特79条「先使用権」とは?

実務上最も重要で、かつ最もトラブルになりやすい「先使用権(せんしようけん・79条)」について、ゼロから解説します。これは一言で言うと、「早い者勝ちの特許ルールにおける、唯一の『例外』」であり、「老舗(しにせ)を守るための権利」です。

1. 先使用権(79条)のストーリー

~「頑固オヤジのラーメン屋」VS「大手チェーン」~

【登場人物】

  • あなた(Aさん): 昔ながらのラーメン屋の店主。秘伝のスープを開発し、細々と営業中。特許なんて興味なし。

  • B社(大手): 後から同じようなスープを開発し、すぐに特許出願した企業。

【第1幕:ある日突然の警告】

あなたは、もう5年も前から「秘伝スープ」でラーメンを売っていました。

ある日、大手B社があなたの店に来てこう言います。

「このスープの製法、先月うちが特許を取りました。あなたがこれを使うのは特許権侵害です。今すぐ店を閉めるか、ライセンス料を払ってください!」

【第2幕:あなたの反論】

あなたは怒ります。「ふざけるな! 俺はあんたたちが特許を出すずっと前からこの味でやってるんだ! パクったわけじゃない!」

しかし、B社は冷たく言います。

「特許法は『先願主義(早い者勝ち)』です。先に発明したかどうかは関係ない。先に『出願(手続き)』をした我々が勝者なんです」

【第3幕:79条の救済】

B社の言うことは原則としては正しいのですが、これではあまりにあなたが可哀想ですよね。

そこで登場するのが「先使用権(79条)」です。

法律の結論:

「Aさんは、B社が出願する『前』から、そのスープを作っていた実績がある。

だから、特許権に関係なく、タダ(無償)でそのまま店を続けてよし!」

これが先使用権です。


2. なぜ「タダ」で使えるのか?

中用権や後用権は「お金(対価)」が必要でしたが、先使用権はタダ(無償)です。なぜなら、「あなた(Aさん)には1ミリも落ち度がないから」です。

  • あなたは誰のアイデアも盗んでいません(独自に発明した)。

  • あなたはB社より先に事業を始めていました。

  • ただ「特許庁に手続きしなかった」だけです(特許を取るかどうかは自由です)。

先にやっていた人」の既得権(今まで通りの生活)を守るのは当然のことなので、B社にお金を払う義理はないのです。


3. 先使用権が成立するための「3つの条件」

「前からやってました」と口で言うだけではダメです。以下の3つを証明する必要があります。

① 特許出願の「際(瞬間)」にやっていること

B社が特許庁に書類を出した「その日時(分単位)」の時点で、すでにあなたが事業を始めている必要があります。「B社が出した翌日に始めました」ではダメです。0.1秒でも負けてはいけません。

② 「善意」であること(盗んでいないこと)

ここでいう善意は、「B社の発明を知らずに、独自に発明した(または正当な人から教わった)」という意味です。B社の研究所から盗み出したネタで先に工場を作っても、先使用権は認められません。

③ 事業の「準備」でもOK

ここが重要です。まだラーメンを1杯も売っていなくてもOKです。

「店舗を契約した」「寸胴鍋を発注した」「メニュー表を印刷した」といった、「即時実施の意図を持って、客観的な準備が進んでいる」段階であれば、先使用権は発生します。

4. 唯一の弱点:「範囲」の限定

~「そのまま」ならいいけど、「拡大」はダメ~

先使用権は「今まで通り続けていいよ」という権利であって、「特許権者より強くなる権利」ではありません。

そのため、「事業の目的の範囲内」という制限がつきます。

  • 〇 OKな例: ラーメン屋をそのまま続ける。売上が伸びて生産量が増える。

  • × ダメな例: 「お、このスープ特許取れるくらい凄いのか! よし、全国展開して工場を建てて、カップ麺としてコンビニで売りまくろう!

このように、特許出願の時点で計画していなかったようなビジネスの大転換(種類の変更など)を行うと、そのはみ出した部分は特許権侵害になります。

5. まとめ(79条 単体)

  • どんな権利?: 特許出願よりからやっていた人が、そのまま続けられる権利。

  • お金は?: 不要(タダ)。

  • 条件は?: 「独自に発明したこと」と「出願時点で事業(または準備)をしていたこと」の証明。

  • 注意点: 証拠(日付入りの日誌、図面、領収書など)がないと裁判で負ける。「知財管理(証拠確保)」が超重要。

 

それでは、「4つの権利」を、一気に横並びにして比較します。

1. 全体像:タイムラインで位置をつかむ

まず、「いつ、ビジネスを始めたか?」で大きく2つのグループに分かれます。

  • グループA:出願の「前」からやっていた

    • $\rightarrow$ 先使用権 (79条)

    • (特許のレースが始まる前から走っていた人)

  • グループB:特許が「一度死んでから」始めた

    • $\rightarrow$ 中用権 (80条)、回復後 (112条の3)、後用権 (176条)

    • (レースが中断している隙にコースに入ってきた人)


2. 決定版! 4大権利の比較表

「お金(対価)がいるか?」と「特許権者に落ち度はあるか?」に注目して見てください。

権利の名前 条文 発生タイミング 対価 (お金) 判定のロジック (心の声)
先使用権 79条 出願の 不要 (タダ) 「私が元祖です。後から来たお前に金を払う義理はない!」
回復後の実施権 112条の3 特許料の未納による消滅期間 不要 (タダ) 「期限を守らなかった権利者が悪い。タダで使われても自業自得。」
中用権 80条 無効審判で権利者が交代する前 必要 (有料) 「元の権利者もかわいそうだけど、新しい権利者への敬意(金)は払おう。」
後用権 176条 再審で特許が復活する前 必要 (有料) 「権利者は騙された被害者だ。ビジネスは認めるから、家賃は払ってあげて。」

3. 「タダ」か「有料」かの境界線はどこ?

ここが一番の悩みどころですが、実はシンプルなルールがあります。

【タダ(無償)になるケース】

「権利者側に重大なミスがある」 or 「使う側が圧倒的に正しい」

  • 79条: 使う側(先使用者)は、独自に発明した正義の人です。文句なしでタダ。

  • 112条の3: 権利者が「期限管理ミス」という大失態を犯しています。ペナルティとしてタダ。

【有料(有償)になるケース】

「権利者側には罪がない(または薄い)」

  • 80条・176条: どちらも、審判や裁判という「公的な判断」が二転三転した結果、巻き込まれたケースです。

    • 権利者は、好きで特許を失ったわけではありません。

    • だから、「せめてお金くらいは払ってバランスを取ろう(衡平の原則)」となります。


4. 実践! ケーススタディ(クイズ)

以下の状況で、Aさんはどの権利を主張すべきでしょうか?また、お金は必要でしょうか?

ケース1:

Aさんは、ライバルB社が特許出願する1年前から、工場で製品を作っていた。B社から警告状が届いた。

  • 正解: 先使用権 (79条)

  • お金: 不要

  • 解説: 「出願前から」なのでこれ一択です。

ケース2:

B社の特許が「特許料未納」で消えているのを見て、Aさんは工場を作った。その後、B社が追納して復活した。

  • 正解: 回復後の通常実施権 (112条の3)

  • お金: 不要

  • 解説: 権利者のミス(未納)なので、AさんはタダでOKです。

ケース3:

B社の特許が無効審決で確定した。Aさんはそれを見て工場を作った。しかし、実は証拠が偽造で、再審によりB社の特許が復活した。

  • 正解: 後用権 (176条)

  • お金: 必要

  • 解説: Bさんは被害者なので、Aさんは対価を払う必要があります。


5. 最後に:初学者が間違えやすいポイント

最後に、これだけは気をつけてください。

  • 「いつ始めたか」を確認する癖をつける!

    • トラブルになったら、まず**「出願日」**を見ます。

    • それより前なら「79条(最強・タダ)」。

    • それより後なら、「特許が死んでいた空白期間はあるか?」を探します。

  • 「中用権」という言葉を乱用しない!

    • 80条以外(特に112条の3)を中用権と呼ぶのは、プロの前では禁物です。

これで、中用権・後用権・先使用権の3大セット(+112条の3)の解説は完結です!法律の「公平さを保とうとする意図」が見えてくると、丸暗記しなくても答えが出るようになりますよ。

特許法の条文の番号が変更されない理由

質問:特許法は何条は「削除」とか、何条の2とか付け足したりして、改正されても、第何条という番号が保持されてるのはなぜでしょうか?この不動の順番は、「旧法」以来なのでしょうか?特許法の歴史の中で番号は変化していないのでしょうか。

Gemini:法律の「条文番号」は特許法に限らず、日本の法律全体の「お作法」に関わる深い話です。現在の番号の並び順は、1959年(昭和34年)に決まったもので、それ以前(旧法)とは別物です。

1. 「旧法」と「現行法」の成立年

まず、特許法の歴史における「2つのビッグバン(全面改正)」の日付を押さえましょう。

名称 成立年 備考
(初代)専売特許条例 1885年(明治18年) 日本初の特許制度。
旧法(大正法) 1921年(大正10年) これがいわゆる**「旧法」**と呼ばれるものです。
現行法(昭和法) 1959年(昭和34年) 今、私たちが勉強している法律です。

質問にある「不動の順番」は、1959年(昭和34年)にリセットされて決まったものであり、大正時代の旧法から引き継いだものではありません。

ここがポイント:

1959年の改正は「部分的な手直し」ではなく、**「フルモデルチェンジ(全部改正)」**でした。

だから、この時に条文番号はガラガラポンと作り直されています。

2. なぜ「第◯条の2」とか「削除」にするの?

