この条文の意味がわからないんだが、特許庁は、裁判所の言いなりにならないといけないということ?「更に審理を行い、審決又は決定をしなければならない。」って、結局、裁判所の判決に拘束されて同じ結論を出すことになるの?別の結論を出してしまうと、堂々巡り(無限のキャッチボール)にならない?「一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない。 」というのも、なぜ一群全体が影響を受けるの?具体例で説明して。
第181条は、特許庁(審判官)と裁判所(知財高裁)の**「権限の分担」**を決めている非常に重要な条文です。
ユーザーさんが危惧されている「無限のキャッチボール」や「言いなり感」は、実務上も非常に熱い議論が交わされるポイントです。わかりやすく噛み砕いて解説しますね。
1. 特許庁は裁判所の「言いなり」なのか?(拘束力)
結論から言うと、「裁判所がダメだと言った理由」については、言いなりにならなければなりません。 これを「拘束力」と呼びます。
なぜ特許庁がやり直すのか?
裁判所は「特許だ!」と決める権限を持っていません。それは行政(特許庁)の仕事だからです(三権分立の考え方)。そのため、裁判所ができるのは「特許庁の出した『拒絶』という判断は、この証拠の解釈が間違っているから取り消すね」と言うところまでです。
2. 「無限のキャッチボール」にならないのか?
ここがユーザーさんの鋭い指摘のポイントです。理論上は、「特許庁 vs 裁判所」のキャッチボールが発生する可能性はあります。
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特許庁: 「理由A」で拒絶!
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裁判所: 「理由A」は間違い。取り消す!(181条1項)
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特許庁: わかりました。じゃあ次は、新しい**「理由B」**を見つけたので、やっぱり拒絶!(181条2項の「更に審理」)
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裁判所: 「理由B」も間違い。取り消す!
このように、特許庁が別の理由を持ち出す限り、キャッチボールは続きます。
ただし、「理由A」をもう一度使って拒絶することは法律(行政事件訴訟法33条の準用)で禁止されています。 これを無視して同じ理由で拒絶したら、それは明確なルール違反です。
3. 「一群の請求項」が道連れになる理由
第181条2項の後半、ここが一番ややこしいですよね。具体例で説明します。
具体例:自転車の特許
この2つの請求項をまとめて**「一群の請求項」として訂正請求(修正)したとします。
なぜ「一群」にするかというと、請求項2は請求項1を引用しているので、「1を直すなら2も一緒に直さないと、文章のつじつまが合わなくなる」からです。これを訂正の不可分性**と言います。
もし一部(請求項1)だけ取り消されたら?
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審決: 請求項1も2も、訂正は認めない!
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裁判: 「請求項1」については、特許庁の判断は間違い。訂正を認めるべき。
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結果: 裁判所が181条1項で「請求項1の審決」を取り消す。
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問題発生: このままでは、**「1はやり直し」なのに「2はダメなまま確定」**という、親子関係がバラバラな状態になってしまいます。
解決策(第181条2項後段)
そこでこの条文は、**「請求項1が取り消されたなら、連動している請求項2の審決も、特許庁の方で一旦自分から取り消して(自ら白紙に戻して)、もう一度セットで審理しなさい」**と命令しているのです。
まとめ
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言いなりか?: 「取り消された理由」については言いなり(拘束力)。
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無限キャッチボール: 新しい理由を探すことは可能。ただし、何度もやると出願人がかわいそうなので、実務上は慎重に行われる。
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一群の請求項: 請求項同士が「親子」や「セット」で修正されている場合、一部がひっくり返ると全体が矛盾するため、セットでやり直しさせるための救済措置。
ポイント:
181条は、特許庁のメンツを潰すためのものではなく、**「裁判所の判断を尊重しつつ、最終的な特許の体裁(請求項の整合性)を整えるのは特許庁の責任ですよ」**と役割分担を明確にしている条文なんです。
次は、裁判所が「取り消す」と判断する際の基準となる**「審決取消訴訟」の審理の範囲**(何でもかんでも裁判所で言っていいのか?)について深掘りしますか?
