科研費申請書作成で「見栄え」が大事な理由

科研費採択に必要な3要素は「アイデア」、「業績」、「見栄え」であると謳った科研費の教科書も刊行されていますが、「見栄え」は非常に大事な要素だと自分も思います。

見栄えがなぜ大事なのか?中身がよければ、見栄えはどうでもいいじゃないかと思う人もいるかもしれません。それはごもっともな意見です。しかし、採択・不採択の申請書をこれまでにいろいろ読んできた自分の経験から言うと、

見栄えが悪い=読む人のことを考えていなくて、独りよがりな印象を与える=実際に計画の中身を読んでみると、研究計画に無理があって独りよがりな計画で実現可能性が低そう

という極めて強い相関関係があります。つまり、本文を1行も読まなくても、見栄えだけで審査しようと思えばできてしまうのです。ここでいう見栄えとは、レイアウトをパッとみたときに、図の大きさが大きすぎず小さすぎず適正か、文章が詰まり過ぎておらずスカスカでもなく丁度よくて読む気が起きるか、どこに何が書いてあるのかセクションの切れ目が瞬間的にわかるか、業績が一瞬でわかるように整然とまとめて書かれているかといったことです。

強い相関があるので、見栄えが悪いと思った瞬間、どうせこの申請書はダメだろうとう判断が入った状態で読まれる恐れがあります。つまり審査委員からしたら、落とす理由を確認しながら読むことになってしまいかねないんですね。