1959年以降、特許法は何度も改正されています(平成改正、令和改正など)。

それなのに、なぜ番号をズラさない(繰り上げ・繰り下げしない)のでしょうか?理由はズバリ、「社会が大混乱するのを防ぐため(法的安定性)」です。もし、間に新しい条文を入れて、それ以降の番号を全部「+1」してズラしてしまうと、どうなるでしょうか?

  1. 過去の判決文が死ぬ

    • 「最高裁の昭和〇年の判決で、特許法29条についてこう言ってたよね」という議論が、番号が変わると「えっと、今の法律だと30条だっけ?29条だっけ?」と照らし合わせるのが地獄になります。

  2. 契約書が死ぬ

    • 企業間のライセンス契約書に「本契約は特許法79条(先使用権)に基づく…」と書いてあった場合、法律の番号が変わると、契約書の書き直しや読み替えが必要になり、ビジネスが大混乱します。

  3. 教科書が死ぬ

    • 私たち受験生や実務家が「29条は新規性!」「29条の2は拡大先願!」と暗記しているのが、全部パーになります。

だから、日本の法律(立法技術)では、以下のルールを鉄則としています。

  • 新しい条文を入れたい時:

    • その場所に「枝番(えだばん)」をつける。(例:29条の次に「29条の2」を作る)

  • 条文がいらなくなった時:

    • 番号を詰めずに、「削除」という空箱だけ残す。(例:「第〇条 削除」と書いておく)

これを「枝番(えだばん)方式」と呼びます。これによって、昭和34年から現在まで、主要な条文(29条や104条の3など)の番号は「不動」のまま維持されているのです。

3. 歴史の中で番号は変化しなかったの?

しました!ここが誤解しやすいところですが、「明治や大正の旧法」と「今の昭和法」では、番号は全然違います。比較してみましょう。

内容 旧法(大正10年) 現行法(昭和34年)
特許できる発明(要件) 第1条 第29条
新規性の喪失の例外 第4条・第5条 第30条
先願主義 第8条 第39条

全然違いますよね?旧法(大正法)では、いきなり第1条で「発明をした者は特許を受ける権利を有する」みたいな実質的な話から始まっていました。一方、現行法(昭和法)では、第1条は「この法律の目的」、第2条は「定義」…と、現代的な法律の構成(パンデクテン方式に近い整理)に組み直されました。つまり、こういうことです。

  • Q. この不動の順番は、旧法以来?

  • A. いいえ、違います。 1959年(昭和34年)の全面改正の時に、現在の並び順に「リセット」されました。

  • Q. 番号が変化したことはないの?

  • A. 1959年まではありました。 しかし、1959年に現行法ができてからは、「枝番」と「削除」を駆使して、意地でも番号をズラさないように守り続けています。

まとめ

  • 旧法(大正10年法)現行法(昭和34年法)は、番号が全く違う別物。

  • 今の番号(29条=新規性、など)は、1959年生まれ

  • それ以降は、実務の混乱を防ぐために「枝番(〇条の2)」を使って、必死にメインの番号を固定している。

だからこそ、私たちは安心して「79条は先使用権!」と覚えていられるわけですね。(もし毎年番号が変わっていたら、弁理士試験は記憶力の限界を超えてしまいます…笑)

暗記すべき特許法条文番号ランキングトップ30

弁理士試験の合格者が頭に入れている「条文番号の背骨(トップ30)」。頻出度と重要度を考慮して、S・A・Bランクに分けています。

【Sランク】 呼吸をするように出てくる「ビッグ5」

(ここが出ないと会話が始まりません。最優先です。)

順位 条文番号 通称・キーワード ひとこと解説
1 29条 新規性・進歩性 特許の基本中の基本。「新しいか?容易じゃないか?」
2 29条の2 拡大先願 「カクダイセンガン」。先輩の出願と中身がかぶったらダメ。
3 39条 先願 早い者勝ちルール。「1日でも早く出した方が勝つ」。
4 36条 記載要件 願書の書き方ルール。「実施可能要件」や「サポート要件」など。
5 17条の2 補正 願書の内容を後から修正すること。「補正の時期と範囲」が試験の山場。

【Aランク】 実務・試験の「主役級」10選

(論文試験や口述試験で、番号を間違えると致命傷になるレベルです。)

順位 条文番号 通称・キーワード ひとこと解説
6 30条 新規性の喪失の例外 うっかり発表しちゃった時の救済(グレースピリオド)。
7 49条 拒絶理由 「お前の特許はここがダメだ」リスト。条文番号のデパート。
8 41条 国内優先権 自分の過去の出願をベースに、新ネタを追加して出し直す制度。
9 44条 分割出願 1つの特許出願を、2つ以上に切り分けること。
10 123条 無効審判 ライバルの特許を消し去るための攻撃手段。
11 121条 拒絶査定不服審判 審査官にNOと言われたけど、納得いかない時の不服申し立て。
12 68条 特許権の効力 「業として特許発明の実施をする権利を専有する」という定義。
13 70条 技術的範囲 「私の権利はここまで!」という範囲の決め方(クレーム解釈)。
14 104条の3 無効の抗弁 「侵害だと言うけど、そもそもお前の特許無効だろ?」という返し技。
15 101条 間接侵害 完成品じゃなく「専用部品」を売っただけでも侵害になるルール。

【Bランク】 ここまで覚えれば合格者レベル!15選

<権利の運用・トラブル系>

順位 条文番号 通称・キーワード ひとこと解説
16 35条 職務発明 社員が発明した時、会社とどうお金のやり取りをするか。
17 72条 利用関係 「あなたの特許、私の基本特許を使ってるよね?勝手にやらないで」
18 102条 損害賠償 侵害された時、「いくら請求できるか」の計算式。
19 79条 先使用権 【攻略済】 出願前からやってた人はタダで継続OK。
20 80条 中用権 【攻略済】 無効審判でひっくり返った時の有料救済。
21 176条 後用権 【攻略済】 再審で復活した時の有料救済。

<手続き・審査系>

順位 条文番号 通称・キーワード ひとこと解説
22 43条 パリ条約の優先権 外国に出すとき、「日本の出願日」を基準にしてもらう制度。
23 53条 補正の却下 「そんな大幅な書き換えは認めん!」と門前払いされること。
24 50条 拒絶理由通知 いきなり拒絶せず、「反論のチャンス(意見書)」を与える義務。
25 46条 出願の変更 実用新案や意匠へ乗り換えること。

<審判・その他>

順位 条文番号 通称・キーワード ひとこと解説
26 126条 訂正審判 特許になった後で、自分で範囲を狭くして守りを固めること。
27 134条の2 訂正の請求 無効審判で攻められた時に、カウンターで訂正すること。
28 163条 一事不再理 「一度確定したら、同じネタで何度も蒸し返すな」というルール。
29 67条 存続期間 原則20年。薬などは5年延長できる(延長登録出願)。
30 33条 特許を受ける権利 発明が完成してから出願するまでの、「卵」の状態の権利。

 

弁理士試験に合格するためには特許法の第何条に何がかいてあるかまで覚える必要があるの?

条文の番号を覚える必要性

質問:弁理士試験に合格するためには、「29条は新規性!」と暗記してないとだめなの?

Gemini:「合格レベルに達するには、主要な条文番号の暗記は必須」です。なぜ暗記が必要なのか、そしてどうすれば楽に覚えられるか、その「カラクリ」を解説します。

1. なぜ「条文番号」を覚えないといけないの?

「法文集(試験で貸与される法律の本)」には索引がありません。しかし、暗記が必要な理由は「検索スピード」だけではないのです。

理由①:論文試験では「書く」必要があるから

これが最大の理由です。論文試験では、答えの文章の中に「条文番号」を明記しなければなりません。

(ダメな答案)

「この発明は新しいから、特許になる。」

(合格する答案)

「本願発明は、特許法第29条第1項各号のいずれにも該当しないため、新規性を有する。」

このように、「私の主張の根拠は、法律の〇条にあります!」と指し示すのが法律家の作法です。試験中、法文集は貸してもらえますが、いちいち「新規性は何条だっけ…」と探していたら、絶対に時間が足りずに不合格になります。

理由②:短答試験(マークシート)には法文集がないから

一次試験(短答)では、そもそも法文集を見ることが許されません

特許法29条の2の要件として、正しいものはどれか?

