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肌の色と髪の色との関係

人間の場合、白斑は皮膚が白くなる疾患です。マウスで白斑というと毛が白くなるそうです。じゃあマウスの皮膚も白くなっているの?と疑問を持ちました。答えはというと、マウスの毛が白くなる白斑が生じているときは皮膚も白くなっています。なぜなら毛の黒さはメラノサイトという細胞がつくるメラニン色素の色ですが、メラノサイトがつくるメラニン色素がすなわち肌の色であり、毛のいろでもあるからです。逆に、人間の場合、顔に白斑が生じると眉毛の部分が白斑なら眉毛も白くなります。

  1. 髪の色 KAO メラニン色素はメラノサイトでつくられ、毛母細胞に渡される image-02-l
  2. 顔半分が白斑の女性、「一生この顔なんだ」そこ知れぬ絶望感も、美容に向き合うことで「少し自分のことを好きになれた」 8/19(月) 8:30配信 201 コメント201件 エルザ 「きっかけは何もなく、ある日朝起きたら、おでこの真ん中あたりに10円玉くらいの大きさの白斑ができていました。症状も本当に皮膚が白くなるだけです」 徐々に大きくなり、顔の半分を占めるまでになった
  3. 奥菜恵さんが公表「尋常性白斑」、なぜ体の色素が抜ける?治療法は?【皮膚科専門医が解説】 花房崇明:皮膚科医(医学博士) 健康 ニュース3面鏡 2023.10.1 10:00

抗体医薬はどうやって細胞質内の標的タンパク質に結合できるのか?

アルツハイマー病の治療戦略の一つに抗体医薬があります。脳内に蓄積するβアミロイドがあるADの原因という仮説があるので、βアミロイドに対する抗体でそれを除去できればアルツハイマー病が治療できるのではないかということだと思います。しかし、βアミロイドは細胞内に凝集するんじゃなかったっけ?どうして血中の抗体がそこにアクセスできるの?という疑問が湧きました。ChatGPT 4oに聞いてみました。以下は、その答え。そもそもβアミロイドタンパク質は細胞外に凝集するのだそうです。血液脳関門を抗体は通過できるのか?という疑問もあります。

The confusion here stems from the misunderstanding of where beta-amyloid (Aβ) accumulates in Alzheimer’s disease and how antibody-based therapies target these aggregates.

  1. Location of Beta-Amyloid Accumulation:
    In Alzheimer’s disease, beta-amyloid peptides primarily accumulate extracellularly, forming plaques in the brain tissue. These plaques are found in the space between neurons, not within the cytoplasm. Intracellular accumulation of beta-amyloid can also occur, but the large plaques that are characteristic of Alzheimer’s disease are extracellular. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10572082/
  2. Delivery of the Brainshuttle™ amyloid-beta antibody fusion trontinemab to non-human primate brain and projected efficacious dose regimens in humans 
  3. MAbs. 2023; 15(1): 2261509. Published online 2023 Oct 12. doi: 10.1080/19420862.2023.2261509 PMCID: PMC10572082 PMID: 37823690 There are few treatments that slow neurodegeneration in Alzheimer’s disease (AD), and while therapeutic antibodies are being investigated in clinical trials for AD treatment, their access to the central nervous system is restricted by the blood–brain barrier.
  4. Mechanism of Antibody-Based Therapies:
    Antibody-based therapies for Alzheimer’s disease, such as monoclonal antibodies targeting beta-amyloid, work primarily by binding to the extracellular beta-amyloid plaques. These antibodies are designed to recognize and bind to specific forms of beta-amyloid, including the fibrillar forms that make up the plaques. Once the antibody binds to the beta-amyloid, it can recruit immune cells (such as microglia) to help clear the plaques through processes like phagocytosis.Additionally, some antibodies can bind to soluble beta-amyloid oligomers, which are smaller aggregates that are toxic to neurons. By binding to these soluble forms, the antibodies may prevent their aggregation into larger plaques or neutralize their toxic effects.
  5. Crossing the Blood-Brain Barrier:
    One of the challenges for antibody-based therapies is crossing the blood-brain barrier (BBB). However, some engineered antibodies or fragments of antibodies can cross the BBB to some extent, and once they are in the brain tissue, they can interact with the extracellular beta-amyloid.

