発生学の論文や教科書を読んでいると、中胚葉誘導の主役としてnodalが登場しますが、アフリカツメガエルの実験の記述ではXnr (Xenopus nordal-related)といった表現を目にします。nordal-relatedはnodalにrelatedな別の分子なのでしょうか?それとも同じ分子を指しているのでしょうか?ちょっと混乱させられたので、頭を整理したいと思います。
質問:nodal-related は、nordalとは別物?アフリカツメガエルにはnodal-related遺伝子以外に、別に、nodal遺伝子も存在するの?
Gemini:
いいえ、「nodal-related」は「nodal」と完全に別物というわけではありません。アフリカツメガエルには、「nodal遺伝子」が単独で存在するのではなく、「nodal-related遺伝子ファミリー」として複数のよく似た遺伝子が存在します。
用語の整理:NodalとNodal-related
アフリカツメガエルでは、中胚葉誘導などに関わるNodal様の遺伝子が、進化の過程で複数回重複した結果、6種類の遺伝子ファミリーを形成しています。
これらを総称して**「Xenopus Nodal-related (アフリカツメガエル・ノーダル関連) 遺伝子」**と呼び、Xnr1, Xnr2, Xnr3, Xnr4, Xnr5, Xnr6 と番号で区別します。
つまり、研究者がアフリカツメガエルの発生について語る場合、「Xnr (エックス・エヌ・アール)」と言えば、それはNodalファミリーに属する遺伝子を指しています。
結論:アフリカツメガエルには「nodal遺伝子」も存在するのか?
結論として、アフリカツメガエルには「nodal-related遺伝子群」とは別に、単独の「nodal遺伝子」が存在するわけではありません。
哺乳類ではNodal遺伝子は1つだけですが、カエルではそれが6つの「Nodal-related遺伝子」に増えている、と理解するのが正確です。
ただし、その中でもXnr1は哺乳類のNodal遺伝子に最も近いと考えられており、データベースなどでは**「Nodal homolog (Nodalホモログ)」**、つまりNodalの同等遺伝子として登録されています。
まとめると以下のようになります。
- 哺乳類: 1つの Nodal遺伝子
- アフリカツメガエル: 6つの Nodal-related遺伝子ファミリー (Xnr1〜6)