という問題が出たとき、「29条の2=拡大先願」と脳内で変換できないと、問題の意味すら分からないのです。

2. 「辞書」ではなく「地図」で覚える

法律の条文は、「物語の時系列(タイムライン)」で並んでいます。これを「地図」として頭に入れると、細かい番号を忘れても「だいたいあの辺」と瞬時に検索できるようになります。特許法は、以下のような「製品(発明)の一生」の順に並んでいます。

章(エリア) 条文番号の目安 内容(ストーリー)
総則 1条~28条 定義とか、手続きの基本ルール
特許要件 29条~38条 「どんな発明なら特許になるか?」 (一番大事!)
審査 47条~63条 審査官がどうチェックするか
特許権 66条~99条 特許になった後の権利の話
審判 121条~ もめた時の話し合い(無効審判など)
罰則 196条~ 悪いことした時の罰

これを見てください。「29条(新規性)」や「39条(先願)」は、「特許要件(審査のスタートライン)」のエリアにありますよね?「特許を取りたい!審査してくれ!」という入り口の話だから、若い番号(29条あたり)にあるんです。逆に、「無効審判(123条)」や「後用権(176条)」は、「特許になった後のトラブル」の話だから、後ろの方(100番台)にあるんです。この「住所感覚」を持つことが、丸暗記を避けるコツです。

3. 実は「覚えるべき番号」は少ない

200条以上ある特許法ですが、即答できないとマズい「Sランク条文」は、実は20個くらいしかありません。それ以外は、「だいたい130条あたりかな?」とあたりをつけて、法文集をパラパラめくればOKです(論文試験の場合)。

【これだけは!絶対暗記リスト(Sランク)】

この5つだけは、電話番号だと思って今日覚えてしまいましょう。これだけで試験の5割は戦えます。

  1. 29条:新規性・進歩性(基本中の基本)

  2. 29条の2:拡大先願(ちょっと難しい先願)

  3. 30条:新規性喪失の例外(うっかり発表しちゃった時の救済)

  4. 36条:記載要件(願書の書き方ルール)

  5. 39条:先願(早い者勝ちルール)

これらは、勉強していると「親の顔より見る」ことになるので、嫌でも覚えます。ご安心ください。

結論

  • Q: 条文番号の暗記は必須か?

  • A: 必須です。 特に論文試験の時間短縮のために不可欠です。

  • Q: 暗記が苦手な自分にはつらい?

  • A: 200個全部覚える必要はありません!まずは「特許要件の29条~39条」のエリアだけ覚えれば十分です。あとは「物語の順序(地図)」でだいたいの場所を把握すれば、法文集を素早く引けるようになります。

最初は「うわぁ…」と思いますが、不思議なもので、繰り返し問題を解いていると「あ、また29条か」と、スーパーの売り場の配置(卵は奥、野菜は手前)のように自然と体が覚えていきますよ。焦らずいきましょう!

実際の出題のされ方

「第◯条の内容を答えよ」というクイズ形式そのものが出るわけではありませんが、「29条の2といえばアレのことだよね?」という前提で会話が進むのが、弁理士試験(特に短答と口述)のリアルな姿なんです。具体的にどんな風に出題されるのか、「絶望」ではなく「対策」に変わるように、実際の出題パターンをお見せします。

1. 短答試験(マークシート)での出かた

~「タイトル」として登場する~

実際の問題文は、こんな感じで始まります。

【実際の問題文のイメージ】

『特許法第29条の2の規定に関し、次のうち、正しいものはどれか。』

  1. 出願人が同一である場合でも、適用される。

  2. 発明者が同一である場合は、適用されない。…(以下略)

怖ろしいことに、問題文には「拡大先願」という言葉は一言も書いてありません。「29条の2」という記号を見て、瞬時に脳内で「あ、拡大先願の話ね!」と変換できないと、選択肢の〇×が判定できないのです。これが、「主要な条文番号は暗記しないと試合にならない」と言われる理由です。

2. 口述試験(面接)での出かた

~これが一番怖い!~

最終試験である口述試験では、面接官といきなりこんな会話が始まります。

面接官: 「では、特許法第29条の2の規定についてお伺いします。この規定の趣旨を述べてください。

受験生: (えっ…29条の2って何だっけ…新規性だっけ…先願だっけ…)「えーと…」

面接官: 「……。(無言の圧力)」

ここで「拡大先願のことですね!」と即答できないと、その場で沈黙が続き、不合格のリスクが一気に高まります。法文集を見せてもらえる場合もありますが、基本的には「主要条文は覚えてきて当然だよね?」というスタンスで質問が飛んできます

3. でも、安心して!「人間の脳」は適応します

これを聞くと「自分には無理だ…」と思うかもしれませんが、大丈夫です。私たち受験生は、数字を「数字」として覚えているわけではないのです。「固有名詞(ニックネーム)」として認識しています。例えば…

  • 「セブンイレブン」 と聞いて、「7と11の数字」とは思いませんよね?「コンビニ」という概念が浮かびますよね。

  • 「AKB48」 と聞いて、48という数字の意味より「アイドルグループ」と認識しますよね。

それと全く同じ感覚になります。

  • 「29条の2」 → 数字ではなく、「カクダイセンガン」という名前のキャラクターに見えてくるんです。

勉強を始めたばかりの今は「ただの無機質な数字」に見えると思いますが、何度も何度もテキストで「29条の2(拡大先願)」という文字を見ているうちに、「ああ、またアイツか」と、親戚のオジサンの顔のように馴染んできます。

結論

  • Q. 「29条の2については…」という問題は出る?

  • A. ガンガン出ます。

  • 対処法: 丸暗記しようと力む必要はありません。「29条の2」は、この業界の「超有名アイドル(センター)」なので、勉強を進めれば、嫌でも顔と名前(番号と内容)が一致するようになります。

今は「へぇ、そんなに有名な番号があるんだ」くらいに思っておいて、まずは「中身(概念)」の理解に集中して大丈夫ですよ!

合格に必要な暗記すべき条文の数は

安心してください。「全部で200条あるうちの、トップ15」くらいを押さえれば、まずは合格ラインです。今から挙げる「メジャー条文」は、毎日使うので自然と覚えます。覚悟を決めていただくために、「これだけは番号で言えないとマズいリスト」を公開します。


【Sランク】 番号即答必須リスト

特許要件(29条周辺)以外で、プロが「番号」で呼ぶのはコイツらです。

1. 手続き・補正(審査の途中の話)

ここが一番出ます。特に「17条の2」は親の顔より見ます。

  • 第17条の2: 補正(願書を書き直すこと)。

    • 17の2によれば~」と、受験生は呼吸するように言います。

  • 第41条: 国内優先権

    • 「自分の過去の出願をベースに、新しい内容を盛り込む」制度。超重要かつ超複雑。

  • 第44条: 分割出願

    • 「特許の一部を切り分けて、別の特許として出す」こと。

2. 拒絶理由(ダメ出し)

  • 第49条: 拒絶の理由

    • 審査官が「お前の特許はここがダメだ!」と言うためのリスト。「49条〇号に該当する」という言い方をします。

3. 侵害・権利(ケンカの話)

  • 第68条: 特許権の効力

    • 「業として特許発明の実施をする権利を専有する」という、特許権の定義そのものです。

  • 第70条: 技術的範囲

    • 「どこからどこまでが俺の権利か?」を決める条文。

  • 第101条: 間接侵害

    • 「完成品じゃないけど、部品を売っただけでも侵害になる?」という話。「101条問題」と言えばこれ。

  • 第104条の3: 無効の抗弁

    • 「俺の特許を侵害だと言うけど、そもそもお前の特許、無効だろ?」と裁判で言い返す必殺技。

4. 審判(話し合い)

  • 第121条: 拒絶査定不服審判

    • 審査官にNOと言われたけど、納得いかない時の不服申し立て。

  • 第123条: 無効審判

    • ライバルの特許を消すための手続き。

「覚えなくていい」条文も山ほどある

逆に言うと、これら以外は「なんとなくあの辺」で大丈夫です。

例えば:

  • 第1条(目的): 「産業の発達」とか書いてあるだけ。番号は覚えるまでもない。

  • 第47条、48条(審査官の資格): 誰も気にしません。

  • 第196条(罰則): 「懲役10年以下」とか書いてありますが、試験で「何条か?」とは聞かれません。

効率的な覚え方:語呂合わせよりも「セット」で

丸暗記がつらい場合、「対立構造(セット)」で覚えると脳に定着しやすいです。

今回あなたが学んだ知識を整理すると、もうこんなに覚えられていますよ。

セット名 条文番号 内容
ライバルの攻撃セット 123条 vs 104条の3 「無効審判」で攻めるか、「裁判所」で反論するか。
出願の修正セット 17条の2 内容を直す(補正)ときのルール。
出願の分裂・合体セット 44条 & 41条 分けるのが44条(分割)、合体させるのが41条(優先権)。
救済四天王(攻略済) 79, 80, 112の3, 176 あなたが詳しくなった「先使用権」たち。

結論

  • Q:暗記すべきは、29~38条あたりだけで十分?

  • A: 残念ながら、17条の2、41条、44条、123条あたりも必須です。

  • アドバイス:一気に覚えようとしないでください。「特許要件(29条)」がわかっていないと、そもそも「補正(17条の2)」の意味がわかりません。勉強の進度に合わせて、「新しいボスキャラが登場したな」くらいの感覚で、1つずつクリアしていけば大丈夫です。

 

特許法だけじゃなく商標法とか著作権法とかも?