To summarize, while antibodies generally do not enter cells and act intracellularly, they are effective in targeting the extracellular beta-amyloid plaques and soluble oligomers in Alzheimer’s disease. This extracellular targeting is sufficient for therapeutic purposes because the major pathological beta-amyloid aggregates are located outside of the neurons.

(ChatGPT 4o)

  1. Anti-amyloid-β Antibodies and Anti-tau Therapies for Alzheimer’s Disease: Recent Advances and Perspectives 2024 Volume 72 Issue 7 Pages 602-609 Chemical and Pharmaceutical Bulletin
  2. Immunotherapy for Alzheimer’s disease: targeting β-amyloid and beyond Translational Neurodegeneration volume 11, Article number: 18 (2022) Published: 18 March 2022

BBBを抗体が通過できない問題

 ~100% of biologic drugs do not cross the BBB https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7697739/

BBB restricts peripheral proteins and antibodies from entering the CNS. Protein passage through the BBB is mostly non-specific and is <0.1% of peripheral circulating proteins enter the CNS []. Although neurodegenerative diseases are believed to cause dysfunctions of BBB with higher permeability, it has been demonstrated that the BBB integrity was well maintained, preventing passive BBB permeability of IgG injected peripherally in multiple AD mouse models, including PS2-amyloid precursor protein (APP), Tau transgenics, and APOE4 knock-in mice []. It was estimated that only 0.01% of the peripheral antibody molecules may enter the CNS []. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9759110/

アルツハイマー病の抗体薬

All currently approved DMTs for the treatment of AD are anti-amyloid monoclonal antibodies (mAbs). The two approved agents are aducanumab (Aduhelm®; Biogen, Cambridge, MA, USA), which received accelerated approval based on marked lowering of β-amyloid (Aβ) plaques as seen on amyloid positron emission tomography (PET) considered reasonably likely to predict clinical benefit [2]; and lecanemab (Leqembi®; Eisai Inc. and Biogen, Cambridge, MA, USA), which received accelerated approval based on a phase II study followed by standard approval based on clinical and biomarker data from a phase III study [34].

Anti-Amyloid Monoclonal Antibodies for the Treatment of Alzheimer’s Disease Review Article Open access Published: 13 November 2023 Volume 38, pages 5–22, (2024) https://link.springer.com/article/10.1007/s40259-023-00633-2

 

 

 

参考

  1. Blood-brain barrier permeable antibodies for Alzheimer’s potential therapeutic and diagnostic applications Ram Bhatt, Oscar Ramos First published: 16 June 2023 https://doi.org/10.1002/alz.061328 https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/alz.061328
  2. Targeting antibodies to the cytoplasm MAbs. 2011 Jan-Feb; 3(1): 3–16. Published online 2011 Jan 1. doi: 10.4161/mabs.3.1.14110 PMCID: PMC3038006 Here, the various technologies to target intracellular proteins with antibodies are reviewed.

炎症とは

どんな疾患の病態にも「炎症」が出てきますが、そもそも炎症とは何なのでしょうか?

 

Identifying and Extinguishing Inflammation Functional Formularies チャンネル登録者数 6510人 チャンネル登録 2323 共有 オフライン クリップ

老衰死について

自分も老齢に差し掛かっていて、筋力、体力、知力、気力の全てが衰えてきたと感じます。体に力が漲る感じが無くなってきたわけです。すると、死に近づいたという感覚が生じてきました。10代、20代のときには絶対に想像もできなかった感覚です。若い時は、死ぬのは苦しいんだろうか、苦しみたくないなと思っていました。しかし人生折り返して地点を過ぎて、生まれたときよりも死ぬときのほうが近いというところまでくると、体がこうして弱っていくことが実は楽に死ぬための最善のやり方なのではないかと思うようになりました。若いときに死ぬのは苦しみを伴いますが、十分年を取ってからなら実は生から死へ移り変わるのは滑らかにつながっているのではないかと思えるのです。連続かつ微分可能な滑らかさです。

