オートファジー

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ノーベル委員会が大隅博士の単独受賞の根拠として4編のKey Publicationsを挙げた

(1)酵母のオートファジーの発見に関する論文(J Cell Biol. 1992)
(2)網羅的な酵母のオートファジー遺伝子の分離に関する論文(FEBS Lett. 1993)
(3)翻訳後修飾分子Atg12によるユビキチン様のタンパク質共有結合反応システムを発見した論文(Nature 1998)
(4)翻訳後修飾分子Atg8によるユビキチン様の脂質共有結合反応システムを発見した論文(Nature 2000)

論文(1)は、出芽酵母におけるオートファジーの発見を、最初に報じたものであった。‥大隅博士は、この酵母システムを縦横無尽に駆使して、約15個のオートファジー遺伝子の単離に成功したのである(論文2)。‥ 論文(3)と(4)は、世界を震撼させた「オートファジー機構の解明」に関する論文である。大隅博士が単離したオートファジー遺伝子の約半数が、Atg12とAtg8を翻訳後修飾分子とする「ユビキチンと類似の共有結合反応システム(Atg12- and Atg8-Conjugation System)(Nature 1998, 2000)を構成していること」が判明したのである。そして、これらの二つの酵素系(タンパク質修飾系と脂質修飾系)が、オートファゴソーム膜形成に必須であることを突き止めた。

2016-10-27 大隅良典博士の功績と憂愁 田中啓二 (東京都医学総合研究所)

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