「はい、その通りです。」……ですが、絶望するのはまだ早いです!全部が全部、特許法と同じレベルで覚える必要はありません。「暗記の濃度(濃さ)」が法律によって全然違うんです。ざっくり言うと、「特許法と商標法はガチ暗記。あとは流しでOK」というのが、合格者のリアルな感覚です。効率よく脳のリソースを配分するために、「科目別・暗記レベル」を解説します。

1. 暗記レベルMAX:【商標法】

~特許法に並ぶ「もう一人のラスボス」~

残念なお知らせですが、商標法だけは、特許法と同じくらい、いや、それ以上に条文番号が重要です。

なぜなら、商標法には「第3条(識別力)」第4条(不登録事由)」という、受験生全員が呪文のように暗唱する「超・巨大条文」があるからです。

  • 第3条: 「普通名称はダメ」「慣用されているマークはダメ」などのリスト。

  • 第4条: 「国旗はダメ」「他人の名前に似てたらダメ」「公序良俗違反はダメ」など、なんと1号から19号まであります。

試験では「これは商標法4条1項11号に該当するからダメ!」と、「号数(枝番)」まで即答できるレベルが求められます。

結論: 商標法は、主要な番号(特に3条、4条、50条など)の暗記からは逃げられません。ここが第二の山場です。

2. 暗記レベル中:【意匠法】

~特許法の「弟分」なのでラク~

意匠法(デザインの法律)も番号は大事ですが、特許法と構造がソックリなので、新しく覚えることは少ないです。

  • 特許法の「29条(新規性)」→ 意匠法では「3条」

  • 特許法の「29条の2(拡大先願)」→ 意匠法では「3条の2」

  • 特許法の「39条(先願)」 → 意匠法では「9条」

このように、「特許法でいうアレは、意匠法だと何番?」という「変換テーブル」を頭に入れるだけで済みます。ゼロから覚える必要はないので、特許法をマスターしていれば半分終わったようなものです。

3. 暗記レベル低:【実用新案法】

~ほぼ「特許法のコピペ」~

実用新案法は、条文のほとんどが「特許法の第〇条を準用する(コピーして使う)」と書いてあるだけです。

  • 「実用新案法 第〇条 $\rightarrow$ 特許法 第〇条を準用する」

と覚えるだけなので、固有の番号を覚える必要はほとんどありません。特許法の知識がそのまま使えます。

4. 暗記レベル特殊:【著作権法・不競法】

~番号よりも「キーワード」~

この2つは、条文の数が膨大だったり、定義が抽象的だったりするので、「第何条か?」というピンポイントな出題頻度は下がります。

  • 著作権法:

    • 「30条(私的使用のための複製)」 などの「権利制限規定(ここからここまでならパクってOK)」のエリアだけは重要ですが、それ以外は「著作者人格権」などの言葉の意味がわかれば戦えます。

  • 不正競争防止法:

    • 「2条(定義)」 が全てです。ここだけ異常に長いですが、ここさえ押さえればあとはオマケです。

まとめ:あなたの脳への負担グラフ

これからの学習ロードマップはこんな感じです。

  1. 特許法(いまここ): 【負担度 100】

    • 一番しんどい。でもこれが「法律の共通言語(ベース)」になる。

  2. 実用新案法: 【負担度 5】

    • 「特許法と同じ」で終了。

  3. 意匠法: 【負担度 40】

    • 「特許法の弟分」として、違う部分(特有の制度)だけ覚える。

  4. 商標法: 【負担度 90】

    • ここだけ要注意! 全く違うルール(ブランド保護)なので、新しい番号の暗記が必要。

  5. 条約・著作権・不競法: 【負担度 30】

    • 重要ポイントつまみ食いでOK。

結論

  • Q. 全部覚えなきゃいけないの?

  • A. いいえ。「特許法」と「商標法」の2つだけがメインです。あとは「流用」や「要点のみ」でなんとかなります。

今は「特許法という一番巨大な山」を登りきれば、あとは下り坂や低い丘が待っています。「特許法の30個」さえクリアできれば、あとの法律は「あ、これ特許法でやったアレに似てるな」と楽に覚えられますよ!安心してください。

特許法 第九章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例(第百八十四条の三~第百八十四条の二十)特許法条文朗読(ナレーション)YOUTUBE動画文字付

【読み上げ音声】特許法 第九章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例(第百八十四条の三~第百八十四条の二十) 法ヨミ! チャンネル登録者数 182人