自分の父は90歳のときに大腸がんが見つかり、大腸癌がわかってから3か月で亡くなりましたが、亡くなる前日まで家族と会話ができていて、苦しいと感じる時間は少なかったのではないかと思います。亡くなる1週間前の時点まで在宅で体を起こすこともできなくなったため入院しましたが、延命措置は全て断り、栄養点滴もせず、ときおり水かお茶を口にするだけでした。直接の原因はもちろん大腸癌と転移したがんです。もしがんになっていなければ100歳まで生きられてたのじゃないかと思うくらいに、元気なほうでした。しかしがんがわかってから急速に体が衰えて、結果的になくなるときは老衰とさほど変わらなかったんじゃないかという気がしています。

下の記事で取り上げられている例に自分の父親のケースも近いような気がしました。

  • たとえ死亡診断書には「虚血性心疾患」「大腸がん」などと記されていたとしても、老衰死でもある場合が圧倒的です。
  • ミズノさん、徐々に病気が進行し、眠っている時間が増えていきました。ご飯も食べられなくなりましたが、経管栄養も点滴もしませんでした
  • 苦しいのは嫌だから、延命なんてしないでおくれ」と口ぐせのようによく言っていました。
  • 飲まず食わず、点滴もせずで、ミズノさんは自然なまま、それから10日間生きました。食べたり飲んだりできなくなったら、「もつのは長くて10日間くらい」と言う先生もいますので、ミズノさんはぎりぎりまで頑張ったと言っていいでしょう。
  • 点滴をしていたら、痰が増えて苦しんだことでしょう。穏やかな表情ですごせなかったのは間違いありません。

1000人の看取りに接した看護師が教える「老衰が理想的な死」と言える訳【書籍オンライン編集部セレクション】 後閑愛実 2023.11.13 4:04 https://diamond.jp/articles/-/331724

老衰死とは

下の論文でも、高齢者の場合は、たとえ病気が原因であっても老衰死と同じように自然な死を迎えることが多いということが説明されていました。

  • 身体と精神ともに衰退し、無理のない状態で生きていくこと。その結果、「スーっと違和感なく」最期を迎えられることが、Cさんの言う「老衰死は究極な自然」なのである。
  • 高齢者の人って、がんであっても大きな症状がなく、コントロールできていれば本当に自然で。自然に亡くなっていく。だんだん食事がとれなくなってというところでは(老衰死と変わりない)。本当に苦しまずに亡くなられたケースはいろいろ体験しました。老衰だからというところの違いは、そんなに違わないのかなという気がする。がん自体も老化現象でもあるわけですし。

老衰死という現象 前原, なおみ 大阪大学, 2018, 博士論文 https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/69706/29949_Dissertation.pdf

若くしてがんになられた方は、抗がん剤治療などでがんと闘い、非常に苦しい思いをします。それに対して、高齢でがんになった場合には、治療をしないという選択もあるのかもしれません。がんを取り除くための外科手術を受けて、がんは無事に取り除けたが、外科手術の負担が大きすぎてそれに耐えられなくて亡くなったというケースもニュースなどで見たことがあります。西洋医学は病巣部に対する治療にフォーカスしがちですが、その人の人生にとって何がベストなのかを考えると、違ったオプションもあるのかもしれません。

死亡診断書における老衰死

  • 2018年人口動態統計月報年計(概数)によると、老衰による死亡数が脳血管疾患による死亡数を上回り死因の第3位になった。日本人の3大死因は悪性新生物(腫瘍)・心血管疾患・老衰
  • テロメアの短縮ミトコンドリアの劣化など細胞レベルの老化個体レベルの老化の関係性も充分に明らかではない
  • 厚労省の2019年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルでは「老衰」について、「死因としての『老衰』は、高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用いる」と記載している。さらに「ただし、老衰から他の病態を併発して死亡した場合は、医学的因果関係に従って記入することになる」とある。
  • 江崎らは100歳以上の長寿者(百寿者)の病理解剖を検討した(江崎行芳, 他:「百寿者」の死因 病理解剖の立場から. 日本老年医学会雑誌. 1999; 36(2):116-21)。解剖した42例すべてに死因として妥当な病気が見つかったという。敗血症16例、肺炎14例、窒息4例、心不全4例などだ。超高齢者では、①免疫機能の低下、②嚥下・喀出機能の低下―が致死的な病態と結びつきやすい。
  • 明らかに老衰と思われる死亡でも、医師によっては肺炎や心不全と書くことがよくある
  • 大学病院に勤務の医師のなかには「老衰」と書かないことを信条としている人もいる。人が死ぬ=必ず原因や病気があるはず、という思考
  • 「点滴を絞ったから亡くなった」という書き方で報じるメディア
  • 最期まで口から食べて、誤嚥性肺炎を併発して亡くなった場合 自宅で亡くなれば美談 介護施設だと家族が「食べさせたから亡くなった」という理由で施設を訴えることがある
  • 高齢者の人工透析非導入や終末期の透析中止を、あたかも殺人や安楽死であるかのように報じるメディア

