の2つに分けられます。(インシュリン療法 SANOFI)

下の例も絶対に必要という文脈での使用例。

現行の大腸癌治療ガイドラインには、内視鏡的切除pT1大腸癌に対する追加外科切除の適応基準として、「垂直断端陽性」と「病理組織学的リンパ節転移リスク陽性」の2つがある。前者は局所遺残の可能性があるため、追加切除の”絶対適応”である。(人を対象とする医学系研究に関する情報の公開

 

  1. 食道「粘膜固有層までに癌の浸潤が留まるもの」が(内視鏡的切除術の)絶対適応です。(ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) 刈谷豊田総合病院)

未病(みびょう)とは

未病とは

未病(みびょう)という言葉をたまに見かけます。自分はてっきり未だ病気になっていない健康な状態のことかと思っていたのですが、違いました。まだ病気じゃないけどちょっと自覚症状がある状態だったり、逆に自覚症状はないけど検査の数値が少し異常だったりする状態だそうです。

 

未病という言葉の由来

2000年以上も前に書かれた中国の書物『黄帝内経素問』(こうていだいけいそもん)の中に「聖人は未病を治す」という言葉があるそうで、「未病」という言葉は2000年前からあったのですね。

 

参考

 

  1. https://www.kirindo.co.jp/business/mibyou/index.shtml
  2. http://www.kagoshima.med.or.jp/people/topic/H17/198.htm

医学・薬学・生命科学を学ぶ人のための 統計学入門 基礎の基礎からデータ解析の実際まで 杉本典夫 著

統計のことでわからないことがあるとグーグル検索して、わかりやすい解説記事を探して読むのが日常になっていますが、わかりやすい記事でよく訪れるのが【我楽多頓陳館】というサイト内の記事です。サイト運営者はサイトの自己紹介ページによれば杉本典夫さんという方で統計の教科書を何冊も書いていらしたので、さっそく図書館で借りました。期待に違わずというか期待以上にわかりやすい説明が読めました。

自分は仕事がら理系の教科書をいろいろと読みますが、この著作ほど頭に入りやすい説明をしてくれるものは本当になかなかありません。読みながら、なぜこの説明はこんなにわかりやすくてしっくりくるのだろうと考えながら読んでしまいます。

杉本典夫 著『医学・薬学・生命科学を学ぶ人のための 統計学入門 基礎の基礎からデータ解析の実際まで』は、統計学ってどんな学問?というレベルの初心者から読める教科書です。自分のように多少、統計学検定を仕事で使ってきた人間でも、統計の概念を再確認するのにちょうどいい本だと思いました。

  1. プレアデス出版

 

 

誤植

出版社のサイトをみても誤植表はないようです。気づいたことをメモしておきます。

  1. 13ページ 図1.4 SE (Standard mean of error) ではなく、 SD のはず。本文中に標準偏差(Standard deviation)と書いているので。

ハザードとは

ハザードとは

統計用語集(https://bellcurve.jp/)にハザードの定義式がありました。いわく、

 

h(t) = [latex]\lim_{\Delta t \rightarrow 0+} \frac{P(t \leq T < t + \Delta t | t \leq T)}{\Delta t}[/latex]

ハザードは時間とともに死亡者が増えていく現象を記載するときの概念で、言葉で説明するなら、ある時刻における瞬間死亡率という意味だそうです。上の式で、Pは条件付き確率です。定義式だけだと何のことかよくわからないので、もう少し丁寧な説明を探すと、ai-trend.jpにありました。このサイトの説明は数式が出てきますがとても丁寧でわかりやすい。わかりにくい統計の内容をネットで検索してわかりやすい説明に出会うと、たいていその記事はこの会社のサイトだったりします。

 

Tは生存期間。被験者が時間tまでには死亡している確率は、確率密度関数をf(t)とすれば、

F(t)=P(T<t)=f(u)du (0からtまでの積分)

生きている確率すなわち生存確率S(t) = P(T>=t)は、

S(t) = 1 – F(t)

P(T>=t)の意味は、確率変数Tがt以上である確率ということです。

確率変数TがT>=tという条件のもと(すなわち、時刻tまでは生存していたという条件のもと)

t=<T < t + dt  という値を取る確率P(t=< T < t+dt | T >=t)を考えて、これを時間dtで割った、瞬間確率を考えます。このdtを0に近づけたものがハザード関数h(t)の定義になります。