第九章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例
(国際出願による特許出願)
第百八十四条の三 千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約(以下この章において「条約」という。)第十一条(1)若しくは(2)(b)又は第十四条(2)の規定に基づく国際出願日が認められた国際出願であつて、条約第四条(1)(ii)の指定国に日本国を含むもの(特許出願に係るものに限る。)は、その国際出願日にされた特許出願とみなす。
2 前項の規定により特許出願とみなされた国際出願(以下「国際特許出願」という。)については、第四十三条(第四十三条の二第二項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
(外国語でされた国際特許出願の翻訳文)
第百八十四条の四 外国語でされた国際特許出願(以下「外国語特許出願」という。)の出願人は、条約第二条(xi)の優先日(以下「優先日」という。)から二年六月(以下「国内書面提出期間」という。)以内に、前条第一項に規定する国際出願日(以下「国際出願日」という。)における条約第三条(2)に規定する明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。以下この条において同じ。)及び要約の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。ただし、国内書面提出期間の満了前二月から満了の日までの間に次条第一項に規定する書面を提出した外国語特許出願(当該書面の提出の日以前に当該翻訳文を提出したものを除く。)にあつては、当該書面の提出の日から二月(以下「翻訳文提出特例期間」という。)以内に、当該翻訳文を提出することができる。
2 前項の場合において、外国語特許出願の出願人が条約第十九条(1)の規定に基づく補正をしたときは、同項に規定する請求の範囲の翻訳文に代えて、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を提出することができる。
3 国内書面提出期間(第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間。以下この条において同じ。)内に第一項に規定する明細書の翻訳文及び前二項に規定する請求の範囲の翻訳文(以下「明細書等翻訳文」という。)の提出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げられたものとみなす。
4 前項の規定により取り下げられたものとみなされた国際特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、明細書等翻訳文並びに第一項に規定する図面及び要約の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。ただし、故意に、国内書面提出期間内に当該明細書等翻訳文を提出しなかつたと認められる場合は、この限りでない。
5 前項の規定により提出された翻訳文は、国内書面提出期間が満了する時に特許庁長官に提出されたものとみなす。
6 第一項に規定する請求の範囲の翻訳文を提出した出願人は、条約第十九条(1)の規定に基づく補正をしたときは、国内書面提出期間が満了する時(国内書面提出期間内に出願人が出願審査の請求をするときは、その請求の時。以下「国内処理基準時」という。)の属する日までに限り、当該補正後の請求の範囲の日本語による翻訳文を更に提出することができる。
7 第百八十四条の七第三項本文の規定は、第二項又は前項に規定する翻訳文が提出されなかつた場合に準用する。
(書面の提出及び補正命令)
第百八十四条の五 国際特許出願の出願人は、国内書面提出期間内に、次に掲げる事項を記載した書面を特許庁長官に提出しなければならない。
一 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 発明者の氏名及び住所又は居所
三 国際出願番号その他の経済産業省令で定める事項
2 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
一 前項の規定により提出すべき書面を、国内書面提出期間内に提出しないとき。
二 前項の規定による手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
三 前項の規定による手続が経済産業省令で定める方式に違反しているとき。
四 前条第一項の規定により提出すべき要約の翻訳文を、国内書面提出期間(前条第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)内に提出しないとき。
五 第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を国内書面提出期間内に納付しないとき。
3 特許庁長官は、前項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないときは、当該国際特許出願を却下することができる。
(国際出願に係る願書、明細書等の効力等)
第百八十四条の六 国際特許出願に係る国際出願日における願書は、第三十六条第一項の規定により提出した願書とみなす。
2 日本語でされた国際特許出願(以下「日本語特許出願」という。)に係る国際出願日における明細書及び外国語特許出願に係る国際出願日における明細書の翻訳文は第三十六条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、日本語特許出願に係る国際出願日における請求の範囲及び外国語特許出願に係る国際出願日における請求の範囲の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した特許請求の範囲と、日本語特許出願に係る国際出願日における図面並びに外国語特許出願に係る国際出願日における図面(図面の中の説明を除く。)及び図面の中の説明の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した図面と、日本語特許出願に係る要約及び外国語特許出願に係る要約の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
3 第百八十四条の四第二項又は第六項の規定により条約第十九条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合は、前項の規定にかかわらず、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を第三十六条第二項の規定により願書に添付して提出した特許請求の範囲とみなす。
(日本語特許出願に係る条約第十九条に基づく補正)
第百八十四条の七 日本語特許出願の出願人は、条約第十九条(1)の規定に基づく補正をしたときは、国内処理基準時の属する日までに、同条(1)の規定に基づき提出された補正書の写しを特許庁長官に提出しなければならない。
2 前項の規定により補正書の写しが提出されたときは、その補正書の写しにより、願書に添付した特許請求の範囲について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなす。ただし、条約第二十条の規定に基づき前項に規定する期間内に補正書が特許庁に送達されたときは、その補正書により、補正がされたものとみなす。
3 第一項に規定する期間内に日本語特許出願の出願人により同項に規定する手続がされなかつたときは、条約第十九条(1)の規定に基づく補正は、されなかつたものとみなす。ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。
(条約第三十四条に基づく補正)
第百八十四条の八 国際特許出願の出願人は、条約第三十四条(2)(b)の規定に基づく補正をしたときは、国内処理基準時の属する日までに、日本語特許出願に係る補正にあつては同条(2)(b)の規定に基づき提出された補正書の写しを、外国語特許出願に係る補正にあつては当該補正書の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。
2 前項の規定により補正書の写し又は補正書の翻訳文が提出されたときは、その補正書の写し又は補正書の翻訳文により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなす。ただし、日本語特許出願に係る補正につき条約第三十六条(3)(a)の規定に基づき前項に規定する期間内に補正書が特許庁に送達されたときは、その補正書により、補正がされたものとみなす。
3 第一項に規定する期間内に国際特許出願の出願人により同項に規定する手続がされなかつたときは、条約第三十四条(2)(b)の規定に基づく補正は、されなかつたものとみなす。ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。
4 第二項の規定により外国語特許出願に係る願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなされたときは、その補正は同条第二項の誤訳訂正書を提出してされたものとみなす。
(国内公表等)
第百八十四条の九 特許庁長官は、第百八十四条の四第一項又は第四項の規定により翻訳文が提出された外国語特許出願について、特許掲載公報の発行をしたものを除き、国内書面提出期間(同条第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間。以下この項において同じ。)の経過後(国内書面提出期間内に出願人から出願審査の請求があつた国際特許出願であつて条約第二十一条に規定する国際公開(以下「国際公開」という。)がされているものについては出願審査の請求の後、第百八十四条の四第四項の規定により明細書等翻訳文が提出された外国語特許出願については当該明細書等翻訳文の提出の後)、遅滞なく、国内公表をしなければならない。
2 国内公表は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。
一 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 特許出願の番号
三 国際出願日
四 発明者の氏名及び住所又は居所
五 第百八十四条の四第一項に規定する明細書及び図面の中の説明の翻訳文に記載した事項、同項に規定する請求の範囲の翻訳文(同条第二項に規定する翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)及び同条第六項に規定する翻訳文に記載した事項、図面(図面の中の説明を除く。)の内容並びに要約の翻訳文に記載した事項(特許公報に掲載することが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると特許庁長官が認めるものを除く。)
六 国内公表の番号及び年月日
七 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
3 第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約の翻訳文に記載した事項を特許公報に掲載する場合に準用する。
4 第六十四条の規定は、国際特許出願には、適用しない。
5 国際特許出願については、第四十八条の五第一項、第四十八条の六、第六十六条第三項ただし書、第百二十八条、第百八十六条第一項第一号及び第四号並びに第百九十三条第二項第一号、第二号、第七号及び第十号中「出願公開」とあるのは、日本語特許出願にあつては「第百八十四条の九第一項の国際公開」と、外国語特許出願にあつては「第百八十四条の九第一項の国内公表」とする。
6 外国語特許出願に係る証明等の請求については、第百八十六条第一項第一号中「又は第六十七条の五第二項の資料」とあるのは「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第三条(2)に規定する国際出願の願書、明細書、請求の範囲、図面若しくは要約(特許権の設定の登録がされた国際特許出願に係るもの又は国際公開がされたものを除く。)」とする。
7 国際特許出願に関し特許公報に掲載すべき事項については、第百九十三条第二項第三号中「出願公開後における」とあるのは、「国際公開がされた国際特許出願に係る」とする。
(国際公開及び国内公表の効果等)
第百八十四条の十 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願については国際公開があつた後に、外国語特許出願については国内公表があつた後に、国際特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、日本語特許出願については国際公開がされた国際特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に、外国語特許出願については国内公表がされた国際特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に、業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。
2 第六十五条第二項から第六項までの規定は、前項の規定により請求権を行使する場合に準用する。
(在外者の特許管理人の特例)
第百八十四条の十一 在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時までは、第八条第一項の規定にかかわらず、特許管理人によらないで手続をすることができる。
2 前項に規定する者は、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出なければならない。
3 特許庁長官は、前項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出がなかつたときは、第一項に規定する者に対し、その旨を通知しなければならない。
4 前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出ることができる。
5 前項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げたものとみなす。
6 前項の規定により取り下げたものとみなされた国際特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出ることができる。ただし、故意に、第四項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。
7 第四項又は前項の規定によりされた届出は、第二項に規定する期間が満了する時にされた届出とみなす。
8 第一項に規定する者が、特許管理人により第百八十四条の四第四項の規定による手続をしたときは、第二項から前項までの規定は、適用しない。
(補正の特例)
第百八十四条の十二 日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第十七条第一項本文の規定にかかわらず、手続の補正(第百八十四条の七第二項及び第百八十四条の八第二項に規定する補正を除く。)をすることができない。
2 外国語特許出願に係る明細書、特許請求の範囲又は図面について補正ができる範囲については、第十七条の二第二項中「第三十六条の二第二項の外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、同条第三項中「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第八項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)。第三十四条の二第一項及び第三十四条の三第一項において同じ。)」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日(以下この項において「国際出願日」という。)における第百八十四条の三第二項の国際特許出願(以下この項において「国際特許出願」という。)の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の第百八十四条の四第一項の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の同項の翻訳文(同条第二項又は第六項の規定により千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第十九条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下この項において「翻訳文等」という。)(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)」とする。
(特許原簿への登録の特例)
第百八十四条の十二の二 日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第二十七条第一項第四号の規定にかかわらず、仮専用実施権の登録を受けることができない。
(特許要件の特例)
第百八十四条の十三 第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案登録出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第二十九条の二の規定の適用については、同条中「他の特許出願又は実用新案登録出願であつて」とあるのは「他の特許出願又は実用新案登録出願(第百八十四条の四第三項又は実用新案法第四十八条の四第三項の規定により取り下げられたものとみなされた第百八十四条の四第一項の外国語特許出願又は同法第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願を除く。)であつて」と、「出願公開又は」とあるのは「出願公開、」と、「発行が」とあるのは「発行又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と、「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
(発明の新規性の喪失の例外の特例)
第百八十四条の十四 第三十条第二項の規定の適用を受けようとする国際特許出願の出願人は、その旨を記載した書面及び第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明が第三十条第二項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面を、同条第三項の規定にかかわらず、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出することができる。
(特許出願等に基づく優先権主張の特例)
第百八十四条の十五 国際特許出願については、第四十一条第一項ただし書及び第四項並びに第四十二条第二項の規定は、適用しない。
2 日本語特許出願についての第四十一条第三項の規定の適用については、同項中「又は出願公開」とあるのは、「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。
3 外国語特許出願についての第四十一条第三項の規定の適用については、同項中「特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「又は出願公開」とあるのは「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。
4 第四十一条第一項の先の出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第四十一条第一項から第三項まで及び第四十二条第一項の規定の適用については、第四十一条第一項及び第二項中「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、同項中「同項」とあるのは「前項」と、同条第三項中「先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「先の出願の第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「同項」とあるのは「第一項」と、「について出願公開」とあるのは「について千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、第四十二条第一項中「その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時」とあるのは「第百八十四条の四第六項若しくは実用新案法第四十八条の四第六項の国内処理基準時又は第百八十四条の四第一項若しくは同法第四十八条の四第一項の国際出願日から経済産業省令で定める期間を経過した時のいずれか遅い時」とする。
(出願の変更の特例)
第百八十四条の十六 実用新案法第四十八条の三第一項又は第四十八条の十六第四項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願の特許出願への変更については、同法第四十八条の五第四項の日本語実用新案登録出願にあつては同条第一項、同法第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願にあつては同項又は同条第四項及び同法第四十八条の五第一項の規定による手続をし、かつ、同法第五十四条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後(同法第四十八条の十六第四項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願については、同項に規定する決定の後)でなければすることができない。
(出願審査の請求の時期の制限)
第百八十四条の十七 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。
(拒絶理由等の特例)
第百八十四条の十八 外国語特許出願に係る拒絶の査定、特許異議の申立て及び特許無効審判については、第四十九条第六号、第百十三条第一号及び第五号並びに第百二十三条第一項第一号及び第五号中「外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、第四十九条第六号、第百十三条第五号及び第百二十三条第一項第五号中「外国語書面に」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に」とする。
(訂正の特例)
第百八十四条の十九 外国語特許出願に係る第百二十条の五第二項及び第百三十四条の二第一項の規定による訂正及び訂正審判の請求については、第百二十六条第五項中「外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、「外国語書面)」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面)」とする。
(決定により特許出願とみなされる国際出願)
第百八十四条の二十 条約第二条(vii)の国際出願の出願人は、条約第四条(1)(ii)の指定国に日本国を含む国際出願(特許出願に係るものに限る。)につき条約第二条(xv)の受理官庁により条約第二十五条(1)(a)に規定する拒否若しくは同条(1)(a)若しくは(b)に規定する宣言がされ、又は条約第二条(xix)の国際事務局により条約第二十五条(1)(a)に規定する認定がされたときは、経済産業省令で定める期間内に、経済産業省令で定めるところにより、特許庁長官に同条(2)(a)に規定する決定をすべき旨の申出をすることができる。
2 外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)、要約その他の経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。
3 特許庁長官は、第一項の申出があつたときは、その申出に係る拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。
4 前項の規定により特許庁長官が同項の拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその拒否、宣言又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた特許出願とみなす。
5 前項の規定により特許出願とみなされた国際出願についての出願公開については、第六十四条第一項中「特許出願の日」とあるのは「第百八十四条の四第一項の優先日」と、同条第二項第六号中「外国語書面出願」とあるのは「外国語でされた国際出願」と、「外国語書面及び外国語要約書面」とあるのは「第百八十四条の二十第四項に規定する国際出願日となつたものと認められる日における国際出願の明細書、請求の範囲、図面及び要約」とする。
6 第百八十四条の三第二項、第百八十四条の六第一項及び第二項、第百八十四条の九第六項、第百八十四条の十二から第百八十四条の十四まで、第百八十四条の十五第一項、第三項及び第四項並びに第百八十四条の十七から前条までの規定は、第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願に準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