公開日: 2019.07.23 / 更新日: 2023.08.23 スペシャルコラム 日本人の死因第3位になった「老衰」の定義は意外に難しい https://doctor.mynavi.jp/column/rousui/

  • 現在の日本人の死因1位「癌」、2位「心臓疾患」3位「老衰」
  • 「死因は究明すれば必ずあるはずであるが、とりあえず便宜上、老衰としておこう」
  • 無理して治療するよりも自然な死を受け入れようと考える人が増えてきた

第44回 老衰死について 公開日:2021年5月14日 09時00分 更新日:2023年8月21日 11時59分 井口 昭久(いぐち あきひさ) 愛知淑徳大学健康医療科学部教授 https://www.tyojyu.or.jp/net/essay/oiomirumanazashi/rosuishinitsuite.html

老衰死という選択

医療が発展してしまったために、死ぬ時期を逃している

看護師にとって老衰死とはどのようなものか ─応援という関わり─ 看護師 F さんの語りより 前原 なおみ* 京都看護 第 4 号 https://kyotokango.repo.nii.ac.jp/record/11/files/京都看護第4号_03_前原なおみ%20様(研究報告).pdf

老衰真の現実

老衰死は死ぬまでがたいへんなのです。それまで元気でいて急に衰えるわけではなく、死のかなり前から全身が衰え、不如意と不自由と惨めさに、長い間、耐えたあとでようやく楽になれるのです。視力も聴力も衰えますから、見たり聴いたりの楽しみはなく、味覚も落ちますから美味しいものを食べてもわからず、それどころか食べたら誤嚥して激しくむせ、そのたびに誤嚥性肺炎の危険にさらされ、腰、膝、肘とあらゆる関節痛に耐え寝たきりになって、下の世話はもちろん、清拭や陰部洗浄、口腔ケアなどを受け、心不全と筋力低下で身体は動かせず、呼吸も苦しく、言葉を発するのも無理というような状況にならないと、死ねないのが老衰死です。

2023.11.10 じつは「老衰死」は悲惨…医師たちが「死ぬなら、がん」と口を揃えて言う「意外なワケ」 久坂部 羊 https://gendai.media/articles/-/103607

上の記事を読むと、90歳でがんになり3か月も待たずに亡くなった自分の父親は、この記事に沿って解釈すれば一番いい死に方だったのかという思いも過りました。まあ90歳でも毎日、階段の上り下りができるくらいに健康だったので、ちょっと違うかもしれませんん。

ストレス反応

ストレスがかかるとストレスホルモンが分泌されます。ストレス反応は俗にFight or Flightを呼ばれますがどっちにしても、エネルギーをブーストする必要があります。つまりストレスホルモンは、エネルギー産生を促進する方向に作用します。

Inflammaging: The Role of Inflammation in the Acceleration of Aging Dr David Jockers チャンネル登録者数 21.1万人

遺伝子ノックダウンで用いられるsiRNAとhrRNAの違い

siRNA(small interfering RNA)とshRNA(short hairpin RNA)は、いずれも遺伝子ノックダウン(特定の遺伝子の発現を減少させる)に使用されるツールですが、いくつかの違いがあります。