プロンプト:「請求項1が取り消されたなら、連動している請求項2の審決も、特許庁の方で一旦自分から取り消して(自ら白紙に戻して)、もう一度セットで審理しなさい」 あなたの解説、よくわからないけど。取り消してからもう一度審理するの?取り消すかどうかを審理するんじゃないの?
Gemini 3:
失礼しました!「取り消す」という言葉が二つの意味で使われているので、混乱させてしまいましたね。
ユーザーさんの疑問である「取り消してからもう一度審理するのか?(なぜ二度手間のようなことをするのか)」という点、**「セットメニュー(コンボ)」**に例えて、ステップバイステップで説明します。
1. 「一群の請求項」は「セットメニュー」
まず、前提として**「一群の請求項」=「バラバラにできないセットメニュー」**だと考えてください。
例えば、請求項1(ハンバーガー)と請求項2(ポテト)がセットで「Aセット」として訂正(修正)に出されたとします。
2. なぜ特許庁が「自ら取り消す」必要があるのか?(不都合な真実)
ここからが本題です。
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特許庁の判断: 「Aセット(1と2)は全部ダメ!」という審決を出しました。
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裁判所の判断: 出願人が文句を言ったので裁判所が調べた結果、「ハンバーガー(1)の拒絶は間違いだ」と判断しました。
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裁判所のアクション: 裁判所は**「請求項1(ハンバーガー)に関する特許庁の判断」だけ**を取り消しました(181条1項)。
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ここで問題発生!: 裁判所は「請求項2(ポテト)」については何も言っていません。すると特許庁には今、**「1は白紙に戻ったけど、2は『ダメ』と言ったままの記録が残っている」**というチグハグな状態が生まれてしまいます。
3. 「更に審理」の前の「お掃除」
このチグハグな状態(1は白紙、2は拒絶のまま)では、セットメニューとしての審理が再開できません。
そこで、第181条2項の後段が登場します。
「審判官は……その他の請求項についての審決……を取り消さなければならない」
これは、「審理して決める」のではなく、**「2に残っている古い『ダメ』という記録を、形式的に消去(お掃除)しなさい」**という命令です。
4. 正しい順番:お掃除 → やり直し
ユーザーさんの疑問への答えは、以下の順番になります。
まとめ:なぜ「取り消してから審理」なのか?
ユーザーさんが仰った「取り消すかどうかを審理するんじゃないの?」という疑問についてですが、この場合の「取り消し」は審理の結果ではなく、**「審理を始めるための前提条件(お掃除)」**なんです。
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裁判所がセットの一部を壊した。
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特許庁が残りの半分も壊して、一旦全部を更地(白紙)にする。
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更地になったところで、改めて正しい審理をやり直す。
こうしないと、セットメニューなのに「半分だけ古い結論が残っている」という法律上の矛盾が起きてしまうからなんです。
この「セットメニュー(一群の請求項)」の考え方は、無効審判や訂正審判で非常によく出るポイントです。次は、この「やり直し審理」の時に、出願人が**「さらに内容を修正(訂正の再請求)」**できるのかどうか、といった実務的な話に進みますか?
Claude Opus 4.5:
いい質問ですね。この条文は確かに複雑なので、順番に整理します。
1. 特許庁は裁判所の「言いなり」か?