特許法条文の英語訳

公式な訳文があるのかどうか知りませんがAIに英訳させてみました。

第一章 総則 Chapter 1 General Provisions
(目的)
第一条 この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

(Purpose)
Article 1 The purpose of this Act is to encourage inventions by promoting their protection and utilization, thereby contributing to the development of industry. Translated with DeepL.com (free version)

(定義)
第二条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
2 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。
3 この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。

一 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
二 方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為
三 物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為

4 この法律で「プログラム等」とは、プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この項において同じ。)その他電子計算機による処理の用に供する情報であつてプログラムに準ずるものをいう。

(Definitions)
Article 2 In this Act, “invention” means a creation of a technical idea utilizing the laws of nature that is highly advanced.
2 In this Act, “patented invention” means an invention that has been granted a patent.
3. “Practice” of an invention under this Act means the following acts:

(i) For an invention relating to an article (including a program, etc.; the same applies hereinafter), the production, use, transfer, etc. (meaning transfer and lending; in the case where the article is a program, etc., it includes provision via telecommunications lines; the same applies hereinafter), export or import, or an offer to transfer, etc. (including exhibition for the purpose of transfer, etc.; the same applies hereinafter) of that article
(ii) For an invention relating to a method: the act of using that method.
(iii) For an invention relating to a method of producing an article: in addition to the acts listed in the preceding item, the act of using, transferring, etc., exporting or importing, or offering to transfer, etc., an article produced by that method.

4. In this Act, “program, etc.” means a program (meaning a set of instructions for a computer that can be combined to obtain a result; the same applies hereinafter in this paragraph) or other information intended for processing by a computer that is equivalent to a program. Translated with DeepL.com (free version)

(期間の計算)
第三条 この法律又はこの法律に基く命令の規定による期間の計算は、次の規定による。

一 期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
二 期間を定めるのに月又は年をもつてしたときは、暦に従う。月又は年の始から期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

2 特許出願、請求その他特許に関する手続(以下単に「手続」という。)についての期間の末日が行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第一条第一項各号に掲げる日に当たるときは、その日の翌日をもつてその期間の末日とする。

(Calculation of Periods)
Article 3. The calculation of periods under the provisions of this Act or orders based on this Act shall be governed by the following provisions.

(1) The first day of a period shall not be counted. However, this shall not apply if the period begins at 0:00.
(2) Where a period is specified in terms of months or years, the calendar shall be followed. Where a period does not commence from the beginning of a month or year, the period shall expire on the day preceding the day corresponding to the commencement date in the last month or year. However, where there is no corresponding day in the last month, the period shall expire on the last day of that month.

2. If the last day of a period for patent applications, requests, or other patent-related procedures (hereinafter simply referred to as “procedures”) falls on a day listed in Article 1, Paragraph 1 of the Act on Holidays of Administrative Agencies (Act No. 91 of 1988), the last day of that period shall be the day following that day. Translated with DeepL.com (free version)

(期間の延長等)
第四条 特許庁長官は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、請求により又は職権で、第四十六条の二第一項第三号、第百八条第一項、第百二十一条第一項又は第百七十三条第一項に規定する期間を延長することができる。

(Extension of Periods, etc.)
Article 4 The Commissioner of the Japan Patent Office may, upon request or ex officio, extend the periods prescribed in Article 46-2, paragraph (1), item (iii), Article 108, paragraph (1), Article 121, paragraph (1), or Article 173, paragraph (1), for the benefit of persons residing in remote or inaccessible areas. Translated with DeepL.com (free version)

第五条 特許庁長官、審判長又は審査官は、この法律の規定により手続をすべき期間を指定したときは、請求により又は職権で、その期間を延長することができる。
2 審判長は、この法律の規定により期日を指定したときは、請求により又は職権で、その期日を変更することができる。
3 第一項の規定による期間の延長(経済産業省令で定める期間に係るものに限る。)は、その期間が経過した後であつても、経済産業省令で定める期間内に限り、請求することができる。

Article 5 The Commissioner of the Patent Office, the Chief Trial Judge, or an Examiner may, upon request or on their own initiative, extend any period for which a procedure is to be performed under the provisions of this Act when such a period has been specified.
2 The Chief Trial Judge may, upon request or on their own initiative, change any date specified under the provisions of this Act when such a date has been designated.
3. An extension of a period under paragraph 1 (limited to periods specified by Ordinance of the Ministry of Economy, Trade and Industry) may be requested within the period specified by Ordinance of the Ministry of Economy, Trade and Industry, even after the expiration of that period. Translated with DeepL.com (free version)

(法人でない社団等の手続をする能力)
第六条 法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において次に掲げる手続をすることができる。

一 出願審査の請求をすること。
二 特許異議の申立てをすること。
三 特許無効審判又は延長登録無効審判を請求すること。
四 第百七十一条第一項の規定により特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審を請求すること。

2 法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審を請求されることができる。

(Capacity of Unincorporated Associations, etc. to Conduct Procedures)
Article 6 An unincorporated association or foundation that has a representative or administrator may, in its own name, conduct the following procedures:

(i) Requesting examination of an application.
(ii) Filing a patent opposition.
(iii) Requesting a trial for invalidation of a patent or a trial for invalidation of an extension registration.
(iv) Requesting a retrial of a final decision in a trial for invalidation of a patent or a trial for invalidation of an extension registration pursuant to the provisions of Article 171, paragraph (1).

2. An association or foundation that is not a corporation and has a designated representative or administrator may be requested to file a request for retrial of a final decision in a patent invalidation trial or an extension registration invalidation trial in its own name. Translated with DeepL.com (free version)

第二節 権利侵害 Section 2 Infringement of Rights

(差止請求権)第百条 特許権者又は専用実施権者は、自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 特許権者又は専用実施権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(物を生産する方法の特許発明にあつては、侵害の行為により生じた物を含む。第百二条第一項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。

(Right to Seek Injunction)
Article 100 The patentee or exclusive licensee may demand that any person who infringes or is likely to infringe his or her patent right or exclusive license right cease or prevent such infringement.
2. When making a request under the preceding paragraph, the patent holder or exclusive licensee may also request the destruction of the article constituting the infringing act (including, in the case of a patented invention relating to a method for producing an article, an article produced by the infringing act; the same applies in Article 102(1)), the removal of equipment used for the infringing act, or other acts necessary to prevent infringement. Translated with DeepL.com (free version)

(侵害とみなす行為)
第百一条 次に掲げる行為は、当該特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす。

一 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
二 特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
三 特許が物の発明についてされている場合において、その物を業としての譲渡等又は輸出のために所持する行為
四 特許が方法の発明についてされている場合において、業として、その方法の使用にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
五 特許が方法の発明についてされている場合において、その方法の使用に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
六 特許が物を生産する方法の発明についてされている場合において、その方法により生産した物を業としての譲渡等又は輸出のために所持する行為

(Acts Deemed Infringement)
Article 101 The following acts shall be deemed to infringe the relevant patent right or exclusive license right:

(i) Where the patent is for an invention relating to an article, the act of, as a business, producing, transferring, etc., or importing or offering to transfer, etc., an article used solely for the production of that article
(ii) Where the patent is for an invention relating to an article, the act of, in the course of business, producing, transferring, etc., or importing or offering to transfer, etc., an article used in the production of that article (excluding those widely and generally distributed within Japan) that is indispensable for solving the problem addressed by the invention, while knowing that the invention is the patented invention and that the article is used in the practice of that invention.
3. In cases where a patent is granted for an invention relating to an article, the act of possessing such article for the purpose of transfer, etc., or export as a business.
4. In cases where a patent is granted for an invention relating to a method, the act of, as a business, producing, transferring, etc., or importing or offering to transfer, etc., an article used solely for the use of that method.
5. Where a patent is granted for an invention relating to a method, the act of, in the course of business and with knowledge that the invention is patented and that the item is used to implement the invention, producing, transferring, etc., or importing or offering to transfer, etc., an item used in the method (excluding items widely and generally distributed within Japan) that is indispensable for solving the problem addressed by the invention
6. In cases where a patent is granted for an invention relating to a method for producing an article, the act of possessing an article produced by that method for the purpose of transfer, etc., or export as a business. Translated with DeepL.com (free version)