  1. 構造と合成方法:
    • siRNA: siRNAは二本鎖RNAで、通常、化学的に合成されます。長さは一般的に21-23ヌクレオチドです。siRNAは細胞に導入されると、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と結合し、標的mRNAを認識して分解します。
    • shRNA: shRNAは、短いヘアピンループ構造を持つRNAで、通常、DNAプラスミドやウイルスベクターに挿入されて細胞に導入されます。細胞内で転写されると、最初は一本鎖RNAとして生成され、ヘアピンループを形成します。shRNAは細胞内のDicerという酵素によって加工されてsiRNAに変換され、同様にRISC複合体と結合してmRNAを分解します。
  2. 発現の持続性:
    • siRNA: siRNAの効果は一過性で、通常、数日間続きます。化学的に導入されるため、細胞分裂や代謝によって徐々に減少します。
    • shRNA: shRNAはプラスミドやウイルスベクターにより持続的に発現されるため、遺伝子ノックダウンの効果がより長期間持続します。これにより、遺伝子発現の長期的な抑制が可能です。
  3. 導入方法:
    • siRNA: 直接細胞に導入するため、トランスフェクションが主な方法です。これにより、短期間で遺伝子ノックダウンが可能です。
    • shRNA: 遺伝子ベクター(プラスミドやウイルス)を介して細胞に導入されることが多く、安定したノックダウンを達成するために使用されます。これは特に、長期間の研究や動物モデルで使用されます。

まとめると、siRNAは短期間の遺伝子ノックダウンに適しており、shRNAは長期間のノックダウンに適しています。どちらも特定の状況に応じて選択されるツールです。

ChatGPT 4o

人はなぜ老いるのか:老化の原因とメカニズム

老化とは?

  • 中年期以降、体の水分量やタンパク量が減少し、脂肪分が増加
  • 老年期には、臓器重量も減少
  • 動脈硬化、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病が進行
  • 癌遺伝子がオンに
  • 老化の正体は、①さびること(酸化作用)②しぼむこと(内分泌ホルモンの減少)③こころがすさむこと(精神的な風化)
  • 活性酸素などによって細胞膜が「酸化
  • DNAの酸化
  • 動脈硬化も血管内皮細胞の酸化
  • アンチエイジング(抗加齢)医療は、「老化の時計」と戦い、元気で楽しく生きながら、「ピン、ピン、コロリ」とあの世に行くため

老化とは 田中消化器科クリニック https://www.tanaka-cl.or.jp/anti-aging/chance/aging/

酸化ストレスによる生体内の変化

  • 活性酸素によって酸化ストレスは亢進し
  • DNAやたんぱく質といった生体成分を酸化
  • 酸化されたDNAやたんぱく質の中には、血中や尿中に出てくるものもあるため、血液検査や尿検査で分かることがあります。
  • 発生した酸化ストレスに対し、抗酸化能(活性酸素を除去する能力)が追い付かない状況になると、酸化ストレスがたまっていく
  • 活性酸素によって細胞が攻撃されると、細胞膜の脂質が酸化
  • 酸化ストレスが高い状態が続くと、私たちの体を構成する全てのDNAやたんぱく質、脂質、糖質が酸化されていきます
  • 糖尿病では、酸化された糖とたんぱく質が結合し、異常な糖化たんぱく質が増えている
  • 動脈硬化を起こした血管では、酸化された脂質が蓄積し、血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくく
  • アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢者に多い脳の病気でも、酸化したたんぱく質などが蓄積

酸化ストレス 健康長寿ネット 長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/sanka-sutoresu.html

長生きする秘訣

下のコラムは老化の原因をわかりやすく説明したもので、説得力があり、とてもためになる記事です。

20〜30代では周りはみんな同じような体型・肌のつや・健康状態をしていますが、80歳になると元気な人から寝たきりの人まで病気の有無・認知レベル・活動範囲などのどれをとっても個人差はとんでもなく広がります。これは、慢性炎症をはじめとする体を蝕む反応を日々どれだけ抑えてきたかによって、長い年月をへて大きな差として現れるからです。何にでも当てはまることですが、小さな努力は、すぐに実感できるような大きな変化をもたらしません。しかし、大きな変化とは、あくまでも結果であり、その結果に至るまでの毎日の地道な努力の積み重ねが、将来の自分を変えていけるのです。

万病の元「慢性炎症」が加齢によって起きやすくなる3つの理由【予防医療の最前線】 虎ノ門中村クリニック 神谷町院 https://toranyc.com/information/2018/08/26/万病の元「慢性炎症」が加齢によって起きやすく/

