2群間の比較・検定」カテゴリーアーカイブ

マンホイットニーのU検定とウィルコクソンの順位和検定とウィルコクソンの符号順位検定の違い

マンホイットニーのU検定とウィルコクソンの順位和検定とウィルコクソンの符号順位検定は、名前が似ていたり、内容が似ていたりして、普段t検定ばかりつかっていると、すぐに何がなんだったのかを忘れてしまいます。

パラメトリック検定であるt検定(つまり2群間の比較)で対応が無い場合に対応するノンパラメトリック版が、マンホイットニーのU検定およびそれと全く同値であるウィルコクソンの順位和検定です。マンホイットニーのU検定とウィルコクソンの順位和検定はやっていることが同一(同値)なので、どちらを使っても構いません。対応がある場合のt検定のノンパラメトリック版が、ウィルコクソンの符号順位検定です。「対応がある」のですから、比べたい2群のそれぞれのデータ数はもちろん同じでなくてはなりません。それに対して、マンホイットニーのU検定やウィルコクソンの順位和検定では、比べたい2群のそれぞれのデータ数(サンプル数)は異なっていても構いません。

参考図書

  1. 狩野克己、高橋秀人『基礎 医学統計学 改訂第6版』 この本がスッキリとした説明でなおかつ、計算式および簡単な実例を解説しているので、検定の中身がブラックボックスにならず、自分で何をやっているのかが自分で納得できるというメリットがあります。厳密な理論は理解したいとまでは思わないけど、検定で何をやっているのか計算式くらいは知っておきたいというスタンスの人に丁度手頃な教科書。きわめて整然と多数の手法がまとめられているので、自分の頭の中をスッキリと整理するのに役立つ本。2019年に第7版が出ています。フォントが変わったりして見やすくなったが、内容に変更はないようです。統計学の勉強のための最初の一冊としても申し分ないし、日常的に使うためのリファレンスとしても良い本なので、是非手元に置いておきたい本です。