結論:判決の「理由」には拘束されるが、「結論」を同じにする義務はない
行政事件訴訟法33条1項により、取消判決は「その事件について、処分…をした行政庁…を拘束する」とされています。
これは判決理由中の判断に拘束されるという意味であり、例えば「進歩性の判断で引用文献Aの認定を誤った」という理由で取り消された場合、特許庁はその点について同じ誤りを繰り返してはならない、ということです。
2. 別の結論を出せるのか?→出せる
差戻し後の審理で、特許庁は以下が可能です。
- 新たな証拠を採用する(新たな引用文献Bを発見など)
- 別の理由で同じ結論を出す(進歩性でなく記載要件違反など)
- 結論自体を変える(無効→有効、またはその逆)
つまり「堂々巡り」は新たな理由があれば回避できます。同じ理由で同じ判断を繰り返すことは拘束力違反になりますが、別の観点からの判断は許容されるわけです。
3. 「一群の請求項」の規定の趣旨
これは訂正の請求に関する規定で、平成23年・平成26年改正で整備された部分です。
具体例
状況設定
- 特許に請求項1〜5がある
- 請求項1・2・3が「一群の請求項」(請求項2・3が請求項1を引用)
- 無効審判で、権利者が請求項1〜3について訂正請求
- 審決:請求項1〜3すべてについて「訂正を認めた上で無効」
- 権利者が審決取消訴訟を提起、ただし請求項1についてのみ上訴
- 裁判所:請求項1について審決取消
問題
請求項2・3の審決は確定してしまっている(上訴しなかったので)。しかし請求項1が取り消されて再審理されると、訂正内容が変わる可能性がある。
181条2項後段の意味
一群の請求項に対する訂正請求は一体として審理される必要があるため、請求項1の取消しが確定したら、審判官は職権で請求項2・3の審決も取り消して、一緒に再審理しなければならない、ということです。
なぜ一群全体か?
訂正請求は「一群の請求項ごと」に行う必要があり(126条3項等)、その一貫性を確保するためです。請求項1の訂正が変われば、それを引用する請求項2・3の訂正内容も連動して変わる可能性があるからです。
要するに、この規定は「訂正請求の一体性」を維持するための技術的な規定であって、判決の拘束力とは別の話です。
プロンプト:一群の の意味は、互いに引用している請求項 といった意味だったと理解してOK?
Claude Opus 4.5:
はい、基本的にその理解でOKです。
「一群の請求項」の定義
特許法126条4項に定義があります。(???見当たらないが。。。)
二以上の請求項を引用する請求項を含む一群の請求項
具体的には、
例1:直列的な引用
- 請求項1:独立項
- 請求項2:「請求項1において…」(請求項1を引用)
- 請求項3:「請求項2において…」(請求項2を引用)
→ 請求項1・2・3が一群
例2:複数引用
- 請求項1:独立項
- 請求項2:独立項
- 請求項3:「請求項1または2において…」(両方を引用)
→ 請求項1・2・3が一群(請求項3が「二以上の請求項を引用」しているため)
引用関係がなければ一群にならない
- 請求項1:独立項
- 請求項2:独立項(請求項1を引用していない)
→ これらは別々の請求項であり、一群ではない。個別に訂正請求できる。
趣旨
一群の請求項を一体として訂正させることで、引用関係にある請求項間の整合性を確保し、訂正によって権利範囲が矛盾することを防ぐためです。
訂正単位: 通常は請求項ごとに訂正の請求が可能ですが、この「一群」の概念により、引用関係の解消などを行う際に、まとめて一つの訂正単位として請求・審査を受けることができます。
訂正の請求単位の考え方
第2 訂正の請求単位
1.「特許権全体に対して請求」及び「請求項ごとに請求」
(1)「特許権全体に対して請求」及び「請求項ごとに請求」の選択
訂正は「特許権全体に対して請求」する(訂正の請求単位を特許権全体と する)方法と、「請求項ごとに請求」する(訂正の請求単位を請求項ごとと する)方法があります (特§120の5③④、特§126③、特§134の2②③)。 訂正に際しては、訂正の請求単位ごとに訂正の認否が判断され、請求単 位ごとに審決等が確定します(特§120の7、特§167の2)。 訂正前の請求項の数が1つであるときは、訂正を「特許権全体に対して 請求」する必要があります。訂正前の請求項が2つ以上であるときは、「特 許権全体に対して請求」するか、「請求項ごとに請求」するかを請求人は選 択することができますが、無効審判等における訂正請求については、通常、 特許権者は、「請求項ごとに請求」する必要があります1(表1参照)。
