practice gap とは?研究(成果)と臨床(実践)との間の溝

臨床研究は、日々の診療に役立てることを目的として行われています。それにも関わらず、臨床研究で得られた知見が、病院の医師たちによって直ちに受け入れられて診療に役立てられるかというと決しそんな単純に事は運ばないようです。

 

松原茂樹 編著『臨床研究と論文作成のコツ 読む・研究する・書く』で、研究と臨床との間のギャップが説明されていました。

  • せっかくの研究がしばしば生かされていない。いったい何のための研究だったのか。せっかくの貴重な研究結果が、臨床の現場で使われない。(25ページ)
  • Cochraneの主張は二つである。一つはRCTの必要性を強調したこと。もう一つは、その結果が放置されず、必要な人に利用されるようになることの重要性を説いたことである。(26ページ)
  • 研究され、その論文が必要な人に届けられ、読まれたとしても、適切に使わなければ、どうしようもない。(26ページ)
  • 研究をする人たちは新しいことが好きである。逆に実践する人は、そうそう毎日新しいことがあっては大変である。むしろあまり変わらない日々が重要である。(中略)研究者は新しいものにより批判的に、実践者は古いものにより批判的になる立場がもとめられる。(29~30ページ)

引用元:『臨床研究と論文作成のコツ 読む・研究する・書く』論文を読む 名郷直樹

 

 

プラクティス・ギャップ(Practice Gap)とは

A professional practice gap is the difference between a desirable or achievable state of practice and current reality. For example, “Current guidelines recommend X, but this is not commonly achieved in practice,” describes a practice gap. (エモリ―大学医学部)

 

参考

 

  1. Closing the Clinical Gap: Translating Best Practice Knowledge to Performance with Guidelines Implementation Lisa E. Ishii, MD, Published March 5, 2013  https://doi.org/10.1177/0194599813481203 本文有料 While thousands of clinical practice guidelines are in existence, a clinical gap exists between knowledge and clinical performance.
  2. What is a “Gap in Care?”