特許法 第十一章 罰則(第百九十六条~第二百四条) 特許法条文朗読(ナレーション)YOUTUBE動画文字付

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第十一章 罰則
(侵害の罪)
第百九十六条 特許権又は専用実施権を侵害した者(第百一条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第百九十六条の二 第百一条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(詐欺の行為の罪)
第百九十七条 詐欺の行為により特許、特許権の存続期間の延長登録、特許異議の申立てについての決定又は審決を受けた者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
(虚偽表示の罪)
第百九十八条 第百八十八条の規定に違反した者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
(偽証等の罪)
第百九十九条 この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する。
2 前項の罪を犯した者が事件の判定の謄本が送達され、又は特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
(秘密を漏らした罪)
第二百条 特許庁の職員又はその職にあつた者がその職務に関して知得した特許出願中の発明に関する秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
第二百条の二 査証人又は査証人であつた者が査証に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
(秘密保持命令違反の罪)
第二百条の三 秘密保持命令に違反した者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
(両罰規定)
第二百一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第百九十六条、第百九十六条の二又は前条第一項 三億円以下の罰金刑
二 第百九十七条又は第百九十八条 一億円以下の罰金刑
2 前項の場合において、当該行為者に対してした前条第二項の告訴は、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
3 第一項の規定により第百九十六条、第百九十六条の二又は前条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。
(過料)
第二百二条 第百五十一条(第七十一条第三項、第百二十条(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)及び第百七十四条第二項から第四項までにおいて準用する場合を含む。)において準用する民事訴訟法第二百七条第一項の規定により宣誓した者が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述をしたときは、十万円以下の過料に処する。
第二百三条 この法律の規定により特許庁又はその嘱託を受けた裁判所から呼出しを受けた者が、正当な理由がないのに出頭せず、又は宣誓、陳述、証言、鑑定若しくは通訳を拒んだときは、十万円以下の過料に処する。
第二百四条 証拠調又は証拠保全に関し、この法律の規定により特許庁又はその嘱託を受けた裁判所から書類その他の物件の提出又は提示を命じられた者が正当な理由がないのにその命令に従わなかつたときは、十万円以下の過料に処する。

特許法 第十章 雑則(第百八十五条~第百九十五条の四)特許法条文朗読(ナレーション)YOUTUBE動画文字付

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第十章 雑則
(二以上の請求項に係る特許又は特許権についての特則)
第百八十五条 二以上の請求項に係る特許又は特許権についての第二十七条第一項第一号、第六十五条第五項(第百八十四条の十第二項において準用する場合を含む。)、第八十条第一項、第九十七条第一項、第九十八条第一項第一号、第百十一条第一項第二号、第百十四条第三項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)、第百二十三条第三項、第百二十五条、第百二十六条第八項(第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)、第百二十八条(第百二十条の五第九項及び第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)、第百三十二条第一項(第百七十四条第三項において準用する場合を含む。)、第百七十五条、第百七十六条若しくは第百九十三条第二項第五号又は実用新案法第二十条第一項の規定の適用については、請求項ごとに特許がされ、又は特許権があるものとみなす。
(証明等の請求)
第百八十六条 何人も、特許庁長官に対し、特許に関し、証明、書類の謄本若しくは抄本の交付、書類の閲覧若しくは謄写又は特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求することができる。ただし、次に掲げる書類については、特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるときは、この限りでない。
一 願書、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面若しくは要約書若しくは外国語書面若しくは外国語要約書面若しくは特許出願の審査に係る書類(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものを除く。)又は第六十七条の五第二項の資料
二 判定に係る書類であつて、当事者から当該当事者の保有する営業秘密が記載された旨の申出があつたもの
三 裁定に係る書類であつて、当事者、当事者以外の者であつてその特許に関し登録した権利を有するもの又は第八十四条の二の規定により意見を述べた通常実施権者からこれらの者の保有する営業秘密が記載された旨の申出があつたもの
四 拒絶査定不服審判に係る書類(当該事件に係る特許出願について特許権の設定の登録又は出願公開がされたものを除く。)
五 特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する再審に係る書類であつて、当事者又は参加人から当該当事者又は参加人の保有する営業秘密が記載された旨の申出があつたもの
六 個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがあるもの
七 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるもの
2 特許庁長官は、前項第一号から第六号までに掲げる書類について、同項本文の請求を認めるときは、当該書類を提出した者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
3 特許に関する書類及び特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
4 特許に関する書類及び特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。
(特許表示)
第百八十七条 特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、物の特許発明におけるその物若しくは物を生産する方法の特許発明におけるその方法により生産した物(以下「特許に係る物」という。)又はその物の包装にその物又は方法の発明が特許に係る旨の表示(以下「特許表示」という。)を附するように努めなければならない。
(虚偽表示の禁止)
第百八十八条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 特許に係る物以外の物又はその物の包装に特許表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為
二 特許に係る物以外の物であつて、その物又はその物の包装に特許表示又はこれと紛らわしい表示を付したものの譲渡等又は譲渡等のための展示をする行為
三 特許に係る物以外の物の生産若しくは使用をさせるため、又は譲渡等をするため、広告にその物の発明が特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為
四 方法の特許発明におけるその方法以外の方法を使用させるため、又は譲渡し若しくは貸し渡すため、広告にその方法の発明が特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為
(送達)
第百八十九条 送達する書類は、この法律に規定するもののほか、経済産業省令で定める。
第百九十条 民事訴訟法第九十八条第二項、第九十九条から第百三条まで、第百五条、第百六条、第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)及び第三項並びに第百九条(送達)の規定は、この法律又は前条の経済産業省令で定める書類の送達に準用する。この場合において、同法第九十八条第二項及び第百条中「裁判所書記官」とあるのは「特許庁長官の指定する職員又は審判書記官」と、同法第九十九条第一項中「郵便又は執行官」とあるのは「郵便」と、同法第百七条第一項中「場合には、裁判所書記官」とあるのは「場合及び審査に関する書類を送達すべき場合には、特許庁長官の指定する職員又は審判書記官」と、「最高裁判所規則」とあるのは「経済産業省令」と読み替えるものとする。
第百九十一条 特許庁長官の指定する職員又は審判書記官は、次に掲げる場合には、公示送達をすることができる。
一 送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
二 前条において準用する民事訴訟法第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定により送達をすることができない場合
三 次条第二項の規定により書類を発送することが困難な状況が六月間継続した場合
2 公示送達は、送達する書類を送達を受けるべき者に何時でも交付すべき旨を官報及び特許公報に掲載するとともに、その旨を特許庁の掲示場に掲示し、又は特許庁の事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置くことにより行う。
3 公示送達は、官報に掲載した日から二十日を経過することにより、その効力を生ずる。
第百九十二条 在外者に特許管理人があるときは、その特許管理人に送達しなければならない。
2 在外者に特許管理人がないときは、書類を航空扱いとした書留郵便等(書留郵便又は信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして経済産業省令で定めるものをいう。次項において同じ。)に付して発送することができる。
3 前項の規定により書類を書留郵便等に付して発送したときは、発送の時に送達があつたものとみなす。
(特許公報)
第百九十三条 特許庁は、特許公報を発行する。
2 特許公報には、この法律に規定するもののほか、次に掲げる事項を掲載しなければならない。
一 出願公開後における拒絶をすべき旨の査定若しくは特許出願の放棄、取下げ若しくは却下又は特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ
二 出願公開後における特許を受ける権利の承継
三 出願公開後における第十七条の二第一項の規定による願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(同項ただし書各号の規定によりしたものにあつては、誤訳訂正書の提出によるものに限る。)
四 第四十八条の三第五項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による出願審査の請求
五 特許権の消滅(存続期間の満了によるもの及び第百十二条第四項又は第五項の規定によるものを除く。)又は回復(第百十二条の二第二項の規定によるものに限る。)
六 特許異議の申立て若しくは審判若しくは再審の請求又はこれらの取下げ
七 特許異議の申立てについての確定した決定、審判の確定審決又は再審の確定した決定若しくは確定審決(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものに限る。)
八 訂正した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容(訂正をすべき旨の確定した決定又は確定審決があつたものに限る。)
九 裁定の請求若しくはその取下げ又は裁定
十 第百七十八条第一項の訴えについての確定判決(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものに限る。)
(書類の提出等)
第百九十四条 特許庁長官又は審査官は、当事者に対し、特許異議の申立て、審判又は再審に関する手続以外の手続を処理するため必要な書類その他の物件の提出を求めることができる。
2 特許庁長官又は審査官は、関係行政機関又は学校その他の団体に対して審査に必要な調査を依頼することができる。
(手数料)
第百九十五条 次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
一 第四条、第五条第一項若しくは第百八条第三項の規定による期間の延長又は第五条第二項の規定による期日の変更を請求する者
二 特許証の再交付を請求する者
三 第三十四条第四項の規定により承継の届出をする者
四 第百八十六条第一項の規定により証明を請求する者
五 第百八十六条第一項の規定により書類の謄本又は抄本の交付を請求する者
六 第百八十六条第一項の規定により書類の閲覧又は謄写を請求する者
七 第百八十六条第一項の規定により特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求する者
2 別表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
3 特許出願人でない者が出願審査の請求をした後において、当該特許出願の願書に添付した特許請求の範囲についてした補正により請求項の数が増加したときは、その増加した請求項について前項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料は、同項の規定にかかわらず、特許出願人が納付しなければならない。
4 前三項の規定は、これらの規定により手数料を納付すべき者が国であるときは、適用しない。
5 特許権又は特許を受ける権利が国と国以外の者との共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、国と国以外の者が自己の特許権又は特許を受ける権利について第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料(出願審査の請求の手数料以外の政令で定める手数料に限る。)は、これらの規定にかかわらず、これらの規定に規定する手数料の金額に国以外の者の持分の割合を乗じて得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。
6 特許を受ける権利が国又は次条若しくは第百九十五条の二の二の規定若しくは他の法令の規定による出願審査の請求の手数料の軽減若しくは免除(以下この項において「減免」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、これらの者が自己の特許を受ける権利について第二項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料は、同項の規定にかかわらず、国以外の各共有者ごとに同項に規定する出願審査の請求の手数料の金額(減免を受ける者にあつては、その減免後の金額)にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。
7 前二項の規定により算定した手数料の金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
8 第一項から第三項までの手数料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
9 出願審査の請求をした後において、次に掲げる命令、通知又は査定の謄本の送達のいずれかがあるまでの間にその特許出願が放棄され、又は取り下げられたときは、第二項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料を納付した者の請求により政令で定める額を返還する。
一 第三十九条第六項の規定による命令
二 第四十八条の七の規定による通知
三 第五十条の規定による通知
四 第五十二条第二項の規定による査定の謄本の送達
10 前項の規定による手数料の返還は、特許出願が放棄され、又は取り下げられた日から六月を経過した後は、請求することができない。
11 過誤納の手数料は、納付した者の請求により返還する。
12 前項の規定による手数料の返還は、納付した日から一年を経過した後は、請求することができない。
13 第九項又は第十一項の規定による手数料の返還を請求する者がその責めに帰することができない理由により、第十項又は前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
(出願審査の請求の手数料の減免)
第百九十五条の二 特許庁長官は、自己の特許出願について出願審査の請求をする者であつて資力を考慮して政令で定める要件に該当する者が、出願審査の請求の手数料を納付することが困難であると認めるときは、政令で定めるところにより、前条第二項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料を軽減し、又は免除することができる。ただし、当該者のうち経済的困難その他の事由により出願審査の請求の手数料を納付することが特に困難であると認められる者として政令で定める者以外の者に対しては、政令で定める件数を限度とする。
第百九十五条の二の二 特許庁長官は、自己の特許出願について出願審査の請求をする者であつて、第百九条の二第一項の政令で定める者に対しては、政令で定めるところにより、第百九十五条第二項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料を軽減し、又は免除することができる。ただし、当該者のうち第百九条の二第三項に規定する試験研究機関等その他の研究開発及び技術開発を行う能力又は産業の発達に対する寄与の程度が特に高いと認められる者として政令で定める者以外の者に対しては、政令で定める件数を限度とする。
(行政手続法の適用除外)
第百九十五条の三 この法律又はこの法律に基づく命令の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
(行政不服審査法の規定による審査請求の制限)
第百九十五条の四 査定、取消決定若しくは審決及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書若しくは第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定並びにこの法律の規定により不服を申し立てることができないこととされている処分又はこれらの不作為については、行政不服審査法の規定による審査請求をすることができない。