(2)「特許権全体に対して請求」について
「特許権全体に対して請求」するとは、提出する訂正明細書、特許請求の範囲又は図面のとおりに一括で訂正することを求めるものです。したがって、その訂正の一部でも要件を満たさないものがあれば、全ての訂正が一体的に認められません。これにより、常に1組の明細書、特許請求の範囲又は図面を確認するだけでよく、権利の管理が容易となります。ただし、全請求項に対して訂正の請求をしたことになりますので、仮に1つの請求項のみ記載を訂正する場合であっても特許登録簿に記載された請求項の数の分の手数料がかかります。
(3)「請求項ごとに請求」について
「請求項ごとに請求」するとは、訂正前の特許請求の範囲の請求項のそれぞ れを請求単位として訂正することを求めるものです。請求項ごとに訂正の認 否の判断がされますので、ある請求項の訂正が認められない場合でも、他 の請求項の訂正については認められることがあります。 ただし、請求項ごとに訂正の認否の判断がされることから、1つの請求 項に係る訂正事項が2以上あり、訂正が認められない訂正事項が1以上あ る場合には、当該請求項に係る全ての訂正事項は一体的に認められず、当 該請求項の訂正は認められないことになります。 なお、訂正する請求項の中に所定の引用関係を有する請求項の群(以下、 「一群の請求項」といいます。)があるときには、それらの請求項について は、「一群の請求項」ごとに訂正を請求する必要があり(特§120の5③④、 特§126③、特§134の2②③)、その訂正の認否の判断も、その「一群の請 求項」という請求単位ごとにされます(「2. 一群の請求項」参照)。「請求項ごとに請求」するときは、一部の請求項についてのみ訂正を請求することができ、「特許権全体に対して請求」するときと比較して、手数料が安価になる場合があります。一方、訂正の請求単位ごとに訂正の認否が異なり、1組の訂正明細書、特許請求の範囲又は図面で全ての請求項に係る発明を特定できない場合があり得ることから、権利の管理が繁雑になります。また、明細書又は図面を訂正する場合には、その明細書又は図面についての訂正と、訂正の請求単位(請求項ごと又は一群の請求項ごと)との対応関係を明記する必要があります。その明細書又は図面についての訂正と対応関係がない請求項(一群の請求項)の解釈については、明細書又は図面の訂正が考慮されず、訂正前の明細書又は図面によって解釈されると考えられるため、当該対応関係については慎重に検討する必要があります。
2. 一群の請求項
「一群の請求項」は特施則§45 の 4 に定められたとおりです。 この関係をわかりやすく説明すると、「一群の請求項」の特定は、以下の ように行います。 まず、記載を訂正する請求項を特定します。 次に、訂正前の引用関係において、記載を訂正する請求項を直接的又は 間接的に引用する全ての引用形式請求項(従属項)を特定します。そのよ うな引用形式請求項(従属項)は、通常、記載を訂正する請求項の訂正事 項を含むことになるので、引用形式請求項(従属項)の記載の訂正の有無 にかかわらず、記載を訂正する請求項と連動して訂正するものとして扱い ます2。 これらの、記載を訂正する請求項とその引用形式請求項(従属項)の群 を「一群の請求項」といいます3。
例:特許請求の範囲が、請求項1と請求項1を引用する請求項2からなり、請求項1の「A」という記載を「A’」に訂正する場合を考えます。このような場合、請求項1の記載を訂正する訂正事項によって請求項2も連動して訂正するものとして扱われ、請求項1及び2が「一群の請求項」を構成します(図1)。「一群の請求項」は、訂正前の引用関係に基づいて特定されますが、ある訂正事項によって連動して訂正される請求項の群によって構成されるものです。したがって、訂正前に引用関係がある請求項であっても、訂正事項の対象とならない請求項は、「一群の請求項」を構成しないことに注意が必要です。
以下略