インターロイキン11(Interleukin-11; IL-11)の生理作用

IL-11の発見

1990年,Paulらは,マ カクザル由来の骨髄間質細胞株PU34を 樹立し,こ の細胞株が,ヒ トおよびサル由来の骨髄多能性幹細胞を長期間維持できること を発 見 した1).PU34は,IL-6,IL-7,GMCSF,M-CSF,G-CSFなどを産生 していたが, IL-1α で刺 激後 のPU34培 養上清 に は,IL-6依 存性形質細胞株T1165の 増殖活性があり,こ の活性は抗IL-6抗 体 では中和 できなかった.そ こで,この活性を指標として発現遺伝子のクローニングが行われ,得 られたcDNAに よりコー ドされた蛋白はIL-11と命名 された.

一 方,時を同じくして,川島らは,TPA+A23187KM102処理したヒト骨髄間質細胞培養上清 に,脂肪細胞化抑制因子(AGIF)が含まれていることを報告し,後にこの因 子がIL-11と同一のものであることが判明した.

IL-11の発現とその生理作用 日本リンパ網内系学会会誌 1998 年 38 巻 1 号 p. 29-40  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslrt1997/38/1/38_1_29/_article/-char/ja

IL-11と老化

IL11の発現に関連する遺伝子を欠失させると、老年期による代謝の低下、多発性疾患、虚弱から身を守り、雌雄ともに平均24.9%寿命が延びた。Nature 2024年7月18日https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/pr-highlights/14976

「Inhibition of IL-11 signalling extends mammalian healthspan and lifespan(IL-11シグナル阻害は哺乳動物の健康寿命と寿命をともに延長できる)」 マウスの老化とともに、様々な組織、様々な細胞でこの分子の発現が高まること、そして IL-11 がともに老化に関わる自然炎症とともに、AMPKを抑えてmTORという代謝の中核経路を活性化することから、IL-11 が老化を促進する因子として働いているのではと着想し、IL-11ノックアウトマウスを調べている。

7月19日 抗 IL-11 抗体は夢の抗老化薬になるか?(7月17日Nature オンライン掲載論文) https://aasj.jp/news/watch/24856

IL-11と骨吸収

IL-11依存的な骨吸収誘導機構を詳細に検討した結果,IL-11は破骨細胞の形成・活性化を直接的に促進するのではなく,骨芽細胞または骨血管内皮細胞におけるプロスタグランジンン産生酵素COX-2(cyclooxygenase-2;シクロオキシゲナーゼ2)の発現を誘導し,PGE2(prostaglandinE2;プロスタグランジンE2)の産生量を増大させることにより破骨細胞の形成・活性化を促進していることを見いだした.https://jams.med.or.jp/event/doc/119044.pdf

IL-11と骨形成

PTH(1-34)は骨芽細胞においてグルココルチコイドによるIL-11の発現抑制を阻害する: グルココルチコイド過剰に対する骨芽細胞分化促進のメカニズム Parathyroid hormone (1-34) counteracts the suppression of interleukin-11 expression by glucocorticoid in murine osteoblasts: a possible mechanism for stimulating osteoblast differentiation against glucocorticoid excess. 著者: Kuriwaka-Kido R, Kido S, Miyatani Y, Ito Y, Kondo T, Omatsu T, Dong B, Endo I, Miyamoto K, Matsumoto T. 雑誌: Endocrinology. 2013 Mar;154(3):1156-67. http://www.jsbmr.jp/1st_author/11_tmatsumoto.html

IL-11と歯周炎

歯肉線維芽細胞によるIL11の産生機序 https://dbarchive.biosciencedbc.jp/yokou/pdf/2004/200403629390016.pdf

IL-11と特発性肺線維症(IPF)

Interleukin-11(IL11)がIPF患者の肺でIPFの重症度に関連する患者の肺でアップレギュレートされ、IL-11がIPF線維芽細胞から分泌される https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/31554736

IL-11と大腸がん

通常の組織には存在しないIL-11を出す細胞(IL-11陽性細胞)が、大腸炎や大腸がんの進展に伴って局所に出現 https://cancer.qlife.jp/news/article15268.html