 

 

特許法 第八章 訴訟 (第百七十八条~第百八十四条の二)特許法条文朗読(ナレーション)YOUTUBE動画文字付

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第八章 訴訟
(審決等に対する訴え)
第百七十八条 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
2 前項の訴えは、当事者、参加人又は当該特許異議の申立てについての審理、審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者に限り、提起することができる。
3 第一項の訴えは、審決又は決定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後は、提起することができない。
4 前項の期間は、不変期間とする。
5 審判長は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、職権で、前項の不変期間については附加期間を定めることができる。
6 審判を請求することができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ、提起することができない。
(被告適格)
第百七十九条 前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一項の再審の審決に対するものにあつては、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない。
(出訴の通知等)
第百八十条 裁判所は、前条ただし書に規定する訴えの提起があつたときは、遅滞なく、その旨を特許庁長官に通知しなければならない。
2 裁判所は、前項の場合において、訴えが請求項ごとに請求された特許無効審判又はその審判の確定審決に対する再審の審決に対するものであるときは、当該訴えに係る請求項を特定するために必要な書類を特許庁長官に送付しなければならない。
(審決取消訴訟における特許庁長官の意見)
第百八十条の二 裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴えの提起があつたときは、特許庁長官に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見を求めることができる。
2 特許庁長官は、第百七十九条ただし書に規定する訴えの提起があつたときは、裁判所の許可を得て、裁判所に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見を述べることができる。
3 特許庁長官は、特許庁の職員でその指定する者に前二項の意見を述べさせることができる。
(審決又は決定の取消し)
第百八十一条 裁判所は、第百七十八条第一項の訴えの提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない。
2 審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消しの判決が確定したときは、更に審理を行い、審決又は決定をしなければならない。この場合において、審決又は決定の取消しの判決が、第百二十条の五第二項又は第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない。
(裁判の正本等の送付)
第百八十二条 裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴えについて次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、それぞれ当該各号に定める書類を特許庁長官に送付しなければならない。
一 裁判により訴訟手続が完結した場合 各審級の裁判の正本
二 裁判によらないで訴訟手続が完結した場合 訴訟手続が完結した訴えに係る請求項を特定するために必要な書類
(合議体の構成)
第百八十二条の二 第百七十八条第一項の訴えに係る事件については、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。
(対価の額についての訴え)
第百八十三条 第八十三条第二項、第九十二条第三項若しくは第四項又は第九十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
2 前項の訴えは、裁定の謄本の送達があつた日から六月を経過した後は、提起することができない。
(被告適格)
第百八十四条 前条第一項の訴えにおいては、次に掲げる者を被告としなければならない。
一 第八十三条第二項、第九十二条第四項又は第九十三条第二項の裁定については、通常実施権者又は特許権者若しくは専用実施権者
二 第九十二条第三項の裁定については、通常実施権者又は第七十二条の他人
第百八十四条の二 削除

 

特許法 第七章 再審(第百七十一条~第百七十七条)特許法条文朗読(ナレーション)YOUTUBE動画文字付

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第七章 再審
(再審の請求)
第百七十一条 確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
2 民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
第百七十二条 審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。
2 前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。
(再審の請求期間)
第百七十三条 再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。
2 再審を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
3 請求人が法律の規定に従つて代理されなかつたことを理由として再審を請求するときは、第一項に規定する期間は、請求人又はその法定代理人が送達により取消決定又は審決があつたことを知つた日の翌日から起算する。
4 取消決定又は審決が確定した日から三年を経過した後は、再審を請求することができない。
5 再審の理由が取消決定又は審決が確定した後に生じたときは、前項に規定する期間は、その理由が発生した日の翌日から起算する。
6 第一項及び第四項の規定は、当該審決が前にされた確定審決と抵触することを理由とする再審の請求には、適用しない。
(審判の規定等の準用)
第百七十四条 第百十四条、第百十六条から第百二十条の二まで、第百二十条の五から第百二十条の八まで、第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項、第百五十四条、第百五十五条第一項及び第三項並びに第百五十六条第一項、第三項及び第四項の規定は、確定した取消決定に対する再審に準用する。
2 第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条から第百六十条まで、第百六十七条の二本文、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審に準用する。
3 第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第一項、第二項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第一項、第三項及び第四項、第百三十五条から第百五十二条まで、第百五十四条、第百五十五条第一項から第三項まで、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条、第百六十七条から第百六十八条まで、第百六十九条第一項、第二項、第五項及び第六項並びに第百七十条の規定は、特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審に準用する。
4 第百三十一条第一項及び第四項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項及び第四項、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条、第百六十五条、第百六十七条の二、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、訂正審判の確定審決に対する再審に準用する。
5 民事訴訟法第三百四十八条第一項(審理の範囲)の規定は、再審に準用する。
(再審により回復した特許権の効力の制限)
第百七十五条 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復した場合又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつた場合において、その特許が物の発明についてされているときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。
2 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
一 当該発明の善意の実施
二 特許が物の発明についてされている場合において、善意に、その物の生産に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為
三 特許が物の発明についてされている場合において、善意に、その物を譲渡等又は輸出のために所持した行為
四 特許が方法の発明についてされている場合において、善意に、その方法の使用に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為
五 特許が物を生産する方法の発明についてされている場合において、善意に、その方法により生産した物を譲渡等又は輸出のために所持した行為
第百七十六条 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。
第百七十七条 削除