IL-11の産生EGFP細胞が腫瘍形成に伴って、腫瘍間質領域に出現 https://www.ueharazaidan.or.jp/houkokushu/Vol.33/pdf/report/165_report.pdf

Interleukin-11 は,癌ならびに炎症関連線維芽細胞の マーカーであり,腫瘍形成を促進する因子である https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=TD35147032&elmid=Body&fname=td35147032_cover.pdf

ヒト大腸癌におけるインターロイキン11及びインターロイキン11レセプターαの発現; 免疫組織学的解析と臨床病理学的因子との関係 https://www.nagasaki-u.ac.jp/zaigaku/ronbun/ronbun0606/igaku0606/igaku_kou1244ronbun.pdf

IL-11と大腸炎

大腸筋線維芽細胞におけるIL-11発現調節機構の解明 平成16年 https://www.shiga-med.ac.jp/~hqkikaku/education/ejournal/gakui/PDF15/h455.pdf

IL-11と乳がん

腫瘍形成時特異的にNRF2の下流でIL-11の顕著な発現上昇が観察され、Il11遺伝子を欠損させると腫瘍形成が著しく抑制された。乳がん患者の検体の検討からも、NRF2陽性がんの多くがIL-11陽性であり、乳がんではNRF2とIL-11の連携ががんの悪性化をもたらしていることがわかった。https://www.ueharazaidan.or.jp/houkokushu/Vol.31/pdf/summary/181_summary.pdf

 

IL-11と子宮内膜間質細胞 脱落膜化

脱落膜化に伴うIL-11発現増加によりコア時計遺伝子Per2Bmal1の振動低下 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrds/108/0/108_P-64/_article/-char/ja/

IL-11とカエルの尾の再生

il-11 は尾再生芽で BrdU 陽性の増殖細胞の一部に発現 il-11 の発現は尾切断後 2 時間で誘導  https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/50538/files/A33567_review.pdf

IL-11細胞伝達系

Biochemical and biophysical research communications 20170916 Vol. 491 issue(2) インターロイキン11受容体の切断はガンマセクレターゼとプロテアソームによるそのC末端フラグメントのプロセシングを誘導する https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/28735867

IL-11に関する論文の論文紹介記事

  1. <海外文献紹介2024年7月号> Inhibition of IL-11 signaling extends mammalian healthspan and lifespan. Anissa A. Widjaja, et al. Nature Jul 17 (2024), DOI: 10.1038/s41586-024-07701-9. Online ahead of print. 、マウスの肝臓、白色脂肪組織、腓腹筋で加齢に伴ってIL-11 の発現が上昇 老齢(110週齢)のIL11 受容体欠損マウス(IL-11RA1 KOマウス)では、これらのシグナリングパスウェイや老化細胞マーカーの発現が若い状態に保たれている https://www.jsbmg.jp/Henshu_news/Ronbun_2024_7.pdf
  2. 昨年アップデートされた「Hallmarks of Aging」で、新しく追加されたものの一つが慢性炎症です(Lopez-Otin et al., Cell, 2023)。以前より「Inflammaging」と呼ばれているように、慢性炎症は老化の特徴を最もよく表した状態だと言えます。今回紹介するのは、炎症性サイトカインであるIL-11を抑制することで、マウスの健康・最大寿命が延びることを報告した論文です。 https://www.jsbmg.jp/new/new-920/
  3. 骨芽細胞/骨細胞由来IL-11は骨形成と全身の脂肪形成を制御する Nature Communications. 13: 7194, 2022 http://www.jsbmr.jp/1st_author/issue500/514_mhiasa.html 驚いたことに、IL-11-/-マウスでは脂肪組織のWntシグナルも抑制されており、骨髄脂肪のみならず内臓脂肪、皮下脂肪を含む全身脂肪組織の増加と耐糖能低下を示すことが判明した。

IL-11に関する科研費研究

  1. 肝内胆管癌におけるIL-11の機能解析と分子マーカーへの応用 2019-04-01 – 2024-03-31 https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19K09204/
  2. 創傷治癒におけるIL-11/JAK/STAT3 axisを介した新規治療の開拓 2019~ https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KAKEN_19K18914seika.pdf?file_id=164121

研究用試薬

  1. ヒト IL-11 タンパク質 https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/human-il-11-protein-humankine-pgi.asp?entry_id=44453
  2. インターロイキン-11 (IL-11), ヒト, 組換え体 https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/product/detail/W01W0109-0428.html

サロゲートマーカー(Surrogate marker)とは

サロゲートマーカー(Surrogate marker)とは、医療や生物学の分野で、ある病気や治療効果を直接測定することが難しい場合に、その代わりとして使用される間接的な指標のことを指します。サロゲートマーカーは、疾患の進行状況や治療の効果を推定するために使われることが多いです。

たとえば、心血管疾患の研究において、実際の心臓発作や死亡率を待つのではなく、コレステロール値や血圧をサロゲートマーカーとして使うことで、治療の効果を早期に評価することができます。このように、サロゲートマーカーは臨床試験などで時間やコストを削減し、より迅速に結果を得るための重要なツールとなっています。

ただし、サロゲートマーカーが本当に疾患や治療効果を正確に反映しているかどうかの検証が必要であり、時には誤解を招くこともあるため、慎重に選定され、使用される必要があります。

文責:ChatGPT 4o

肺の構造と機能、障害と修復機構

肺は、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すための臓器です。肺に吸い込んだ酸素(O2)は、肺胞という組織で血管を流れる赤血球の中のヘモグロビンというタンパク質に結合して運ばれます。それに対して、二酸化炭素は水に溶けて炭酸イオンになる性質があるので、血液に直接溶けた重炭酸イオン(HCO3-)の状態で運ばれます。CO2+H2O→H+ + HCO3ー というわけです。

  1. ガス交換のしくみ 2021/09/17 看護roo! 『本当に大切なことが1冊でわかる呼吸器』

常時起きている障害と修復

外界と接している肺はさまざまな刺激により,日々,傷害を受けては修復されることを繰り返し,ある程度の炎症や外傷による傷害であれば,適切な治療とともに自己修復機能により,もとの状態に回復する。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jst/52/1/52_031/_pdf

  1. Ⅳ.最近の話題 3.急性肺損傷における細胞治療の可能性 久保 裕司
  2. シンポジウム3『がん・組織障害とオートファジー』 SP3-1 肺胞上皮細胞の傷害と組織再生 東京慈恵会医科大学呼吸器内科 桑野 和善 (シンポジウム要旨)肺は粉塵、タバコの煙、薬物、放射線など外因と、遺伝子素因、免疫、加齢など内因性の素因との 相互関係によって、常に軽微ではあっても損傷を生じうるストレスを受けている。しかし、損傷を最低限にとどめ、損傷が生じた際に修復あるいは再生する生体の適応反応によって、臓器や生体の恒常性を維持している。急性肺損傷、間質性肺炎、COPDなどほとんどの肺疾患は、肺細胞の様々な損傷に対応する生体反応が適切でないことが病態の形成に関わっており、同じ刺激、損傷の程度であっても、 修復、再生過程における生体反応の違いが、疾患ごとの形態的及び機能的特徴を形成すると考えられる。‥ 細胞は、アポトーシス、細胞老化、オートファジーといった分子機構によって損傷に対応し、細胞の運命は決定され、臓器や生体の恒常性を維持する。しかし、損傷の原因が取り除かれず、高度あるいは慢性化すると、これらの維持機構の対応も変化し、病態の形成が始まる
  3. 肺の回復・成長・再生―肺移植と再生医療― 和田啓伸,坂入祐一,吉野一郎千葉大学大学院医学研究院呼吸器病態外科学
  4. 急性肺障害を引き起こす新たなメカニズムを解明 2022.4.11 三重大学 細菌由来のペプチドであるcorisinおよび類似構造のペプチドが肺胞上皮細胞の細胞死を誘発し、急性肺障害を引き起こすことを明らかにしました。さらにcorisinおよび類似構造のペプチドを抑制することにより、急性肺障害とそれに引き続いて起こる肺線維化を改善することを明らかにしました。

肺の線維化

  1. 肺線維症発症の中心的機構を発見特発性肺線維症の治療へ光 2023.08.31 神戸大学